作:金髪幼女ロリ

6 / 8
当初は、1万5000文字位の分量でユキノちゃんの話をするつもりでした。
誰だよ、過去と現代を行ったり来たりする事件物にしたの(1月にキバ見直した俺のせい)
おかげで、8分割になったじゃねーか。
これから毎日投稿だよまったく。

#1始まります。


親愛なる目覚めよ。~スコールにも負けず、もっと勇気を出して!~ #1

<現代:4/17>

 

 私は、昔から好きな人がいた。

 

 幼馴染のカンジャ・ショウヤ。

 小学校の頃からの長い付き合いで、同級生の子や妹のユキアと一緒にヒーローごっこしたりするような仲だった。

 

 この時はあまりそんな感情で意識はしていなかったけど、今思い返すとこの時からうっすらと好きだったと思う。

 ……私がそれ以上に、もっと好きになったきっかけは、今でもはっきりと覚えてる。

 

 小学4年生の頃、たしか妹が事故で亡くなった時だった。

 

 あの子は即死だった。

 飲酒運転の車に突っ込まれて、見るも無残な形になってしまった。

 

 どんなしゃべり方で、どんな声で……そんなことは日がたつにつれて、思い出したくても思い出せなくなってしまった。

 それに比例して、私は徐々に心が荒んでいき、絶望した。

 

 あの日伸ばした手は、彼女の手をつかむことができなかった。

 

 何もできなかった。

 

 もしもあの時手が届いていたら。

 そう思うと悔しくて。

 私は手が伸びなかった私に絶望した。

 

 恨んだ。

 

 傷をつけた。

 

 傷をつけた。

 

 傷をつけた。

 

 傷をつけた! 

 

 傷をつけた!!! 

 

「やめろ!!」

 

 どこからともなく声が聞こえた。

 

 ふさぎ込み、自分を傷つけていた私を止めてくれた。

 

「お願いだからそんなことはやめろ……、あいつ悲しんじゃうよ……」

 

 そう言って、彼は私の血だらけの手を包み込んだ。

 私の傷をいやそうとして、そっとそばに寄り添ってくれた。

 

「ごめ、ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……」

 

 涙が止まらず、ただ謝ることしかできなかった。

 彼が止めてくれたおかげで、あの子をきっと傷付けずに済んだ。

 

 ありがとうが止まらなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから年月がたって、

 私はだんだんと元の私に戻っていった。

 

 そして小学校を卒業するころには、彼のことが大好きになっていった。

 

 彼の隣に相応しくなりたいと思うようになっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 改めて振り返ると、きっかけはココなんだろうなと思う。

 傷痕が残った右手を見てほほ笑む。

 

 だからこそ、私はもう二度とあんな思いをしないために誰にも胸を張れるヒーローのような人間になると。

 そう決意した。

 

「そろそろか」

 

 さてと、こんなバカなお姉ちゃんでごめんね。ユキア。

 夜、警報が鳴る。

 

「っ、ああ」

 

 私は刑務所の中を走った。

 出口に向かって真っすぐと。

 

 

 

 私には、まだやらないといけないことがある。

 だから後悔しないために、あいつを殺すために走った。

 

 

 

 

 

 

 

 

<3年前:4/6>

 

 中学に入学したころ、私と彼は二人のクラスメイトと出会った。

 

 サフカワ・カズヨ。僕が一人称の誰とでも仲良くできる明るいギャルって感じの女の子。だけど、ものすごくめんどくさがり。何事にも「えーめんどい」から入る子だ。

 

 タカラヤ・レン。本人曰くシヴァが描かれているネックレスをよく身につけており、腕に包帯を巻いたりする、私と漫画の趣味が合う男の子。

 

 はたから見たらいびつな人選で、なんで一緒にいるか分からない4人。

 だけどそんなことはお構いなしに、昔からの幼馴染なんじゃないかと思えるくらいみんな気が合うメンバーだった。

 

 この間も一緒に大人気遊戯施設で遊んだくらいには仲良しな4人組になっていった。

 

 

 

 

 

 

 

