相方だった探偵の様子が少しおかしい   作:グラビトン

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はい、今回はまた番外編としてZA主人公のお話です。

そしてこの小説のお気に入り数が1000突破してました、ありがとうございます。
なるべく続けて書くよう頑張ります。


番外編:キョウヤ

夜のミアレシティ……今夜もまたZAロワイヤルが始まり、バトルゾーンで大勢の参加者が腕を奮っていた。

 

赤いホログラムが囲う広場の中、一人の男が相手を探し回っていた。

以前賞金稼ぎの黒いゲッコウガに襲われて以来、ひたすら相棒のヘラクロスを鍛え、今夜久々にバトルゾーンに赴いたのだ。

 

「よっし、前みたいな事にはならなさそうだな……全く、Bランクの強者がいきなりつじぎりしてくるなんて……まぁ、そういうルールでそういうシステムなんだけどさ」

 

あの夜の出来事が若干トラウマとして刻まれている、これは彼に限らず他の参加者達も同様で……襲われた翌日に参加する時より一層死角からの攻撃に注意しているとの事だ。

 

………まぁ不意打ちは参加者ほぼ全員がやっているのだけれど。

 

「さて、夜が明けるのはもう少し……今回はここまでかな………それにしても………」

 

男は立ち止まり、視界を見渡す。

倒されたのか、そもそも今回は少なかったのか………辺り一面を見渡しても参加者が見当たらなかった。

 

「おかしいな………こんなに見つからないことあるかなぁ……?」

 

というか思い返してみれば、今回のロワイヤルが始まった時もう少しは多かった気もする………が、帰ったのだろうかと考えた。

 

その時だった。

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━ドドドッ

 

 

 

「………ん?」

 

何か、音が聞こえる。

何処かでバトルが繰り広げられているのだろうか?

 

 

 

 

 

━━━━━━━ズトドッ

 

 

 

 

 

確かに聞こえる、技がぶつかる音と、物が壊れる音。

 

 

 

 

━━━━━ドォォン

 

 

 

 

━━━ガガガガガッ

 

 

 

 

 

 

 

「……あれ?」

 

徐々に、男は気づき始める。

なんだか………いや、確実に段々と。

 

 

 

「なんか、近づいてね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズガァァァァァアンッ!!!!

 

 

 

 

「うわぁぁぁっ!!?」

 

突如、偶々近くにあった大きなオブジェが崩壊した。

突然の事に男は悲鳴をあげて尻もちを着いてしまった。

 

「えっ!?なに、バトル!!?」

 

思わず懐からモンスターボールを取り出し、大きな音の震源地を見据える。

水飛沫の煙が舞っているその場所から、勢いよく1つの影が飛び出してきた。

 

そしてその正体は………。

 

「……え、あの時のゲッコウガ……!?」

 

そう、以前自分のヘラクロスを狩りとった黒いゲッコウガ。

月明かりに晒されたその表情は、冷や汗を書きながら未だに煙が舞う場所を見据えていた。

 

徐々に煙が薄くなり、影が少しづつ浮かび上がって………

 

「ガァァァァアアッ!!」

 

まるで恐竜の様な雄叫びと共に、煙はその衝撃で一気に吹き飛ばされた。

そこに居たのはおおあごポケモンのオーダイル、唸り声を上げながらあの黒いゲッコウガを見据えていた、獲物を捉えた獣の如く。

 

「なんだなんだ、アイツらのバトルかよ!?」

 

あの黒いゲッコウガとはまともにバトルをしてはいないが、実力は間違いなく折り紙付きなのだと理解できる。

そんなポケモンが一部の隙もなく構えているとなると、その相手のオーダイルも相当な強者だと無意識に理解した。

 

「オーダイル、ワイドブレイカー!!」

 

「ちっ!ゲッコウガ、こうそくいどう!!」

 

姿は見えないが少年2人の声が響く、オーダイルは腕にドラゴンタイプのオーラを纏いその巨体に見合わぬスピードで襲いかかるが、ゲッコウガのそれ以上の超スピードで難なく回避する。

 

パワー比べるまでもなくオーダイルの方が上……だとすれば、一撃でも喰らってしまえば恐らく終わり……とは言え、自分のヘラクロスだったら恐らく回避出来なかったのだと思考してしまった。

 

一連の流れだけで十分理解した。

あの2匹のポケモンは、このミアレシティ内でも屈指の実力だ。

 

そしてそれらを従えるそのトレーナーもまた、強者なのだと。

 

「ゲッコウガ!その勢いのままつじぎりだ!」

 

「迎え撃て!!アクアブレイク!!」

 

姿は見えないが少年達の声が再び聞こえた。

ゲッコウガはこうそくいどうを維持しながらオーダイルに斬りかかり、そのオーダイルも攻撃に耐えながらその大きな顎に水のオーラを貯めながら反撃の機会を伺っていた。

 

「に、逃げろ……!!」

 

巻き込まれでもすれば一溜りもない、男は直ぐにその場を翻し去ったのであった。

 

 

 

 

 

◾︎◾︎◾︎◾︎

 

 

 

 

 

「……くっそ、マジかよ……!!」

 

額の冷や汗を拭いながら、相棒のゲッコウガと相手のオーダイルの死闘を見据える。

こちらの攻撃自体は当たってはいるが、何せ同じ水タイプ……まともにダメージを与える技が少なくなっている、おまけにこちらの手持ちはゲッコウガ一匹………メガシンカ出来ればまた話が違ったんだろうけどな!

