Fate/Magia Girl   作:サクラモッチー

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コメント欄に書かれていたけども、さやかちゃんって恋とか悩み事とかが絡まなければ非常に頼りになる存在なのかなって思ってます。
まぁ、まどマギもFate/Zeroもそもそも脚本を担当したのがあの虚淵玄先生からね仕方ない。
あと、本作のさやかちゃんはまどマギ世界で色々あったので頼れる?お姉さんみたいな感じのポジションになるかも?


奇跡と魔法と覚悟と

殺人鬼に殺される一歩手前だった男の子こと、楠木大樹がキャスターのサーヴァント....もとい、自称魔法少女を名乗る美樹さやかを召喚してから数時間後、今現在の大樹とさやかは冬木市内を移動していた。

と言うのも、大樹がサーヴァントであるさやかを召喚したことは聖杯戦争に参加することを意味していたので、大樹とさやかはあえて敵マスターの襲撃に備えるために冬木市内を転々としていたのである。

 

ただ、その際に使用している資金がいわゆる殺された両親の金だったため、その息子である大樹の胸の内が複雑だったのは言うまでもない。

更に言えば.....大樹はともかく、今のさやかの見た目が誰がどう見ても女子中学生の姿だったため、大樹とさやかは人目のつかない場所で野宿していたのだ。

 

それから、一応聖杯戦争についての知識がインプットされていたさやかにより、大樹は自身が巻き込まれた戦いについての情報を知ったからか、彼の心境は非常に複雑なものになっていた。

 

「マスター、ご飯買ってきたよ〜」

「あ、ありがとう!!」

 

さやかは親を殺された大樹の心中を察していたものの、聖杯戦争に巻き込んだことに対しては責任感を抱いていたようで、心の傷を負った自らのマスターの心と身を案じつつ、共に行動していた。

そんな大樹はサーヴァントであるさやかに心を許しつつあったが、それでも自身の使い魔として使役している彼女が一体何者かということが気になっていたようで、さやかの手元から菓子パン入りのビニール袋を受け取った後、彼女に対してこう尋ねた。

 

「....ねぇキャスター」

「ん?何?」

「キャスターって....本物の魔法少女、なの?」

 

恐る恐るといった様子でそう尋ねる大樹に対し、その言葉を聞いたさやかは一瞬だけ苦笑いの表情を顔に浮かべると、今晩の野宿先である公園のベンチに座った。

そして、彼女はそのまま袋の中にあった菓子パンと紙パックのジュースを手に取った後、視線を大樹の方を向けながらこう言った。

 

「うん、まぁ、一応はね」

 

大樹に対してそう言った後、袋の中からもう一個の菓子パンと紙パックのジュースを取り出してそれを大樹に手渡すさやか。

一方、菓子パンと紙パックのジュースを受け取った大樹はさやかの様子を見ながら食事を始めていて、大樹のその姿を見たさやかは優しい笑顔を浮かべながら菓子パンを一口食べた。

 

一応ってことは、キャスターは本当に魔法少女だったんだ。

そう考えながら、大樹はモグモグと菓子パンと紙パックのジュースを食べたり飲んだりしつつ、さやかの言葉を耳を傾けていた。

 

「一応はって....どういうこと?」

 

さやかの発した言葉に対し、大樹はそのことが少しだけ気になったようで........彼女に対してそう尋ねていた。

そんな自身のマスターの反応を見たさやかは、大樹に分かりやすく説明するにはどうすればいいのかと考えた後、菓子パンを食べながらこう言った。

 

「魔法少女はね、主に魔法の杖とかじゃなくて物理的な武器と魔法を操って戦うんだ。まぁ、魔法とかはキュゥべえとの契約内容によるんだけどね」

「..........キュゥべえって誰?」

 

さやかの口から出た言葉に対し、年頃の子供だからか興味津々な様子でそう言う大樹。

自身の話に興味を示している大樹を見たさやかは、クスッと笑うとまるで自身の弟のように大樹の頭を撫でながら言葉を続けた。

 

