第17話
「ああああああああああああああああああああああああああああ!!?」
ある日の事。スペは今日も雄たけびを上げる。
飛鳥「なんだうるせェな」
スペシャルウィーク「飛鳥さん!! また私に黙って美味しそうなの作らないでくださいよぉ!! あと、それは何ですか!?」
飛鳥「かしわバター丼」
「かしわだとォ!!?」
ナリタブライアンが現れた。
飛鳥「あ、そういう感じで出てくるのね…」
スペシャルウィーク「飛鳥さん…。あの、私の分は…?」
飛鳥「ないよ」
スペシャルウィーク「何でいつもないんですかぁ!」
飛鳥の言葉にスペは涙目になった。
飛鳥「寮の飯があるだろ」
ナリタブライアン「今すぐ作れ」
飛鳥「ブライアン。お前も…」
ナリタブライアン「作れ」
と、ブライアンが睨みつけてきたが、後ろから誰かが拳骨した。
「作れじゃねーんだよバカ!! いい加減にしやがれ!!」
飛鳥「荒垣トレーナー…」
ナリタブライアンのトレーナーである荒垣大助とその娘である荒垣紬が現れた。紬は苦笑いしている。
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大助「…風見にも話をしたが、迷惑をかけた」
飛鳥「いえいえ…」
紬「ブライアンさんがあそこまで食べたがるなんて…」
大助「肉だったら何でもいいだろうよアイツ」
飛鳥「いや、スペシャルウィークがいるからだと思います…」
飛鳥の言葉に大助は口角を下げた。
大助「…やっぱりアイツか」
飛鳥「ええ…。練習試合の申し込みも後が立たず…」
大助「そうか」
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そして後日…。
スペシャルウィーク「飛鳥さ~ん。私にも食べさせてくださいよ~」
飛鳥「あれ、結構ニンニク多いんだぞ。オレは超能力で何とか出来るけど…」
スペシャルウィーク「じゃあ今度のお休み…」
飛鳥「それもいいけど、やっぱり本場の奴食べに行かないか?」
スペシャルウィーク「本場?」
飛鳥「ああ。本場のかしわバター丼は香川にあってな。高松駅の近くに発祥の店があるんだが、そこに行かないか?」
スペシャルウィーク「…まあ、それでもいいですけど」
飛鳥「さぬきうどんもつけるぞ」
スペシャルウィーク「分かりました。それでは一旦手を打ちます!」
「待て! 私も連れて行けー!!」
「てめえは野菜炒めだ!!」
「お、お父さん!!」
どこからか聞こえてくる喧騒に飛鳥とスペは困惑していた。
そんなこんなで香川へ…。
キィーン…『TAKAMATSU』
飛鳥「何でストリートファイター…?」
ゴールドシップ「その方がしっくりくるからだろ」
飛鳥、ゴルシ、スぺの3人旅となった。
そして高松空港からバスに乗って、高松駅へ…。
飛鳥「確かこのあたりに…」
かしわバター丼のお店にたどり着いた3人。中に入ると濃厚な匂いが…。
「らっしゃい!!」
飛鳥「3名です」
「あそこのテーブルにどうぞ!」
そう言って飛鳥達は席に座ると、スぺはメニュー表を見た。
スペシャルウィーク「あれ? うどんは…?」
飛鳥「言ったろ。はしごだ。駅の近くにうどん屋あったから、もしこれで余裕があったら行こう」
こうして3人が注文をしたわけだが、飛鳥とスペが肉ダブルだった。
ゴールドシップ「しかし、お前ら本当に良く食べるなぁ…」
飛鳥「まあな…」
スペシャルウィーク「えへへ…」
ゴルシの言葉に飛鳥が苦笑いすると、スぺがはにかんでいたが、ある事に気づいた。
スペシャルウィーク「あの…ブライアン先輩にも何かお土産を…」
飛鳥「…お前から渡してくれるか?」
ゴールドシップ「全く、トレセンNo.1トレーナーのチームにいるんだから、もっといいもん食ってんじゃねぇのか? 寿司の上に寿司のっけた寿司とかよ」
飛鳥「ハンバーガーじゃねェんだから…」
なんて話しているうちにかしわバター丼がやってきたが、とてもいい匂いがしていた。
ゴールドシップ「いや、デカ盛りじゃねぇか!!」
飛鳥「あと、あそこにあるカレーも食べ放題らしい」
スペシャルウィーク「それもあとで頂きます!!」
こうして3人が食事にありついた。
スペシャルウィーク「とてもスパイシーですけど、美味しいです!!」
飛鳥「やっぱりオレが作るのと全然違うな…。何使ってんだろ…」
飛鳥はしっかり味わったうえで、企業秘密とされている調味料を推理していた…。
