あれから暫くして、自らの刀を抜こうとした少女...チトセを青年と少女達総出で何とか落ち着かせる事に成功していた。
それからどうしてこんな場所で眠っていたのかを問いかけた所、ポツリポツリとチトセの口から語られたのは彼女の数奇な過去だった。
自身を『主に尽くす刀』だと教え込まれ、それこそが己の存在意義だと信じて生きてきた彼女は物心ついた幼い頃からたった1人で過酷な修行の日々を送っていたらしい。
来る日も来る日も刀としての力を磨き上げ、ついには魔力そのものを目に見えぬ刃として形成し魔力のみで万物を断ち切る絶技『無刀の法』を極めたそうだ。
そうして彼女は己という名の刃を振るうに相応しい『使い手』を探す旅に出たのだという。
けれども旅の途中で彼女の自信は無惨にも砕け散った。
修行していた頃に比べてどうにも体内の気の制御が上手くいかず、少し感情が揺れただけで力が暴走し道中に出会った旅人や他の巡遊者達へ意図せず怪我を負わせてしまう始末。
更には無刀の法による斬撃すらも肝心な場面で霧散してしまい、無様に失敗するようになってしまった。
『旅に出たのがそもそも間違いだったのではないか?』
『初めから技を極めたなどと思い上がり、驕っていただけなのではないか?』
何度も何度も繰り返す失敗、その度に誰かを傷つけ己の無力さを呪う。
そんな拭いようのない疑念や深い悲嘆に彼女の心は徐々に支配されていった。
刀は傷つけるためにあるのではない、主のために道を切り拓くためにあるのだと....そう信じていた根幹が揺らぎ始め、気づけば彼女はこれ以上誰かを傷つけないよう他人との交流を無意識の内に避けるようになっていった。
そうして当て所なく彷徨い歩き、昨日はようやくこの水道橋を見つけ休んでいた所、極度の疲労からいつの間にか深い眠りに落ちてしまっていたらしい。
「なるほど...それは凄く大変だったんですね」
静かに話を聞き終えたアヤメが労いの言葉をかける。
「いえ、全てはチトセの未熟が招いた結果です」
チトセは自嘲気味に首を振り言葉を区切る、そして「ですが」と前置きしてから並んで話を聞いていた青年の顔を真っ直ぐに見つめた。
「あの瞬間、いつもであれば間違いなく切り裂いてしまっている距離だったにも関わらず...全く切れていないどころか傷一つ負わせることがありませんでした....こんなことは初めてです」
チトセはそう言って改めて青年と少女、その後ろに立つアヤメ達の方へ向かい頭を下げた。
「もしよろしければチトセも皆様と一緒について行っても良いでしょうか、あの感覚をより身につけられればチトセはより『刀』としての成長が出来ると思うのです」
そんな突然の申し出にアヤメ達は顔を見合わせ少しばかり悩む素振りを見せる。
何しろ自分達の現状はあまりよろしくない、アヤメは意を決したように今自分たちが陥っている状態について話をし始めた。
「えっと、チトセさん?実は私達は今厄介な目に遭ってまして...」
とあるのっぴきならない事情で大切な相棒でもある『オアシス号』を借金のカタに取られてしまい途方に暮れている事。
今はひとまず自分達がかつてお世話になった『ヒナギクの家』という孤児院に向かおうとしていること...それらを聞き終えたチトセはただ静かに頷くと口を開いた。
「そうであれば尚更このチトセを『刀』としてお使いください。同行させていただけるのであれば、立ち塞がるどんな困難もこの身に代えて断ち切って見せましょう」
真っ直ぐな一点の曇りもない瞳...そこまで真剣に言われてしまっては断れるはずもなく、最終的にアヤメ達はチトセが一緒に来ることを了承したのだった。
──それから少しして、6人という大所帯になった後、彼女達は橋の上を歩いていた。
「このままこの巨大な水道橋の上を歩いていくのか?」
「そうだよ!アモールの水道橋はね、このノヴァ大陸のあちこちにある7つの星ノ塔に真っ直ぐつながってるからとっても便利な道なんだ!」
青年に尋ねられたセイナは両手を大きく広げながら元気に答える。
「確かに最短ルートだとは思うが...そんな便利な道なのにどうして私達以外には誰も人が歩いていないんだ?」
少女も青年の後ろを歩きながら疑問を口にした。
「かなり高さがありますからね、万が一落ちたらタダでは済みません。ここを平然な顔で通れるのは星ノ塔の探索で高さに慣れきっている一部の巡遊者くらいですので」
アヤメの言葉通り落ちたらひとたまりもない高さは勿論の事、当然ながら手すりなどはついていない。
もし落ちた時のことを考えると背筋が凍るのは間違いないだろう。
「あ、こっちこっち!この先が近道だよ!」
先頭を意気揚々と歩いていたセイナが弾んだ声で手招きをする。
そのまま全員でセイナの指し示す方向へと移動してみるが....
