夜神月に成り代わってヒロアカ世界に転生したけどデスノート絶対に使いません!   作:佐久間2525

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オリジナル色がかなり強くなってしまいました。RTAかな?


第七話 襲撃

 

 

学校の敷地内をバスで移動するってすごい話だよなぁ。

ガタゴトと揺れる車内で窓の外を眺めながら、しみじみとそう思った。今視界に入っているあの大きな体育館も、広大な森も、向こうの方に見えている演習場も。全てが雄英の管理下にあるというのだから恐れ入る。さすがは国立といったところか。

 

「わたし何でも言っちゃうの。…緑谷ちゃん」

「あ!?はい!!蛙吹さん!!」

「梅雨ちゃんと呼んで。あなたの個性、オールマイトと似てる」

 

おいおい、緑谷。早速クラスメイトに重大な秘密がばれかけているじゃないか。

 

横目で友人の方をそっと伺うと、挙動不審に目を泳がせて狼狽えている様子が見て取れる。

 

「えっ!?そうかな!?いや、でも、あの、僕はそのえっと…!」

 

いや、シンプルに誤魔化しが下手…。仕方ない、助け舟を出しておくか。

 

「緑谷の個性はオールマイトと違って反動もあるみたいだし、全くの別物だと僕は思うけどな」

「そうだぜ、オールマイトは怪我とかしねえし、似て非なるものじゃねえ?」

 

上手い具合に切島も乗っかってくれて、話題は流れた。安堵の息をついているのが聞こえてくるが、そういうところだと思うぞ。今からこの調子では先のことが危ぶまれる。

 

「しっかし増強系のシンプルな個性はいいな!派手に見せつけられるうえに、出来ることが多い。俺の硬化は、対人戦じゃ強ぇけどいかんせん地味なんだよな~」

「僕はすごくカッコいいと思うよ。プロにも十分通用する個性だ」

「プロなあ。しかしやっぱヒーローも人気商売みてえなことあるぜ?」

 

わいわい、と。楽し気に交わされる会話。

ただ静かに眺める。爆豪が何か揶揄われてキレて、それに上鳴や切島が乗っかってさらに煽る。どんなヒーローになりたいだとか、誰にあこがれているだとか。我関せずな様子の轟は一人無表情だが…みんな楽しそうだ。

 

ふむ、どんなヒーローになりたいか、ね。

 

僕は…どんなヒーローになりたいんだろうか。憧れの人は何人もいるけれど、自分自身の将来のヴィジョンというのはまだ描けていない。

 

ヒーローを目指し始めたきっかけは、正直に言うと自己保身のためだった。自分が夜神月だと知って、将来に不安を抱いたがために、社会的地位を欲して選んだ進路。邪念しかない。

 

ステインになんて遭遇したら秒で粛清されるんだろうな。本当に。あいつはその辺の嗅覚鋭いんだ。1日中ヤツの痕跡をストーキングしていた僕には分かる。

 

個性を最大限に活かすなら今やっていることを続ければいい。けれど…いつか自分の心が折れてしまいそうな予感はずっとあって。このままの道を進めば、きっと良くないことが起きるだろうなと、漠然と感じている。

 

 

「暫定クラス最強は轟か爆豪かな。あとは出力がピーキーだけど緑谷か」

「悔しいけどまあ納得の選択肢だな~。夜神はどう思う?」

 

幻視する。

日向にいるクラスメイトたちと、日陰にいる僕。

手を差し伸べてくれるヒーローに向かって、一歩踏み出して影から出ようとするけれど、何かに足を取られて動けなくなる。そんな光景。

 

「…おーい?」

 

反応が一瞬遅れて訝しげに見られたところで、我に返った。

気づけば数名の視線が僕に向けられていた。中には少し心配そうにしているクラスメイトもいる。

 

いけない。ステインの事といい、最近物思いに耽ることが多いな…。反省しなくては。誤魔化すようにニコリと完璧な笑みを張り付け、首を傾げる。

 

「汎用性と有用性なら僕が1番の自信あるから。負けないよ?」

 

