夜明け -片割れ三ツ巴-   作:NIGHTMARE⭐︎

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31.銃を持った複数人

エレベーターから、10人ほどの銃を持った武装兵が降りて来た。

「銃…!?」

美甘が珍しく驚いた声を出す。

「気づかれてしまっては仕方ない。2人とも死んでもらう」

グレファルがニヤリと笑う。韋駄丸はすでにバッグを開いて剣を取り出していた。とはいえ、銃を持った敵を複数人相手した経験などない。美甘も立ち上がって薙刀を構える。

「どういう意味ですか」

韋駄丸がグレファルに尋ねると、グレファルはまたしても腕時計をトントンと指で叩く。どうやらそれが緊急時の合図だったらしい。

 

「いいさ、どうせ死ぬ2人だ教えてやろう。私の趣味は『改造死霊』を作ることでねぇ。ある人物にその力を買われて、それを高額で買ってもらっているんだ」

グレファルは邪悪な笑顔で2人を交互に見つめる。

「市場管理の一部がこの会社の仕事なわけで。違法取引をもみ消すのも容易くてね…とはいえこれを君らにバラされたら私は終わりだ。死ね」

グレファルの声と共に兵士たちが同時に発砲した。

「…チッ」

美甘は素早く床に潜って攻撃を回避する。韋駄丸はそうもいかず素早く走って避けるしかなかった。

兵士のうちの1人の足元から素早く美甘が現れ、兵士を薙刀で斬り飛ばした。

「ぐあぁ!」

兵士は吹き飛び、他の兵士たちはそれを避けて散り散りになった。その隙を韋駄丸が見逃さない。韋駄丸の蹴りがまた別の兵士に直撃し、ドミノ倒しのように兵士が倒れていく。韋駄丸はそれに違和感を覚えた。

(弱すぎないか?)

「どけっ!」

美甘が薙刀から赤い斬撃を打ち出してまた3人の兵士が吹き飛ばされた。兵士たちはあっという間に殲滅されていた。

 

「ちっ…まあいい。どうせ戦闘経験も碌にない社員だ、捨て駒に過ぎない」

グレファルの声がする。声の方向を見ると彼はすでにエレベーターに乗り込んでいた。

「っ…逃げられるぞ…!」

韋駄丸が声を上げた頃には、その男は閉じていくドアの隙間からこちらに笑いかけていた。

「ふんっ…!」

突然美甘が素早く駆け出す。半透明の赤い薙刀をドアに挟んで強硬手段で止めるつもりらしい。

「さあそこで改造死霊と過ごせ」

グレファルが意味深な言葉を呟く。

がきゃん!

凄まじい金属音が走った。薙刀が届くより一瞬早く扉は閉まり切り、その刃がドアにめり込んでいた。美甘はギザギザな歯を食いしばって乱暴に薙刀を引き抜いた。

「ボタンの反応がない。あのおっさんがエレベーターに細工して停止させたらしい」

「はぁ?じゃあこっから出られないじゃんか」

韋駄丸はエレベーターに何発も斬撃を叩き込むが、金属製の扉はそう簡単には壊れない。破壊される頃には、あの男はすでにここにはいないだろう。

「でもな…確実に俺らを始末しにくるはず」

「ん。あの館に改造死霊ってのを取りに行ってるんじゃない?」

美甘が首まで床に浸かりながら呟く。韋駄丸はそれを見てふと思う。

 

「それで壁とか通り抜けて下まで伝っていけないか?」

「…あ、そうじゃん…でもあんたは?」

韋駄丸は悩んだ末言う。

「非常階段とか外にないか探して来てほしい」

「りょ。行ってくる」

美甘がするりと床に潜っていった。

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