「...橋が見事に崩れてるわね。セイナ、残念だけど近道は諦めて引き返すわよ」
アヤメの言う通り、何らかの衝撃を受けたのか巨大な石の橋の中央部分が完全に崩落し、向こう側へ渡ることが物理的に不可能になっていた。
「んーそっかー....それじゃあアヤメ、私の手をしっかり握っててね!」
「手を?そんなに心配しなくても、私だって巡遊者の端くれよ。今更この程度の高さで足を踏み外して落ちたりしないわよ...」
アヤメは溜息をつくが、そんな彼女の反応を見たセイナは一瞬キョトンとした顔をした後ニッコリと満面の笑みを浮かべ彼女の手をギュッと強く握りしめた。
「だから、近道ッ!ここから一気に飛っぶよー!」
「......は?って、ちょ──きゃああああ!?」
そしてアヤメが抗議の言葉を発する間もなく、セイナはアヤメの手を力任せに引き寄せると崩れて出来た空間目掛けて一切の躊躇なく飛び込んだ。
「いやあああああ!!何してるのよバカセイナーーー!!」
「あははっ!大丈夫大丈夫ー!」
悲鳴をあげながら宙を舞うアヤメをよそに、セイナは楽しそうな笑い声を上げながら瓦礫の斜面をサーフィンのように勢いよく滑り降りていく。
「あたしたちも行こう、しっかり掴まってて」
そんな2人を見たコハクが淡々と告げながら少女に手を伸ばす。
「ほ、本当にここから飛ぶのか!?いくらなんでも危険な気が...」
「うん、セイナが近道って言うなら間違いない」
「ま、待ってくれ...これはただの自殺行為——ひゃああっ!?」
尻込みしていた少女だが、コハクによって強制的に引き寄せられそのまま殆ど落下の勢いで下へと消えていく。
「ではチトセ達も参りましょう。主殿、チトセの手をしっかりと」
「ああ分かった...ぬ?待ってくれ、主殿というのは.....ああああああ!!!」
最後に青年の悲鳴が響き渡り、6人の姿は完全に水道橋の上から消え去った。
────水道橋から離れた場所にて、
「ハァ、ハァ...ビックリしたぁ....も、もう!飛び降りるなら飛び降りるってせめて先に説明しておいてくれる!?」
瓦礫の山を滑り降りなんとか無事に地面へと着地したアヤメが息も絶え絶えになりながらセイナを涙目で見つめる。
「ごめんごめん、でもこのルート子供の頃からずっと通ってる道だからてっきりアヤメも知ってると思ってさー」
「だからってあんな高さから予告なしに飛び降りるなんて普通は思わないわよ!」
「し、死ぬかと思った....なんで生きてるのか不思議なくらいだぞ....」
「僕もだ...落下中一瞬意識を失っていたような気がする...」
少女と青年も膝に手を突き顔面を蒼白にさせていた。
「主殿、お怪我はありませんか?」
「あ、ああ無傷だ....それよりさっきから気になっていたんだが今も言っていた『主殿』という呼び方は...」
ようやく落ち着いた青年がチトセに尋ねようとしたその時だった。
「しーっ皆静かに。あっちから人の声が聞こえる」
6人が入り組んだ路地を歩いていると、不意に先頭を歩いていたコハクが立ち止まり路地の物陰に隠れ出した。
彼女の指示通りに他の5人も身を潜めながら視線の先をそっと覗き込んでみる。
するとそのには何やら物騒な雰囲気で揉めているらしき者達の姿があった。
「チッ、ガキには用はねぇんだよ。怪我したくなかったらさっさと消えな」
何やら武器を肩に担ぎ、サングラスを身につけたいかにもガラの悪そうな女が鬱陶しそうに吐き捨てる。
「アタイらはミネルバに用があんだ。このアッシュエリアが誰のもんか今日こそハッキリさせてやるってんだよ」
