デジタルワールドの管理者『ゲッターロボ』 作:マネモブ
ウザーラとの対決後、『ファイヤーウォール』に歪みが生じた。無理矢理攻撃手段へと転じられたシステムはバグを引き起こし、不進化体の侵入を許した。
両腕がドリルの不進化体は、地面に激突して跡をつけながらも起き上がって辺りを見渡す。
木々の隙間、湖の中……汲まなく探してようやく洞窟の中にデジモンの一家が暮らしていることを目にする。
獲物を見つけたとばかりにフラフラと一歩一歩前の洞窟へと近づいて、その巨大なドリルを駆動させながら差し込んだ。
山が大きく崩れる音と共にドリルの奏でる鋭い音がいやに記憶に残る。
数分もの間、山を崩していた不進化体は顔を上げてドリルを引き抜く。
その気持ちは軽やかと言って良いだろう。自身の置いていったものの未来を潰す事が不進化体の本質と言われても仕方ないその悪性。衝動のままに周囲を目茶苦茶に破壊しても届かない心地良さに酔いながらドリルの不進化体は、新たな獲物を探さんと周囲を見渡した瞬間──強烈なる雷撃を受けて転倒する。攻撃を受けた部位が炭化し、ボロボロと崩れてどろりと血、もしくは油のようなものが溢れ出る。沸る怒りが込められた最高峰の一撃。
「ガアアアァァァァァァァ!!」
下手人は、稲妻の身体を見せつけながら現れる。
この辺り一帯の主にして守護者。
その場にいるだけで土地を狂わせる究極体デジモン。
硬い岩石の鎧を実態を持たないその身体に纏い、同時に強力な磁場を発生させる究極体のデジモン。マグネティックドラゴンは唸り声を上げて、目の前の敵を雷にて射殺さんと三つの頭で睨み付ける。
ドリルの不進化体は、ボロボロと身体を崩しながら立ち上がるとマグネティックドラモンへとそのドリルを向けながら突貫する。
その攻撃は紙一重で躱され、ドリルの不進化体は姿勢を崩すもすぐさま人体の可動域を超えた回し蹴りで攻撃される前に蹴り飛ばす。
砂ぼこりを上げながらマグネティックドラモンは地面に突き飛ばされその爪にて何とか身体が吹き飛ぶのを制止しながら地面に着地する。
UFOのような軌道を空に描き、自身に迫る不進化体を見上げて、何を思ったのか周囲の鉱物を引き寄せて……そのまま磁力による圧を加えて、一方向だけその圧力を失くす。するとまるで溢れだしたマンホールのように勢いよく銃弾として弾けて飛んだ。必殺技『ストーンレールガン』はドリルに着弾すると同時に片腕のドリルを砕きながら貫通して胴体に着弾させる。
ドクドクと血を溢しながら、ドリルを回転させる不進化体へマグネティックドラモンは、怒りのままにもう一発放つ。
肩に着弾。
撃つ。
膝に着弾。
ドリルが届く範囲まで近づく頃には最早満身創痍だった。
「ガアァァァァ!!」
「……!?」
首に噛みつき、筋を切り裂いて首をもぎ取るマグネティックドラモン。
猛々しい咆哮を上げて、己の存在を誇示するその姿。
その瞬間、誰よりも王者らしかった。
「これも"アメリカ"とやらの差し金か……?」
ふと、そんなことを考える。
アメリカとやらの人物情報はこれまで襲撃してきたイーバモンの情報で分かっている。
それはデジタルワールドの外にいる事、それは兵器として自分たちデジモンを使おうとしていること、それはとてつもなく強引で傲慢な男であること。
マグネティックドラモンは、決意した。テリアモン達と別れるのは惜しいがイーバモンやこの怪物の侵略を止めるには一つしかない。
「皇帝の欠片へ接触する」