ベル・クラネルの父親に転生してしまった!?(本人は無自覚です) 作:カステラ
夢を見ている。
とても懐かしい、夢を。
「■■■、たいちょうは大丈夫?いつもごめんね」
「ええ、大丈夫よ■■。ありがとね」
そんな会話を、していたような気がする。
自分は■■■が心配で、いつもそんなことを言っていたような気がする。
■■■がかけて欲しいのは、そんな言葉じゃなかったはずなのに。
それに気づいたのは、手遅れになったあとだった。
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「うーん、お嬢さぁん、僕とお茶でもしなーい?むにゃむにゃ……ハッ!!」
そんなことを言って、飛び起きる少年がいた。
「あ、あれ?あの美少女は?桃色天国は!?どこにいった!??」
そんなバカなことを言いながら眠りから覚める。
そして少ししてから、少年は落胆する。
「なーんだ、夢かよー」
ずいぶんとくだらない夢をみていたような少年は、そういえばと周りを観察する。
(あれ、ここどこだ?)
少年がねている間に、周りの景色が一変していた。
まるで中世の宿のようなそこは、とても先ほどの景色とはにてもにつかない。
その時、声がする。
「ぐが〜〜〜〜」
「!?」
突然のことだった。
咄嗟に振り返ったそこには、あの老人がいた。
「あっそう言えば……」
昨日飲み明かしたんだっけと、思い出してきた。
路地裏で死ぬような思いをして出会ったあの老人と。
(あ〜、なるほどそういうことね)
(昨日好きな女のタイプを言い合ったような気がする)
「おいジッさん、起きろ〜!」
そう言って声を掛ける。
そして老人が声を発する。
「でへへ〜、あそこに美女がおるぞ〜〜!突撃じゃ〜〜!!」
「うわ、くっだらない夢見てる」
絶対に人のことを言えない言い草をしながら起こす。
この二人は案外似た者同士かもしれない。
「うーん……ハッ!?美女は!?桃色天国は!!?」
訂正、似た者同士である。
「おいジッさん、ここは宿だぞ、あんたが取ったんだろ?」
「おっお前さんは……あーなるほど昨日の小童か……」
「誰が小童じゃい」
そんなことを言い合いながら、二人は目が覚めていく。
そして少年は先ほどから気になっていたことを、老人にぶつける。
「それでジッさん、聞きたいことがあるんだけど」
「うん?なんじゃ改まって?」
少年はそういいながら、急にまじめな雰囲気を醸し出しながら老人に聞く。
「──────俺の体がすごく軽いんだけど、どゆこと?」
そういい、圧を出しながら。
対し、老人はしどろもどろになりながら答える。
「あー、それはの?その──────
恩恵、刻んじった☆!」
そう悪びれなく言う。
「この!!裏切りもんが〜〜!!!」
どこぞの某巨人のような雄叫びを上げながら、少年は切れた。
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「わ、悪かったってな?このとうり許してくれんか?」
「お前ができるだけ苦しんで死ぬように、努力するよ……」
「うわこわっマジギレじゃん」
そんなやり取りをしながらも、少年は情報のすり合わせを行っていく。
「つまり?酔った勢いで内緒で酔いつぶれた俺に、恩恵を刻んでやろうと言うことになって本当に刻んじまったと?」
「はい、そういうことです……」
「バカじゃないの?」
「そんなポンポン刻むようなものじゃないだろ恩恵って」と思いながら、少年は言う。
「まあもういいや、あんたが神であることはわかったし、神威を隠していたこともわかった。恩恵をもらって利はあっても不都合はあまりないからな。良しとしよう」
「ま、まじで?いいのかの?」
「なんだ許して欲しくないのか?」
「いえ!許してもらってありがとうございます!!」
見事な土下座を披露しながら老人────
「じゃあそれで?あんたのホームに連れてってくれるんだよな?」
「ああ、それはもちろんじゃ。恩恵を刻んだ以上、おぬしは家族だからの」
と、老神は言う。こういう調子のいいところはあるが───
(こういうところがあるから憎めないんだよな〜〜)
短い間でも、それを感じ取っていた。
そうして宿をでて、老神のホームへ向かう。
「そういえば、あんたのホームってどんなところなんだ?」
少年は気になっていたことを聞く。
すると、老神が答える。
「まあそれはじきにわかる」
それだけだが。
少年は思考する。
(さっきから頑なに言おうとしないんだよな〜、何かあるんだろうか?)
そうこうしているうちに、これまた豪華な建物が見えてくる。
まるで城のようであり、周りの建物と比べても抜きん出ている。
(うわスッゲー、こんな場所もホームなのか?)
自分の原作知識にない時代であるため、推測でしか言えないが。
中堅派閥とは言えアポロン・ファミリアもかなりの拠点だったため、この建物もそうなのだろうなと辺りをつけていた。
「着いたぞ、小童」
突然、老神がそんなことを言う。
「?……おいジッさん、ここなわけないよな?こんな建物なわけないよな?」
少年は大いに困惑する。
なぜなら───────
先ほど話題に出た建物だったからだ。
(いやいやいやいや、立派すぎるだろ。こんなスケベ神のホームにしては…………うん?スケベ神……?)
その時、少年は思い出す。
原作の中で、とんでもない変態として語られていた神を。
そしてそれでも、醜聞に勝るほどに偉大だった神を。
その名は───────
「さて、改めて自己紹介と行こうかの」
老神が口を開く、そして衝撃の言葉を口にする。
「わしの名はゼウス、この下界で最も栄えたファミリアの主神じゃよ」
よろしく頼むぞと、その老神はなんでもないように言った。
どうでしたか?ゼウスのおじいさんをうまく書けているか居たら幸いです。次回もよろしくお願いします。