デジタルワールドの管理者『ゲッターロボ』 作:マネモブ
デジタルワールド:エンペラーの海。
かつてウザーラと呼ばれる異界の存在が牛耳っていた領域。
そこは今、多種多様な海洋デジモンによる弱肉強食。仁義なき永劫の戦いの時代と化していた。
ありとあらゆる完全体、究極体のデジモンが縄張り争いをして、海の王へ至らんとする。
ゲッター線が満ち、より強い闘志が他の種火を取り込んで強大となる。
皆が『皇帝の欠片』より『海の管理権』を貰うことを夢見ていた。
しかしそれを、望まないデジモンもいることは事実。
彼らはひっそりと影に潜み、質素な暮らしを過ごしている。だが平和は長続きしない。力を求めたデジモンが弱き者達を食い潰してより強くなろうとすることもある。
実際この争いが起こった時はそうなった。
数多の非力なデジモンが襲われた。
その度に誰かが叫んだ。
「助けて!」
その度に否定された。
「誰も助けになんて来ない」
いつからか弱者は助けを呼ばなくなった。
この時代に正義なんてあるものかと悟った。
夢も平和も奪い去られた、何もないのだ弱者には。
希望を失い、全員が戦うしかなくなった。
皆が生きる気力を失った。自由を失った。
ただ一人、理不尽に対して並々ならぬ憎悪を抱くデジモンを覗いて………。
…………そこから数年が立った。
相変わらず弱者は襲われ、蹂躙される。
その中にはデジタマから孵ったばかりのデジモンもいた。
幼すぎるデジモンが叫んだ。
「誰か助けて!」
誰もがそのデジモンは死ぬと考えた。誰もが助けに来ないと思っていた。
その言葉はしっかりと……強者の耳に届けられた。
この争いを引き起こす環境を作り上げた存在を憎み、強者を否定するために誕生した奪還者。
かつてこの世界の『管理者』と同一の存在を追い詰めた魔竜の力を秘めた剣を握りしめ、左腕は洗礼された異形の腕──ゲッター線を色濃く浴びて変貌したエビドラモンと一体化させた──から弾けるゲッターエネルギーが力の膨大さを物語る。
本来、人を助ける性質にない種族のデジモンが様々な競合デジモンと戦い勝利を収めた。
助けを呼ぶ声にすぐさま駆けつけて悪党を倒す海底のヒーロー。
奴を倒そうとするデジモンは星の数ほどいたが、その全てが切り刻まれ…ゲッターの光に焼かれた。
とある特殊なゲッターが戦った勢力『アトランティス』。
その情報データを受け継いだレガレクスモンは、ゲッターエネルギーを使い自身を守るシールドを作り上げた。更に片腕はエビドラモンと融合させ、ブースターに……。
全てはかつて『管理者』たちと戦った色褪せた白、あれの死体を発見してしまったがために。
彼はそれらから人々を守り、助ける英雄になろうとしていた。
海底のヒーロー、電撃の身体を持つ岩石の竜、“バグ”の力を宿した蟲の王、剣と盾を備えた最強の騎士──。
まだ揃わなくともデジタルワールド:エンペラーを照らす“灯火”は各地で発生していた。