「おっ、言うね~」

「吠えてろエリート野郎がっ!!俺の方が上ってことを見せつけてやるから首洗って待ってろカス!!」

「確かに夜神くんの個性は情報戦で先手をとれるという点で、非常に有用性が高い…しかも本人の身体能力もかなり高いから近接戦闘もできるし、武器を持っていれば中距離の戦闘もできる。ヴィランの個性も複雑化していることが多いけど、それに対してもアドバンテージが…ぶつぶつぶつ」

「うるっっせぇなデク!!それやめろつってんだろーが!」

 

よし、気持ちの切り替え完了。いつまでもウジウジ悩んでいられないし、今は授業に集中しよう。

 

そろそろ演習場に到着するみたいだ。先に覗いてきたらしいリュークが 『すげえ広いぜ。屋根があるのに雨が降ってたり、燃えてたりよォ。楽しそうなとこだな~』 と感想を述べていた。自由な奴だ。随分とご機嫌なようで何よりだけど。

 

 

 

後から振り返って思えば、この時のリュークが愉しげにニヤニヤと笑っていたのは。USJに先に潜んでいた幾名かのヴィランを見つけて、何かが起こることを悟ったからだったのだろう。

 

言えよ、と思うのだけれど。こいつはあくまで死神なのであって、僕の味方ではないから仕方ない。少年漫画とかの相棒ポジションのやつではないのだ。

 

腹は立ったので、数日りんご抜きの刑に処した。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

さて、これは僕の持論だが。情報の速さは、強さだ。

 

素早く正確な情報を共有できるということは、何物にも代えがたい価値がある。一瞬の判断が生死を分けるような現場においては殊更に。

 

なので──

 

「施設内にヴィランらしき侵入者、計126名。各ゾーンに5~20名ほど潜伏中。ワープの個性持ちがいることから、分断する狙いがあるかと思われます。赤外線、電波が妨害されているようで、外への連絡不可能です。侵入者センサーも動いていません。

 

…妨害していると推測されるヴィラン発見しました。一刻も早く取り押さえて通信を復活。救援を呼ぶことが優先かと思われます」

 

──僕の初動は、それなりに悪くなかったのではないかと思う。

 

 

……

 

反射のような行動だった。

 

なにかワープ系の個性が発動し、怪しい人影が姿を現した瞬間。

これも授業の一環かという考えが脳裏をよぎったが、即座に自分を否定した。背筋を這う悪寒が、否定させた。

 

過去に何度も感じたことのある感覚。サイコメトリで事件現場の記憶に触れるたびに対面した恐怖。

 

人を害そうとする、悪意の気配だ。

 

「八百万さん、双眼鏡つくって。なるべく早く。この施設の端まで見える性能」

「急になにを…。 …! 分かりましたわ」

 

短い言葉に即座に応えてくれた彼女は優秀だった。5秒と待たずパシリと掌に添えられた望遠鏡を目にあてがう。

 

僕の個性サイコメトリはできることが多すぎて毎回説明に困るのだが、1つに透視能力というものがある。障害物があってもそれを透けて視ることのできる力だ。屋内訓練の時に葉隠さんや麗日さんの居場所を特定したのもこれ。便利な力だが欠点もあり、僕の視界の届く範囲しか効果がない。千里眼ではないのだ。

 

しかしこの欠点、道具があれば補うことができる。

そう、双眼鏡があればね。八百万さんには頭が上がらないな。

 

視界を遮る森や建物を透視で無視しながら、怪しげな人影をひたすらカウントしてゆく。

人数を相澤先生と13号先生に報告しつつ、傍にあるゲートの支柱に触れた。侵入者センサーがどこを起点に妨害されているかを把握、個性による攻撃と断定。

 

ヴィランのおおよその方向性さえつかめれば、もう一度双眼鏡をのぞき込んで…見つけた。

 

「一かたまりになって動くな!数名グループを作り、各グループ間は距離をとるように。夜神、妨害しているヴィランはどいつだ」

「山岳ゾーンに潜伏しています。距離があるため、僕が別行動で確保しに行くのが効率的かと」

「却下だ、危険すぎる」

 

