ベル・クラネルの父親に転生してしまった!?(本人は無自覚です)   作:カステラ

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無力

 

3日後、ゼウス・ファミリアのホーム。『雷雲の館』にて。

 

打撃音が響く。

 

 

 

「がっ?!がはっ!?」

 

 

 

少年が崩れ落ちようとする。

 

対して、対峙する男は立ったまま。

 

男───マキシムは言う。

 

 

 

「────焦っているな」

 

 

 

少年は痛みを忘れ、硬直する。

 

まるで図星を突かれたように。

 

 

 

「その焦りはお前を押し上げる要因ともなるが、それゆえに死にも直結する」

 

 

 

その言葉を聞き、少年は木剣を杖のようにして立ち上がる。

 

まるで「わかっている」、「言っている暇があるなら相手をしろ」と言っているかのように。

 

それを見たマキシムは、しょうがないとでも言うように木剣を構え直す。

 

 

 

「言葉は要らんか────こい」

 

 

 

そうマキシムが言うと、少年は突撃する。

 

まるで何かに追われるように。

 

 

─────────────────────

 

 

「─────何をあいつは焦っている?」

 

 

そう言うのは、ゼウスファミリア幹部。ザルドだ。

 

それに耳を貸すはファミリアの主神、ゼウス。

 

 

「あの時ダンジョンから帰ってきたとき、あいつは何かあったような顔してたからな」

 

 

それにゼウスは答える。

 

 

「まあの〜、あいつが何を思っているかは正直わからんが」

 

 

それに一拍を置いて、ゼウスは言う。

 

 

「あやつの中でなにかが変わりかけている、という予感はするの」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時、少年──────アルバスは何をしているかと言うと。

 

 

「グガアアアアアアア!!!」

 

 

「邪魔だ」

 

 

そう言うと少年は直剣を振るう。

 

それだけでオークは真っ二つになり崩れ落ちる。

 

それに少年は構いもしないで迷宮の奥へと進んでいく。

 

 

(……こんなんじゃダメだ、アルフィアはこれよりもっと凄かった)

 

 

まあ、少年自身は全く満足していないようだが。

 

ここに伝令神がいれば、なんという成長、なんという飛躍、とでも言っただろうがあいにくここには誰もいない。

 

いや、いたとしても少年は進むだろう。

 

 

あの約束を守るために。

 

 

そして、少年の前にシルバーバックが3体現れる。

 

今か今かと獲物をまち、狩るために。

 

それに対し少年はひるむことなく直剣を構える。

 

 

「────こいよ、糧にしてやる」

 

 

このあとも少年の戦いは続いた。

 

 

──────────────────

 

 

その後、ボロボロになりながら帰ってきた少年はヒーラーからお叱りを受け、治療室のベッドで横になっていた。

 

 

(────こんなことをしている暇はないんだけどな)

 

 

そう思いながらも、これ以上の戦闘はできそうにないのも事実。

 

口惜しく思いながらも、少年は眠りに就こうとする。

 

 

その時、ドタバタという足音が聞こえてくる。

 

 

誰だこんな時にと思うものの、その答えはすぐに分かった。

 

 

「アルバス!暇か?暇じゃな?暇じゃろ!!」

 

 

そう騒がしい老人の声が治療室に響く。

 

ゼウスだ。

 

それに対して、少年はけだるそうに返事をする。

 

 

「─────なんだ?ゼウスのジッさん、今から寝るんだけど」

 

 

そんなことを言いながら、ゼウスの話を聞く。

 

するとゼウスはとんでもないことを言い出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「神聖浴場をのぞきにいくぞ!!」

 

 

「ha?」

 

 

アルバスは呆けた。

 

神聖浴場?神聖浴場ってあの女神だけが入れるやつだよな?そこを覗く?まじで?

 

 

「あのな?ゼウスのジッさん」

 

 

「うん?なんじゃ改まって」

 

 

少年は各人の意味も込めて聞き返す。

 

 

「それ、本気?」

 

 

「前にも言ったじゃろう、わしはこの手の話題に関して真摯なんじゃ」

 

 

「だから嘘は言わん」とゼウスは言う。

 

個人的には嘘であって欲しかったが、まあ肯定されてしまった。

 

 

「………まじでやるのか?」

 

 

「何度もいわせるでない!わしはやると言ったらやる男じゃ!」

 

 

あーこれは止まらないなと思った。

 

なのでアルバスは断ろうとする。

 

ろくでもない目に遭うのはわかっていたから。

 

 

「あのなジッさん、行くなら勝手に一人で「いいのかの?」?何が?」

 

 

ゼウスは言う。

 

 

「とんでもない美女神達の裸が見れるぞ?」

 

 

「!?」

 

 

その時、アルバスに電流走る!

 

さらに続けて言う。

 

 

「胸もおっきいじゃろうな〜まじで」

 

 

そこでアルバスは迷った。

 

女神たちの裸なんてこれから一生のうちでいくら見られるか分からない。

 

しかし、これがバレてダンジョンや鍛錬が禁止になったら本末転倒。

 

約束から遠のいてしまう。

 

 

(でも、女神たちの裸か〜〜!!もったいないよな〜!!)

