スタンダード(ペンデュラム)次元
やぁ、俺は榊遊矢!
俺の親父、『榊遊勝』を超えるエンタメデュエリストになる男だ!
今日は遊勝塾でアユ、タツヤ、フトシの3人とデュエルをする予定なんだが…
「うわぁ!遅刻遅刻~!」
俺はスロープを使って1階に降りた
「父さんは…もう塾に行ってる!?どうして起こしてくれなかったの!?」
「何度も起こしたわよ、それでもあと5分って言って2度寝決め込んだのは遊矢じゃない」
「あーもう!行ってきまーす!」
「車には気を付けるのよ~?」
俺は母さんの作ってくれた朝食をお腹の中に入れて、急いで外に出た
「まったく!俺以外にも、もっと強いデュエリストが塾にいるだろ…ん?」
・・・俺は何を言っているんだ?
遊矢は立ち止った
(…記憶にあるのは、いろんな記憶だ。どれだけ展開してもすべてデッキに戻された記憶、ペンデュラムの欠点を書いた記憶…)
「…俺は、誰とやってたんだ?」
突如遊矢のデュエルディスクが鳴り出した
「うおっ!?…ってなんだ、柚子か…もしもし?」
『ちょっと遊矢!?今どこにいるの!?』
「今?…ってやばっ!?」
『急いでよね!もうみんな集まってるんだから!』
「分かってるって!…なぁ柚子、1つ聞きたいんだけど…」
『何?』
「みんな集まってるって言ったけど…その中にさ、とても強いデュエリストがいなかったっけ?」
『とても強いデュエリスト?…おじさん以外に強いデュエリストなんていたかしら…?』
「ああ、いや。いないならいいんだ!とにかく急ぐから、もう少し待ってて!」
『もう…早く来なさいよ!』
そう言って通話が切れた
「ってやばっ!急がなきゃ!」
そう言って俺は、遊勝塾に向かって走り出した
~~~
エクシーズ次元
「・・・」
「どうした、ユート?」
「いや、どうもしないさ、隼」
「ん、そうか…むっ、あれは瑠璃にまとわりつく悪い虫!すまんユート俺はそっちに行く!」
そう言って隼はその場を離れた
「・・・なんだかな。胸の中がなんか・・・騒がしいような・・・?」
「・・・兄さん・・・」
俺は口をふさいだ
「…俺は、何を言っているんだ?」
「ユート!手伝ってくれ!こいつらを黙らせる!」
「あ、ああ!・・・とりあえず行くか!」
ユートは隼の下に向かった
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シンクロ次元
「ユ~ゴ~!また騒ぎを起こして!」
「ちょっ、ごめんってリン!明後日にはジャックとの再戦が待ってるんだ!ほどほどにしてくれよ!」
「うるさい!今日という今日は勘弁してもらうんだから!デュエルよ!」
「ちょっ!?勘弁してくれ!?最近お前急に強くなりやがって、ヒヤヒヤすることがたくさんあるんだけど!?」
「うるさい!さぁ、デュエルディスクを構えなさい!」
「ひぃ~!!!」
「ユーゴ兄ちゃん~!」
「おお、お前ら!」
ユーゴとリンの下に、3人の少年少女が駆け寄ってきた
「今日も来たのか?」
「うん!だって明後日には、あのキングとまた戦うことになるんでしょ?」
「だから俺たち、ユーゴにいちゃんお応援したくて!」
「おお、ありがとな、お前ら!」
ユーゴは3人の子供の頭を撫でた
「えへへ、くすぐったいよユーゴ兄ちゃん…!」
「あはは・・・やっぱりリン、デュエルするぞ!もうちょっとでもデュエルして、キングに勝ちてえからな!」
「はいはい、結局デュエルするのね…」
「ああ!…視ててくれよな、ししょう・・・って、あれ?」
「…どうしての?ユーゴ」
「い、いや…あれ?・・・なぁリン、俺達って…その、師匠的な人がいなかったっけ・・・?」
「何言ってるの?私たちは最初から2人でずっとデュエルしてきたじゃない」
「お、おう!そうか!」
「…?なんか今日ユーゴ、へんよ?今日は休む?」
「い、いや。平気だ!やるぞ!」
「ふーん・・・?」
2人はデュエルディスクを構えた
「「デュエル!」」
(だけど、どうにも心の中に引っかかってるんだよなぁ…なんだ?)