敵がワープで僕たちを分断させようとしていることを報告して以降、相澤先生はモヤがかっているヴィランを睨み続けている。ゴーグルで視線をごまかしつつ、一番厄介なヤツの個性を発動させないようにしている所はさすがの一言だ。

 

「先生も夜神くんも一体なにを…」

「もう授業始まってんの?」

「いいや、これは訓練じゃない。みんな構えて。…あれは本物のヴィランだ」

 

ぞろぞろと近づいてくるヴィランを眺め、ようやく状況が飲み込めたらしいクラスメイトが騒めく。さすがに優秀なヒーロー科というべきか、一部は相澤先生の指示に従って数人で固まろうとしていた。

 

「13号にイレイザーヘッドですか。先日頂いた教師側のカリキュラムではオールマイトがここにいるはずなのですが」

「どこだよ。せっかくこんなに大衆引き連れてきたのにさあ。オールマイト、平和の象徴。いないなんて…子供を殺せば来るのかな?」

 

ギョロリ、と血走った目が顔面に着けられた奇妙な手の間から見えた。

ああ、あれは。

 

口先だけのチンピラなどではない。本物の悪意を持ったヴィランだ。

 

「問答の時間が惜しい。お叱りは後で受けます」

「おい、夜神!」

「八百万さん、バイクを…。いや、飯田」

 

2名のプロヒーローだけで事態に当たるのは不可能だ。ヴィランサイドもまだ動き始めていないうちに、電波を妨害しているヴィランを倒しに行きたい。しかし相澤先生が生徒を矢面に立たせるわけもなく──僕は説得を一旦諦めた。

 

死ぬほど怒られる予感しかしないが、それも命あっての物種だ。

 

「君の個性ならあの山のふもとまで僕を連れてどれだけ時間がかかる」

「──トップスピードに乗れさえすれば、1分かからないうちに」

「危険だけど、頼めるか」

「…ああ、それがクラスのためになるなら、僕は委員長として全力で遂行する!」

「飯田、お前までッ」

「イレイザーヘッド!緊急事態です、背に腹は代えられません!!」

「13号…ッ!…クソっ、怪我一つせず帰ってこい!!破ったら除籍だこの馬鹿どもめ!!!」

 

最後の一押しを得て、僕は飯田の背におぶさった。足のエンジンをふかし始めた彼が、ぐっと前傾姿勢になる。

 

「夜神さん、これを!」

「…ありがとう!」

「いくぞ夜神くん!しっかり掴まっていたまえ!!」

 

その一歩が踏み出される直前、八百万さんから何か投げられた。パシリと受け取ったソレは伸縮性の警棒…おそらく絶縁体。電波妨害系の個性となれば電気に関係するものと当たりをつけての応援物資だった。ありがたく受け取り、飯田の首にしっかりと腕を巻き付けた瞬間、視界がブレる。

 

「う、わっ」

 

首が取れるかと錯覚するほどの急加速だった。

 

一歩、二歩と踏み出す度に増してゆくスピード。

階段横の坂道を駆け下りているだけあって、すさまじい加速度だ。

 

「何をするつもりだ?…黒霧、あいつらを捕まえろ」

「それが…先ほどからイレイザーヘッドに見られておりまして。個性が発動できないのです」

「はァ?ほんっとお前さァ…。じゃあ他のやつら。どうにかしろ」

 

「うわあっ、なんだこれ、足が!?」

「つめたっ!」

「凍ってる!?!?」

「動けねえ…」

「なんだこの紫の玉!?!?とれないんだけど!?」

 

「は?何やってんのお前ら。揃いもそろって使えねえな…」

 

あの氷は轟か。流石の判断力…というか轟の判断が早いのは納得だが、峰田もいつの間にもぎもぎ投げた?いや、助かるけど。

 

クラスメイトとプロヒーロー2人が切り開いてくれた道を、飯田の個性は一瞬のうちに駆け抜けていく。その健脚が地面を蹴るたびに、どんどんスピードが増してゆき、背後の喧騒はあっという間に聞こえなくなった。

 

ごうごう、と。

あまりのスピードに風圧がすごいことになっている。

目を開けないが、自分の瞼を透視しつつ僕は一点を指さした。

 

「ヴィヴィヴィラララんン、ああああ、あああっちちち」

 

