デジタルワールドの管理者『ゲッターロボ』 作:マネモブ
「この事態は全てはアメリカのせいなんだ 許せん……」
「妙な思想だなマグネティックドラモン」
「…………………ん?…………なにを言っているんだ?」
移動の最中、なんか思想の強そうなことを言うマグネティックドラモンへとギョッとした様子で振り向くヴォルケニックドラモン。
急にどうしたんだとタイラントバグテリモンも唖然とする。
「不進化体はアメリカの新兵器なんだ
その証拠にアメリカはデジタルワールドを把握している。アメリカの劣兵として洗脳されたイーバモン達を見ればそれは確か。だろう?
アメリカ政府はディープステートの手先なんだ」
「なにを言っているんだ?」
「お…お前疲れてるんだよ……これ終わったら休もう…なっ?」
ヴォルケニックドラモンもタイラントバグテリモンも冷や汗を流した。
せめて決戦の後に狂ってくれって思ったね。
アルミホイル臭がムンムンと漂い、こびりつく思想によって変な緊張感が生まれた。
分離作業が始まる……!
はるか後ろでエンペラーイーグル号が原子爆弾並みの大爆発を引き起こしながら大破していく最中の出来事。
ブリウエルドラモンを盾へと変え、突貫するゲッターロボの姿が先頭に見える。ブリウエルドラモンがあまりにも興奮しすぎて使う度にドラモンボイスが出てくるうるさい盾だが硬度は折り紙付きな程に高性能だ。
デュランダモンは、まるでファンネルのように自らを剣の状態で動かし敵を葬っていく。
こちらは冷酷に、冷静に、無言で戦っている。
ブリウエルドラモンとは偉い違いだ。
すぐ隣の変な奴を思考にいれないように別の変な奴を入れるが奴は入ってくる。
「だからさぁ…イーターもアメリカの発明品なんだって」
「何言ってるのこのバカは」
明らかに理論として破綻している。
(誤った思想に染まるのは)正しくない。
ヴォルケニックドラモンが最近ハマったゲームの推しもそう言っている。
ほぉら、エンペラー以外のデジモンから変な目で見られている。あらやだ。
「全てはアメリカの陰謀だァァァァァアアアアアア!!!!」
「その発言は危険だ」
怒りは凄まじきパワーを産み出して一撃必殺の超技を放つ力を与えた。
敵を蹂躙し、ごんぶとの雷撃を打ち続ける。
それも戦場の一角に過ぎないのだが………。
「で……人間界へと通じる扉はどうするのか教えてくれよ」
ゲッターロボの目の前にある穴を覗けば自由の女神が見え、その先が人間界であることを知らせる。
不進化体の大元がデジタルワールドと人間界の断絶を狙っているという話は聞いたことがあるが、どうにも癪に触る話だ。
アルファモンやスサノオモン、ユピテルモン───皆の心は一つだった。
誰もがやりたくなかった。やれる力はあったが“やる”という選択肢が無かった。
「私がやると申します」
背後からそんな声が響く。
クロノモン。ホメオスタシスに直接仕えるアカシックレコードの番人。
「分かった。やってくれ」
「必要だろ」
誰もが腑煮え繰り返る程に怒り狂うが反対意見を出さない。
これが現状被害を出さない方法だからだ。デジタルワールドと人間界の少しの歪みが利用されて起こった今回の事件で最早、繋ぐ理由はない。
クロノモンは手を掲げた。
空間の格子が軋むような電子音が響き、全ての輪郭がグリッド状に震え始めた。
人々の影が二重にぶれ、その二つが別々の方向へ線のように引き裂かれていく。
その線は音もなく底なしの溝となり、細胞が分裂するかのようにデジタルワールドと人間界が離れた。
これで人間界から情報が齎される事はなかった。
だがこの場全ての戦士が復讐の炎を竈門で燃え上がらせる。
それは鉄を溶かし、黒幕を暴く武器となる。
正体不明の何かとの戦争が始まった。