ベル・クラネルの父親に転生してしまった!?(本人は無自覚です)   作:カステラ

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続きです。よろしくお願いします。


遠征帰還、そして才禍の怪物

 

ゼウス・ファミリアの訓練場。

 

そこには二人の人物の影があった。

 

一人は筋骨隆々の男。顔面に傷があり、鎧をまとい、凄まじい覇気を放っている。

 

対して、それに対峙する一人の影。

先ほどの男と比べると、頼りない印象が先行する少年だった。

 

 

そんな二人は今────

 

 

 

「はあッ───!」

 

 

少年が飛び掛かる。

 

勢いを利用し、よりダメージを与えるため突きの体勢をとる。

 

 

しかし、

 

 

 

「軽い」

 

 

 

たった一言、その一言を発し腕の一振りで少年を吹き飛ばす。

 

少年はふっ飛び、訓練場の壁に激突する。

 

 

「がはっ────!!」

 

 

肺から空気がはじき出される。

視界が点滅する。

 

なにをされたのかもわからない少年は、必死に思考をする。

 

 

(なんだ…?何を食らった?腕で吹き飛ばされたのか?)

 

 

猛烈な痛みに耐えながらも、思考は決して止めない。

 

戦いでは思考は武器となるし、情報は絶大だ。

 

故に冒険者は考え続けなければならない。

 

死なないためにも。

 

 

「どうした?もう終わりか?」

 

 

男─────ザルドが問う。これで終わりかと、もう諦めるのかと。

 

 

「それとも、お前の意思はその程度なのか?」

 

 

刹那、それを言われたことで少年の戦意が立ち昇る。

 

まるで、それだけはないと否定するかのように。

 

 

「違う──!まだ……だ!まだ!!」

 

 

そう言って立ち上がり、木剣を構える。

 

それをみたザルドは満足げに笑う。

 

 

「ふっ─────ならばやってみろ、食らうに値しない獲物よ」

 

 

「俺に、お前の価値を見せつけてみせろ」

 

 

その言葉と同時に、少年は駆け出す。

 

強大なものとの戦いへと。

 

 

───────────────

 

 

「あ〜!くっそ!全然敵わん!」

 

 

アルバスは、そう言って愚痴を言う。

 

何を隠そうこの少年、先の稽古で瀕死に追い込まれたのである。

 

ザルドの稽古は前にも言った通り、苛烈を極めるものでありまさにスパルタ。

 

同じファミリアの仲間でも───いや、同じファミリアの仲間だからこそ容赦が一切ない。

 

やると言ったらやるし、普通に瀕死にも追い込む。

 

それがゼウスとヘラのやり方である。

 

ほかの派閥では考えられないことだ。

 

 

 

 

ふと、治療室のカレンダーらしき物をみる。

 

すると、カレンダーに「遠征帰還、その祝い」と書かれていた。

 

ヒーラーの誰かが書いたのだろうか?

 

なんて関係がないことを考えるが、答えは出ない。

 

そして、気になることがある。

 

 

(遠征……やっぱりそうなんだな)

 

 

前々から気になっていたことだ。

 

なぜザルド以外の幹部が誰もいないのか、なぜヘラ・ファミリアのホームに行ったときに幹部がいなかったのか。

 

その答えがこれ、遠征だ。

 

遠征は大量の物資と人材を投入して行うものだ。

 

故に幹部を遊ばせておく暇はない。

 

 

(遠征なら、“アルフィアさん”がいないのも頷ける……なんでザルドが残っているのかはわからんけど)

 

 

ならばなぜ、幹部であるザルドが残っているのか。

それがわからないのだが。

 

 

(まあ、考えても仕方ないしな)

 

 

考えても答えは出ない、ならばもっと有意義なことを考えるべきだ。

 

そう思い思考を切り替える。

 

 

「……よし!ダンジョンにでも行くか!」

 

 

いつも通り、鍛錬のあとはダンジョンである。

 

 

───────────────────────

 

 

そしていつも通りダンジョンに行って帰ってきたあと、遠征の帰還パーティーをやるから準備しろとザルドとナルドに言われ、手伝いをしてから幹部と顔を合わせることになった。

 

 

「お?おまえが新入りか?俺はパァル。よろしくな!」

 

 

「俺はアルバス・クラネルです!女の趣味は胸のでかい女性!よろしくお願いします!」

 

 

「あっははは!おいゼウス!生きのいいの拾ってきたじゃねえか!」

 

 

そう大男が爆笑する。

 

それに大神が答える。

 

 

「おお!そうじゃろ?酔った勢いで恩恵を刻んだやつにしては上出来じゃ!」

 

 

「───────まて、お前今なんつった?」

 

 

自分の耳がイカれたのかと疑うパァルはもう一度聞き返す。

 

そうそうだよな酔った勢いで恩恵を刻んだなんて幻聴に決まって────

 

 

「だからのぉ!酔った勢いで恩恵を刻んで─────」

 

 

「この馬鹿野郎がアアア!!!」

 

 

「何やってんだ〜!!」とキレ散らかすパァルを周りの団員達が止めにかかる。

 

まあ、彼にしてみれば主神が自分がいない間に問題を起こしていたので切れたという形なのだが。

 