 

でも、あっちも恐らく手持ちはあの暴れん坊なオーダイル一匹……メガシンカもさっきのクチートに使ったからパワーも溜まっていないハズ、やるなら今しかないが、とにかく決定打が足りない!

 

ていうかなんだあのオーダイル!?過去にも何回か戦って倒した事はあるけどよ、あんなタフネスでパワフルな奴見た事ないぞ!?

 

畜生、今夜もそこいらの参加者倒しまくって稼いでいた途中で……あれ程のトレーナーが俺の背後狙ってくるとか想像もしてなかったわ!

 

「オーダイル、もう一度ワイドブレイカーだ!!」

 

「こうそくいどうで躱せ!そんでもってれいとうビーム!」

 

再びその剛腕でゲッコウガを潰しに掛かるが、持ち前の俊足にこうそくいどうを掛け合わせれば、捉える事など容易ではない。

そしてここでつじぎりを放つと見せかけれいとうビームを指示した、パターンによって対応を防ぐ手立てもあるが、あわよくば氷漬けにならねぇかなぁ!?

 

「ゲコッ!!」

 

ジャンプしながら素早く印を結び、口かられいとうビームを放つが喰らったオーダイルは諸に受けてもビクともしない。

 

「ガァァ!!!」

 

「オーダイル!こおりのキバだ!!」

 

目の前の敵トレーナーが、イカす帽子で顔を隠しながら指示を繰り出す。

オーダイルはゲッコウガの着地点目掛けて駆け出し、おおあごポケモンの名に恥じぬ巨大な顎の牙に冷気が纏い始めた。

 

「(やべぇ、あのオーダイル……ゲッコウガの着地する隙を狙って突撃してやがる!?)」

 

パワープレイをしつつも敵の隙を見逃さない……この手の敵が1番厄介なんだよな!!

 

 

 

 

……………でもな。

 

 

 

 

「……コウガッ!」

 

「ガァッ!?」

 

ゲッコウガを食いちぎる勢いでこおりのキバを剥いて来たが、口を閉じる前にオーダイルの頭に手を当てて、着地点をずらしつつ攻撃を躱した。

 

「賢さなら……こっちの相棒も負けてないんだぜ」

 

「うわマジか、マジで身軽だな」

 

相手は感心したかの様な声を上げる、流石に当たったのかと思ったのだろう。

オーダイルの背後に着地するゲッコウガ、しかしオーダイルはすかさずその尻尾を当てようと身を捩らせたが、ゲッコウガは難なくジャンプで回避し俺の近くへ着地した。

 

再び仕切り直し………しかし、ゲッコウガは肩で息をしていて疲労を隠せずにいた。

先程からずっとオーダイルの攻撃は当たっていない。

 

しかしゲッコウガ自身身軽ではあるが、その分耐久は然程高くない。

従ってあの化け物オーダイルの一撃を喰らってしまえばその時点でほぼ負け確だ、そういう事もあってずっとこうそくいどうで回避を続けていた。

 

対するオーダイルもこちらの技は食らってダメージ自体は受けているのだろうが……どんだけ体力あるんだよ、どんな鍛え方してんだ。

 

「(………そう言えばアイツ、なんか見覚えあると思ってたけど…………あの時の奴か)」

 

俺と歳は変わらないくらいの年齢、緑と黒のジャケットを羽織り、灰色のラインが入っている帽子を被っている………なんかすげーイケメン感が漂ってくるその様とあのオーダイル………少し前にカナリィに挑んできたあのトレーナーだったわ。

 

俺もあの時上から見てたけど、カナリィが手も足も出なかったっけ………アイツもそれなりに強いんだがな。

 

「……強いなお前、ランクどれくらいよ」

 

「今はやっとBだな、君もだろ?」

 

「まぁな、願い事なくてずっと狩りまくってるけど」

 

「……そうか、賞金稼ぎで雑魚狩りしてる黒いゲッコウガを使役するトレーナー……だっけ?」

 

「すげぇ悪意ある噂だな!間違ってねぇけど!」

 

仕方ねぇだろ、こんなシステムにした運営に文句言いやがれ!

