デジタルワールドの管理者『ゲッターロボ』 作:マネモブ
ムフフ…
曇り空、どんよりとした空気の砂浜にとあるデジモンが海から出てきた。
『レガレクスモン〔適者進化態〕』。
海底にその名を轟かせたレガレガスモンは、その活動の拠点を海から地上へと移した。
ウザーラが撃破されてから更に力を増した剣を握り締め、砂畑を歩く。
「ここが地上かァ……」
ギョロギョロと鋭い目付きで周囲を見渡して何があるのかを探る。
曇り空、砂浜、森、山、鳥、果物───レガレクスモンは果物へと近付いていき木からもぎ取る。
手でさっさっと汚れを払って牙を突き立ててガブリと噛みつけば果汁たっぷりのリンゴだと分かる。
あっという間に芯以外を食べてそのままポイッと捨てる。
その顔はとても満足そうだ。
「うまっ」
そう、レガレクスモンが地上に来たのは『飯』を楽しむためである。
海底には確かに美味いものはあるが、味が海水のせいで塩辛いものが多い。味も水にすぐ分散して薄く、己には食べ応えもない。
故にこんなにも味が分散しないものは初めてなのだ。
そのままレガレクスモンは、『飯』を求めて様々な場所を練り歩いた。
肉に野菜に果物。
焼いて、塩をまぶして、実を切り刻んで甘みをつけて、塗って、干して、粉にして……。
様々な調理法を試してある結論に達する。
「味が薄い」
そう、段々と味が薄い食べ物では満足できなくなっていたのだ。
これはもう死活問題である。
岩塩ごとドパッとぶち込んでもしょっぱ過ぎて食えたものではない。
レモンを入れてみたが酸っぱすぎる。
腕を組んで悩んでいると遠くで土煙が立っていた。
「………なんだあ?」
食い過ぎた身体を起こしてなにかが起きたであろう地点へと走っていく。
地面を蹴り上げ、木の隙間を通り抜けて電光石火の速さだ。
土埃が上がる場所にはクレーターが作られ、木がへし折れている。
レガレクスモンはその中心へと斜面を滑りながら移動する。
その中心にはゲッターロボが着地した状態で動かない。
レガレクスモンは思わず目を見開く。まさかこの世界の管理者が降ってくるとは思わなかったからだ。
ゲッターロボは、レガレクスモンが来たことを感知すると立ち上がった。
「ゲッターロボ、何故ここに来た」
「いやっ 聞いて欲しいんだ
私はお前を勧誘しに来てだね」
「何が勧誘だ。私は今、忙しいのだ
数年後…いや、数十年後また来いって思ったね」
明らかな塩対応。レガレクスモンは、飯の探求をする方が大事なのだ。
たまに海底へと戻っているが食事を楽しみ、探求する時間の方が長い。
それが現在のレガレクスモンだ。しかしゲッターロボにはレガレクスモンを勧誘できる自信があった。
「あのう ラーメン食べますか?」
「なんだそれは…」