作:金髪幼女ロリ

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親愛なる目覚めよ。~スコールにも負けず、もっと勇気を出して!~ #5

 

<3年前:5/4>

 

 そろそろ、夕方になるかならないかの時間。

 

「待たせたな」

「おう、久しぶりだなレン。住所だけでも意外といけるもんだな」

「スマホさまさまだな」

 

 レンが俺の家にやってきた。

 

「おにぃ~、今日もお客さん?」

 

 ひょこっと後ろから妹が顔を出す。

 

「そちらは?」

「あれ、言ってなかったっけ? 妹」

 

 愚妹がちょっとむっとした表情でこちらを見る。そのあと、正面を向いて。

 

「テルナって言います」

 

 挨拶するのだった。

 

「そうか。俺はタカラヤ・レン。よろしく頼む」

「よろしくお願いします」

 

 お互いのあいさつも済んだところで、俺は本題に入るため、

 

「まあ、何だ。上がれよ。部屋に案内するから」

「では、失礼する」

「話はそこでしようぜ」

 

 彼を家に上げたのだった。

 

 

 

 夕日が差し込んできた俺の部屋。

 

「で、話ってなんだレン」

「ああ。お前たちが外に出れない間も捜査を続けていたから、その経過報告をしたくてな」

「なるほどね」

「後……」

「どうかしたか?」

 

 一瞬、何かを言いたげな様子だった。でもすぐにいつもの感じに戻ったので、

 

「いやなんでもない」

 

 俺は気にすることなく彼の話を聞く体制に入った。

 

「まず先に公園なのだが、

 事件の前日の深夜にうめき声的な声を聞いたという話をSNSで見かけてな。

 

 アポを取って、あの刑事さん……ソフィーと一緒に話を聞きに行ったのだが…… どうやら本人もかなり曖昧らしく、酔ってた上に聞こえたか聞こえなかったかくらいの声だったらしい。

 一応、帰宅しているときにたまたま公園の隣を通りかかった際に聞いたとのことだったがな。次に商店街だが、そちらでも同じようにうめき声が聞こえたとのことだった。

 こちらは公園の時と違って、かなりはっきりと聞こえたらしい。だが、うめき声が聞こえた証言は一人しか見られなかったのでうその可能性も考慮したほうがいいのかもしれないな……。

 場所も住宅街だったので何人かはいてもいいものだが、「一人しかいないのはさすがに……」とソフィーと結論付けたから、一応頭の片隅にでも入れてくれ」

 

「まって」

 

「どうした、ショウヤ?」

「お前……俺たちが外出れない間、そんなことをしていたの? てかソフィーって、あの人とずっと行動してたのか?」

「ふっ、毎日やることがなかったものでな」

 

 それはどや顔でいう事だったのか? 

 

「それに、結構いい人だったぞ。ジュースとかサイゼおごってもらったし」

「そ、そうなんだな。そういや、カズヨは?」

「あいつは…………一度も来なかったな」

「……」

 

 まあ……うん。知ってた。

 

「ま、まああまり攻めてやるな。何か事情があるのかもしれないのだろうから……」

「従妹だからって、あんまり甘やかすなよ」

「……善処する」

「それで、ほかに何かあったか?」

「これ以上は特に進展は……。ああ、そうだ。捜査状況を聞けたのでそれも伝えておこう。

 現状だと、どうやら警察もこの事件にてこずっているみたいでな。あんなに堂々とした犯行なのにカメラとかにも映っていないうえ、目撃証言もあまりないとなると、さすがにお手上げとのことだ。

 公園・商店街、全部一通り確認したのに、唯一映っていたのは、死体発見場所の所に黒づくめのガタイがいい男が像を置いてるところだけだったとのことだ」

「黒づくめのガタイがいい男って……てか置くところが映っていたんだったら、そこから犯人特定したりとかできねーのかよ」

「できていないから、2件目が起きたのだろうな……。同じ服装をしたやつどころか、同じ体格をしたやつすら、写っていないみたいだからな」

「マジかよ……あっちも苦労してるんだな」

「俺としても、向こうは流石に犯人特定できているだろう等と考えていたのだが、この事件、考えているよりもかなりの難事件かもしれないな……」

「そうなんだ……」

 

