デジタルワールドの管理者『ゲッターロボ』 作:マネモブ
「「…………………………」」
現在二体は心底ムカついていた。
ゲッター線を浴びて死ぬほど痛い思いをしたのに合体できなかったからだ。
これはもう相方に問題があるとしか思えない。そうに違いない。
デュランダモンとブリウエルドラモンは構えをとる。
これは殺し合いではない。ただのストレス発散だ。
「「クソボケがぁぁあああああ!!!!」」
デュランダモンは至高の回転斬り技トロンメッサーを、ブリウエルドラモンは、激しい烈火を放つグレンストームをお互いに放った。
炎の猛撃を切り裂きながら迫るデュランダモンをブリウエルドラモンは翼の盾で防ぎ、逆に足に噛みついて引き摺る。
「おおおおっ!!!ツヴァングレンツェェェエエ!!!」
引き摺られながらも咄嗟の判断で闘気を纏わせて首を斬りつけ噛みつき攻撃から逃れる。
お互い引かぬ一進一退の攻防。
進化の鍵はやはり闘争の果てにあるのだ。
デュランダモンもブリウエルドラモンも構えを取る。
さあ、お前が踏み台になりやがれとでも言いたげな殺意と共にお互いを攻撃しようとして──
両者共に喰らい潰さんとする怪物が岩の奥底から這い出てきた。
「「ッ!」」
ユラユラとふらつきながら立ち上がる姿は
デジタルワールド:エンペラーに放たれたプロトタイプデジモン“ドルシリーズ” 究極体。
『デクスドルゴラモン』。
牙だらけの口を開けてボタボタと涎を垂らしながらデジコアを貪らんと飛んできた。
「グギャアアアアアアアアアアァアアアアッ!」
「い……」
「いきなり始まるのかッ!」
デュランダモンが両腕の剣で牙を防ぐとブリウエルドラモンが炎を噴射して吹き飛ばす。
「アアアアーーーーッ!!」
この世の物とは思えない叫び声をあげながら岩肌に激突するデクスドルゴラモンは、鉤爪を突き刺しながらバク転するかのように飛び起きて再度向かってくる。
「ならばぁ!!」
金属と金属が弾き合い、炸裂する音が響く。
その最中、翼が分離し猛々しい炎を纏い敵へと突撃するり
「ブラストォォーーッ!スマッシュウウゥゥゥウウウウ!!!」
二つの盾がデクスドルゴラモンに激突。地面に踏み留まろうとした跡を残しながら引きずられていく。
しかしそれでも諦めない。喰らうまでは終わらない。
「ギォヤアアアアアアアアーーーッ!!!」
絶叫と共に自分を引きずり回す盾を力任せに投げ飛ばす。リミッターを超えて力を行使した代償とし皮膚に亀裂が走って血が傷口から溢れ出る。
だがデクスドルゴラモンは、肉が裂ける音すら気に留めず──むしろ痛覚を振り切るように地を蹴る。
「ツヴァァァアーーッングレンツェェエエーーーッ!!!」
鋭い闘気が宿った剣がデクスドルゴラモンの首を刎ねる。
そしてそれを思いっ切り蹴飛ばして再生を妨害、絶叫しながら一刀両断しようと腕を振り下ろす。
………止められた。
既に首も無く、意思は消え失せた筈のデクスドルゴラモンの両腕が確かにデュランダモンの双剣を剛力でしっかりと掴んで止めている。
驚いて体勢を崩したデュランダモンの顔が、至近距離でデクスドルゴラモンの方を向いてしまった。次の瞬間、デクスドルゴラモンの地面を蹴った足が弧を描き、勢いのまま眼前の獲物の顎へと突き上げられた。
「ガアッ!?」
蹴り上げられた衝撃に耐えきれず、相手は地面に片膝をついた。
呼吸は荒く、視線も揺らいでいる。
「仕方ないな……!」
怒涛の連撃が放たれる───そう思われた矢先、
ブリウエルドラモンがデュランダモンを庇ったのだ。
超高硬度の盾で構成された身体にはどんな攻撃も通らない。
「こうなったら仕方ないぞ!!!合体だ!」
「どうやってやるんだよ ああーーっ!?」
「気持ちを一つにさせるんだァァ!」
「…なるほど!そういうことか!!」
デクスドルゴラモンの攻撃が緩まった瞬間、二体が合体攻撃による衝撃で大きく後退させる。
デュランダモンとブリウエルドラモンが構えて叫ぶ。
「「虫唾が走るからぶっ殺す!!!」」
その瞬間、今まで攻撃された憤怒を表すかのように烈火の炎が二体を包み込んだ。
「我々がラグナロードモンだああッ!!!」
バラバラに19等分まで雑多斬りにされ、再生できないように黒焦げに焼き尽くされたデクスドルゴラモンの身体が震える。
その身体の真横でゲッターロボが着地した。
「ムフフ…お疲れ様なのん」
そう言いながらゲッター線を分け与える。
デクスドルゴラモンは、それだけで再生を始めて瞬く間に蘇る。
初めは呂律が回らないように呻いていたが、ゲッターロボを視認してからフラフラと立ち上がる。
「それが当機の役目やんけ。しばくやんけ」
「今からお前はワシが改造したデクスドルゴラモンだあッ OK?」
「OK OK 当機に贅沢させてくれよ」
デクスドルゴラモン、ラグナロードモン───参戦!