<3年前:4/19>

 

 昼休み。

 

 俺とレンと、ついさっき合流したカズヨと一緒に、ユキノが来るのを待ちながら屋上で談笑をしていた。

 すると、カズヨが何かを思い出したかのように、突然スマホの画面を見せてきた。

 

「ねえ、知ってる? 矢央子公園に女の子の石膏でできた像が出たらしいよ」

「「像?」」

 

 そう疑問符を並べながら俺とレンで画面の画像を見た。

 

 そこには灰色の像が映っていた。

 しかも、普通におっきい。

 

「今朝、急に現れたって噂だよ」

「ほう……興味深いな」

「でしょでしょ」

 

 こんなにも繊細そうで大きいものが一晩で、急に表れたとのことだ。

 

「今にも動き出しそうなくらいすっごい丁寧に作られててさ、結構拡散とかされたみたいだよ」

 

 確かにこれは拡散されるだろう。

 素人目から見ても、すごい代物だ。

 芸術家の仕業とかなのかな? 

 そんなことを考えていたら、

 

「それでなんだけど……今日の放課後、皆で一緒に見に行かない?」

「は?」

「お待たせ。何の話してたの?」

「遅かったじゃないか。何かあったのか?」

「先生の手伝いをしていてね。それで、皆して何の話していたのかしら?」

「矢央子公園に女の石像が出たから、放課後、全員で一緒に見に行かないかってカズヨが」

「ふーん」

「俺はもちろんかまわないが……ショウヤ、お前はどうする?」

「俺は別にどっちでも……」

「ふーん。ユキノちゃんは?」

「私も別に構わないけど」

「……ユキノちゃんやレンもそういってるけど?」

「いやでもなー……」

 

 確かにすごいとは思ったが……別に興味ないというか、何というかいやな予感がめっちゃするんだよな……。

 何かこの画像を見てると恐怖を感じる。なんでかわからないけど、とにかく怖い感じがしたからだ。

 

「……ちなみに何だけどショーヤ。ここだけの話、この石像……女の人らしいんだけど実物はめっちゃすごい美人でおっぱいおっきいらしいよ」

「……まじで?」

「まじ」

 

 俺は、結局ついていくことにした。

 

 べつに、おっぱいに惹かれたとかではない。

 

 みんなが行くから俺もついていくのだ。

 

 だから、

 

「x」

「ちょ、ユキノ痛い! いてぇって! つねるのやめろ!」

「全く、お前たちは何してるんだか」

「ほーんとそうだね。ほんと、楽しそう」

「ぎゃああああああああああああ!!!!!!!!!」

 

 そんなこんなで俺たちは放課後、矢央子公園に行くことになった。

 

 

 

 矢央小市

 

 おっきい神社と最近やってたユキノやレン曰くかっこよくておしゃれなアニメ(一般的には不評より)の舞台になったことが有名なこの町。

 

 そんな街の中央にある公園こと、矢央子公園。

 そこの端っこにあるベンチに、例の石像があるとのことだった。

 

 

 

 放課後

 

 俺たちはそこへと向かっていったが、

 

「お前人目が付きやすいとか言ってなかったか?」

「たしか僕らの学校側にあるって話だったけど……一応僕も行くのは初めてだからね。正直、こんなにわかりづらいとは思ってなかったよ」

 

 ベンチに置いてあるし、わかりやすいところにあるだろうとのことだったので全員で固まって動いていたが、

 

「ほんとにここで会ってるの?」

「カズヨを信じるほかあるまい」

 

 この公園がまあまあ広い事に加え、目印になりそうなものも画像にはなかったので、1時間以上俺たちはさまようことになってしまったのだ。

 めちゃくちゃ歩いたので、もう帰らねーか? と何度も口から出そうになった。

 というかそろそろ言いたかった。

 そんなことを考えると、

 

「あーめんど。ここ探して見つからなかったらもう帰ろうよ」

 

 カズヨがとんでもないことを言い出した。

 

「言い出しっぺお前だろ!」

「いやそうだけどさ。ここまで見つからないってなると、もう撤去されたと思ったほうが……うん?」

 

