沈んでしまった平凡なリンゴ   作:レー.NULL

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2.5章 凍えない

 目の前には氷で出来た城が鎮座していて、私は…いえ、その、そんなのが唐突に現れても、何らかの反応を示せる訳がないじゃないですか。周囲も、気づけば氷に覆われていて、見た目はとても寒そうです。

 

「……別に厚着してる訳じゃないんですけど」

 

 何故か全然寒くないんですよね。そこら辺の氷を触ってみても、冷たいとは感じない。氷に見えるだけの偽物なのか、私の温度感覚がおかしくなっているのか。考えても意味はないし、答えも出ないからどうでも良いか。

 

「幻想的では、あるんですよね」

 

 資料でしか見たことはないですけど、氷の女王、だったと思います。なんとなく、その幻想体を連想するんですよね。もしかして、今回出てくるんでしょうか。鎮圧方法の記載を見たことがないので、どうしたら良いのか全く解らないんですけど。

 

「でも、何とかなるような気がするんですよね。何とかしないといけない、とも言うんですけど」

 

 這い上がってしまった私は、先に進まないといけない。誰かはそれを罪とは言ったけれど、それでも先に進まないといけない。そう言ってくれたから、だから私は止まるわけにいかない。こんな所で、凍えている訳にはいかないんです。

 

「クリフォト抑止力ありきとは言え、HEクラスを相手に出来たんです。相当な事が無ければ、問題は起きな……」

 

 唐突に、ドシンと地響きが響きました。とても、ものすごい嫌な予感がするので、後ろを振り向きたくは無いですが、そういう訳にもいかない気がする。何も無ければ、それはそれで少しは怖いかもしれないけど。

 

「これは、どうしたら良いんですかね……」

 

 振り向くと、脚がありました。もう脚がある以外に何を言ったら良いんですか。あまりにも大きすぎて、そう表現するしか無いです。これは何かの間違いであって欲しいんですけど、まさか私を追ってくるような事はないよね……

 

「待って……待ってよ、嘘だよね。こんなの相手できない……」

 

 目の前の脚が跳ねた。もう戦うとか、なんかするとか、そんな事をしている余裕なんて無いよ。一目散に全力で走るしかない。

後ろからは、ドゴーンって音がたびたひ聞こえてくる。移動頻度自体は早くないけど、大きさが大きさだからか、あまり距離をとれてる気がしない。

 

「一体、いつまで逃げてればいいの……」

 

 氷ばかりの景色に変化があった。だけど、それは私にとって良いものではないみたい。走って向かってる先に、ツルハシを持った凍りついている一本脚の人っぽい姿が、幾つか見える。どう考えても友好的には見えない。

 

「素直に通して欲しいんですけど」

 

 人っぽいもの達は、私の声に答えるかのように、ツルハシを振り上げた。どう考えても素直に通してくれる気分では無いみたい。だけど、私もまともに相手をしていられる程余裕なんて無いから、最低限攻撃を防いで前に進むしかない。

 

「そのまま、沈んで」

 

 振り下ろされるツルハシをリストカッターで受け流して防ぎながら、前に向かって走り続ける。もし遅れたらどうなるかなんて考えたくないから。攻撃が飛んできたら防ぐ、兎に角、前に進む。でも、そろそろ疲れてきた。

 

「しまっ……」

 

 集中力が途切れかけた所に、不意に飛んできた攻撃を慌てて受け流そうとして、防ぎきれずによろめいて後ろに倒れてしまう。そのまま追撃されたらマズイ。急いで体制を建て直そうとした所で、響いた地響きがそうはさせてくれなかったが、代わりに、私にツルハシを振り上げていた人っぽいものは、巨大な脚に踏み潰されていた。状況は全然良くない。

 

「やめ……」

 

 目の前の巨大な脚が跳ねた。この後の事を想像して眼を閉じた。そして、私の後ろで地響きが響いた。そのまま、地響きは遠くの方へ向かっていった。周囲には、ツルハシ持つ一本足も、誰一人として居なくなっていた。

 

「……助かった 」

 

 踏み潰される恐怖感と、そこから解放された解放感に、脱力して目の前が真っ暗になった。良かった、ここで立ち止まる訳にはいかなかったし、私はまだ沈みたくない。私はあの人に会わないといけない、まだ先に進まないといけないから。

 

 

<そもそも持ってはいなかったのよ。あなたには追われるべき罪も、凍えるべき罪悪感さえも、何も無かったの>




ロボトミーE.G.O::リストカッター
生き残った ロボトミー職員 同期3

スキル1 沈んでしまった
憂鬱 斬撃 基本威力10 コイン威力-3 コイン枚数2
使用時 自身に沈潜回数3を付与
コイン1 的中時 沈潜回数3を付与
コイン2 的中時 沈潜威力3を付与

スキル2 置いていかないで
色欲 斬撃 基本威力16 コイン威力-10 コイン枚数1
使用時 自身に沈潜威力3を付与 自身に沈む職員の手1を付与
コイン1 的中時 沈潜威力3を付与 沈む職員の手1を付与

スキル3 抵抗はもう出来ない
怠惰 貫通 基本威力12 コイン威力-2 コイン枚数4
使用時 自身に沈む職員の手1を付与
自身に無抵抗があるなら、基本威力+3
コイン1~3 的中時 自身に無抵抗があるなら、相手に沈む職員の手1を付与、相手に無抵抗があるなら、沈む職員の手の代わりに沈潜回数3と沈潜威力3を付与
コイン4 的中時 相手に無抵抗があるなら、自身の沈潜回数と沈潜威力を除去し、その分相手に付与する

防御スキル 誰かが証明した罪
防御 基本威力10 コイン威力4 コイン枚数1
使用時 自身に沈潜威力3と沈潜回数3を付与
1ターンに一度、自身に保護3と沈む職員の手1を付与

バトルパッシブ 血に沈む憂鬱な手
沈潜によって精神力が-40以下になる時、精神力-40にして
沈潜回数と沈潜威力を出血回数と出血威力にする

沈む職員の手 3になった時、これを除去し沈潜回数3と無抵抗を得る

無抵抗 与ダメージと被ダメージを50%軽減する
ターン終了時にこれを除去し、沈潜回数と沈潜威力を、出血回数と出血威力にする

装着EGO ある日突然 
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