ぼーとゲートの場所を眺めて何気なく念を飛ばしてみる。
テレパシーでゲートに念を飛ばして、応答があるとしたら…
なんて考えていると小さな違和感に気付いた。
反応はないので誰かがテレパシーで応答してくれている訳ではない。
けれどもテレパシーが可能な対象物が目の前の方向にあるような変な違和感。
小さな違和感なので今まで考えもしなかった。
テレパシーができない無機物等へと念を送るとそのエネルギーはその物を突き抜けたり吸収されていくのだが、テレパシーが可能な者であると吸収や突き抜けが起こらず、エネルギーが周囲に拡散したり、戻ったてきたりするという学説。
あくまで仮説であり事実かどうかはわからないものの、テレパシーが使えない相手とそうでない相手を比べると基本的にテレパシーの反動に対して違和感の違いがある。
その違和感についてはあまり興味なく生きてきたけれど、ゲートの存在と切迫された今の状況が、私に何かを訴えかけるように働く。
ゲートへのテレパシーを繰り返し、その違和感を何度か確かめた後、今度はゲートに向けて未来視での接続をやってみた。
◎
接続は成功しなかった。
だが、この力は未来の生物にしか接続できない。
私と同じ時間軸にいる者へ接続するのであれば、限りなく現在に近い未来に接続を試みなければならない。
ゲートの先の者がその場を離れたりすれば接続は失敗するし、寿命で死んでるだろう未来に向けてだったりすると接続できない。
テレパシーの違和感を今感じているということは、限りなく今に近い未来でなら接続は成功するはずで…
接続すると一気に視界が開ける。
対象者の考えていること、見えている世界が見える。
でもノイズが多い。
誰かがゲートの先にいて、私のテレパシーが届いている様子だが、ノイズが多いのでパニックを起こしているのかもれない。
精神が錯乱しているとしたら、思考に繋げたとたん、私が危ない目にあう。
恐らくその人はテレパシー対する感受性がとても強い者なのかもしれない。
その人の脳は私のせいでかきみだされている状態であり、落ち着くまでこれ以上念を送ることはできない。
5分ほど待った後、再び接続を試みる。
今度は視界がクリアに広がる。
クリアといっても部屋は暗い。でも光はある。
未来人がスマホと呼んでいるものが見える。文字は読めないものの、SNSに書き込みしているのは分かる。
彼は今、突然起きたパニックについてを日記の要領で書き込んでいる。
私のテレパシーは確実に届いている証拠だ。
今度は思考をかきみださせないよう、小さな出力で送る。とても繊細なコントロールが必要になるが、やってみる。
(私の声が聞こえますか?)