その隣に立つスケバン風の女も威嚇するように凄んだ。
「テメェらこそ、なぁに姉御ぉの名前を軽々しく口にしてんだゴルァ!」
そんな女達を前にして一歩も引かずに立ち塞がっているのは、鮮やかな赤髪を持つ少女だった。
その手にはスケートボードらしきものを抱えているのがわかる。
「その髪根元から丸刈りにされてぇんじゃん?アァン?」
「ハッ!ガキのくせに良い度胸してるな!ならお前をここで捕まえて、ミネルバをおびき寄せるための極上の餌にしてやるよ!」
そう叫ぶや否やスケバン風の女達は持っていた武器を躊躇なく振り上げ赤髪の少女に猛然と襲いかかった。
しかし赤髪の少女は慌てる素振りすら見せず、足元のスケボーを蹴り上げると同時にヒラリと身を翻し女達の攻撃を軽々とかいくぐっていく。
「ミネルバという名前、どこかで聞いたような...」
「ねえコハク、どっちが勝つと思う?」
「赤い方、あのスピードは絶対的な武器になる。相手の攻撃は当たらない」
「随分と冷静だな...助けに入らなくても本当に大丈夫なのか?」
全員が様子を伺う中、戦況は着実に動き始めていた。
軽快な動きで翻弄し続ける赤髪の少女を追いかけていた女達だったが、徐々に体力を奪われその動きが目に見えて鈍り始める。
「ハァ...ハァ...おいクソガキ!ちょこまかとうろちょろすんじゃねぇ!」
「だいたいなんなんだよそのふざけたスケボーは...!はぁ、はぁ...アタイらのこと完全にナメてんのか!」
「はぁ?なぁに寝ぼけたこと言ってんだ?ウチらナメてたのは最初からテメェらのほうじゃん?」
「ンだとこのチビ...!」
赤髪の少女の挑発に女達は一斉に彼女へ向かって掴みかかろうとする。
だがその瞬間
「....ってあれ?なんだこれ?こんな変なもんさっきまでここにあったか?」
女達は徐に何か硬いものを踏みつけた感触に下を向く。
するとそこにはいかにも怪しげなスイッチのようなものが設置されていた。
「はい〜それはワタシからのささやかなプレゼントです〜」
どこからともなく間延びした声が響く、女達は慌てて顔を上げるといつの間にか赤髪の少女の隣に紫色の髪をした少女が立っていた。
「は? プレゼ──」
女がそう言葉を言い終わる寸前、踏みつけられたスイッチがプシュッという小さな音と共に勢いよく煙を噴き上げ始めた。
「「ぎゃあああああああ!?目が、目がぁぁぁ!!」」
瞬く間に周囲を包み込んだ煙を吸い込んだ女達の絶叫と悲鳴が辺り一帯に響き渡る。
「こ、このガキどもが...!爆弾なんて卑怯なマネしやがって...コホッ、ゲホッ!」
「卑怯?だからナメてんのはテメェらだってさっきから言ってんじゃんよ、実戦のケンカに卑怯もクソもあるかっつの」
「のんびりおしゃべりしてて大丈夫ですか〜?それはワタシ特製のバーニンフルーツスモーク弾なので、早く水で洗い流さないと目と喉の激痛が数日間は消えませんよ〜?」
紫髪の少女が告げた内容に女達はビクリと震えると慌てて2人から距離を取る。
「チッ...お、覚えてろよクソガキども!ついでにテメェ、ミネルバにも伝えとけ!次会った時は容赦しねーからな!」
そう負け惜しみの捨て台詞を吐きながら女達は涙と鼻水を垂らし流しながら一目散にその場から逃げ出していった。
「ヘン!何度来ようと何度でも返り討ちにしてやるじゃん!」
「ちなみに本当はただの発煙弾ですから人体には全くの無害なんですけどね〜♪プラシーボ効果ってすごいですね〜」
「ま、結果オーライじゃん!これで街のミンナも安心していいじゃん!」
やがて女達が完全に姿を消してから少しして、物陰から様子を伺っていたらしき人々が少女達の元に集まってきた。