超スピードの中では、風圧でまともに話せない。僕は1つ賢くなった。

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

自分が電波を妨害する係だったとして。

馬鹿正直に、飛ばされてくる生徒を迎え撃つ予定の位置に立つだろうか?答えは否だ。

 

そう予測立てて、一人孤立したところで潜んでいる奴が犯人だと推測したわけなのだが。どうやら当たりだったらしい。

 

「こんにちは、そしてさようなら!」

「ぶげらッ!!?」

 

すれ違いざま、飯田の背から飛び降りて警棒を一息に振り下ろす。スピードと体重の乗った一撃は、一瞬にしてヴィランの意識を刈り取った。ナイスバッティング。我ながらドンピシャだ。バイクから飛び降りてアクションするスタントマンと握手させてもらったことがあるけれど、こんな所で当時習得した体捌きが役立つとはね。

 

2mほどは吹き飛んだヴィランは、ぴくりともせず地面に伏せている。

 

途端、けたたましく警戒アラートが鳴り始めた。侵入者用のセンサーも復活したらしい。

 

取り出した携帯に素早く高校の番号を入れて、連絡を始める。よかった、電波もしっかり復活しているな。

 

『はい、雄英高校の山田で──』

「1-A夜神です。演習場USJにてヴィランの襲撃を受けています、至急応援願います」

『…ッ!?襲撃の規模は!』

「126名のヴィランが侵入、ワープ系の個性持ちがいます。先ほどまで電波妨害されており、襲撃から4分52秒経過しています」

『分かった、すぐに向かう。…無事でいてくれよ』

 

警戒アラートも向こうに届いていたのだろう、職員室の様子は慌ただしかった。

あの様子だと、すぐに救援に来てくれるはず。

 

「ふう…。流石だ、夜神くん、こんなに迅速に通信を復活させるなんて」

「飯田の足があってこそだよ」

 

いや、ほんとに。速いだろうなとは思ってたけど想像より速かった。そのうち音速とかにも届くのではなかろうか?新幹線と勝負するところとか見てみたい。彼の将来に期待だ。

 

「拘束はこれで良し、と。仲間のヴィランに見つからないよう隠しておこう」

「そうだね。そしたら僕らも広場に戻れる」

「ああ、先生とみんなが心配だ。こんな用意周到に襲撃してくるヴィラン、きっととんでもないことを考えているに違いない」

「本当にね。…ちょっとだけこの人の記憶を視ておくよ。狙いがわかるかも」

 

目を回して地面に伸びているヴィランを飯田と二人で手早く拘束する。たんこぶになっている付近、頭に手を伸ばして、個性を発動させた。

 

『割のいいバイトだなこりゃ』

『雄英ってマジかよ…震えが止まらねえぜ』

『オールマイトぶっ殺せるんだろ!?!?俺愉しみで仕方ねえよ!!!』

『でも本当にやれるのかンなこと』

『さあ。紹介してくれたブローカーは有名な奴だぜ。ホラ、2丁目の…』

『ああ、あの人が言うなら…』

『なんでも秘密兵器があるとか噂だぜ』

 

ある程度、情報を得られたところで目を開いた。

 

「急ごう。敵の狙いはオールマイトの殺害だ」

 

 

◇◆◇◆

 

 

甲高い音を立てて鳴り響くアラームに、誰もが顔を上げた。

1-Aの生徒の顔には希望が映り、ヴィランたちの顔には焦燥が浮かぶ。

 

「は?電波のヤツ、もうやられたの?雑魚すぎるだろ、死ねよカス…」

 

ガリガリ、ガリガリ。

苛立たし気に死柄木は首元を掻き毟る。何が起きている?まったく予定と違うではないか。

 

散らしてなぶり殺しにするはずの生徒たちの姿はまだ目の前にあり、一人の死者も出ていない。雑魚どもはすぐに13号に蹴散らされたし、黒霧はイレイザーヘッドにずっと警戒を向けられているから個性を使うに使えない。

雄英生も何なんだアイツら。氷だの爆破だの、恵まれた個性ばっかり見せびらかしやがって。

 