「私は手札から、『悪夢の拷問部屋』を発動!」
「ちょっと待てリン!?」
~~~
融合次元
「・・・うーん・・・何か忘れてる気がするんだよね・・・?」
素良は自分のあごに手を当てながら、アカデミアの廊下を歩いていた
『…さぁ、デュエルだ!』
「・・・ん?」
素良が廊下の窓から外をのぞくと、ユーリとセレナがデュエルをしている光景が見えた
「またあの2人?よく飽きないなぁ…」
素良はその場を再び歩き出した
「紫雲院素良」
素良がうしろを 向くと、そこにはすでに卒業したはずのエドと明日香がいた
「エドと明日香じゃん、どうしたの?」
「プロフェッサーがお呼びだ、ついてきてくれ」
「うん。わかったよ」
そう言って僕は2人の後についていった
~~~
こうしてそれぞれの次元は、本来の時空…いや、本来の時空よりも格段に良い時系列になった
スタンダード次元では、榊遊勝が失踪せず遊矢の師匠かつプロのエンタメデュエリストとして頑張っている
エクシーズ次元では、融合次元による侵略が起こらず平和な日々を過ごしている
シンクロ次元では、トップスとコモンズによる隔たりはまだあるものの、それでも前の世界では考えられないくらいに緩和されている
融合次元では、他次元への侵略は行われず、アカデミアはプロデュエリスト育成のためだけの教育機関になっていた
・・・
だが、その場には『彼』はいない
『神』の手により、『彼』の記憶のほとんどは抹消された状態で世界は再構築された
『彼』に関与した人物は、自身の記憶に多少の違和感を持ちながらも、いずれ『些細な事』と割り切って残りの人生を謳歌するだろう
・・・
それを望んだのは、他でもない『彼』自身の願いだった
『神』との契約、ズァークの鎮静化を頼んだ神は、彼に言った
『あなたの生命力が再び尽きるとき、世界は再び再構築される。その時にあなたの記憶はこの世界から抹消させてもらう』と
それを聞いて彼は迷いなくそれを了承した
神は『彼』の言ったことを了承し、『彼』を再び『あの世界』に送りだしたのだ
そう、ただそれだけ
強く記憶に残るはずの『伝記』は、他の誰でもない『彼』が望んで、皆の記憶から『抹消された』
~オリキャラのアークファイブ伝記 完~
はい、というわけで投稿です。
本作品は、この話をもって完結とさせていただきます
これ以降は、ちょくちょく閑話を書き込んだり、俺が書きたい『番外編』を書き綴っていくだけになると思います
本編は完結しましたが、これからも本作品をよろしくお願いします!
それでは皆さん、さようなら
感想、質問、ご指摘等々大変励みになっております!
感謝感激ありがとうございます!
ソロオブソロ様、風無ゆう様、凍河の牙様、N24708様
『・・・やれやれ、まったく。困ったものですね』
『神』は様々な世界が詰まった天球儀の前に立った
『…どうして消失したはずの魂が、私の手元にあるんですかね…まだ、私は…彼のデュエルを見て居たいと思ったのかもしれませんね』
『神』は両手をお椀の形にすると、その手に1つの丸い形をした魂が出現した
『…私の勝手ではありますが、『彼』を…別の世界に送り届けましょう』
『神』はいくつもある世界の中から1つに触れ、その中に魂を入れた
『…楽しみにしてますよ。貴方は本来、あんな最期を迎えるはずじゃなかったのですから』
『神』は天球儀から離れ、またどこかに歩いていった・・・