ベル・クラネルの父親に転生してしまった!?(本人は無自覚です)   作:カステラ

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プロローグです、よろしくお願いします。


全盛の英雄の都
転生ってワクワクするよな!!※プロローグ


 

諸君、君たちは世界の中心と呼ばれる様な場所に来たら何をする?

仕事を見つける?住む場所を探す?それとも田舎にはないもので遊び呆ける?

 

 

否!否!!否!!!

 

 

都会に来たら真っ先にやること、それは──────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女遊びだ────!!!

 

 

 

 

 

 

 

────────────────

 

 

 

 

「ヤッホー!!どこを見ても美女だらけ、さっすが英雄の都!!」

 

 

道の真ん中で叫ぶ男がいた。

いや、男というより少年に近い見た目をした、赤髪赤目のヒューマンである。

 

そして馬鹿みたいなことを叫び、注目を集めていた。

 

 

(転生してからはや数年、この時をどれだけ待ちわびたことか……)

 

 

「やっぱ都会といえばこれだよこれ、こうでなくっちゃ!!」

 

 

訂正、本当に馬鹿かもしれない。

都会の価値はそれしかないと言わんばかりに大声で言う、その少年は、田舎者である。

 

親に無理を言って自らの身一つで都会に乗り込んできたのだ。

この英雄の都───オラリオに。

 

 

オラリオ。それは神々が天界より降りて来たこの時代において最も発展しているといっても過言ではない都市。

まさに英雄の都と呼ぶに相応しく、ゼウスとヘラと呼ばれる神の二代派閥が席巻する、神時代(しんじだい)最強の都市である。

 

そんな都市に少年はやってきた。

 

女漁りとある目的をもって。

 

 

「よーし、さっそくナンパしてやるぞ〜!俺のハーレムはここからだ!!」

 

 

そう勢いよく、出発する─────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐべっ!?」

 

 

 

 

 

 

──────前に、石に躓いて転んだ。

 

 

 

「いって〜〜!?こっこんなとこに石があるとは、けしからん街だ!!」

 

 

少年はそう言って痛みに悶える。

 

直後、笑い声が周囲から聞こえて来た。

 

 

「なにあの子w」

「面白いやつだな〜ww」

「変なこと言って、石に躓いて転ぶってwww」

 

 

大爆笑である。

まるで道化のように振る舞うその行動で、周りの人は喜劇でも観るかのように笑っている。

 

ただ一人の少女だけが心配したのか、少年に近づいていく。

 

 

「だっ大丈夫ですか!?」

 

 

その言葉にハッとした少年はすぐさま立ち上がると──

 

 

「大丈夫ですよ、お嬢さん!!というかこのあと私とデートでもいかがです?」

 

 

「えっ、え〜〜??」と少女は困惑していた。

 

 

それをみた周りの人はさらに笑みを深くし、笑い始める。

 

 

そこはまるで、喜劇の演劇でもしているかのように、笑いが広がっていた。

 

 

 

──────────────────

 

 

 

「まったく、この街の人々は笑いすぎなんじゃないか?」

 

 

先ほどの人混みが解散し、当然のように少女に振られた少年は裏道を歩いていた。

 

自分の過失だが、まるで人のせいのように不満げに言う。

 

 

「よし、気を取り直してナンパだ!!美女を捕まえてやるぞ~!!」

 

 

と少年が意気込んだ時、前から声が聞こえて来た。

 

 

「ん?なんだ?喧嘩か?」

 

 

こんな裏道で声が聞こえてくるというのはあまりないと思い、誰かがトラブっているのかと少年は疑う。

 

 

そのとき、前から人が走ってきた。

 

 

(まさか─────喧嘩から逃げてきたんじゃ?)

 

 

そう少し心配になり、覗き込むようにみてみると。

 

 

「うお〜〜〜!!?追いつかれる〜〜〜!??」

 

 

走ってきたのは、体格の良い老人だった。

 

なにかとてつもなく焦っている様で、こちらには気づいていない。

 

 

(えっ、なにこれ)

 

 

喧嘩かと思っていた少年は、その老人の様子に違和感を覚える。

 

「追いつかれたら終わる!!」そのような表情で走っているのだ。

 

なにかやましいことがあるにせよ、そこまで鬼気迫る表情をするほどのことが迫っているのかと考えてしまう。

 

なんて考え事をしていたため、反応が遅れた。

 

 

「あっ」

 

 

「あっ」

 

 

すぐそこまで老人が迫っていることに。

 

ゴチンッ!!という鈍い音とともに衝撃がくる。

少年はまたもや痛みに悶える。

 

 

「いって〜〜!??なにすんだこのジッさん!!」

 

 

痛みに耐えながら、目の前にいる老人を睨みつける。

 

前に人がいることくらいあの距離になれば分かるはずだと言外に伝えようとして、少し驚く。

 

 

「ああ、終わった……」

 

 

そう老人が絶望したような顔で言う。

 

 

さすがにそこまで絶望したような顔でいうのはなにかあると思った少年は、老人に事情を聞こうとする。

 

 

が、その前に──────

 

 

 

ゾクッ!!!!