ゴールドシップ「アタシ、マヨネーズかけよ」
飛鳥「ジャンキーだな」
スペシャルウィーク「でも、絶対合いますよ! 私にもください!!」
とまあ、そんなこんなでかしわバター丼を喰らいつくした。
スペシャルウィーク「ご馳走様でした! さあ! さぬきうどんを食べに行きましょう!」
飛鳥「流石だな…」
ゴールドシップ「オメーもだよ…」
とまあ、この後はさぬきうどんも食べて帰りました。
「…かしわバター丼は美味かったか?」
「そりゃあもう。オレが作った奴はまだまだだ」
トレセン学園に帰ってきたのだが、ブライアンにいちゃもんをつけられていた。
ゴールドシップ「あのオッサンにまた怒られるぞ?」
ナリタブライアン「知った事か。とにかく作れ」
飛鳥「スペに勝ったらな」
スペシャルウィーク「え」
飛鳥「言っただろう。今度荒垣トレーナーのチームと練習試合するって」
スペシャルウィーク「そ、そうだった…」
ナリタブライアン「ふん。精々用意しておくんだな」
そう言ってブライアンが去っていき、スぺは自信を無くしていた。相手はあのNO.1チームであり、ブライアン以外のメンバーも伝説級だったからだ。
飛鳥「確かに相手は強敵だ。けど、お前だって今まで沢山のウマ娘と走って、勝ってきたじゃないか」
スペシャルウィーク「飛鳥さん…」
ゴールドシップ「今のオメーならあいつらにも負けねーだろ。それに…」
ゴルシが口角を上げた。
ゴールドシップ「オメーが負けたらまたこいつは一人でかしわバター丼を食いに行くかもしれねーんだぞ」
スペシャルウィーク「やります」
飛鳥「どこでやる気出してんだ!!!」
スペシャルウィーク「いや、勿論飛鳥さんの仰る通りです」
スペが飛鳥を見つめた。
スペシャルウィーク「相手がブライアンさんや会長さん達が相手だから萎縮してましたけど、だからといって負けるつもりはありません!」
飛鳥「…ああ。今のお前ならやれる。がんばれ!」
そして迎えた練習試合。なんと、スぺが1着を取った。
ゴールドシップ「おっしゃー!!!」
ハルウララ「スペちゃんすごーい!!!」
ゴルシを筆頭に大歓声が上がった。トレセン学園のレース場で練習試合を行っていたのだが、他のウマ娘達も見に来ていたのだ。
スペシャルウィーク「や、やった…やったあー!!!」
スペが勝利を収めた事で高らかにガッツポーズした。そして飛鳥も口角を上げて満足そうにしていた。
紬「お父さん…」
大助「これでアイツも少しは懲りただろう」
紬「え?」
大助がブライアンを見つめると、ブライアンは俯いてこぶしを握っていた。
****
スペシャルウィーク「ありがとうございました」
シンボリルドルフ「こちらこそいい試合だった。礼を言おう」
スペがルドルフと握手をしていて、グルーヴ達もその様子を見ていた。
シンボリルドルフ「飛鳥くんもありがとう。私達のお願いを聞いてくれて」
飛鳥「いえ、こちらとしてもスペの成長を感じることが出来ました。感謝いたします」
そう言って飛鳥が頭を下げた。
ナリタブライアン「おい」
飛鳥・スペ「?」
ブライアンが声をかけると、2人がブライアンを見つめた。
ナリタブライアン「次は敗けない」
そう言ってブライアンが去っていった。
シンボリルドルフ「久しぶりだな。ブライアンがあそこまで闘志を燃やすのは…」
エアグルーヴ「そうですね」
ルドルフとグルーヴの言葉に飛鳥は口角を上げた。
***
スペシャルウィーク「飛鳥さん! 約束ですよ! かしわバター丼を作ってください!」
飛鳥「結局こうなるのか…。いいよ」
そう言って飛鳥は作ろうとしたのだが、ブライアンも当たり前のようにいた。
飛鳥「お前も懲りないね」
ナリタブライアン「何とでも言え。さあ、作るんだ」
とまあ、作る事となったのだが…。
大助「負けといてみっともねぇ事すんな。てめえは野菜炒めだ!!」
ナリタブライアン「な、何をする!! 肉を食わせろぉおおおおおおおおお!!!」
ブライアンは拘束されて大助に野菜炒めを食べさせられたそうです…。
紬「おいしい!!」
シンボリルドルフ「かしわバター丼…これは新たな発見だな…」
スペシャルウィーク「学食のメニューに…」
エアグルーヴ「匂いが強すぎる。悪いが許可できない」
スペシャルウィーク「ですよね…」
スペがしょんぼりすると、ルドルフとグルーヴがきゅんとしていた。
つづく
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