「いやぁいつも本当にありがとうね、あんたたちのおかげで安心して店を開けられるわ」
「本当にな、最近あのガラの悪い連中がたむろしてたせいでうちの客足もバッタリ途絶えてたからな。助かったよ」
「ご苦労さんだったね、ほらお礼に焼きたてのパンだよ。遠慮しないで腹いっぱい持っていきな!」
そんな先程の争いとは打って変わった街の人々と少女達の温かいやり取りを、遠目から見ていたセイナ達は感心したように深く頷いていた。
「へー、見た目はすっごく派手だし口も悪いけど実は街のみんなを守ってるいい人たちっぽいね」
「まぁ街なかで堂々と怪しい発煙弾を使うのが、本当にいい人かどうかはかなり怪しいところだけど...とにかく私達はあの子たちに関わってる暇はないわ。今は先を急ぎましょう」
アヤメがそう言い路地を出ようと足を踏み出した、その時だった。
「おいそこの姉ちゃんたち、さっきから物陰でなにジロジロ見てんだ?」
「...えっ」
突然背後から声をかけられ恐る恐る振り返ると、そこにはいつの間にかやってきていた謎の少女達が立っており、6人を怪訝な顔で睨みつけていた。
「つーかここらじゃ全く見ない顔だな。まさかさっき逃げたヤツらの仲間か?偵察か何かか?」
「い、いえいえいえ!?違います違います!私達は決して怪しい者ではなくてですね、ただの巡遊者です!別に怪しい者では...」
アヤメが両手を振り回して必死に弁解するが、少女達は全く信じようとしない。
「ただの通りすがり?じゃあなんでこんな所で息を潜めてコソコソ隠れてんだよ?」
「そ、それは少し入り組んだ事情がありまして....」
「ウルセーなぁ、そっちはなにギャーギャー騒いでんじゃん?」
アヤメがしどろもどろになりながら誤解を解こうとしていると、騒ぎを聞きつけたのか先程まで街の人々と談笑していた赤髪の少女が面倒くさそうに近づいてきた。
「あ、フォルモントのアネキ!いや、こいつらさっきからコソコソこっちの様子をうかがってて怪しいからシメてやろうかと」
「ですから!これはただの誤解で!」
「どもどもー!怪しい者じゃないよ、私たち空白旅団ってギルドに所属してる巡遊者なんだ。それにしてもキミ、さっきのケンカすっごくいい動きだったよねー!見惚れちゃった!」
まさに絶体絶命、一触即発の場面だというのに何も恐れることなくセイナはやってきた赤髪の少女に対してグイグイと距離を縮め親しげに話しかけた。
「へっ、まぁそれほどでもねーって。ウチの速さに着いてこれるヤツなんてそうそういねーからな。でもまぁ素直に褒められるのはワリー気しねぇじゃん♪」
赤髪の少女...フォルモントはセイナの屈託のない笑顔に拍子抜けしたのか満更でもない様な照れた表情を浮かべた。しかしすぐに警戒心を取り戻し再び怪訝そうな態度になると、6人を鋭い目つきで見回して告げた。
「つーかアンタらが巡遊者ならこんなアッシュエリアの端っこになんの用じゃん?ここは塔に向かう道でもねーぞ」
「たしかに...この辺りは地元の人間しか通らないような入り組んだ裏道なのに。あ、ワタシはネールモント、こっちはワタシのお姉ちゃんで.....」
「アタシはフォルモントじゃん、夜露死苦ぅ」
そうしているといつの間にか屋上にいた紫髪の少女...ネールモントもやって来ており、笑みを浮かべながらもハッキリとした警戒の色を滲ませて自己紹介をしてきた。
「私はセイナ!あとこっちのしっかり者がアヤメで、そっちの無口な子がコハクね。で、後ろにいるのがチトセと...んーキミ達二人のことなんて紹介したらいいかな?」
