ラフィールちゃんは語りたい!   作:ケンタ〜

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『亜人ちゃんは語りたい』、『星界の紋章』のクロスオーバー二次創作です!
結構異色な内容ですが、もし気になったらどうぞ!!


高橋鉄男は隠せない!

 亜人――――

 

 それは、かつて神話上の存在とされてきた、超常の力を身に宿す者たちの総称。

 

 しかし現代においては、彼らは社会の中に受け入れられ、『普通の人』と一緒に、日常を過ごしている。

 

 とはいっても、まだまだ亜人は珍しいこの社会。

 

「保健室せんせー! 雪女ちゃんが倒れました―――っ!」

「えっ雪女!?」

「せんせいーっ! デュラハンの子が熱中症で!! 頭だけ持ってきました!!」

「頭だけ!?」

「私はバンパイアだけど無事だよ!!」

「じゃあなんでここにいるの!?」

 

 とまあ、そんな中で、たまったま、たくさんの亜人たちが集まる高校がありまして。

 

 そんな世界に、『別の時空』から、一人の女の子が迷い込みましたとさ――――

 

 そんなお話、はじまり、はじまり。

 

 ✕

 

「はは、先生夏場は大変ですね」

 

 と、苦笑いする男の名前は生物教諭、高橋鉄男(たかはしてつお)

 

「すみません高橋先生、いつもお世話になっております」

 

 と、疲れた顔で頭を下げる女は、保健室教諭の八千草妙子(やちぐさたえこ)先生。

 

 それに対し、遠慮がちに笑う高橋先生。

 

「いえいえ、困った時はお互い様ですから」

「こんなに亜人が集まる学校で保健室の先生やるのは、幸運なんだか不幸なんだか分からなくなっちゃいますね……」

 

 あはは、と八千草先生は苦笑をしてみせた。

 

「デュラハンの町さんなんて、冷やす首元がないですし、雪女の日下部さんは、冷そうとしてもそもそも冷たいやらで……なぜかバンパイアのひかりちゃんだけすごく無事で来るし……」

「はは……まあ彼女には厳しく言っておきます」

「しかもまた亜人の子が転校してくるって言うんですから、さらに大変になるかも……」

 

 え、と高橋先生は、興味を惹かれたように声を出した。

 

「そうなんですか?」

「あれ、高橋先生ご存知なかったですか? 一番先にご存知なものかと思ってました」

「いや、初耳です。どんな子なんですか?」

「さあ、そこはあまり。でも、今までに例をみない子、というのを聞きました」

「そうですか…………」

 

 ふむ、と口元に、ごつい手を当て考え込む高橋先生。

 するとそれに、八千草先生は話しかける。

 

「あの、高橋先生」

「はい?」

「やっぱり亜人に興味がおありなんですね」

「あ、すみません、顔に出てましたか」

 

 はは、と高橋先生はごまかすように笑う。

 

「すみません、つい」

「いえ、高橋先生は、亜人たちのことについてたくさんの実績がありますし」

「実績だなんてそんな、たいそうなものじゃありません。それに自分もたくさん彼女たちから学ばせてもらってる立場なので」

 

 きーんこーんかーんこーん…………

 

 余鈴のチャイムがおもむろに鳴った。

 

「あ、次の授業が。じゃあ俺はこれで失礼します」

「はい、お疲れ様です」

 

 ガラリと扉を開けて、高橋先生は廊下に出た。

 

 そして、手にした教員ボードを肩に乗せて、すっと歩き始める。

 

(新しく亜人(デミ)の転校生…………どんな子なんだろうか)

 

 そんなふうに思索しながら、高橋先生は教室へと歩いていった。

 

 

 ――――明くる日――――――

 

「難民の亜人(デミ)……ですか?」

 

 職員室の中に、高橋先生の疑問の声が響いた。

 その前で頷くのは、教頭先生だった。

 

「公にはそのような分類がされています。しかし、かなり特別な事情です」

「特別な事情?」

「ふむ……なんとおっしゃったら良いのか……」

 

 ふう、と教頭先生はこめかみに指をつく。

 

「外交と政治……大きな声では言えませんが、面倒な事柄が絡み合っているようなのです。私も詳しくは知らされていません」

「……つまり、難民の亜人の子、ということですか?」

「まあ……はい。いったんそのように解釈してもらったほうが、上手くいくかもしれません」

「…………? はあ、そうですか」

 

 疑問がありながらも、高橋先生は縦に頭を振る。

 それを見て、教頭先生は口を開いた。

 

「しかしともかく、その受け入れ先としてわが校が選ばれた理由については、心当たりがおありでしょう」

「まあ、そうですね」

 

 そう言って、高橋先生は頭の上に沢山の顔を思い浮かべる。

 

「高橋先生のその手腕を買ってのことです。しかしまあ……くれぐれも、ムリはなさらずに」

 

 そう言う教頭先生に、かすかに高橋先生は眉をしかめた。

 

「そこまで難しいことなんですか?」

「かなり扱いは難しいかと思います。……しかし、まあ……話してみなければ分かりませんしね」

「それはその通りですね。それで、その子はいつごろ来るんですか」

「今日の午後には来ます。先生には、彼女との意思疎通をお願いしたい」

「わかりました」

 

 こくり、と高橋先生は頷いた。

 それを見て、教頭先生は不思議そうに口にする。

 

「…………嬉しそうですね」

「あ、やっぱり顔に出てますか……?」

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