またお嬢様です。
俺には気になる同級生がいる。
同じクラスのマドンナ、アキミヤ・ココノ。
人当たりがよくて、友人にいつも囲まれているクラスの中心的な女の子。
入学した時からあまりにも美しい容姿と人当たりの良さ、そして世界的大企業アキミヤ社の5代目社長の一人娘という立場。
きっと平凡な俺とは生きてる世界が違うんだろうな、関わる事はないだろうなと思っていた。
ある日行きつけの喫茶店へご飯を食べに行った。
ただその日は偶然満席だったらしく、案内された席にいた一人っきりの彼女と相席することになったのだ。
どうやら親戚の喫茶店らしく、いつもはここで働いているとのことだったが(気づかなかった)今日はたまたま一人で食べに来ているそうだ。
少しシンパシーを感じつつも、一緒にご飯を食べるのはあまりにもおいしくて、最高に楽しかった。
その出来事がきっかけで、俺たちは仲良くなっていった。
私には気になる同級生がいる。
同じクラスの男の子、カンジャ・ショウヤ。
ぶっきらぼうで不愛想で、いつも一人でポツンと窓を眺めているような男の子。
入学したときから一人孤高に一匹狼を貫く姿は「不良なんじゃないか?」とクラス内でもちきりになったほどだ。
きっと平凡な私とは多分見てる世界観が違うんだろうな、関わる事はないだろうなと思っていた。
ある日、私は親戚の喫茶店へご飯を食べに行きました。いつもはバイトで行くことが多いのだけど、今日は何となくそんな気分になったので、自分へのご褒美としていきました。
ただその日は人の出入りが激しく、私の注文が終わったころには満席になっていた。
そして私のところに彼は案内された。
お話してみたら、ほぼ毎日このお店でご飯を食べているみたいでさすがの私もびっくりした。気づいたのは最近だが、出勤するたびにいつもおいしそうにハンバーグを食べていたのでうすうす感じてはいたがびっくりした。
そこからお話したら好物も同じで、一緒に食べたご飯はなんだかいつも以上においしかったし、私も最高に楽しかった。
私たちは、その出来事がきっかけで仲良くなっていった。
あれから半年は経った。
俺たちは、いつも一緒にあの喫茶店に寄り道したり、休日も一緒に遊びに行くような中になった。
まあその、一緒にいるのはめちゃくちゃ楽しいので、二人きりで過ごす時間というのがめちゃくちゃ増えたのだった。
そのおかげかは知らないけど、俺たちはだんだんお互いに気を許せる関係になったのだった。
……そんな関係、男として惚れるのは時間の問題だった。
まあだれが考えても、マドンナみたいに扱われる美人の女の子とこんなに仲良くなって、毎日楽しければ好きになるのは当たり前だ。100人中100にんが当然だろと答えるだろう。
とはいっても「好きです」なんて、そんなことは口が裂けても言わねーけど。
俺としては、この関係性が変わるのが滅茶苦茶怖いので、今できる全力で友達をするようにしようと考えたのだった。
校門前。
俺は彼女を待つ
「おまたせ。待った?」
「いいや、全然」
そして、今も関係は継続されたままだった。
今日も俺たちは、二人でいつもの喫茶店に向かっていた。
「今日は何食べようか」
「んー、ハンバーグ……かな」
「ほんと、カンジャ君はハンバーグ好きだよね」
「だってうめーんだもん、あっちのハンバーグ」
「ふふ、伯母さんすっごい喜んでるよ。あの子、いっつもおいしそうに食べてくれてうれしいわ~って」
「あはは……それは少し照れるな……」
テレテレしながら彼女と歩く。
平均身長よりも低めの彼女が、ちょこちょこと歩く姿を見てほほえましく思えた。
ふと思った。
「アキミヤって、そういや友達と帰らなくていいのか?」
「?」
「ほら、ここ最近は特に俺とばっか帰ってるじゃん。その……気つかわせたりしてないかなってさ?」
「あー、それについては大丈夫だよ。なんか、私の事さけるみたいで……」
そう聞こえた瞬間、嫌な選択肢が見えた。
「いじめ!?」
あのアキミヤが? そう驚いたが、
「あ、いや、そうじゃなくて……」
すぐさま否定された。
安心はしたが、じゃあなんで避けられてるのかわからなくなった。
「なんか、見当ついたりするのか?」
「うーん。その……みんなに応援してもらってるてきな?」
「?」
「まあ、そんなひどいことする人たちじゃないよ、ミーちゃんたちは。からかい交じりだけど、みんななりの応援だと思うから。……そういやカンジャ君は、今日は委員会よかったの?」
「あー、委員会ね。先輩が手伝ってくれたおかげで、すぐに終わったから大丈夫」
「先輩って、サキカゼ先輩のこと?」
「そうそう。サキカゼ先輩」
そういって、俺は学校で買ったコーラに口をつける。
サキカゼ ハル先輩。俺がいつも図書委員(楽そうだから選んだ)でいつもお世話になっている人だ。
「ふーん。そうなんだ……」
そういって、彼女のジトっとした目でこっちを見てきた。
お互いおっとり系なのに馬が合わないのだろうか……?