 

「まぁそれは置いておくとして………お互い、長引きすぎたよな」

 

「……全くだ、お前のオーダイルがしぶと過ぎるせいでな」

 

「そっちのゲッコウガも負けてないだろ、とりあえず……そろそろ決めようか」

 

目の前の男はそう言うと左腕をおもむろに上げる。

その腕につけられていたのは………メガリング。

 

メガストーンを埋め込まれた、ポケモンをメガシンカさせる道具だ……そして見た所、メガエネルギーは溜まっている。

 

「(いよいよやべぇな……)」

 

顔を顰めながらこの後の展開をどうすべきか思考する。

メガシンカポケモンと普通のポケモンとじゃ、力の差は圧倒的だ。

 

さっきみたいにヒットアンドアウェイした所で付け焼き刃だし、というかこれが出来る保証もない。

オマケにこちらのゲッコウガはメガシンカに必要なメガストーンを持っていない、最近発見されたばかりのメガシンカだからな………。

 

状況はかなり絶望的だ……………あーくそ、最近調子に乗りすぎたツケかこれ?正直1回負けた所でそこまで痛くもないが、これ程のバトルを繰り広げたのは何時ぶりだろうか………………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あーまじ、まじでもう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(勝ちてぇ………)」

 

 

 

そしてこんなに、バトルに燃えてるのも久々だ。

無意識に拳を強く握りながら、アイツを見据える。

ずっと前から……ただ不意打ちで倒して金を稼いで……その繰り返し、マトモなバトルしたところで実力差もあるから負ける事はほぼ無かった。

 

それが今じゃこの有様だ、間違いなくこいつは強い。

下手すりゃ俺よりも、だ。

 

あぁそうだ……強いヤツと戦うのってこんなに心躍るものだったな。

すっかり忘れてたわ………金稼ぎに勤しみすぎて、トレーナーとして大事な事を………。

 

気合いでどうにかなる状況じゃねぇけど……………でも、俺は。

 

「……………ゲコ」

 

そんな事を考えていると、目の前で構えているゲッコウガが鳴き、俺はその声に反応して見つめてしまう。

………強い眼差しで俺を見据える相棒、言いたいことはそれだけで伝わってきた。

 

「(………そうか、お前も久々に熱くなってるか)」

 

多分、俺より先にあのオーダイル相手に熱くなっていたのだろう。

だからこそ、ここまで戦えている。

 

「……………まだ負けてねぇからな、絶対勝ってやるよ」

 

ならやる事は1つ、なんだってどうなろうが、勝つまでだ。

 

「……行くぞオーダイル、メガシンカだ!」

 

「ガァァァ!」

 

あいつの声に応えるようにオーダイルは叫ぶ。

そしてメガリングに組み込まれているメガストーンに手を当て………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『夜が明けました、本日のバトルゾーンを終了します』

 

『繰り返します、本日のバトルゾーンは終了します』

 

『今バトルを行っている参加者は直ちに中断して下さい』

 

 

 

 

「え?」

 

「は?」

 

突如鳴り響いたアナウンスに我に返る。

そしておもむろに辺り一面を見渡すと、朝日が差し込んでいた。

 

……………え、終わり?

ここまでやって、え、終わりなの?

 

まだ決着、着いていないんだけど………………?

 

 

思わず、相手と目を合わせてしまう。

 

「「((………不完全燃焼なんですけど………))」」

 

 

この時お互い、同じ事を考えているとは思わなかった。

 

 

 

 

 

◾︎◾︎◾︎◾︎

 

 

 

 

 

「………って事があったんだよ、これからって時にさー」

 

「へー」

 

「いやまじで強かったわキョウヤ、アレでポケモンバトル初めたの最近ってやべーよな」

 

「へー」

 

「あのままやってたら多分俺負けてたけどな、いつかまたしっかりバトルしてぇよ」

 

「へー」

 

「……なんでさっきから同じ返答してんだカナリィ?」

 

「別に?なんかぼくと話すより楽しそうだなーって」

 

「いや実際久々に面白いバトル出来たからよ、誰かに聞いて貰いたくてさ」

 

「………あっそ(もしかして、キョウヤの事警戒しなきゃいけないわけ?なんでぼくといるより楽しそうなんだよコイツ………イラつくムカつく……ムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつく)」

 

 

 

 

 

◾︎◾︎◾︎◾︎

 

 

 

 

 

「噂の黒いゲッコウガのトレーナーさ、俺が初めてロワイヤル中に倒せなかった相手だったよ。オーダイルも普段よりパワフルにバトルしてて凄かったんだよ」

 

「へぇ」

 

「雑魚狩りしてるって言われてるけど、多分相手にならなさ過ぎただけだと思うんだよな俺、終わった後もカフェで話したけど絶対悪いやつじゃ無いんだよ、またバトルしたいなー」

 

「へぇ」

 

「……タウニー、なんか怒ってる?」

 

「怒ってないよ」

 

「いやなんか、素っ気ないからさ」

 

「そんな事ないけど(………私より強いんだろうなその人、羨ましいな、私の方が強かったら振り向いてくれるのかな、私といるより楽しそうじゃんキョウヤ、すっごいムカムカするんだけど、あぁもうくっそ……シンスケ………絶対倒すし………!!!!)」




キョウヤ
我らがZA主人公。
ZAロワイヤルにてシンスケと熱いバトルを繰り広げ、彼に実質引き分けに持ち込まれた初めての相手となる。
それから意気投合し急速に仲良くなる……が、ヒロインズは思わぬ強敵に嫉妬心を燃やすこととなる。

ぶっちゃけ、どの話が見たいですか?

  • マチエール
  • カナリィ
  • キョウヤ(ヒロイン達による修羅場)
  • その他
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