セイナに話を振られた青年と少女は顔を見合わせる。
(記憶喪失の巡遊者....と馬鹿正直に言ってもこんな状況では余計に怪しまれてややこしいだけか。それにここは彼女達のようなギャングっぽいノリに合わせた方が親近感を持ってくれるかもしれない)
青年はそう考えると少女に軽く頷きかけた。
少女もその意図を察したのか二人は互いに目を合わせるとその"名"を告げた。
「そうだな....とりあえず"魔王"とでも呼んでくれ。セイナ達も僕らを呼ぶときはそれでいい」
「私のこともそう呼んでくれ」
「ま、魔王っていうのは...もしかして昔の童話に出てくる世界を滅ぼそうとしたあの怖い人のことですか〜?」
「へー。魔王だかなんだかよく知らねーけどそういう威勢のいい奴は嫌いじゃねーじゃん」
フォルモントは予想通り好意的な反応を示しニヤリと笑った。
「私も魔王さんって響き、かっこよくていいと思うよ!」
「世界と戦う絶対的な存在...いいね」
「魔王って、大昔に実在した歴史上の大ワルモノの名前なんですけど...せめていま風にボスとかにしませんか?」
「魔王の懐刀....このチトセが主殿の為に目指す道としては不足無しです」
「ンで?結局その空白旅団とやらの御一行と魔王達はこんな寂れた場所に一体なにしに来たんじゃん?」
青年と少女の発言にアヤメ達も各々反応を示しながらも、フォルモントが再度質問をする。
「あ、そ、そうでした!実は私達この先にあるヒナギクの家に用があって向かっている途中なんです」
何気なくアヤメが発したその言葉。
その瞬間——
先程までの空気が凍りついたように一変した。
「....アンタら、今ヒナギクの家って言ったか?」
「えっと、あそこにはもうずいぶん前から誰も住んでいないはずなんですけど〜...一体どういったご用件で向かおうと?」
2人の声には誰でもわかるほどに明らかな敵意が混じっていた。
「あ、あれー?なんか急にすっごく妙な空気になってない...?」
「....囲まれた、こっちも戦闘準備」
コハクは瞬時に両手に銃を取ると、周囲を取り囲み始めた少女達を警戒する。
「ちょ、まま待ってください!誤解です!私たちは2年前にヒナギクの家を出て独立した身で、今日はただの里帰りをしようと向かっていただけで....!」
「たしか...あそこが壊れて廃墟になったのはちょうど2年くらい前じゃん。アンタらの言ってることがガチだって、どうやって証明できる?」
「奇遇ですね〜、全く同じ理由を口にしてあそこの孤児院の跡地に人が訪ねてきたのは....これで今週に入ってもう4回目です〜さすがに馬鹿の一つ覚えすぎませんか〜?」
「いやいやいや違いますって!私達は本当に元あそこの孤児院の出身で!」
「ま、どこの回し者か知らないけどなんでもいいじゃん....」
フォルモントは溜息を吐くと、スケボーを強く蹴り上げニヤリと好戦的な笑みを浮かべた。
「怪しいヤツらには、痛い目見て帰ってもらうだけじゃん!」
そんな宣戦布告と同時に、少女達は一気に攻撃を仕掛けてきた。
「ど、どうしてこんな事に!?」
「とにかく邪魔するなら倒す、それだけ」
「あーあ、しょうがないけどやるしかないみたいだねー!」
「本当に大丈夫なのか!?誤解を解いた方がいいんじゃないか!?」
「主殿、何があろうとチトセの傍を離れないように。主殿の危害となるものは全てこのチトセが斬り捨てます」
「なんだかどんどん大変な状況になっている気がするのだが...!」
こうして謎のギャング達と6人の戦いが急遽幕を上げたのだった。