デジタルワールドの管理者『ゲッターロボ』   作:マネモブ

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THE GUARDIAN DRAGON

 静かな草原があった。緩やかで大きい丘には薬草の花が咲き乱れて暖かい日の光が降り注ぐ。

何もやることがなくなったマグネティックドラモンはそこで横たわって目を閉じた。

風や小鳥の囀り以外に聞こえるものは無く、ぽかぽかとした陽気が心を落ち着かせる。

テリアモンと呼ばれる小さなデジモンが主に生息し、楽しく遊んで生きている。

 

「…………ガアアアアッ

 

 燃え尽き症候群に陥ったマグネティックドラモンにとってこの土地は最高だった。

良いベッドがあって、食べ物は豊富にある、綺麗な大河も近くに流れている。

まさに天国。

 

 極限まで鍛え上げて、目的の大戦もいつの間にか終わり、死人のように静かに生きて…それでも生きていた。今を生きる意味は無く、ただ生きようとする意思はある。

何か新たな目標を作らねばと考えるが、早々に見つかるものでもない。

案外ここでテリアモンたちを観察しているのも新しい生き方かも知れない。こんバッチグー!という挨拶も気に入った。

 

 

 そんな事を考えているとポツリポツリと雨が降ってくる。

マグネティックドラモンは、煩わしそうに身体を起こして巨大な洞窟へと歩いていく。

眠りを邪魔されたのは不快だが、意地になってそのまま寝てびしょ濡れになったらもっと不快だ。

藁を敷き詰めた洞窟へと向かうとそのままごろりと寝転がる。

 

ザアザア降り注ぐ雨の音を聞きながらうとうとしているとテチテチ足音が聞こえてきた。

 

 

 よく焼きリンゴを分けてくれるテリアモンだった。

どうした?とマグネティックドラモンが聞けば今にも泣きそうな声で友達がいなくなった、と言う。

それは大変だ。

マグネティックドラモンを襲っていた睡魔はたちまち消え失せて、彼は起き上がる。

唸り声を上げて、テリアモンを自分の下へと移動させて豪雨の中、歩みを進めた。

 

 

 

 

 

 

 

 テリアモンに連れられてはぐれた現場まで向かえばいなくなった友達の、いなくなった原因がわかる。

 

「ブヘヘヘ カモがネギしょってやって来たぜ」

「ちょっと待ってろよ 今殺してやるから」

「あのう 尻出しましょうか?」

「お前…変なクスリでもやっているのか?」

 

 『皇帝の欠片』へと接触し、大いなる知恵を授けられた……とされている『イーバモン』と呼ばれるデジモンたち。エリア51、エリア52、ゴア博士などとうるさい奴らだ。

 

マグネティックドラモンは、苛立ちを隠す気も無く唸り声を上げる。

しかしイーバモン達は、マグネティックドラモンを笑うように指差す。

テリアモンは怯えて木の影へと走っていった。

 

 

「おいっ 態度には気を付けろよ」

「ワシらはいつでもこのガキを殺せるんだぞ」

「あのう 尻出しましょうか?」

「うるさいっ」

 

 

 劣勢。今の今まで勝ち続けていた自分がだ。

とてつもなく不快であった。

そもそもこいつらは無垢でかわいいテリアモンを拉致して何をしようと言うのか。

 

「おいっ お前を拉致させてくれっ」

「発電機にしてやるのん」

「あのう 尻出しましょうか?」

「うるさいっ」

 

 なるほど。とマグネティックドラモンは、目を細める。実に機械頼りのデジモンらしい答えだ。

マグネティックドラモンは、大人しくする。

アレはテリアモンにも悪影響を与えるからだ。

 

 

するとイーバモンたちは気を良くしてガラガラ笑いながらこちらを拘束するためにテリアモンを人質に取る一人以外はこちらを拘束しに来る。

 

「……………GAAA!

「なにっ」

 

……数秒の沈黙の後、イーバモンの一体がマグネティックドラモンに叩き潰される。

グシャリと渾身の一撃で沈められた仲間へと他のイーバモンが敵討ちせんとビームを発射する。

 

「テメェ!」

「だったらテメェから殺してやるよ!」

「あのう テリアモン撃ちましょうか?」

 

 プラネットデストロイヤーが空気を焼きながら突き進み、マグネティックドラモンへと着弾する。バチリッと弾けるような音と共に身体の一部が損失する。

しかしそれは攻撃を止める理由にはならない。

ビームを撃ち込まれながらイーバモンへと接近し、放出する。

 

マグネティックテンペスト!

 

「はうっ」

「アメリカーッ!!」

「はうっ」

 

その一撃により勝負は決した。

凄まじい程の電磁パルスによる大嵐は、周囲のデジモンを一時的に気絶状態へと持っていった。

マグネティックドラモンは、その隙に同じく気絶しているテリアモンを拾い上げてイーバモンにトドメを差す。

 

 

「雑魚が……」

 

 そう吐き捨てるが己も重症を負ったのは事実。

テリアモン達を仲間の元へと返し、寝床に入る。

脳裏に浮かぶのは「アメリカ」という言葉。

なんなのだこれは、とマグネティックドラモンは考えた。

そして一つの結論に辿り着く。

『イーバモンは"アメリカ"とやらに従っているのではないか?』

 

「ふぅん ああそう……」

 

 死んだように生きていたマグネティックドラモンの次の目標が決まった。

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