まあこれも何時ものことである。

 

常識人ほど損をする、そういうことである。

 

 

(あーあ…怒鳴らてやんのゼウスのジッさん。まあしゃあないよな〜、俺だってどうかと思うもん)

 

 

そんなことを思いながら速攻でゼウスを見捨てる判断をするアルバス。

 

当に外道である。

 

 

────────────────

 

 

そんなこんなで、パーティーを開く準備がととのった。

 

ゼウスとヘラが段上に上がり、子供たちの帰還を祝うセリフを口にする。

 

 

「────────それでは、遠征からの帰還を祝って」

 

 

「乾杯じゃあ!!!」

 

 

 

「「「「「「乾杯!!」」」」」」

 

 

数々の声が重なる。

 

この宴の、幕開けである。

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前がアルバスか?」

 

 

宴の開始と同時に、とてつもなく覇気の乗った声がアルバスにかかる。

 

その声に少し驚きながらも振り返る。

 

するとそこには、いわゆる細マッチョの体型の男が大剣を背負い立っていた。

 

 

「えっと、もしかしてあなたは─────」

 

 

「ああ、俺がゼウス・ファミリア団長、【英傑】(マキシム)だ。よろしくな少年」

 

 

「アルバス・クラネルです、そう呼んでもらって構いません」

 

 

一応目上の人なので敬語で接する。

 

しかし、それがおかしかったのかマキシムは苦笑する。

 

 

「そんなに硬くならずとも大丈夫だ。これでも同じファミリアだしな、これからよくやっていこう」

 

 

「わかった、そういうことなら。よろしく頼むぜ?団長?」

 

 

すぐに打ち解けたのか、敬語はとけ、フランクな接し方へと代わる。

 

それを特にマキシムも不快には思わなかったようで、快く応じる。

 

その後、2人で話をしていたのだが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突如、鈴の音を転がしたような声がした。

 

 

「マキシム、こいつを借りるぞ」

 

 

そう言うと、その少女は────────

 

 

 

 

 

 

 

思いっ切りアルバスの首根っこを掴んで引きずった。

 

 

 

 

 

 

「いたたたた!?なになになに?!」

 

 

突然のことでアルバスは困惑する。

 

一体誰だ?何のつもりだ?そんな考えが頭をよぎる。

 

そして、その手下人の顔をみてやろうと見上げたとき───

 

 

「…………えっ?なんで?」

 

 

困惑した。

 

それは知っている顔でもあり。知らない顔でもある。

 

そう、知識としては知っていても会ったことはない。

 

その人物は────

 

 

 

「【静寂】のアルフィア……」

 

 

傍若無人の少女である。

 

 

────────────────

 

 

アルフィアに引きずられ、パーティー会場から少し離れたところに連れてこられたアルバス。

 

彼はアルフィアに疑問を提示する。

 

 

「……それで、なんで俺を連れてきたんだ─────ですか?」

 

 

それを聞いたアルフィアは少し不機嫌になったようで。

 

 

「────なんで、だと?」

 

 

とても恐ろしい声を出した。

 

 

「はっはい!!理由がわからないと言いますか連れてこられる心当たりがないと言いますか……」

 

 

だんだんと尻すぼみになる声で答える。

 

彼にしてみれば何もわからないのだ。連れてこられた理由も。

 

 

「そんなもの、決まっている」

 

 

アルフィアが答える。

 

それは、

 

 

 

 

 

 

 

「妹をたぶらかした塵を、この手で消し炭にするためだ」

 

 

 

 

 

その声と同時に、短い詠唱(うた)が響く。

 

咄嗟に反応しようとするが、それでは遅い。

 

 

【福音】(ゴスペル)

 

 

ありえないほどの詠唱の短さで、あり得ないほどの威力が発せられる。

 

反応できなかったアルバスは無様に吹き飛ばされ、壁に激突する。

 

 

「がはっ─────!!」

 

 

肺から空気がはじき出され、視界が点滅する。

 

昼間のザルドの一撃とは比べ物にならない衝撃が体中を駆け巡る。

 

 

「ほう?気絶はしていないな、少しはできるようだ」

 

 

そんな言葉が聞こえてくる。

 

それに対し、彼は心の中で毒づく。

 

 

(ふざけんな!死ぬとこだったぞ!?)

 

 

咄嗟にバックステップで威力を軽減しなければ確実に気絶していただろう。

 

いや、気絶だけで済んだか怪しい。

 

それ程の一撃。

 

 

「だが、次は避けられるか?」

 

 

そんな声が聞こえてくる。

 

そしてアルバスは思考する。

 

 

(まずい!まずい!まずい!このままじゃ本当に消し炭になる〜!?)

 

 

そこら辺の石でも投げつけて隙を作ろうかと思ったその時───

 

 

 

 

 

 

 

 

「なにやってるの!?姉さん!!」

 

 

今度は儚くも美しい声が聞こえて来た。

 

その声にアルフィアは動揺する。

 

そしてそれはアルバスも同じ。

 

 

なぜ彼女がここにいるのか?とその時だけは思考を同じくした。

 

 

「メ、メーテリア?」

 

 

その彼女の名をアルバスは呼んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?途中から雑になってないか心配ですが、よろしくお願いします。
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