誰よりも早く飛び出し、敵の群れに近づいていく。
もちろん敵も、そんな俺を黙って見過ごすわけもなく、こちらに銃を撃ってくる。
しかしそれは、俺にとって大した問題にはならない。
俺に当たろうとする弾丸を全て切り、一番近くにいた敵の懐に入り込み、蹴りを喰らわせる。そしてそのまま、ダ・カーポは弾丸を弾くためにしか使わず、足技をメインにして敵を気絶させていく。
(......やりにくいな)
殺さない戦闘と言うのは慣れないものである。
キヴォトスの人を殺してはいけないというルール上、いくら彼女達が硬かろうと、殺してしまう可能性があるダ・カーポは使えない。手に武器を持っているのに、使えないというのはストレスだ。
そんなことを考えていると、気づけば十数人を蹴り飛ばしていた。
少し後方へと下がり、遮蔽物に隠れる。
入れ替わるようにホシノたちも敵と交戦を始めたようだ、銃声が聞こえる。
俺は遮蔽物から出ると、もう一度敵の懐に入り足技で敵を気絶させていく。
ある程度暴れると、また遮蔽物へ戻る。これを繰り返し、確実に勢力を削っていく。ヒットアンドアウェイというやつだ。
しばらくすると、ホシノ達の方から爆発音が聞こえる。
「何があった?大丈夫か?」
ホシノ達の方へ近づいていき声をかける。みんな少し服が汚れているだけで大した怪我は負っていないように見えた。
「大丈夫。それより、敵の主力兵器のお出まし」
シロコの向いた方を確認すると、鉄の塊にキャタピラと銃身をつけたような兵器を確認した。
「あれが噂の戦車というやつか」
「そう。見るのは初めて?」
「そうだな。見るのは初めてだ」
少し様子を見ていると、戦車から何か動きを見せる。
"みんな、砲弾がくるよ!避けるか防ぐかして!"
その声を聞いて、すぐにその場を離れる。他の皆んなは防御体制をとっている。
戦車から何かが発射される。
発射された大きな弾のようなものが皆んなの前に着弾する。すると、爆発が起き、皆んなが爆風に包まれる。
「⁉︎、大丈夫か⁉︎」
彼女らは何をしているのだろう。いくら彼女達が硬いからってあんな爆発が起きるものを食らったら怪我じゃ済まないだろうに、なぜ防御体制をとったのだろうか。すぐさま彼女達に近づき、安否を確認する。
「やっぱり痛いわね」
「ん、仕方ない。改良されているから」
「....思ったより元気そうだな」
流石に硬すぎじゃないか?度重なる強化手術と特別なコートを着用している俺であっても直撃したら死にかねない威力だというのに、ダメージはあるようだが、皆んなピンピンしている。
「まあでも、あれが厄介なことには変わらないか」
「そうだね〜、さっさと無力化しないと」
「そうだな........」
少し思案する。彼女達の実力ならこのまま敵を制圧することは容易いだろう。
しかし時間がかかる。しかも金がないというのに弾を浪費するのは得策ではない。この戦闘を素早く終わらせるにはやはり厄介な戦車をいち早く無力化するのが必要だろう。
「俺ならあの戦車を手早く破壊できるな。だが、その間にいる敵が邪魔だ」
"それなら......"
"ノノミ!右側に向かって掃射して!セリカは処理しきれなかった敵に狙撃して!"
"ホシノは左の敵の注意を引いて!シロコはホシノに集中している敵に向かってドローンで攻撃して!そうすれば道が開けるはず!"
"そうして道が開けたら....."
「俺が突っ込んで戦車を破壊か」
"うん。それじゃあ取り掛かろう"
「「「「「「了解」」」」」」
先生の合図と共に、皆が皆動き出す。
数が多い右側に、ノノミの掃射が刺さる。
「お仕置きの時間ですよ〜」
「......よくも今まで好き勝手してくれたわね......許さないんだから!」
ノノミの掃射を耐え切った数少ない敵は、セリカの怒りがこもった弾を頭にくらい、倒されていく。
一方右側は、ホシノがその身軽な体躯を生かし、敵を翻弄している。
「そんな動きじゃおじさんは捉えられないよ〜」
いつのまにか、ホシノに集中していた敵は纏まっていた、そこにシロコドローンが狙いをつける。
「隙だらけ。セリカの恨みを晴らさせてもらう」
その言葉と共に、シロコのドローンから放たれる爆撃により敵が一掃される。
そうして道が開ける。
「今だな」
道中に残る敵は無視しながら、戦車に突っ込んでいく。
「そういえば、まだダ・カーポの切れ味を試していてなかったな」
数少ない敵は、一人突っ込んでくる俺に必死になって銃を撃ってくるが、放たれた弾は全て弾かれる。
「少し......本気で切ってみるか」
戦車も弾を撃ってくるが、普通の銃弾に比べて遅い弾が俺に当たるはずもなく、難なく戦車の元まで辿り着く。そして鎌を構え....
「.....はぁ!」
戦車に斬撃を喰らわせる。戦車に二つの線が入ったかと思えば、次の瞬間には戦車は三枚おろしになっていた。
「前々からなかなかな切れ味だと思っていたが......実際に使ってみなければ体感しにくい物だな」
「ひ、ひぃ!」
戦車の中に入っていた少女がぶるぶると肩を振るわさせる。
「殺してしまわないように避けたんだ。この戦車と同じようになりたくなければもうアビドスに手を出さないことだな」
「わ、わかりました......!」
少女は涙目になりながらどこかへと走り去っていく。しばらくは手を出さないだろう。
敵を気絶させながらホシノたちの元へ戻る。
「やってきたぞ」
「すごいです〜!あんな簡単に戦車を破壊するなんて!」
「まあな。このまま進んでいこう」
どうやら戦車を破壊した時に倒した敵が勢力のほとんどだったようで、その後難なく包囲網を突破できた。
アヤネの声が聞こえる。
「包囲網の突破を確認!敵に大打撃を与えたのでしばらく手を出してこないでしょう」
「ひとまず安心か.......それじゃ帰るか」
ちょっと期間が空いてしまったので小説の書き方を忘れてしまいましたね......
もう少し読みやすいように書きたいです。