 

 

「ひっ!?」

 

 

とんでもない悪寒が、体中を駆け巡る。

まるで死神が、鎌を構えて後ろで佇んでいるかのようだと幻視するほどの。

 

それほどにすさまじい悪寒だった。

 

 

(なっなにが……)

 

 

 

 

 

────なにがくるんだ?

 

 

 

 

 

先ほどの老人の怯えようは、これが原因だったのだと即座にわかった。

これほどの悪寒を発させるものが近くにいる?そんなバカな。

 

 

「お主、早く逃げるんじゃ!!!」

 

 

突如、老人が叫ぶ。

 

 

「ここにいてはお前まで巻き込まれてしまう!!!」

 

 

なんだなんだと、恐怖で回らなくなりそうな頭で考える。

 

 

「アヤツが来る前に、早く!!?」

 

 

アヤツ────この老人が言うそれが、この悪寒を発している正体なのだろう。

 

まぁ、わかったところでどうしようもないが。

 

 

「あっあんたはどうするんだ?」

 

 

「わしのことはいい!!殺されはしないだろう!だがお前さんは違う!!」

 

 

「どんな目に遭うかわからん!!!」と老人が叫ぶ。

 

確かにこの状況だ、逃げたほうがいいのだろう。

自分は何も関係ないし、老人の言葉が真実だとしたらろくでもない目にあうのは確定である。

 

普通に考えればそうだ。

 

だが────

 

 

「そんなことできるかよ!!ご老人をおいて逃げられるか!!」

 

 

彼はお人好しでもあった。

 

だから逃げるという選択肢を取れなかった。

 

老人が驚いたような顔をする。

 

 

 

 

 

 

 

 

その時、カツンカツンという足音が聞こえて来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

「かっかくれろ!!」

 

 

「どわあ!?」

 

 

老人をそこら辺の大きなゴミ箱の中へ押し込める。

自分が囮になるように、少年はゴミ箱に入らず外で立つ。

 

やがて、その足音の正体が見えてくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは女神だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美しき髪、美しきその尊顔、黄金比のその体。

 

どれをとっても一級品である女神。

 

 

 

だが、少年は。

 

 

 

(目が怖すぎる〜〜〜!!!??)

 

 

めちゃくちゃ恐怖していた。

 

その深淵の如き眼、発している雰囲気。そのどれもがその美しさを霞ませて余りまる。

 

そして遂に、その女神が口を開く。

 

 

「貴様、見たか?」

 

 

「は、はい?なっ何をでしょうか?」

 

 

恐怖で受け答えができなくなりそうになりながらも、踏ん張る少年。

 

ここで踏ん張らなければ、恐らく老人共々酷い目に遭う。

ここまで来たらそう信じて疑わなかった。

 

 

「ある神を見なかったかと、聞いている」

 

 

女神が語気を強くする。

それだけで少年は失神しそうになる。

 

 

「(まじこえ〜〜!??)みっ見てないですね……」

 

 

必死に答える。

実際嘘は言っていない、少年が見たのは神ではなく老人だから。

あの老人はこの女神のように、神威を発していなかった。

 

だからありのままを答える。

 

そして、女神の返答を待つ。

 

 

「───────そうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう言うと、女神は踵を返した。

 

 

 

 

 

────────────────────

 

 

 

 

 

(行ってくれた………)

 

 

そうして少年は息を大きく吸い込み。

 

 

 

 

 

 

「生きててよかった〜〜!!!!」

 

 

 

 

思いっ切り言葉を吐いた。

 

そして後ろに振り返り、老人に言う。

 

 

「じっジッさん!!行ったぞ!!」

 

 

そう言うと、老人は恐る恐るゴミ箱から出てくる。

見ると、相当怯えていた。

 

 

「行ったのか……?ほんとうに?」

 

 

「ああ!!生き残ったぞ俺たち!!」

 

 

まるで死地にいたかのような言い方をする少年と、まだ信じられない様子で外をうかがっている老人。

 

本当にいないのかを確認した老人は、一拍を置いてから。

 

 

「ありがとーう!!!!おぬしは命の恩人じゃ〜〜〜!!!!」

 

 

「ぎゃ〜〜〜!!??抱きつくな〜〜〜〜!????」

 

 

なんとも締まらないが、これが少年の冒険の始まりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうでしたか?この時空は分かっていないことが多いので、どうすればいいのか探り探りですが。どうかよろしくお願いします。
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