そんなことを考えていると、
「カンジャ君、最近サキカゼ先輩と仲いいよね」
そんなことを唐突に言われたので、つい飲んでたコーラを吹き出す。
「ちょ、大丈夫?」
心配してくれたのか、ハンカチを渡してきた。
「あ、うん大丈夫大丈夫」
びっくりした。
急いで、顔を拭いた俺は、彼女にハンカチを
「あ、これ洗って返していいか?」
そのまま返そうとしたが汚いので、いったん家に持ち帰る提案をした。
「あー大丈夫だよ。私気にしないから」
そういいながら、ひょいっと俺の手から回収してスカートのポケットにしまったのだった。
「まあ、その……先輩とは本の趣味とかが合うだけでな可愛いけどアキミヤが思ってるような関係せいじゃないよ。それに、ここまで一緒にいるのはそのアキミヤくらいだ」
「そうなんだ……ありがと」
そういって、彼女はめちゃくちゃ上機嫌になった。
よかった……
そう思ったのもつかの間、くるっと後ろにいる俺のほうに向いて
「うれしいこと言ってくれたから、今日はおごってあげる」
笑顔でそう言ってきた。
珍しい。
彼女は実家からしてお金持ちなのだが、家族が全体的に趣味貯金というレベルで倹約一家らしく、彼女もその例に漏れないとのことだった。
このお店自体、金額はここら一体のお店すべてを比べてもかなり安いのだが、彼女はいつもまかない料金で食べているので(バイトのサービスみたい)それでもいつもよりは高くなってしまう。
「え、いいのか? あー、でも悪いからいいよ」
そんなことを知ってるので、彼女が言い出したこととはいえ少し気が重いものがあった。
「いいの。昔から必要な時にお金を使いなさいって、お父様に言われてるから。それにこの前とかおごってもらったからね」
そうまぶしい笑顔で、返してきたのだった。
「じゃあ、お言葉に甘えて」
次は俺が、かっこよくおごろう。
そう心に決めたのだった。
自分の部屋。
その後、家に帰ってきた私は家事のお手伝いをしたのち、お風呂に入って宿題をして、自分のベッドに寝転がった。
「今日も楽しかったな……」
寝る前に、今日彼と話した内容を思い返してみる。
といってもたわいない雑談をして、そのあと本屋さんで面白かった漫画とか紹介してもらってそのまま私のおうちの前で解散した。
「いつか、下の名前で呼び合えるくらい仲良くなりたいな……」
はたから見たら、付き合ってるとみられるのかな?