「妖精?みたいな存在で、私達のような魔法少女はキュゥべえに願いを叶えてもらう代わりにその願いに応じた魔法を手にするんだ。例えば、生きたいと願えば命を繋ぐと言う意味合いでリボンを操る魔法。例えば、時を戻したいと願えば時に関する魔法....とかね」

「へぇ〜、じゃあキャスターはどんな魔法を操れるの?」

「ん〜、主に治癒系かな?」

「治癒?」

 

さやかとの会話の中で思わず首を傾げる大樹の姿を見たさやかは、自身のマスターが改めて自分よりも幼い子供だということを理解したようで、年下のマスターである彼を聖杯戦争に巻き込んだことを後悔していたのか、大樹に悟られないように唇を噛んだ。

そして、大樹を安心させるように自らのところへと抱き寄せると、彼に対してこう話を続けた。

 

「まぁ、要するにどんな怪我も治す魔法だね」

「じゃあ、それが今のキャスターの宝具っていうやつなの?」

「いや、どっちかって言ったらスキルに昇華されちゃってるっぽいから、正確に言えば宝具じゃない感じだね」

 

さやかはそう言った後、一息つくかのように紙パックのジュースを飲み干すと、そうなんだという感じで更に興味を示している大樹に対して、やれやれという顔になっていた。

けれども....彼女のその心の中では、自身の保有していない宝具のうちの一つのことを話したら確実に心配するだろうと思ったようで、とりあえずもう一つの宝具のことを話せばいいかと結論付けると、大樹に向けてソウルジェムを召喚しながらこう言った。

 

「これが私の宝具.....【霊魂の宝玉(ソウルジェム)】で、これが無いと魔法少女に変身できないんだよね」

「え、そうなの?」

「そう、だからこの宝具は私にとって重要なアイテムってわけなの」

 

そう言うさやかの瞳には、かつて別世界で魔法少女として活動していた頃の自分の記憶が浮かんでいたのか、徐々にその瞳は潤んでいった。

ただ、彼女自身は大樹を心配させたくないと思ったようで....瞳から溢れる涙を拭いた後、彼に対してこんなことを言った。

 

「そういうわけで、今の姿の私は何の変哲の無いただの女子中学生だからそこのところよろしくね♪」

 

さやかがそう言うと、大樹はだから制服っぽい格好をしているのかと納得したような表情になると、その言葉に応じるようにコクリと頷いた。

マスターである大樹の様子を見たさやかは、聖杯云々よりもマスターが無事に生き残れるように努める覚悟を決めたようで、彼の片手をギュッと握った。

 

「.......キャスター?」

「ねぇマスター、君は聖杯にどんな願いを叶えて欲しいの?」

「えっと....まだ考え中」

 

大樹が照れながらそう言うと、さやかもまたニパッと笑うと

 

「実はね、私もまだ考えている途中なんだよね〜」

 

そう言った後、まるで弟を可愛がるようにわしゃわしゃと大樹の頭を撫でていた。

 

大樹のサーヴァントとして召喚され、大樹を巻き込んだからには何としても生き残りたい。

さやかはそう考えつつ菓子パンを平らげると、自身と同じく菓子パンを完食した大樹を優しそうな瞳で見つめていた。

 

「....キャスターって魔法少女なのに剣士みたいだね」

「ゔっ、否定できない.......」

 

子供ならではの大樹のズバッとくる発言に対し、再び苦笑いをしながらそう言うさやか。

けれども、その顔には嫌な表情は浮かんでおらず......彼女は大樹の横で背伸びをすると、これからどうぞよろしくとばかりに彼に向けてこんなことを言った。

 

「マスター、これから一緒に頑張ろうね!!」

「うん!!」

 

そういうわけで、夜が深まるのと共に絆を深めていった大樹とさやかなのだった。




ショタくんとさやかちゃん、仲を深めるの巻。

大樹に対し、さやかちゃんが弟のように察している理由はただ単に親友の弟であるタツヤくんを思い出したからだとか。
また、さやか自身の本当に叶えたい願いはキュウベェに叶えてもらったからか、聖杯に対して叶えて欲しい願いは特に無いらしい。
なお、さやかにはもう一つの宝具があるらしく....?
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