ベル・クラネルの父親に転生してしまった!?(本人は無自覚です) 作:カステラ
メーテリアに覗きがバレ、鍛錬とダンジョンアタックを禁止された翌日。
暇になった彼は、ホームにあるダンジョンに関する文献を読んでいた。
「あー、ダンジョン行きてぇなー!まあ自業自得なんだけど…」
ダンジョンの情報が載った本を読み漁りながら、彼はぼやく。
完全に自業自得であり、この程度で済んでいるだけマシであるのだが。
ちなみにザルド達には怒鳴られた。
「……行くか?フレイヤ様の言った所」
暇すぎて、今まで考えないようにしていたことを考えてしまう。
そう、あの夜フレイヤ様に言われたノームの万屋。
一応原作でも出てきたところだが、この時代にあったとは。
フレイヤ様に言われたことだから嘘というのはないと思うが。
そもそもそんなくだらない嘘をつく必要がない。
いまいち苦手意識が消しきれない相手だが、悪い神ではない……はずだ。
そう考え、同時にメーテリアへの言い訳も考える。
「────まあ、ダンジョンでも鍛錬でもないし、大丈夫か!」
そう楽観的に考え、ノームの万屋へ行く準備をする。
念の為、直剣だけをもち、部屋を出る。
「────さて、何があるんだろうな」
そうおっかなびっくり呟き、ホームの玄関へ足を進めた。
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ホームを出て、しばらく歩きながら通行人たちにノームの万屋の場所を聞き続け、たどり着く。
言っては悪いが、いかにも客がこなさそうな店という印象である。
扉をあけ、店に入る。
それと同時に店扉に設置されたベルのようなものがカランカランと音を立てる。
「────いらっしゃい」
そう、ノームの万屋の店主が言う。
少し店の中をみて、用件を言う。
「あの、女神フレイヤからの紹介なんですけど…」
そう言うと店主は胡乱げな顔をする。
「女神フレイヤぁ?兄ちゃんあの女神の眷属なのかい?」
「い、いえ、俺は違います。その…知り合いというかなんというか……」
それを聞くと、店主は初めから分かっていたかのように言う。
「まあそうだろうな、お前さんはパット見フレイヤの眷属って感じじゃねえ」
「狂信者っぽくねぇしな」と付け加える。
あいつらそんなふうに見られてるのか、とアルバスは思う。
ロキ・ファミリアと違い、あまり外面を重視しないからだろうか。
そういう印象がついてくるのだろう。
実際狂信者なのは合っているし。
「で?そんなおまえさんが、女神フレイヤの紹介で何を求めるってんだい?」
店主が聞いてくる。
まあ疑問に思うのも当然だろう。
眷属ではない、直接の紹介状なども持っていないやつが、なにを求めるのかが気になるのだ。
とは言っても、
「いや、俺も何なのかはわからなくてですね?言われた通りに来ただけなんですよ…」
答えられるのは何もないのだが。
まあ、こんな答えでは納得してもらえないだろうなとアルバスは思う。
女神フレイヤに言われたことを証明する手立てはないし、どうしようかと思っていると。
「そんなこったろうとおもったよ、あの女神め」
そんなことを言う店主。
「え?」
「あの女神、神の勘だとか言ってここに預けていったものがあるんだよ。『いつか誰かが取りに来るから』とな」
それを聞き驚愕する。
えっ勘?そんなもので?そんなんあり?あっでも原作では神の勘ってけっこう重宝されてたよな?