 

 

 家の近く。

 

 夕方も遅くなり始めてきたうえ、レンの家は遠いので長居はしないとのことだった。

 

 俺も少し外を歩きたかったので、両親からすぐ戻ることを条件に見送ることにした。

 

「ありがとな。いろいろと」

「ああ。このことは、うしろのユキノにも伝えてくれ。カズヨには俺から伝えておく」

「そうそう。後で聞かせなさい」

「おま……わかった。そっちは任せた」

「とはいっても、あとでメッセージ送るくらいなのだがな。……ああ、そうだ」

 

 彼は、突然何かを思いついたかのように立ち上がりこちらを向いた。

 

「どうした?」

「なあ、2人はカズヨに違和感を感じないか?」

「カズヨ? 俺は別に、感じねーけど」

「私もとくには……いつも通りだなって」

「なら……いいんだ」

「なんだよ急に」

「いいんだ。気にしないでくれ」

 

 そういって彼は歩く速度を速めていって、

 

「じゃあな。進展があったらまた連絡する」

 

 そのまま別れの言葉をいって住宅街の中へ消えていったのだった。

 

「おう。またな」

「ええ、また」

 

 俺たちは手を振って、そのまま自分たちの家に

 

「それじゃあ、このままここでお話ししましょう」

「あのー虫いるし、いったん家に」

「わかった。ショウヤの部屋集合ね」

「……はい」

 

 このまま俺たちは一緒に俺の部屋へ向かっていったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

<現代:5/3>

 

 彼の家の前。

 

 さっき神社でした会話を思い出していた。

 

「どうして止めなかったの!?」

「止めれるがわけないでしょ! 帰った後に、忠告自体はするつもりだったんですけど、でもこっちが突然、あの人やばい! って無理やり引きはがそうとしたところで、こっちが怪しまれたり、おにぃが危険な目にあうだけですって。だったら今日はいったんそのままにして、さりげな~く伝えるほうがいいですよ」

「そうだけど……」

「それにこの様子だと、おにぃには危害を加える気とかないと思うので、こっちが下手なことしなければ、まだ大丈夫なはずです」

 

 盗聴器の音声を流しながらテルナちゃんはそう言っていたけど、やっぱり私としては心配だ……

 

 そう思いながら、彼の家の玄関を見張っていると

 

「じゃあね」

「ああ、またな」

 

 楽しそうにしてる彼女が玄関から出てきた。

 どす黒い感情が沸く……

 

「……あいつ、絶対殺してやる……」

 

 私はこの場から立ち去って、

 

「お疲れ様です。はい、よろしくお願いします」

 

 武力行使の準備をするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<3年前:5/4>

 

 夜。俺の部屋。

 

「ということがあったんだよ……」

「ふーん」

 

 ダラーんとした服装で、ダラーんとアイスを食べながらじっとこちらを見てくるユキノに、今日レンから聞いたことを伝えきったのだった。

 

「……なんで、私も誘ってくれなかったの?」

 

 ぐっと、彼女が近づいてきて、詰め寄られる。

 

「二人っきりで話そうって言われたんだよ」

「ふーん、そーなんだー」

「なんだよ嫉妬か?」

 

 ウリウリっと押し返す。

 

「#」

 

 今、明らかにきれた感じがしてきたので、俺はスーッとうしろにさがろうとした……が、

 

「ねえ」

 

 腕をガシッとつかまれて

 

「今日止まるから」

 

 ゴゴゴゴゴと背景から聞こえるくらいの圧で、

 

「い・い・わ・よ・ね」

 

 と言われて、俺も「……はい」としか言えなかった。

 

「じゃあ、着替えとってくる」

 

 そういって、窓伝いで彼女は自分の部屋に戻いって言った。

 

「おう。寝床も持って来いよ」

「うん!」

 

 ひょっこりかわいく顔を出して、そう答えたユキノだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 警視庁

 

 とある捜査本部の一室

 

「さてと、状況を整理しましょう」

 

 ホワイトボードには現在の状況が書き連ねられていた。

 

