「船長!錨が上がりません!」
「くそ、この海域はどうなっている!?」
ガリガリガリガリ
「いっけなーい遅刻遅刻!」
私、薔薇腹原払(ばらばらばらばら)!
お嬢様を目指している普通の女子高生ですわ!」
「錨咥えながら自己紹介しとるーっ!?」
「おはようございま隙あり!」
「なんて早い手刀…グフッ」
「おじいさあああああん!!!くっ、これでは貴族の勤めが果たせませんわ!」
倒れるおじいさん、しかしくよくよしている時間はバラバラにはなかったのだ!
「このままでは学校に遅刻してしまいますわ…しかたがありません、これを」
申し訳なさそうに乗せられる錨。
おじいさんのHPはもはやゼロである。
「うおおおお若い頃を思い出すようじゃ!」
「遅刻ー!」
「全員生きてこの海から生還しろ!最後の船長命令だ!」
「せんちょおおおお!!!」
…復活してる!?
「なんとか学校に間に合いそうですわ!この先にデスゲームの支配者が居て異世界に転生しない限りは!」
流石にありえねえよ。
「貴様の命は預かった!我がゲームを攻略せぬ限りは先へ進めんぞ」
「現れましたわね!」
本当に居るー!?
「フィールド展開、貴様は我がルールに支配され…」
「ノブレスオブリージュ!」
「ぐはぁ!?」
デスゲームの支配者は謎のフィールドを展開するも拳が突き刺さり、展開されたフィールドごと吹き飛ばされてしまう。
「バカな、我がデスゲームが破壊されるとは…」
「うるせえですわ!」(殴打)
「こめぬか!」
「このままではここにトラックが突っ込んできて異世界転生してしまいます。どうしましょう」
爆速で空より飛来する転生トラック。
バラバラは意を決して行動した!
「支配者ガード!これで世界を救いますわ!」
「無理無理そもそもなんで空からトラックが降っ」
視界は暗転する。
「はっ!生きてる…?いやトラックに轢かれて生きてるはずが…」
「ちゅんちゅん」
「鳥の鳴き声?」
「ちゅん?」
そこにはレッドブルを飲んで翼を授かるバラバラの姿が。
「鳥にはならねえよ!?」
「はっ、ここは異世界!」
「そうだよ、君たちはいせかいから呼び出されしゆうしゃたちだ」
正体のつかめない声がどこかから聞こえる」
「この声はどこから…」
「ここだよー」
荘厳な玉座の間、玉座の上には蟻塚があり、その上には王冠を被った小さな蟻が居た。
「アリだー!?」
「あなたが私達を呼び出しましたのね」
「そうだよ。今このせかいはまおうによる…えっと家臣、この文字どう読むの?」
「陛下、これは未曾有と読むのです」
「そうそうみぞうのききなんだよ」
「カンペ読んでるー!?(しかも読み方聞いてるし)」
王の蟻は続ける。
「僕らはまおうを討伐するために部隊を編成した」
(物騒な言葉だけ妙に饒舌だ)
「けれど彼らはすごくつよくてね、僕らの部隊は全滅しちゃった」
「彼らは王のために勇敢に戦いました」
「うん、とってもゆうかんだったよ。でもあのかんぶにはかなわなかったんだ」
王と家臣は如何に彼の敵が強大で、自らの部隊の敗北を雄弁に語る。
「じつは僕はとってもつよくてね。きっと実力だけならかのものには負けないとおもうよ」
「だったら…」
「けれどやつは僕の天敵でね、僕がどれだけつよくても、やつと同種族にはかてないんだ」
「それはいったいどんな」
「ありくい」
(そりゃ無理だよ)
王は顔を…たぶん明るくして言った。
「けれどゆうしゃが呼びかけにこたえてくれた。きっと君たちはせかいをすくってくれる」
「そんなことできる訳、そもそも我はデスゲームの…」
「ここで引くのは…」
炬燵でお茶を啜って煎餅を齧りながらバラバラは言う。
「ここで引くのはお嬢様じゃないですわよねー」
「メチャクチャリラックスしてるー!?」
「つーか真面目にしてる時間なげえですわ。眠く…ねむく…」
「寝ちゃったよこの人!?」
「おお、まちがいなくかのじょはでんしょうのゆうしゃそのもの…!」
「どこが!?」
「優雅な乙女は怪しげな南瓜頭に叱られる…紛れもなく伝承の一説!」
「燃やしちまえそんな伝承!」
「うへへ、みそしるにはじゃがいもですわぁ…」
「ほぼおっさんにしか聞こえない!」
伝説が今幕を開ける__!
じゃがいもはあくまでわかめが入ってる前提。