こんな筈ではなかったのに。

オールマイトが来てない時点でまず話が違うじゃないか。この場にはいない己の師に対しても、内心恨み言を向ける。

 

「すっげぇ、ほんとにやりやがった夜神!」

「ばッか、おまっ」

「──へぇ、ヤガミってやつが最初に飛び出したやつ?そういえば多分アイツのせいで通信復活してんだよなァ…。ふーん…。腹立つから覚えとこ」

 

速度がすさまじくて顔は全然見れなかったけれど。まあ名前だけでも憶えて帰るとしよう。

 

「あーあ、ゲームオーバーだ。…帰ろっか」

 

せっかく今日のために準備したのに、台無しだ。

怒りと苛立ちで頭がおかしくなりそうな感覚になる。どいつもこいつも使えない。けど…まだオールマイト用に準備していたコイツがいるからなぁ。

 

はぁ、とため息をついて、一拍。

 

「じゃあ…少しでも矜持をへし折って帰るとしよう!」

 

それでも。生徒の何人かだけでも死んでくれれば。お前は無力さに打ちひしがれるんだろう?オールマイト。

俺はその顔がみたくて仕方がないよ。

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

考える。

 

チンピラ程度の格の低いヴィランにしても、これだけの数。間違いなく大きな組織のはずだ。

 

であるのに。あの主犯格らしき男たちのことを、僕は知らなかった。ここ数年、公安に入り浸り様々なヴィランの記憶を視てきたこの僕が、だ。

これだけの影響力を持ちながら息をひそめていた組織が動き出すとはどういうことを意味するか。

 

「(何らかの準備が整った、とみるべきか)」

 

さっき倒したヴィランの記憶。

オールマイトの殺害を目的とするヴィラン組織。見えてこない親玉…。まだまだ不確定要素ばかりで、不安だけが募ってゆく。

 

「(あの中で一番厄介そうだったのは手のやつとワープの男。特にワープに関しては何ができて何ができないのかが分からない以上、かなりの脅威)」

 

広場に戻ったら僕がするべきこと。それは直接の戦闘ではなく、少しでも多くの情報を持ち帰ること。

あのワープ使いに関しては実体がなさそうだから、触れられるかどうか怪しいが‥そう考えつつ、すぐ到着した広場で。

 

爆豪が地面にワープ使いを押さえつけてるのをまず発見して僕は「うわ、爆豪ナイスゥ!!!」と浮かれに浮かれて。

 

飯田に「あそこに僕を!!」なんて偉そうに言った挙句に──

 

 

 

 

『消太!ひざし!飯食おうぜ!』

 

 

 

 

「…え?」

 

 

 

──色々読み取った情報に思考停止した。

 

Now Loading…の表示が出ているに違いない、ポカンとした表情で固まっていたようだ。宇宙猫である。僕は一切覚えていないが。

 

……その後の僕については信じられないくらいにカッコ悪いのであまり言いたくない。序盤の活躍は良かったと自負しているだけに、特に。

 

聞くところによると、追い詰められた死柄木とかいうヴィランに人質に取られ。みんなの動きを止めるという大戦犯間違いなしの使われ方をしたらしい。すぐに駆けつけてくれた救援の先生たちとオールマイトの活躍で誰も怪我はしなかったらしいのが、僕的にはかなりの救い。

 

脳みそ丸出しの化け物も、本領発揮する前に相澤先生とオールマイトのコンビにあっさりやられて吹き飛んでいったとのこと。最終的な被害だけ見れば、誰も大きな怪我はせず(緑谷は足の骨が折れていたらしい。まだ個性訓練が必要だな)大団円と言える。

 

言えるんだけれども。

 

…穴があったら入りたい。

 

 

 

 




というわけで活躍しても最後までカッコはつけられない主人公でした。有用すぎる個性をフル活用した結果、まだ「ノートを使わなきゃ〇〇が死ぬ…!」的な状況には追い込まれなかったみたいですね。セーフ!ツッコミどころ多いとは思いますが、優しい目で見てくれると嬉しいです。

誤字報告ほんとに助かってます、見返してるはずなのに無限に湧いてくるので…。

感想、評価もありがとうございます。励みになります。
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