「セリカちゃん。バイトのユニフォーム、とってもカワイイです♡」
席を詰めたあと、少し間を置いてノノミが口を開いたのをきっかけに、それぞれが会話を始める。
「いやぁー、セリカちゃんってそっち系か。ユニフォームでバイト決めちゃうタイプ?」
「そういうのは良くないと思うが.....」
「ち、ち、ち、違うって!関係ないし!こ、ここは行きつけのお店だったし...」
「ユニフォーム姿のセリカちゃん、写真撮っとけば頭受けできそうだね〜。どう?一枚買わない、先生?」
"い、いらないかな"
「変な副業はやめてください、先輩.....」
「バイトはいつから始めたの?」
「い、一週間ぐらい前から...」
「そうだったんですね☆時々姿を消していたのは、バイトだったということですか!」
「も、もういいでしょ!ご注文は⁉︎」
「『ご注文はお決まりですか』でしょー?セリカちゃーん。お客様には笑顔で親切に接客しなくちゃ〜」
「そうだな、愛想よく接客した方がよく売れる物だ」
愛想をよくしろと言われたセリカは、恥ずかしそうに俺たちに問いてくる。
「あうう.....ご、ご注文は、お決まりですか......」
「私は、チャーシュー麺をお願いします!」
「私は塩」
「えっと.....私は味噌で」
「私はねー、特別味噌ラーメン!炙りチャーシュートッピングで!」
皆、思い思いに注文をしていく。
「先生もグリスさんも遠慮しないで、ジャンジャン頼んでね〜。この店めちゃくちゃ美味しいんだよー!アビドスの名物柴関ラーメン!」
"うーん。それじゃあホシノと同じものを頼もうかな"
「俺はいい。金がないからな」
"これくらいなら私が奢るよ。みんなが食べるのにあなただけ食べられないのは寂しいでしょ?"
「.....いいのか?」
"大丈夫だよ。遠慮しないで"
「それじゃあ俺も、ホシノと同じものを。トッピング抜きで」
とりあえず全員が注文をし終える。セリカは頼まれたものをメモしつつ、話を変える。
「.....ところで、みんなお金は大丈夫なの?もしかして、またノノミ先輩に奢ってもらうつもり?」
「はい、私はそれでもいいですよ☆このカードなら、限度額までまだ余裕がありますし」
ノノミはカードを見せる。
「いやいや、またご馳走になるわけにはいかないよ〜。きっと先生が奢ってくれるはず。だよね、先生?」
"え、嘘でしょ?初耳なんだけど⁉︎"
「え?初耳だって?あはは、今聞いたからいいでしょ!」
それを聞いた先生は必死に逃げようとするが、すぐにホシノに捕まる。
「そうはさせないよ〜。お金がない大人には奢って、お金がない生徒には奢らないのは先生としてダメじゃない?」
"う、うぅ....."
ホシノは先生の懐を探り、一つのカードを手につかむ。
「うへ〜大人のカードがあるじゃん。これは出番だねー!」
「大人のカードを使うような場所でもなさそうですが.....先輩、最初からこうするつもりで、私たちをご飯に誘ってくれたんですね」
アヤネは納得したようにホシノを見つめる。.....アヤネはこういう場合止める側の人間だと思ってたんだが.....。
「先生としては、カワイイ生徒たちの空腹を満たしてやれる絶好のチャンスじゃーん?」
ホシノはこれ以上ないくらいにこやかに笑う。先生は強制的に席に戻される。
席に座った先生に何やらノノミがコソコソ話をしている。内容はよくわからなかった。少し申し訳なさを感じながらラーメンを完食する。先生は全員分の会計をする。
「すまないな。いつか今回の分の金は返そう」
"だ、大丈夫だよ.....うん。気にしないで"
「.....すまない」
「いやぁー!ゴチでしたー、先生!」
ホシノは笑顔で先生に感謝を述べる。すごい笑顔だ。
「ご馳走様でした」
「うん、お陰様でお腹いっぱい」
皆、それぞれ先生にお礼を言う。
一方セリカは起こった様子で言葉を放つ。
「早く出てって!二度と来ないで!仕事の邪魔だから!」
「あ、あはは......セリカちゃん、また明日ね.....」
俺たちは学校へと帰る。俺が持っていた物品の説明も終わっていないので、学校へ帰ってからは物品の説明をして過ごした。
夜になり、昨日と同じように眠りについてしばらくすると、先生に起こされる。何やら先生は焦っている様子だった。
「どうした、先生。こんな時間に.....」
"その....ごめんね?でも、伝えなきゃいけないことがあって....."
「なんだ、言ってみろ」
".....もしかしたら、セリカが攫われたかもしれないんだ"
「.....なんだと?」
グリスの防御力を考えなければいけないですね。強化手術をしているのでちょっとやそっとじゃ傷つかないはず。