とそんなことが脳内で駆け巡る。
まあ常人には及びもつかないからこそ、神という存在は成り立つのだろう。
そんな思考で無理やり決着をつける。
そんなことより聞きたいことがあるのだ。
「なあ店主………そのフレイヤ様が置いていったものってなんだ?」
そう聞くと、店主は「少し待ってろ」と言い、奥の方へ引っ込む。
しばらくして、店主はあるものを抱えて戻ってきた。
それは古びた本のようにも見えるが、不思議な感じもするようなものであった。
そしてアルバスはその存在に思い当たる。
「………まさか、これって」
「ああ、
それがなぜこんなところに………
「こんなところで悪かったな」
「えっ?口に出てましたか!?すんません!!」
どうやら口に出ていたようだ。
いくらなんでもさすがに失礼すぎたと反省する。
「それで、これがフレイヤ様からの預かりものなんですか?」
「そうだ、これ以外は預かってねえ」
なるほどこれが、確かにこれはかなり有用なものである。
ダンジョン探索で大いに役立ってくれるだろう。
しかし、彼は受け取るのを躊躇った。
(これを受け取ったら、フレイヤ様に借りを作ることになる。俺個人ならいいけど、ファミリアだったらまずいよな……)
そう考えているからだ。
だが、店主は言う。
「そのフレイヤ様からの預かったときの伝言だ」
店主が口にしたのは、
「『気にせず使ってね』だとさ」
またも彼は驚愕する。
(あの
やはり神の考えは理解できない、そう思った。
「それで?どうすんだ?受けとんのか?」
店主がそう聞くと、アルバスは少し悩んでから。
「受け取ります」
とそう答えた。
──────────────
「えーと?なになに?『猿でもわかる☆魔法入門』?なんだこのふざけた題名……」
ホームに帰り、彼はグリモアを開く前に題名や外見を確認していた。
特に外見は変わったとこは見られず、普通の本という形だった。
「─────よし、読んでみるか」
そう決心がついたのか、本を開き始めるアルバス。
どうすればいいのかわからないので、取り敢えず原作のベル・クラネルと同じように読む。
「魔法とは、昔はマジックユーザーのエルフなどが使用していたものであり?それは────」
夢中で読み込んでいく。
ふざけた題名だが、その通りに猿でもわかるかのように意識して書いてあると思えるほど、知識書としてもとても良くできていた。
魔法の歴史、どこからのはじまり、その他の魔法にまつわることを書き連ねてあった。
夢中で読んでいく。
やはりふざけていたのは題名だけで、中身はちゃんとしていると読んでいて思った。
もう少し題名をマシにしたらもっと売れるのではと思うほど。
夢中で読む。
気づけばかぶりつくように読んでいる。
もっと知りたいと思えるほど、その本は精巧だった。そして次のページへ捲っていく。
夢中で───────
『さあ、始めようか』
気づけは暗い空間にいた。
周りは何も見えず、宙に浮いているようなそうではないような。
そんな不思議な感覚がする。
いや、一つだけ見えるものがある。
自分だ。
その自分は語りかけてくる。
『俺にとって魔法って?』
それに自信満々に答える。
「やっぱりベル・クラネルのファイアボルトじゃね?それが一番ダンまちで印象に残ってるわ」
『適当だなぁ…じゃあ俺にとって魔法ってどんなものだ?』
「さっきも言った通り、炎雷……あ、あとアルフィアみたいな速いのも特徴だと思う」
『さっきから適当すぎない?……まあいいや、じゃあ魔法に何を求める?』
「強さ、それだけ」
「ただ強ければそれで─────」
『違うだろ?』
「───────」
『俺にとって大事なものは?』
「……強さ、弱い自分を否定するできるような」
『違う、俺にとっての魔法はそんなものじゃない』
「……癒し、それがあれば■■■を助けられたかもしれないから」
『違う、それはあの人への侮辱だ』
「……じゃあなんだよ!なんなんだよ!俺にとっての魔法って!!お前はこたえられるのか!?」
『両方』
「ぁ────────」
『両方あればいい、誰かを助けるための力も、誰かを癒すための力も、両方』
「…………傲慢だなぁ」
『ああ、そうだな』
「『だが』」
「それが俺だ」
──────────────────
「zzzzzzz………はっ!?」
アルバスは飛び起きる。
いつの間にか眠ってしまっていたらしい。
まあグリモアを見て眠るのは知っていたが。
「あとは、魔法が発現したかどうかだな」
それだけだ。
そして彼は思う。
(………なんか大事な夢をみてたような気がするんだけどな)
彼はそう考えて──────
「まあいっか!後でわかるだろ」
そう思考を断ち切った。
「まあ十中八九あの夢だし〜」と楽観的に考える。
先ほどのやり取りは、彼の中に何も残さなかったように見えた。
何も意味がなかったように見えた。
だが、それは確かに彼の中に刻まれた。
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夕食をとったあと、ウキウキでゼウスに恩恵を更新してもらうように頼む。
そして、なぜそんなにウキウキなのかと疑問に思いながらも、ゼウスは「まあいいわい」と恩恵を更新する。
そこでゼウスは目ん玉ひん剥くような顔をすることになる。
アルバス・クラネル
Lv1
力:C632
耐久:B782
器用:D569
敏捷:B756
魔力:I0
《魔法》
・速攻/全癒魔法。
・雷属性。
・
連結詠唱:【我が約定よ、我が決意よ、出会いし
《スキル》
・格上との戦闘時早熟する。
・決意に応じて効果向上。
・約束を違えたとき効果消失。
・魅了に対する抵抗権。
・神威に対する抵抗権。
ゼウスはあんぐりしながら言う。
「…………おぬし何やったんじゃ?」
「はは!ひ・み・つ」
「ぶん殴るぞ」
チートすぎると思った人はすみません。
次回は多分ダンジョンだと思います。
あと第二階位の魔法の連結詠唱はマインドを膨大に消費するので使ったら気絶します。