ラヴォスの衝突後、半年もしない内に恐竜人の7割が絶滅する。多くは私と同じく爬虫類系の恐竜人種。皆、変温動物であり、気温の変化に対して鈍感であり、寒さで動けなくなって死んでいく
身体が寒さに慣れる事すら追いつかないの程の危険な寒さ。 あまりの異常な速度で世界が凍りついていく。大量の木々を燃やして暖をとっても耐えられない。
やはりラヴォスがもたらしている影響なのか…。
私にできる事は何もないだろう。
親はどうして私を生んだのだろう? こうなる未来をはじめから判っていたはずなのに…。
私の種族は他とは異なる。
強い者が生まれるとき、弱い者から順に力を失っていく。
私が生まれるときなんて、一族全てがその力を失ってしまった。そのせいか私は無限の未来を観ることのできる奇跡のような力を得た訳だが、それでも尚、ラヴォスの飛来から始まる氷河期に対して絶滅を免れる方法が見つからない。
唯一の方法は魔力が宿る猿人に頼ることだが、感情的な面でも外交的な面でも困難が付きまとうだろう。
食糧が圧倒的に不足するこの世界において上手く立ち回っても、恐竜人の0.5%しか生き残れない。猿人に多くを譲歩、弾圧されたりを受け入れて2%が生き残れる程度。
先人達がもっと彼らに対して寛容な扱い方をしていたならば…
とはいえ先人らが寛容な世界を作っていたとしてもネガティブである状況ら変わらないと思う。
どうせなら生んでくれなければ良かった。
絶滅する未来は判りきっていたはずなのに…
けれど弱音を吐くことはできない。
私が諦めるということは絶対にありはしない。
私はこれまでどれだけ多くの努力をしたきたか…。
全ては絶滅を回避する為の努力だった。
産まれて直ぐに理解した未来の地獄絵図についてを
それを知りながら産んだ親を恨んだ。
何も知らない無能な者達が日々を生きている姿を見て嫉妬した。
でも、それでも私は誰よりも愛して貰えた。
それが忘れられないから、一族と全種族を代表して、全員を助けると誓ったんだ。
あの猿人達だってそう。
皆に家族がいて愛する人がある。
勿論、例外もあるだろう。
恐竜人に差別されてきた歴史と
家族を失った哀しみを未だに抱えている者達が多くいる。
私よりも不幸な者は探せばいくらでもいるだから。
私が我慢しなければ
けれど
明日が怖い。
目覚めて何も変わらない未来を見てがっかりする。そんな自分をもう観たくない。
眠れない。
耳が痛い。
後頭部がズキンとする。
私が力を得たことで無能になってしまった親達にはもう未来視の力はない。
彼らは私が絶滅を回避してくれる未来を作れることを信じている。嘘でもそのことで彼らを騙し続けなければ皆がパニックになるだけ。より悪い未来がやってくるだけだ。
せめて6か月の猶予があったなら良かった。
ラヴォスの飛来から半年もすれば猿人種の胎児に魔力が宿る現象が来る。その胎児がテレパシーや熱を操って母体を助けることがらはじまって、次々と氷河期に適応する技を生み出していく。そんな未来についてが、もう少し早く訪れてくれたなら…
もっと多くの恐竜人を未来へ残せただろうに…
特別な力が持っていても私は無能だ…。