「きゃー」
じたばたする。
もしそうみられているのならうれしいことはない。
半年も一緒に過ごしているのだから、いろんな人にそう思われてるに違いない。
そう思うとうれしくてうれしくて仕方ないのだ。
「いつかきっと、この気持ちが言えたらいいな……」
そう思いながら、彼の体液がついたハンカチを胸に私は眠りについたのだった。
今日も俺は、彼女と一緒に帰る約束をしたのだった。
なので、校門前で待っておこうと思ったが、ふと昨日のことが気になったので、教室の入り口前で聞き耳を立てることにした。
「ココノー、それで愛しのカンジャ君とはどうなってのかなー?」
彼女の友人たちとそんなことが聞こえた。
なんだよ、愛しのって……
聞いてる自分も照れてくる。
大体そんなんじゃ俺たちねーつーのにとか、いろいろ頭の中で言い訳してると。
「愛しのって、別に何でもないよ……それに、ただの友達だし。ミーちゃんたちには関係ないでしょ!」
その彼女の返答に息をのんでしまった。
ただの友達。その言葉がぐさりと胸に突き刺さる。
頭がふらついた。
まあ、そうだよな。
考えればわかる事じゃないか。
……俺たち、ただの友達だもんな。
彼女の一言で、俺は悲しい気持ちでいっぱいになった。
でも、当たり前だ。むしろ今までが奇跡だったのだ。
住む世界の違う二人が仲良く一緒に帰っていたなんて、普通はありえないのだ。
それが運よくたまたま、一緒に帰ることができた。ただそれだけだったのだ。
共通点がたまたまあって、それにたまたま付き合うことができて、たまたまお話しすることがある。本当にただ、それだけの関係性だったのだ。
ショックを受けるのもおこがましい。俺たちは、そんな関係せいなんだ。
それを、はしゃいで俺は……。
そう思った俺は、無言で教室から立ち去っていった。
今日は委員会もないし、いまアキミヤと会うのは正直気まずいからまっすぐ家に帰ろう。
そう思って、階段を降りようとしたとき、携帯の着信音ともに
『この後空いてますか? もしよければ図書室に来てください』
そんなメッセージがサキカゼ先輩から届いたのだった。
「じゃあ、今日も頑張りなよ! ココノ」
「もー、からかわないでってばー!」
友人とたわいのない会話をした後、カンジャ君のいる校門前まで向かおうとした。
教室から出てすぐに、階段で上に向かう彼の姿が見えた。
「カンジャ君……?」
今日は委員会もなかったはずなのになんでだろう……そう思いながら彼の後をついていった。
そんなこんなで、図書室についた。
なんで、こんなところに……
そっと聞き身を立てると。
「ショウヤ君……好きです。付き合ってください……」
そんな言葉が聞こえた。
「え?」
カンジャ君と仲のいい先輩が彼に告白をしていたのだった。
わけわからなくなった。
一歩も動けなくなる、この場所から移動できなくなるようなそんな感覚がした。
そんな時、彼の口から
「はい……喜んで」
そんな音が私の耳に入っていった。
なんて?
え?
彼は今なんて言ったの?
そう思いながら、そっと図書室の中を見た。
抱き合ってる二人を見て、私の頭ぐちゃぐちゃにシェイクされてるようなそんな感覚がした。
……私は失恋した。
気が付いたら自分の部屋だった。
今日の出来事を思い出して、吐き気を催した。
なんで? なんで? なんで?
わけがわからなかった。
彼が彼女と付き合ってるのが意味わからなかった。
抱擁しているのがわけわからなった。
彼の隣にアイツがいるのが意味わからなかった。
だって、その場所はカンジャ君の隣は私だった。だったはずなのに、なんで?
携帯で、彼に電話しようとした。
さっきのは夢なんだ。そう思いたくて……
でも、手が震えてできなかった。
息がまともにできない。思考がおかしくなる。
彼のことを考えて落ち着きたいのに、あの抱擁を交わしているところだけが思い浮かぶ。
そこはにいるのは私だ。
私なんだ。
そう思いながらも、そんな光景が消えなかった。
「私だけ、私だけの彼なのに……それなのに……」
涙が止まらない。
嗚咽が、悲しみが止まらない。
時間もわからなくなるくらい泣いて、ようやく落ち着いた。
そして、私は
「ショウヤ君……」
ある決意をした。
昨日から俺はカゼサキ先輩と付き合うことになった。
振られて(俺が勝手に勘違いしてるだけだったが……)傷心中だったが、先輩のおかげでちょっと立ち直ることができたみたいだった。
そういや、昨日はアキミヤに申し訳ないことしたな……。
そう思いながら彼女の携帯に「今日はスマン、明日埋め合わせする」と昨日の夜送ったメッセージが表示されていた。
さっき返事が届いたみたいで、「OK」とだけ返事が返ってきた。
なので今日も、いつものように校門前で待つことにした。
「でもあいつ、今日学校に来ていなかったんだよな……」
一応連絡はするが既読がつくくらいで、なんも返事は来なかった。
何か危険な目に合っていないよな……そんなことを考えていると、
『貴方のおうちに帰ってきて。二人っきりで話したい』
通知音とともに彼女からそうメッセージがきた。
『わかった』
そう返事して、俺は自分の家に向かうのだった。
エレベーターから出て自分の部屋に歩くが、玄関前には人影がなかった。
そのことが引っかかる。
彼女はかえって着てって言ったのに、なんで玄関にいないんだ?