 彼女は横を向いたとたん、何かに気づいたようだ。

 

「どうした? カズヨ」

「……あ! あれかも」

 

 そういって彼女が駆け出す。

 

「おい待て」

 

 駆け出す彼女を追いかけるように、俺たちも全員も一緒に駆け出したのだった。

 

「あった、これこれ」

 

 そういって彼女は立ち止まる。

 目の前には画像で見た石像がそこにはあった。

 

 でもそれは……

 

「これは……」

「何とも異様ね」

「……」

 

 言葉を失った。

 

 実物の石像からは、今まで見たことないくらいに辛くもだえ苦しむ表情をしており、ここにいる全員が黙る事しかできなかった。

 

「これ、すごく趣味悪ぃな」

 

 そんな事しか俺は言えなかった。

 すごく丁寧に精巧に削られた石から、今にも「殺される。助けて」と言わんばかりの表情をしていて、美人とかおっぱいおっきいとか考えられないくらいに今すぐにでも目をそらしたい。そんなことしか考えることができなかった。

 

「あれ?」

「どうした? カズヨ」

「ここ、なんか石っぽく無くない?」

「え?」

 

 全員が彼女が指さす方に注目した。

 確かに灰色の中にぽつぽつと肌色のような色が薄く入っていた。

 

「ほら、ココ。若干肌色っぽくなって、……あ……」

「おい壊すなよ。展示品かもしれ……ねーかも……え?」

 

 カズヨがちょっと触れた個所からは、ぽろぽろと灰色のものが落ちて行って、中からは肌色と髪の毛があらわになった。

 

「うそだろ……」

「これ……」

 

 考えたくなかった。

 あまりにもリアリティのある表情。

 精巧に作られていると思ったが、

 

「さ、さすがに手の込んだいたずらだろ。こんなもの、サッサっと通報して警察に回収……」

 

 俺は震える手で、警察に通報しようとスマホに向いた。

 でも、椅子の下の方は見てはいけなかった。

 

「ひっ」

 

 椅子には赤茶色のシミがそこにはあった。

 

「え? うわあぁっ! 血!?」

「これ……」

「う……嘘……だろ……死体、なのか?」

 

 ここにいる全員が恐怖に飲まれた様子だった。

 

 だが、そんなのは当り前だ。

 まさか、人の死を目にするなんて……

 

 でもこれは始まりだった。

 

 これから起きる悪夢のような出来事の。

 

 

 

 この後、俺たちは事情聴取を受けた。

 

 急いで通報した。そこであった刑事さんにいろいろとケアしてもらい、俺たちはその現場を後にすることになった。

 

 

 

 そして、次の日。

 

 学校では例の事件の話題でもちきりだった。

 

 やれ、死因はナイフに刺されたことによる出血多量で、生きてるときに石膏を流されただろうとかあんな重たいものを運べるから犯人は男だろうとか、いろいろ。

 いやになった俺は耳をふさぎ、HRが始まるまでうずくまって過ごした。

 

 そして、昼休み。

 

 いつものように学校の屋上に集まったが、誰もしゃべらなかった。

 

 全員口を開かず、そのままもくもくと黙っていた。

 

 それもそのはず。

 

 昨日、死体を見たのだ。

 無理もない。

 

 そんな時、一人がふと口を開いた。

 

「私、許せない……こんなことをする人が」

「ユキノ……」

「俺も同感だな」

「レン……確かにそうだな」

「じゃあ、解決しようよ。僕たち皆で」

「「「……」」」

「何だよその目は」

「いや、お前がそんな事いうなんてな……」

「いつもは「めんどくさい~」とかいうのに珍しいわね……」

「ひどいなぁ……」

「でも、カズヨまで俺たちと同じ気持ちだったのはいい事なんじゃないか?」

「そうだな」

「じゃあ、僕らはチームだ」

「チームか……チーム名を考えないとだな。どうだ? ここは一つ、古代インドの聖典からとって、r」

「いや、それならもう決めてあるわ」

「ほう……聞かせてもらおうか」

「ふっ……ヴァルハ」

 

