デジタルワールドの管理者『ゲッターロボ』 作:マネモブ
現実世界で一ヶ月が経とうとするほどの長い年月。ゲッターロボの両眼に光が灯り、微動だにしなかったその鋼の身体が動き出した。
風が吹けば、草を、葉っぱを、ゲッターウィングを揺らす。木漏れ日が心地好くこのまま一眠りしたい程の夢心地だ。
この小さな世界の管理者たるこのゲッターは1ヶ月の間、植物の成長システムと水の情報を詰め込んだ水に酷似した流動液体の開発に勤めた。
いくら皇帝の欠片が様々な情報を持っていたとしても、それは情報を"持っている"だけなのだ。
いくら情報を持っていても組み立てや応用が出来なければ意味は無い。
だから自分で組み立てるのだ。面倒臭いと思うが仕方ない。皇帝の欠片ではなくゲッター自身がやるべき事だから仕方ない本当に仕方ない。
更に言えば問題は他にもあった。
それは"アレ"を用意していた皇帝の欠片が原因であり、ゲッターロボの問題でもある。
そう、ゲッターロボのタフ語録汚染だ。
なんとこの管理者たるゲッターロボ、休憩の合間に読んだタフにドハマりして、そのままとある掲示板を覗き見て語録のデータ豪雨をマトモに喰らってしまった。
──タフ語録、複数のインターネットコミュニティで使用されている猿渡哲也作品『高校鉄拳伝タフ』『ハード』『GOKUSAI』などの印象的なセリフのことである。
いにしえの日本インターネット文化に根付いたアレのようにタフ語録は、そのまま使用したり一部改変したりする。
特徴と言えば、独特な言葉使いに下品だったり差別的、攻撃的なのも含まれるフルコンタクト・愚弄語録。
そしてタフ語録を使う存在を『
とにかくこの世界の管理者ゲッターロボが、マネモブになったことが予想外な事態。しかし皇帝の欠片の意志は半ば諦めたようにそこら辺の干渉を諦めた。
ゲッターロボが地獄のようなシステム構築から解放された次にやったのは世界の壁を押し広げる作業だった。植物の成長システムを確立できた今、いちいち植える作業も必要ない。それならば一気に広げてしまえ、という考えだった。
火の壁はドンドン広がっていき、最終的にゲッターロボが保持している情報の中の一つ『北海道』に匹敵する大きさにする。まだ最初の部分以外のっぺり白紙の空間だが、問題ない。
ここに大草原を作り上げて、山脈を作り、大洞穴を作ろう。だがここで1つの事に気付く
「…そこまで作るとなると生物が欲しくなりますね…マジでね」
生物の存在。デジタルな世界においてこの上なく再現が難しい存在。皇帝の欠片の情報からではプログラムの通りにしか動かない存在にしかならない。
ゲッターロボは、ううんどうすれば良いんだ?と考え込んだ。
次回、ホストコンピューター『イグドラシル』の世界襲撃