そんな疑問を思いながら、鍵を開けてドアを開ける入る。
ドアを閉めた時
「お帰り、ショウヤ君」
聞こえるはずのない声が聞こえた。
「え?」
声がするほうに顔を向けると、彼女はそこにいた。
俺の部屋のベッドに堂々と座っていたのだった。
「なんで、俺の部屋に入ってるんだ?」
「お義父様とお義母様からいただいたの。おうちのカギを」
指でくるくると鍵を回す。
「は? どういう……」
ピロピロと俺の携帯から着信音がする。
電話してきたのは、俺の父親からだった。
「どうしたおやじ」
『ショウヤ、すまん』
「スマンて……」
いつもは明るい父の声とは全く異なるシリアスな雰囲気の電話口のせいで、俺も嫌な予感がした。
『実はな、父さんのいる会社倒産しそうでな』
「は? 何のおやじギャグだよ……」
自分の父親は、こんな真面目に馬鹿なことを言う人ではなかった。
でも、そう突っ込まないと、気が気でなかった。
なんかとてつもない恐怖を感じた。
『おやじギャグじゃない。その……結構ピンチだったんだよ』
「だった?」
『ああ。明日にでも消えてもおかしくなかったんだ。そんな時、イチノミヤからうちの子会社にならないかって持ち掛けられたらしいんだ』
「なら、よかったじゃねーか。なんで謝るんだよ」
『……その、なんだ。子会社化の条件に、お前をイチノミヤのご令嬢に献上しろって文言が書かれていたみたいなんだよ……』
「は?」
『俺も最初聞かされたときは、わけわからなかったよ。でも時間もなかったみたいで、なんも相談できずに勝手に決まったらしいんだ。俺が知らされた時にはすべて終わった後だったんだよ……』
「待ってくれ。わけがわからない。そんな非常識……」
『おれもそう思う。あと、ついさっきそのお嬢様から母さんにも挨拶にって来てたらしいんだが、そのあとスーツ着たやつらが無理やり家に押し言ってきたみたいでな、お前の家のスペアキーを奪われた……』
携帯を取り上げられて、通話を切られる。
「ショウヤ君。なんで私がここにいるか、理解できた?」
いつものような笑顔でこちらに問いかけてきた。
「あなたは私が買ったんだよ」
そういわれて、一気に血の気が引いた。
「アキミヤ、なんでこんなことしたんだよ。こんな真似」
「ご主人様に向かって、そんな顔しないでよ」
彼女に顔を向けた時、漆黒の瞳でこちらを見てるのが見えた。
「アキ……ミヤ?」
恐怖で後ずさる。
「アキミヤじゃなくて、ココノってよんで。あいつみたいにさ」
彼女は俺に近づく。
「ショウヤ君は私と相思相愛だったのに……それなのに、あの人が全部かっさらっていって。妹ちゃんやユキノちゃんのことを一番警戒していたけど、あの人にしてやられるなんて思わなかったな……」
後ずさりしていた俺だったが、とうとうドアに背中がつく。
「ひどい話だよね。だからね、私に振り向くようにお金を使ったの」
そういって、彼女は俺にもたれかかってきた。
「たまたま運も味方してくれたみたいで、うれしかったな。お父様を説得するのは大変だったけど、でもそのおかげで話がスムーズに進んでよかった」
闇の笑顔を向けて彼女は俺に見上げてくる。
「ごめんね、ショウヤ君。変な真似しちゃったけどさ、でもこれからはそばにいることができるよ。ずっとずっとね。それに勘違いしてほしくないんだけど、あなたのすべてを支配しようとかそういうわけじゃないの。誰が彼女とか、その女を消してやろうとかそんなことはしないから安心して。いくらほかの女の子にテレテレしてても、それで罰を与えたりしないよ。だって卒業したら、私と結婚するんだからね。それまでは、好きにしていいよ。もちろん、卒業したら浮気は無しね。そんなことされちゃったら私、多分だけど人生のすべてを奪ってしまうかもしれないの。だからね、ショウヤ君」
そういいながら、彼女は腕を首元に巻きつけてきて自分のほうに俺の体を引き寄せてきた。
「これからもよろしくね。ここからふたりで始まるんだから」
そして俺は、彼女に熱い口づけを交わされるのだった。
えー、もともと二次創作で書く予定だったやつをRE-BOOT!した形の物なので、気になるところはあると思いますが、そこはまあ、うん。ね。許して。お願い。
ホントは昨日に間に合わせたかったんですがね、書き始めるのが遅すぎて遅刻しました。
部屋の掃除とかするもんじゃないね。