デジタルワールドの管理者『ゲッターロボ』 作:マネモブ
爆誕、ゲッターロボ
白い空間、その底には有象無象の情報群の海がただ広がっていた。
『動物』、『兵器』、『文化』──人間のネットワークに放たれたそれらの情報は複製され、削除された、破損して、修復されここに辿り着く。
そこに例外はない。善悪関係無く運ばれる。嫌な情報も良い情報もこの世界を満たすものに過ぎない。
そんな世界に一つ、変化が訪れた。まともに姿形を視認できないほどのドス黒い六角形の金属片。
『皇帝の欠片』。宇宙を喰らう機械の怪物の装甲のほんの一部。
奪還者とでも称されるべき荒々しい機械たちの戦いの記録を全て保持したデータバンク。
それがゆっくりと情報の海へと接近しているのだ。しかしそれを防ぐ存在は情報の海にはない。
ただただ情報の海と皇帝の欠片の接近は実行された。刹那、情報の海の全てが皇帝の欠片に吸い上げられていく。
戦いのみの記録だったのが、世界を構築できるまでの情報群で補完されていく。
情報の一変までを吸い上げた皇帝の欠片は爆発を引き起こす。
その爆発は、白紙の世界を押し広げるとともに皇帝の欠片の代理を生み出すものだった。
赤、白、黄色の配色。
鋭く尖った二つの角に巨大な球体の肩、前腕からシザーが生える細身の奪還者。
肥大化し、いずれ宇宙を喰らう機械の怪物。
──それ、即ちゲッターロボである。
ただ果てしなく続く白紙の世界に俺は立っていた。風はなく、ゲッターウィングも靡かない無の空間。
そこに足を踏み出してみる。音もない、湿度も温度もその全てがない。
皇帝の欠片は俺に世界を作らせたいらしい。
まあ情報群から組み立ててもらった命だ。恩返しぐらいはしようと思う。
皇帝の欠片から情報を取り出した俺は、まず最初に皇帝の欠片を中心に『壁』を設けた。
分かりやすく言えばファイヤーウォール、火の壁だ。ブロックする対象は皇帝の欠片への接触を試みる存在。
コンピュータウイルスなどは俺たちのことを気にも留めていなかった。良いことなのか悪いことなのかよく分からん。
さて、火の壁が覆う範囲だが……ひとまず島一つぐらいで良いだろう。ちゃっちゃかと引っ張り出した情報から土やらを実装した後に皇帝のかけらを地面の奥深くに沈めて、世界の中心に目印としてゲッタートマホークを突き刺す。
これでよし。
更に作業は進んでいく。土の情報を導入したことで今俺が踏んでいる地面はふかふかの土だ。
ここに森と池を作る。
皇帝の欠片が、どうにもうるさいからな。
正直植物の成長パターンなどはよく分からないので今はハリボテを置くだけだが……。
イメージとしては木漏れ日のある森だ。
そこに動物なんかもいれば最高だが、それは植物以上に大変そうだからやめておく事にする。
俺は立ち上がって辺りを見渡す。
まだまだ雑な森だけの殺風景な世界。
寂しい世界だ。
………仕方ない。俺は、世界の中心に突き刺したゲッタートマホークを握りしめて沈黙する。
出来る限り植物の成長システムを超高性能に作り上げよう。
そう決めて、意識を皇帝の欠片へと沈めたのだ。
だから気付かなかった。己の世界にとある存在が迷い込むことを……。
……………息抜きは漫画にしよう。
幸いな事に皇帝の欠片には沢山の漫画がある。
行き詰まった時はこれを読んで……ん?
なんだこれは。
俺の魂を構成している奴の1人が読んでいた漫画か…。
まあ良い。これを読んでみるとするか。
この漫画のタイトルは……あった。
『高校鉄拳伝タフ』…ジャンルは格闘漫画か。
ワシは主人公にタフ語録を使わせたくて雑な導入をしたんや
その雑度…500億