「最初の事件は矢央子公園の東側の目立ちづらいところ。ショウヤ達4人はカズヨからすごい像がネットの画像で回ってきたから、実際に見に行こうということになった。そして、実際に現地に行ったら、それは死体だった」

 

 線を引く。

 

「急いで通報を行ったが、まあ案の定ご臨終していましたと。目撃証言等もなく、椅子に設置するとき以外であの黒づくめの男はカメラには映っていなかった。近くのコンビニとかでも同様ね。

 被害者はここら辺の学生がよくいく遊戯施設でアルバイトをしていた大学生の女の子……。あの事たちが持っていた画像についても出所はわからずじまい……。

 死亡推定時刻は死体発見よりも1日以上前。同時期に捜索願が友人から出されていたし、殺されたの事態はこのあたりの時間前後ね。

 殺害方法は、ナイフによる刺殺。石膏はあとから流しいれたみたいね。そのあと、人の形に彫った事については……彫った本人に聞かないとわからないわね、こんなの。さて、1件目はこんなものかしら」

 

 丸を付けて、次の事件の整理を始める。

 

「次の事件は、駅前の商店街。近隣住民が発見して発覚したわ。近所は飲み屋街ってこともあって防犯カメラもまあまああるけど、これもいつの間にか現れたのよね……。

 そして、設置した黒づくめの男は設置した時以外でカメラに写っていないと。

 一応、目撃証言としては発見の前後でうめき声が聞こえたとかの証言はあったけれど、それ以外はからっしき。

 近くのマンホールとかも開けられた形跡はなく、近所の飲み屋街でも不審な人物を見かけた証言はないと……2度にもわたってすごいわね……感心しちゃうわ……。

 まあこの事件については、それ以上にあの子たちの行動力にも驚かされたものだけど……これは関係ないわね。まったく、最近の中学生はあんなにアグレッシブなのかしら? って危ない危ない。脱線していたわ」

 

 さっきのくだりを線で消して、もう一度引き直し始める。

 

「被害者は最初の事件現場の反対側にあるコンビニの店員の女子大生。死亡推定時刻は発見の12時間前、殺されたのは職場から帰宅してたところ絞殺されたと考えられるわね。

 帰宅するところが、ばっちりカメラに写っていた上、正確な証言がいくつもあったからこれは間違いないわね。そのあとは、最初の事件と同じ。クオリティーが少し上がった程度の違いしかないわね……」

 

 私は2件目についても丸を付けた後、改めてホワイトボードを俯瞰することにした。

 

「あれだけ大胆な犯行なのに、死体を置いたところ以外は何も映っていない……人知れずあれを運んで設置しているやからがいると……」

 

 あの子たちの話も思い出したが、結局私はわからないってことしかわからなかった。

 

「あれからも結局、カズヨって子には会えていないけど……、やっぱり、貴方もかかわっているのかしらね……。リスネ……」

 

 古くに別れた姉の姿を思い出し、私はそのまま、再度捜査に出かけるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<3年前:5/6>

 

 レンが俺の家に来てから数日がたった。

 ふと目が覚めたが、まだ頭がぼーっとしている。

 

 今日は始業式だから早く起きないとな……とか考えていたら、

 

「おはよおおおおおおおおおおにいいいいいい!!!!!!!!!」

「うるせええええええええええええええええええ!!!!!!!!!」

 

 元気な妹が起こしてきたので、さすがに目が覚めたのだった。

 

 

 

 そういや、やっと今日から普通に外出できるんだな……

 

 そんなくだらないことを考えながら、スマホに目を通すと

 

「?」

 

 レンからメッセージだ。

 

<この後会えないか? 2:03>

 

 何ちゅう時間に送ってんだあいつ。

 

「ごめん、今起きた……と」

 

 既読がついた。

 

 そのまま、朝ごはんを食べて歯を磨いて顔も洗って、学校に向かう準備が完了した。

 

 さて返事でも来てるかな。

 

 そうおもって、スマホに目を通しても返事は何一つ来ていなかった。

 

 おかしい。……既読ついてるのに、全然返事来ないな……。いつもだったら、レスポンス早いのだが……

 

