デジタルワールドの管理者『ゲッターロボ』 作:マネモブ
かつては栄えていたのであろう荒廃した都市の大道路に、タンクドラモンたちが整列していた。空は鉛色、風は硝煙の匂いを運ぶ。
来るのは一瞬の静寂。
ただ敵を待つ時間。
そしてその時が現れた。
イーター。怪物。人の匂いに誘われた怪物。
間抜けにも真正面からやってきた。
砲台がガチャンと音を鳴らし、数刻後には轟然たる咆哮。
何十門もの砲口が同時に火を噴き、地平が閃光で満たされる。
巨大なイーターの身体に何度も直撃し、身体を震わせヒビを入れる。
「よしっ 今だァァ!」
「多勢に無勢だいっけぇっ」
コマンドラモン達がドテドテとコンクリの大地を走って両手で持ったアサルトライフルから銃弾を放つ。
イーターのコアが一つの銃弾に貫かれたことで今までのダメージが吹き出し、絶命する。
しかしこの音で付近の小型イーター達が押し寄せてくる。物陰に隠れていたハイコマンドラモンが瓦礫ごとイーターを吹き飛ばしながら命令を出す。
「一般人の避難が終わるまでここから先に絶対行かせるなぁ!」
自分たちがやらねば誰がやる。そんな気概であった。
カーゴドラモンに出来る限りの人を乗せて避難させる。
それを繰り返す作戦を進行中のD -ブリガード。今の所順調だが、いつイレギュラーが発生するか分からない。
並々ならぬ緊張感の中、空を翡翠色の光が埋め尽くした。
「なんだあっ!?」
「ブリガードラモン様ァァァ!!」
光から現れたのは獣帝、ゲッター聖ライガー。
巨大なドリルを片腕に備え付け、虚空を見上げていた。
虚空から生まれるのはイーター。それもただのイーターではない。
不進化体と融合したイーター『イデア』。
5つもの顎を持つ異形の口を開いてニタリと笑う。
そのまま笑うような鳴き声と共にゲッター聖ライガーへと襲いかかった。噛みつき、傷つけることしか考えられていない牙をドリルで塞ぎつつ、ドリルを回転させて牙を砕く。
「GIIIIIIIIINN!」
しかしそれで諦めるイデアでは無い。
腕が音もなく裂けるようにほぐれ、骨の輪郭が溶けていく。指先は粘膜のひだへと変じ、ひとたび変化したそれらが独りでに蠢き始めた。十の触手が同時に伸び、ゲッター聖ライガーの身体を拘束する。
「…………ッ!」
右腕も左腕も拘束され、メキメキと音を立てる。
ニタニタと笑うイデアを睨み付けるゲッター聖ライガー。
ほんの僅かな静寂と共にゲッター聖ライガーから凄まじき翡翠色の光線が撃たれる。
イデアは直撃を食らい、絶叫するがまだまだ戦える状況だ。
両者共に些細な動作で街を破壊しながら戦闘を再開する。
それはまさに………
「…ダークドラモンとブリガードラモン軍団を放つのです」