 さっきまでの憂鬱とした雰囲気はきれいさっぱり吹き飛び、あーでもないこうでもないと2人は言い合っていた。

 

「な~んか、ふたりとも楽しそうだね~。ねー、ショーヤ」

「ああ……そうだな」

 

 楽しそうにわーきゃーしてる2人の会話に、俺とカズヨも混ざる。

 

 今の俺たち傍から見たら、ちょっとした探偵ごっこみたいなものだとも思う。でもこれで、次の犠牲者が出ないのならやる方がいい。

 

 普通の中学生の俺たちには微々たる影響しかないと思うが、この事件に無関心でいたくもない。

 

「よーし、これからがんばるぞ!」

「「「おー!」」」

 

 そういって俺たちは放課後、昨日の現場に戻ることにしたのだった。

 ちなみに、チーム名は結局決まらなかったので、チーム名は無し!って事になったのだが、それはまた別の話だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<現代:4/18>

 

 矢央子公園。

 

 西側で昔、殺人事件があったとかで有名な公園だ。

 

 最初聞いたときは、家の近くだから勘弁してもらいたいって当時思ったな……。

 ベンチに腰を掛けて待ち人をしていると、後ろから声をかけられた。

 

「久しぶり、テルナ」

 

 ……なんで木の後ろから? ああ、脱獄犯だからか。いや目立つよ。

 

 ……驚かされたので、嫌味くらいは返しても罰は当たらないだろう。

 

「脱獄するなんて……ユキノ先輩、大胆なこと考えましたよね。おにぃに嫌われますよ」

「あら、手伝ったのはあなたでしょ。しかし便利ね、貴方の気配の薄さは」

 

 嫌味返しされた……。

 

 まあ、とはいっても、自分でも自分の影の薄さにはかなり驚いたのも事実だ。

 まさか、あんなにすんなりいくとは……。

 この世界の住人じゃない妖精さんが手伝ってくれたのかな? 

 

 まあいいや。

 

「しかし、すぐに決断しましたよね。しかもすごい具体的に作戦も考えてたし。やっぱ、逃げる気満々だったんですか?」

「別によっぽどのことがなければ逃げなかったわ。……ただ、あの時殺した実感がなかったのよね。だからもしも生きてるのなら……ね」

「そうですか……」

 

 そう返事すると、彼女は隣に座った。

 

「テルナ……あなたは変わらないね」

「そうゆうユキノ先輩は変わりましたね」

 

 昔よりも雰囲気とかかなり変わった。

 悲しげな感じを身にまとっているみたいだ。

 

「ねえテルナ……ショーヤは元気?」

 

 この人にまさかそんなことを聞かれるとは。

 

「ええ、昨年は学校でいい出会いもあったみたいですし、毎日元気そうですよ。貴方のことなんか忘れてるんじゃないですか?」

 

 ちょっとイラついたので嫌味で返した。

 

「そう……お兄ちゃんが元気で、良かったわね。貴方も妹として鼻が高いんじゃない?」

 

 何か今日はやけにあたり強いな。いつもはこんなじゃないけど……。

 

「……嫌味です?」

「あら? 姉妹なんだし、これくらいは別にかまわないでしょ」

 

 頭の中で血管が切れる音がした。

 

「別にあなたを義姉だなんて認めてないんですけど! はい、これ。今のあいつの居場所だと思われる所をまとめたリスト。解決したら通報しますからね。じゃ!」

 

 渡すものだけ投げつけて、帰ろうとした。

 

 そんな時

 

「ありがとう、テルナ」

 

 前のような優しい口調の声が、後ろから聞こえた。

 

「……あんまり、無茶やり過ぎないでください」

「ええ、肝に銘じて置くわ。情報ありがとう。また会いましょう」

 

 私はこの場から立ち去った。

 

「はあ……変わったな。ほんとに」

 

 

 

 

 

 

 

 




今日からこの時間に連続投稿します(最終話だけ、次の日の0時にUPします)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。