 

 

そう、彼はどうしょうもない変態■■■■■■■であり、こうゆう話題には敏感だった。

 

例え、先ほどの一件で悔しさが心中を支配したとしても。

 

 

だから彼は───────

 

 

 

 

 

 

 

「行こうぜ!ジッさん!女神たちの裸、この目に焼き付けてやろうぜ!!」

 

 

「それでこそじゃあ〜〜!!!」

 

 

迷うことなく、死地(笑)へ足を踏み出した。

 

 

───────────────────────

 

 

まずゼウスとアルバスが行ったのは、警備の配置とその穴探し。

 

と言ってもこれは事前にゼウスが調べていたため問題なく通過できた。

こうゆうことに関しては他の追随をするさないのがゼウスである。

 

 

「げっへっへ!上手く侵入できましたね旦那〜!」

 

 

「おぬしも悪じゃの〜!」

 

 

「「げっへっへっへ!!」」

 

 

そんな声が天井裏に響く。

 

本当にろくでもない男たちである。

 

 

そしてゼウスたちは移動し、天井の一部に穴を開けた場所にいく。

 

ここから覗こうという寸法である。

 

その時、女神達が共に風呂場へ入ってきた。

 

 

「うひょースッゲー!」

 

 

「これ!あんまり大きな声を出すでない!バレるじゃろうが」

 

 

そう言ってゼウスは口に手を当てる。

 

それに対して、アルバスは言う。

 

 

「でもさぁ!こんな光景見て興奮するなってほうが無理じゃない?」

 

 

「まあそれはそう」

 

 

「「でへへへへへへ!!」」

 

 

本当に最低である。

 

このまま堪能し、ときが来たら帰ろうと言う計画を立てていた。

 

本当に夢心地だった。

 

 

 

と、その時───────

 

 

 

 

 

二人の体重に耐えられなかった天井の材木が、崩れ落ちた。

 

 

 

 

 

「「へっ?」」

 

 

 

 

 

二人の声が重なり、直後に下に衝撃がくる。

 

 

大きな音を鳴らし、降ってきたものに女神たちはビクッとする。

 

そしてそれを認識した神から悲鳴が上がる。

 

 

そう──────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「キャアアアアアアア!!!覗きよー!!!」

 

 

「「「「「キャアアア!!!」」」」」

 

 

最悪(笑)の始まりである。

 

そのことを認識機能した時、アルバスがとった行動は。

 

 

 

 

 

 

「三十六計逃げるにしかず!!」

 

 

「………えっ?ちょまてーー!??」

 

 

ゼウスを置いて逃げることだった。

 

さらば友よ。すまない、俺の無力のせいで!!

 

 

 

 

 

 

まあ見捨てたからといってそうそう逃げられるはずはなく、騒ぎを聞きつけた警備兵がやってくる。

 

 

「やつだ!追え!!」

「絶対に逃がすな!」

「神聖な女神の浴場に立ち入った愚か者を許すな〜!!」

 

 

「ひ〜!?おっかね〜〜!!」

 

 

自業自得なのにも関わらず、警備兵から逃げ回るアルバス。

 

さっさと自首すればいいのにと思わなくもないが、まあ無理だろう。

 

捕まったら女神たちに八つ裂きされることは確定である。

 

 

「───!あそこに逃げるしかないな!!」

 

 

だんだんと追い詰めかけられているアルバスは、空気口のような場所に入り込む。

 

しかも、曲がり角を曲がったところにあるので警備兵からは急に消えたように見えるおまけ付き。

 

 

「どこに行った!?」

「探せ!まだ近くにいるはずだ!」

 

 

そう言って遠ざかっていく声に安堵し、さらに空気口の奥へと進む。

 

しかし、ここで問題が発生する。

 

 

「やっべ構造わからね……」

 

 

構造がわからないのである。

 

どこに繋がっているか、とかがわからないのである。

 

これはまずい、うっかり警備兵がいるところに出てしまうと一貫の終わりである。

 

だが、行くしかない。

 

通路を歩くのはもっとリスクが高い。

 

それゆえに彼は進んでいった。

 

 

 

─────────────────

 

 

 

ホコリまみれの通気口を進み、どれほど経っただろうか。

 

少ししかたっていないと思うが、ようやく光が見えてきた。

 

 

(や、やっとだ!やっと出れる!)

 

 

まあ彼にとっては苦痛そのものだったが。

 

そして彼は通気口の外へと──────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら?」

 

 

「えっ?」

 

 

そこに女神がいた。

 

まるで美を凝縮したような女神だった。

 

これ以上の女神となると、並ぶのがヘラ様くらいしか知らないというほどの。

 

純粋に思った。

 

 

(綺麗な神だな……)

 

 

と。

 

そして知っていた、この女神のことを。

 

 

「あら、いい夜ね」

 

 

その女神の名は。

 

 

「こんにちは、愉快な迷い人さん?」

 

 

「女神フレイヤ………」

 

 

その人である。

 

 




どうですかね?ようやく原作でもまともに登場したキャラが出てきましたが、口調は変ではないですか?感想お待ちしております。
あとゼウスが誘ったのも理由があります。
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