遊記が乗った黒塗りの車が次の塾に到着し、ユウキは車を降りた
「…ここが次の塾か?」
「はい。ここが遊記様の次の対戦相手がおられる塾。『
「乱数・・・RTAでも教えてるのか?」
「…そのRTAが何なのかは存じ上げませんが。ここは数あるデュエル塾の中でも、ダイスやコインといった『運』を戦術に取り込んだ戦い方を教える塾です」
「ダイスやコイン・・・なるほどな。じゃあ行ってくるわ」
「はい、ご検討をお祈りしています」
遊記は塾の中に入った
~~~
「ようこそいらっしゃいました。貴方が上里遊記様でございますね?」
遊記が建物の中に入ると、1人の男性が話しかけてきた
「ああ、そうだが…あんたは?」
「失礼しました。私はこの塾の講師をしております、『
遊記は数多目からいくつかサイコロを渡された
「これは…サイコロか?」
「ええ、そうです。遊記様にはこれからそのダイスを振ってもらい…」
数多目が扉を指さした
「この先にあるすごろくに挑戦して貰います」
「すごろく?…俺はデュエルをやりに来たんだ。すごろくをやっているひまは…」
「そのデュエルに関するすごろくをやってもらうのです」
「なに?デュエルに関するすごろく?」
「はい。口で説明するより見てもらった方が速いでしょう」
数多目が扉に向かって歩き出し、扉を開けた
「…これは…」
遊記が扉の先の光景に目を見開いた
「それぞれのマス目に、様々な項目が書かれていますね?『2歩進む』や『1ほ戻る』みたいな普通のすごろくに存在するものもあれば、『初期LP倍』や『初期手札+1』、デメリットとして『相手初期LP倍』や『相手初期手札+1』、『初期手札-1』等があります」
「…なるほどな。本当にデュエルに関する内容ってわけか」
「はい。赤馬零児様からは、この塾に関してはアクションカードは使わなくてもいいと仰せつかっております」
「ふーん…?わかった。とりあえず、振ればいいんだな?」
「はい」
遊記の手には、先ほど数多目から渡された3つのダイスが握られていた
「…行けるところまで行けばいいのか?」
「そうですね。3つだけでは踏破は難しいので」
「それじゃ…ダイスロール!」
遊記がダイスを振った結果…
『初期手札+1』
『相手初期LP倍』
『アクションカード禁止』
の3つのマスに止まった
(相手のLPが倍はまぁいいとして、俺の初期手札+1はでかいな…その分好きなことができそうだ。アクションカード禁止は大して苦にならん)
遊記がダイスを振り終わると、数多目が歩いてきた
「準備が終わりましたか?」
「ああ。大丈夫だ」
「それでは…この塾一番の生徒をお呼びしましょう。入ってきなさい」
数多目がそういうと、数多目の後ろから1人の少年が入ってきた
「…お前が、不運にも俺に負ける存在か?」
「…ん?」
「こら賽河原!すみません遊記さん…この子少々悪ガキ体質で…」
「…ああ、それは見ればわかる」
「ですが、運とデュエルの腕に関しては本物です」
「ああそうさ。暇つぶしに回したスロットは毎回
「ふうん…?」
「賽河原。まずは自己紹介をしろと何回教えたことか…」
「まずは俺様からじゃなくて、相手から名乗るもんじゃないのか~?」
「…上里遊記だ」
「ふ~ん?そう。僕は『
「ハイハイ…そういえば先生、賽河原もダイスを振ったのか?」
「ああ、聞いて驚けよ?…俺が踏んだマスは『相手初期LP半分』、『初期手札+1』、『初期LP倍』の3つだ!お前の踏んだマスを聞いたが、そのおかげで俺の初期LPは4倍の16000!それに対してお前の初期LPは半分の2000!それにアクションカードも禁止…これは俺が勝ったも同然だろう!」
「・・・そうかな?デュエルはやってみないとわからないぞ」
「ふふん!その自信はいつまで続くかな!?」
「ハイハイ…じゃあ早速やるぞ。先生もいいか?」
「はぁ…わかりました。それではお二方、準備の方をよろしくお願いします」
「ああ」
「おう!」
遊記と賽河原は少し離れた
「戦いの殿堂に集いしデュエリストたちが」
「モンスターとともに地を蹴り、宙を舞い!」
「フィールド内を駆け巡る」
「見よ、これぞ、デュエルの最強進化形、アクション…!」
「「デュエル」!」
遊記 LP2000
※初期手札+1、初期LP半分、アクションカード禁止
賽河原 LP16000
※初期手札+1、初期LP倍×2
