デジタルワールドの管理者『ゲッターロボ』 作:マネモブ
世界を照らす程に激しい炎を纏ったゲッターロボが、ウザーラへと迫り行く。
ウザーラは、危機を感じとりながらもゲッターを確実に仕留められるであろうこの状況に乗らざるを得なかった。
ウザーラは雷撃を、ゲッターロボは炎を撃ち出した。
雷撃は確かにゲッターロボの装甲をめちゃくちゃに砕き、引き裂き、破壊した。しかし、それだけである。
アナザーオメガモンが、真横から斬激で頭部を仰け反らせて威力の半減を。
Zが人型部分の首を切り落とす段階まで行き、ウザーラの思考リソースを消費させた。
炎は燃えた。ウザーラに燃えるようなものがついていなくてもウザーラを構成するデータが燃えていく。
精神を蝕み、戦意を喪失させるフィクションの技『幻魔』。
その幻魔をデータ上の存在用に改悪したのがこれである。
幻魔は、相手を傷つけること無く戦意を喪失させるもの。これは幻魔ではなかった。
「ガアァアアアアアァァァァァァァ!?!?」
この世界を震わせる程の絶叫が響き渡る。
永劫に燃えるとも言われる炎に身を焼かれて、自身を構成するデータが『皇帝の欠片』に奪われていくこの状況にウザーラは耐えきれなかった。
白紙の世界にてまるで生物のようにのたうち回り、ウザーラというデータの中から隠れていた『ウイルス』が姿を表す。
男、鬼、百鬼帝国。
かつて『アーク』に倒された敵の一人。
これが今のウザーラを動かしている意思だった。
「消えろ」
それをウザーラからもぎ取ったゲッターロボは片手でグシャリ…と握り潰してしまう。
ウザーラを構築、再現するなど不穏因子そのもの。
味方ならば良かったが、これは完全なる敵だ。
「ふーっ 良かった ありがとうございました」
ゲッターロボは向き直り、Zとアナザーオメガモンに感謝を告げる。彼らがいなければ己は撃破され、その隙にウザーラが『皇帝の欠片』に接触していたのは事実。
感謝はしてもし切れない。
「なんでも良いですよ」
「あいーっ ワシらは通りすがりに助けただけや…その数、僅か一回」
「その一回が重要だったんだよね」
「「そのエビデンスは?」」
「(説明するのも面倒だから)なんでも良いですよ」
そしてぐだぐだ話した後にゲッター達は解散した。
あれから数日後、ウザーラは地底奥深くで改修され火の壁の門番として転生した。
回収させる過程で判明したのだが、ウザーラはゴッソリとこの世界の重要な機能を奪っていたことが判明した。
ウザーラが奪っていたのはこの世界の『成長しようとする意志』。
何故、戦闘データの中の存在でしかないウザーラがバグとなって出現したのかは分からないがこれでこのデジタルワールド:エンペラーを皇帝の揺籠から出すことが出来る。
ゲッター線が満ち溢れて、常日頃から究極体へ至らんとデジモン達が弱肉強食の闘争を繰り広げる。
世界は無尽蔵にその質量を増して、大きくなる。いずれイグドラシルやホメロス、コンロンなどの古株を追い抜くデジタルワールドが完成するだろう。
ゲッターは、彼らとは戦闘する気はないが越えるべき目標とさせている。
いずれホストたちの内、1人が接触してくるだろう。
その時『皇帝の欠片』は、間接的にホメオスタシスと接触してアカシック・レコードから『皇帝』へと呼びかける。
ゲッターロボでさえも知らない『皇帝の欠片』の最終目標。
それは可能性を切り開くこと。
それは世界を救うこと。
『この世界に皇帝に匹敵するゲッターを作り上げる』
ゲッター線は、人間界とデジタルワールド:エンペラーをオーロラとして照らしていた。