 俺はすぐに、『だいじょうぶか?』と送った。そして、すぐに既読はついた。が、返事は来なかった。

 

「まさかだよな……」

 

 いやな予感はしつつも、俺は彼が送ってきた待ち合わせの場所へユキノを誘って向かう事にしたのだった。

 

 

 

 

 

 矢央子神社。

 

 鳥居前。

 

「おまたせ! まった?」

「おせーぞ、何やってたんだよ」

「ごめーん。ちょっとね……」

「全く……」

「それにしても心配よね……あのレンがまさかとは思うけど」

「僕も家に寄ってみたけど、昨日の夜にコンビニ行ったきり帰っていないらしいんだよね」

「だとしても、そんな……あるわけないだろ」

 

 だってあいつは強い。なんかユキノが見てたアニメに出てくる格闘技をマスターするために、あらゆる武術ができる男だ。そんな奴が石に埋められるなんて、あるわけがない。俺はそう思っている。

 

「とりあえずさ、上にあがろうよ。待ち合わせ場所なんだしさ」

「お、おう。そうだな。上で話し合おうぜ」

「……そうね」

 

 そういって、俺たち3人は上へと上がっていったのだった……。

 

 今日のあらゆることが、何気ない事だと最初はスルーしていた。今思えば、この日は不可解なことしか無かった。

 

「はあ……やっぱこの階段長すぎるよ……なんであそこが待ち合わせ場所なんだよ……」

「人目に付きたくないところで話したかったんだろ? 前に俺んち来たみたいに」

「なにそれ?」

「きいてねーの?」

「まあまあ……上には自販機もあるし、そこで一休みしましょう」

「だな」

 

 なにか、私の中で引っかかっていたことが沢山あった。

 

「あー、やっと着いた」

「はあ……。やっぱ長いねー、この階段」

 

 そういって、カズヨは地面に座り込んでしまった。

 

「おーい、さすがに座るなら椅子とかにしろよー」

「えーだって……って、アレ? あそこに携帯落ちていない?」

「え? あーほんとだ。って、コレは」

 

 気づいたショウヤが、すぐに駆け寄り始めた。それに合わせて、私たち2人もいそいでついって言った。

 そして、そこにたどり着いたとき、携帯をまじまじと見た。携帯の画面には、今一番見たくないものがそこにはあった。

 

「コレ……、レンの物じゃないか?」

 

 ショウヤは落ちていた携帯を拾い、文面を確認をしていた。

 

「やっぱりこれ、俺が今朝話した内容じゃねーか……」

「うそ……でしょ……」

「そんな……」

「でもこれは……レンの……」

 

 彼女がそういおうとしたとき、木の奥に灰色の人影が見えた。

 

 

 

 ……私たちはおそるおそる近づいた。

 

 今でも現実だと思っていない。

 

 でも、

 

「……レン」

 

 そこに彼はいたのだ。

 

 

 

 石膏に埋められて像にされてしまった彼が、そこには……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<現代:5/6>

 

 朝、目が覚めて、ネットで調べ物をする。

 

 もちろん、彼女のことについて。

 最近の俺のルーティーンだ。

 

 ネットニュースを巡回していると、予想はしていた事件が目に入ってきた。

 

「……」

 

 石像事件の再来。

 

 でかでかと書かれた見出しには、学校近くのマンションの上につるされた、女の人の石像と化した死体が映っていた。

 

 しかも被害者は俺の同級生ときた。

 

「……クソっ!」

 

 だが、こんなところで躓いてはいけない。

 

「ツキセちゃんに連絡して、今日は学校休まなきゃな……」

 

 そう思い、担任に電話をしようとしたとき、ピンポーンと玄関のチャイムが鳴リ響き、ドンドンドンと扉をたたく音がした。

 

「いるかしら?」

 

 懐かしい声が聞こえた。

 

 俺はすかさず、ドアを開ける。

 

「は~い。久しぶりね、ショウヤ。元気にして……るわけが無いわね」

「久しぶりだな、ソフィ姉。そろそろ来ると思ったよ」

「ええ、3年前の捜査の続きを行いましょ」

 

 

 

 

 

 

 




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