「先攻は俺だ!俺は手札から『カップ・オブ・エース』を発動!コイントスを1回行い、表が出たら俺が2枚ドロー!裏が出たらお前が2枚ドローする!」
「…だが、コイントスはどうするんだ?」
「なんだ、知らないのか?コイントス機能はデュエルディスクに入ってるぜ!さぁ、コイントスだ!」
2人のフィールドの上にコイントスのモニターが大きく表示された
「…結果は表!俺は2枚ドローする!」
賽河原 手札6→5→7枚
「そして俺は手札から『
フィールド上にダイスロールのモニターが現れた
「…来たぜ6!俺はデッキから『サモン・ダイス』を手札に加える!」
賽河原 手札7→6→7枚
「随分と運がいいな…?」
「ふん!これも俺の運さ!手札から『サモン・ダイス』を発動!LPを1000払い、ダイスを1回振って、出た目によって違う効果を発動する!俺の手にかかれば、好きな目を出すことができる!」
ダイスが振られ、『1』が出た
「ふはは!やはり俺は運がいい!1か2が出た場合、手札からモンスターを1体召喚する!俺は手札から『スナイプ・ストーカー』を召喚!」
スナイプ・ストーカー ATK1500
賽河原 手札7→6→5枚
「さらに手札から『ディメンジョン・ダイス』を発動!ダイスを振る効果を持つカードが俺のフィールドに存在する場合、俺のフィールドのモンスターを1体リリースして、手札・デッキからダイスを振るモンスター効果を持つモンスターを1体、手札かデッキから特殊召喚する!俺は『スナイプ・ストーカー』をリリースし、デッキから『ゴッドオーガス』を特殊召喚!」
ゴッドオーガス ATK2500
賽河原 手札5→4枚
「『ゴッドオーガス』の効果!ダイスを3回振り、相手ターン終了時まで出た目の合計×100ポイント攻撃力と守備力をアップする!さぁ、運命の…ダイスロール!」
賽河原が出した目は、全て『6』だった
「3回とも6…」
「よって攻撃力が1800アップ!追加効果で、2つ同じ目が出た場合、1か2だったら相手ターンまでこのカードは破壊されず、3か4だったら2枚ドローし、5か6だったらこのターン、このモンスターは直接攻撃ができる!そして3つ同じ目が出た場合、これらの効果を全て適用する!すべてのダイスで6がでたから、全部の効果を使用できる!」
ゴッドオーガス ATK2500→4300
賽河原 手札4→6枚
「おっほっほぉ!手札がまだこんなにあるぜ!だがこれまでにしておこう。モンスターを1体セットして、カードを5枚伏せ、ターンエンド!」
賽河原 手札6→5→0枚
「…」コソコソッ
「…?」
遊記は視界の端で何かコソコソしている人物を見つけた
(なんだ、あれ…?数多目さんじゃなさそうだな?)
「おいおいどうした?俺に負けるのが怖くて、怖気ついたのかぁ?」
「…その言葉、後悔するなよ。俺のターン」
遊記 手札6→7枚
「スタンバイ、メインフェイズ。俺は手札からフィールド魔法『
遊記 手札7→6枚
「おっとぉ!やらせるか!速攻魔法『サイコロン』を発動!まずはサイコロを1回振る!」
モニターが現れ、ダイスの目が公表された
「…出たのは『3』!2、3、4が出た場合、相手の魔法・罠ゾーンのカードを1枚破壊する!『
突如フィールド内にサイコロが現れ、サイコロが竜巻を発生して、フィールド魔法を破壊した
「…さて、とりあえず使わせたな。永続魔法『
遊記 手札6→5枚
「何ぃ!?使わせた、だとぉ…!?」
「『
遊記 手札5→4→6枚
「『アルカナフォース』?なんだそのカードは」
「見てれば分かる。手札の
遊記 手札6→5→6枚
「おやおや?また手札に『
「ぬぐぐ…!」
「再びフィールド魔法『
遊記 手札6→5枚
「そして手札から
「何ぃ!?コイントスだとぉ!?」
アルカナフォース
遊記 手札5→4枚
「
「ふん!せめていい効果になるように祈るんだな!」
「…随分な自信だな」
「ああ、もちろんだ。さぁ、さっさとコイントスをしろよ」
「いいや、する必要はない」
「はぁ?何言ってんだ?」
「フィールド魔法『
「は、はぁ!?なんだそのインチキ!?」
「俺が指定するのは表!そしてコイントス結果は…」
モニターが現れ、コイントスの結果が現れた
「当然正位置!表が出た場合、コイントスをする効果を持つ魔法カードを1枚、デッキからフィールドにセットする!俺はデッキから『アルカナリーディング』をセット!」
「ぬぐぐ…」
