ベル・クラネルの父親に転生してしまった!?(本人は無自覚です) 作:カステラ
これからもよろしくお願いします。
処女雪のような真っ白な髪を揺らしながら、少女───メーテリアは立っていた。
とても恐ろしい笑顔をしながら。
「────それで?姉さん?私の恩人に何をしていたの?」
「い、いや……メーテリア?これには理由が」
アルフィアが必死で言い訳をしようとする。
だがそれを許すほど今のメーテリアは甘くない。
「理由ってどんな?どんな理由があったら私の恩人に魔法を向けることになるの?」
怒髪天を衝くとはこのことのように、メーテリアはブチギレながらアルフィアを詰めていく。
その様子を見ていたアルバスは思った。
(────女って、怖……)
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一通り説教を終えたメーテリアは、アルバスへ向き直る。
「ごめんなさいね、姉さんが迷惑かけて……」
「イエ、オキニナサラズ」
「??どうしたのそのしゃべり方?」
恐怖のあまり片言になってしまったアルバスだが、メーテリアの顔が近くに接近すると、顔を赤くして離れる。
「?!ち、近い!近いって!!」
「そう?ごめんなさい、男の人とはあまり話したことがないから……」
「わかってくれたならいいや」と自分を納得させる。
その直後、強烈な殺気がメーテリアの後ろから放たれる。
「ひっ!?」
「??どうしたの?」
「なっ何でもないです!」
その殺気の主、アルフィアの意思はこうだろう。
「お前近づきすぎ、あとこのこと言ったらどうなるかわかってんだろうな」と。
(わかっているだろうな?)
目線でも訴えてきた。
もはや脅迫である。
「そ、それで!メーテリアはどうしてここに?」
少々強引に話題を転換する。
もう詰められたくない一心で。
「姉さんが赤髪赤目のヒューマンを引きずっていったってみんなから聞いたのよ、もう……」
なるほど、それならば頷ける。
大方病状が良かったため、このパーティー限定で外出が許可されたのだろう。
「そしたら姉さんの魔法の音が聞こえて急いで来たの」
「……そっか、ありがとなメーテリア」
なにはともあれ、心配してくれたのは嬉しいことだ。
まあ、実の姉妹だということには驚いたが。
(あの【静寂】のアルフィアと姉妹か……まあ言われてみれば似てるような………)
そんなことを思ってもくちには出さない、反応が怖いから。
主にアルフィアの。
と、その時少し遠くから声が聞こえて来た。
「おーい!おぬしらなにイチャイチャしとるんじゃ〜!」
「わしも混ぜろ〜!」と意気揚々とこっちに走ってくるのはゼウスである。
そして、それに対しアルフィアは、
「
魔法で迎撃した。
「うぎゃ~!!??」
それに対しアルバスとメーテリアは驚きアルフィアを凝視する。
「おっおい、アルフィア?!ゼウスジッさんになんてことを!死んじまうぞ!?」
「姉さん!!」
信じられないことに、神を魔法で迎撃するという暴挙をしでかしたアルフィアは、メーテリアの声にビクッとする。
「だっ大丈夫だメーテリア。手加減はした」
「そういう問題じゃないの!!」
(あ~こりゃまた怒られるな)と思ったアルバスは、ゼウスを叩き起こすため離れる。
正直自業自得とも思うが、ゼウスにここで死なれるとザルドたちも困るだろうと心の中で言い訳をして助けに行く。
(なんでこんなことをしなきゃならんのだ……)
そんなことを考えながらも、まあ自分もそうするかと納得した。
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後日、パーティーが終わり幹部たちもホームに戻ってきた日。
マキシムに教えを請い、そしてボッコボコにされたあと。
アルバスはダンジョンに来ていた。
「ふっ!!」
直剣を振るい、コボルトとダンジョンリザードをバラバラに吹き飛ばす。
付いた血を振り払い、魔石を拾い集める。
「────まだまだ、中層にも行けそうにないな」
そうひとりごち、魔石を拾い終わったため歩き出す。
アルバスは中層と考えているが、そもそも冒険者になり一月も経っていない状態で中層を目指すなど夢を見すぎであるのだが、突っ込むものは誰もいない。
「さて、もう少し潜ったら帰るか」
「その後は鍛錬だな」
そういい、さらに奥へと足を進めるアルバス。
(─────見ていてくれ、■■■。必ずあんたとの約束は果たすから)
そう胸に秘めながら。
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「─────よし、帰るか」
あのあと、もう少しと言ったがかなり潜り。未到達階層を更新したアルバス。
大体7階層らへんである。
2週間と2日の冒険者にしては異常すぎるスピードで進んでいた。
その時、鐘の音色が響く。
「!?」
何だなんだと周りを警戒し、音の方へ疾走する。
そこには───────
才禍の怪物がいた。
「
煩わしいとでもいうように、音を撒きながら敵を、いや彼女にとっては雑音を蹴散らす。
この階層が目的ではないようで、サポーターの少女も連れていた。
「ちょっとアルフィアさん!?私にあたるところだったんですけど!??」
「知らん」
「嘘でしょ〜〜?!」
そんなふうにそのサポーターの少女は喚く。
彼女がサポーターを連れて行くほどの階層に潜るのかとアルバスは思う。
そして彼女たちはアルバスに気づかずに、下の階層へ潜っていく────
突如、アルフィアの腕がこちらへ向く。
(あ、やっべ!!!!)
咄嗟に身をよじる。
その横を凄まじい速度で音の塊が通過する。
「いつまで見ている?貴様は」
「いや!もっと優しく言ってくれません!?」
自分に気づいていたのはアルフィアだけではなかったようで、そのサポーターの少女も特に驚いた様子もなく彼に声をかける。
「あ〜!あなただったんですか!ずっと誰かと思っていましたよ!」
「あれ?会ったことあったっけ?」
そう疑問を提示するが、彼女は何気なしに。
「この前のパーティーでアルフィアさんにボコられてた人ですよね!」
「いや!!覚え方!!!」
なんともまあ酷い覚え方である。
まあ事実だが。
「事実だろう」
「あんたは黙っとれ!!」
「
「うおっ!?あぶね!!」
またもや彼に向けて福音が放たれる。
彼は思う。
(美人でも絶対こんな女ごめんだわ!!)
かなり失礼なことを。
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「それで?貴様何をやっている?」
「ダンジョン探索の帰りだよ、音が聞こえたから見に来たの」
(見に来なきゃよかったけどな!!)
そう内心で毒づく。
まあこんな目に遭えば当たり前だが。
「そうか、ならば少し付き合え」
「話聞いてた?俺今から帰るんだけど」
「ならば魔法を撃ち込まれるほうがいいか?」
「喜んで行かせていただきます!!」
くそう!と心の中で思い、同じくサポーターになった少女に哀れみの目を向けられながらダンジョンの奥深くへもぐっていった。
いかがでしたか?
次回はアルフィアさんたちとダンジョン探索です。
あと【女帝】はどうしていたのかというと、興味がないので来ませんでした。