「今セットした『アルカナリーディング』を発動!コイントスを1回行い、その結果で効果が変動するが、俺のフィールドゾーンに『
遊記 手札4→5枚
「また運命を決めやがった…!」
「そして今手札に加えた
アルカナフォース
遊記 手札5→4枚
「
アルカナフォース
「俺のフィールドに、特殊召喚…!?ふはは!馬鹿め!俺のフィールドに特殊召喚された
「あ、それが出たか…まぁいいか。俺はフィールドの
アルカナフォース
「ゆ、融合モンスター…!?」
「このモンスターは、互いのフィールドの『アルカナフォース』モンスター3体を墓地に送ることにより、EXデッキから特殊召喚できる!そして
遊記 手札4→5枚
「今手札に加えた『アルカナスプレッド』を発動!コイントスを行うが、『
アルカナフォース
「
アルカナフォース
遊記 手札5→4枚
「
アルカナフォース
「なっ、攻撃力0!?」
「さぁバトルだ!まずは
賽河原 LP16000→12900
「ぐうっ…!だ、だがこれで…」
ビームで発生した土煙が落ち着くと、その場には攻撃された
「ど、どうして破壊されていない!?」
「
「だ、だがこれで終わりだ!速攻魔法『ルーレット・スパイダー』を発動!これで5が出れば攻撃したモンスターの攻撃力分のダメージをお前に与えて、俺の勝ちだ!」
「・・・」
賽河原は隠れて黒い顔をした
(ふっふっふ…誰も俺がしているイカサマに気づくことはない!俺がこの塾トップの立場を利用して下の奴らを脅して別の映像をフィールドに映していることを、誰も気づきはしない!)
賽河原はフィールドの外をチラ見した
(わかってるな、ゴミども…5だ!5を出せ…!)
フィールドにモニターが現れた
(5…5…5…5…!!!)
ダイスが振られた
「・・・はぁ?」
賽河原がモニターを見て口をあんぐりとあけた
モニターに映っている数字は、『1』が表示されていた
「ど、どうして!?どうして1が…!?」
「どうしたんだ賽河原君?そんな顔して…体調でも悪いのか?」
「い、いや…なんでも、ないです…」
賽河原の態度に数多目が心配して声をかけたが、賽河原は落ち着いたふりをした
(どうして…!?どうして1が出た!?あいつら…何やってんだ!?)
「1が出たみたいだな。それで?1が出た場合は何が起こるんだ?」
「ググ…俺のLPを半分にする…!」
賽河原 LP12900→6450
「戦闘続行だ。やれ、
「ぐああああ!!!!」
賽河原 LP6450→3150
「
「があああ!!!」
賽河原 LP3150→1650
「さて、メイン2飛ばしてエンドフェイズだ」
「だ、だが…これで、これで…次の俺のターンで、逆転を…!」
「お前のターンが来ると思っているのか?」
「・・・は?なにを、言って・・・」
「
「はぁ・・・!?」
フィールドから
その直後灰色の世界がガラスみたいな音がして崩壊し、元の世界の色を取り戻した
「・・・いったい、何が・・・?」
賽河原が自身のデュエルディスクを確認すると、自身のエンドフェイズになっていた
「…何が起こった!?」
「時が飛んだんだよ。ターンスキップされたんだ」
「はぁ!?そんなふざけたことが…」
「実際に起こってるんだよ。さぁ俺のターンだ!」
遊記 手札4→5枚
「スタンバイ、メイン飛ばしてバトルだ!
「俺が・・・ばかな、ばああかあなああああああ!!!!!!」
賽河原 LP1650→-1650
遊記 win
~~~
「…ふぅ。案外なんとかなるもんだな」
「お、俺が・・・おれが、負けるなんて・・・」
「…んで、賽河原。お前デュエルの最中に明後日の方を向いてたけど、何を見てたんだ?」
「んげっ、そ、それは・・・」
「ん?なんのことだ賽河原?」
「先生、賽河原君は何か悪いことを考えていたみたいですよ」
「っ!上里ぉ!」
「何?・・・わかった。あとで色々と調べてみる。賽河原も後でな」
「くっ・・・わ、わかりました・・・」
「…じゃあ、俺は次に行きますね」
「ああ、わかりました。勝利おめでとうございます、今後の健闘をお祈りしております」
「ああ、それじゃあな」
遊記はその塾を離れ、次の塾に向かった
〜〜〜
後日、賽河原連は塾内でのいじめが発覚し、大会の出場権を失い、退塾させられた
はい、というわけで投稿です。
遊記『アルカナフォース』VS賽河原『ダイス』デッキでした。
まぁ賽河原君はイカサマしてたんですけどね…重要な場面で裏切りに会って負けましたが。
次回、4戦目。
それでは