スぺちゃんと一丈字トレーナー   作:ダシマ

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第3話「青森:煮干しラーメン」

 

 

 ある日の事。スぺはまたしてもレースで勝利した。

 

飛鳥(まあ、今回は特に賭けてないけど、そんな事しなくても強いんだよな…)

 

 飛鳥はそう思いながら、観客席からスペを見つめていた。

 

*********************

 

 そんなある日の事。飛鳥はトレーナー室で仕事をしていたが、トレーナー室に設置されているテレビで丁度グルメ番組をやっていた。

 

『青森県の煮干しラーメン! 豚骨スープをベースに何種類もの煮干しを使ったいっぱいとなっております!』

 

 映し出されていたのは青森の煮干しラーメンで、茶色いスープに麺が入っていて、その上でチャーシューとメンマが入っていた。

 

飛鳥(…そういや青森って行った事ないな。どんな所なんだろ)

 

 主に西日本で育ってきた飛鳥は東北という場所を殆ど知らなかったのだ。

 

飛鳥(超能力の事もあるから、今度行ってみるか…。あ、でも経費で降りるかな)

 

 そんな事を考えていると、スぺが入ってきた。

 

スペシャルウィーク「お疲れ様です! トレーナーさん!」

飛鳥「おうお疲れさん…って、あれ?」

 

 スぺともう一人入ってきたのは5年生(高等部2年生に該当)のファインモーションだった。彼女はアイルランドの王族の末裔であり、常にSPがついている。彼女が出てきたことで飛鳥は今回そういう流れなのか…? と、思っていたがそうでないと信じ、普通に会話しようとしていた。

 

ファインモーション「やっほー。飛鳥くん♪」

飛鳥「あ、ああ…。これはこれは。ファイン殿下」

ファインモーション「もー。そんなに畏まらないでよ」

 

 ファインがふとテレビを見ると、煮干しラーメンが目に映った。

 

ファインモーション「煮干しラーメン?」

飛鳥「ああ。丁度グルメ番組をやってたんですけど…。何か御用でしょうか」

ファインモーション「あ、そうだった。此間練習試合してくれたからお礼をしようと思って!」

飛鳥「お礼ですか。まあ、スぺの事で暴走してる生徒がいたら即刻止めて頂けるよう、SPの皆さんにお願いできますかね」

 

 飛鳥は思った他ちゃっかりしていた。というのも、スぺのトレーナーに着任してからというもの、トレセン学園の生徒やら観客やら、本当にスぺのトレーナーで大丈夫かというバッシングを受ける事もあった飛鳥。正直飛鳥としては全員名誉棄損で訴えてやりたいと思っていた。意外と気が短いのである…。

 

ファインモーション「それは勿論いいけど…そうだ! この煮干しラーメン食べに行こうよ!」

飛鳥「え、青森までですか?」

ファインモーション「青森?」

 

 飛鳥の言葉にファインがきょとんとしていると、

 

飛鳥「このお店、青森にあるんですよ」

スペシャルウィーク「青森ですかー。私も行った事ないんですよねー」

飛鳥(…これは妙な方向になってきたな。また今度にするか)

 

 さっきまで青森に行こうとしていたので、もしそれがバレたらスぺも連れて行けと騒ぐ可能性があった。それだけならまだいいが、他の生徒達も来る可能性がある。交通費もバカにならないが、飛鳥がトレーナーとしてスぺが出走していた分、ちゃんと金が入っていたので何ら問題はなかった。ただ、引率がとてつもなくめんどくさいのだ。

 

ファインモーション「じゃあ今度のお休み行こうよ!」

飛鳥「え、お金どうするんですか?」

ファインモーション「私達が連れてってあげる!」

スペシャルウィーク「え!? いいんですか!!?」

 

 これにはスぺも驚いていた。

 

飛鳥「…それもそうですし、そのお金ってどこから出るんですか?」

ファインモーション「ああ! 国民の税金を使うなんてことはないから安心して!」

飛鳥「…お願いしますね」

「という訳で、青森へLet’s Go! だ!!」

 

 トレセン学園一の変わり者、ゴールドシップが突如として現れた。

 

飛鳥「もう出てこないと思ったよ」

ゴールドシップ「出てくるんだなぁコレが」

 

 そんなこんなで次の休日。飛鳥達は青森に行くことになった訳だが、1泊2日で行くこととなった!

 

飛鳥「栗東寮が大変なことになるだろうな…」

ゴールドシップ「その上、男と泊りだもんな」

飛鳥「おいやめろ」

 

 飛鳥達は飛行機で青森まで向かっていた…。

 

ゴールドシップ「ストリートファイターみてぇ」

飛鳥「奇遇だな。オレも同じ事考えてたよ…」

 

 そんなこんなで青森にたどり着いた飛鳥一行。空港から青森駅まで向かった。

 

飛鳥「すげェ。本当に青森だ…」

 

 来たこともない場所に飛鳥は感嘆していた。

 

スペシャルウィーク「見てください! りんごジュースの自動販売機がありますよ!」

飛鳥「流石だな…」

ファインモーション「まずはラーメンを食べに行きましょうか!」

 

 こうして一行はラーメン屋に向かうわけだが…。

 

飛鳥「…そういやこっちに来る途中で調べたんですけど、青森って結構ラーメンあるんだな」

スペシャルウィーク「そうなんですか?」

ゴールドシップ「ああ。しじみラーメンだったり、味噌カレー牛乳ラーメンだったりするんだよな」

飛鳥「ああ。確か納豆も入ってる奴だよな…」

ファインモーション「へー。全部食べてみたいなー」

飛鳥「まあ、結構離れてますけどね…。あと、バラ焼きも美味しいって聞きます」

 

 とまあ、それはそれとして煮干しラーメン屋にたどり着いた。

 

飛鳥「へー。こいくちとかあっさりがあるんだな」

ゴールドシップ「2つ頼むのか?」

飛鳥「人がいるから流石にやめとくよ」

スペシャルウィーク「えっ…」

 

 2つ頼む気満々だったスぺは固まっていて、飛鳥は困惑していた。

 

ファインモーション「大丈夫だよ! 私も2つ食べるつもりだから!」

飛鳥「え、あ、そうですか…」

ゴールドシップ「まあ、こうなってくると空気を読んだ方がいいのはお前の方だな」

 

 正直申し訳ない気持ちでいっぱいだったが、正直飛鳥自身もシェアするより2つ食べたい方だったので、お言葉に甘える事になった。

 

 そして全員でこいくちとあっさりを頼んだわけだが…。

 

飛鳥「…どっちが好み?」

ファインモーション「どっちも美味しかったけど、私はあっさりしてる方かなー」

スペシャルウィーク「私は…こいくちですかね! トレーナーさんは?」

飛鳥「こいくち」

ゴールドシップ「アタシもこいくち」

 

 とまあ、1対3になった。

 

ファインモーション「じゃあ私もこいくち!!!」

飛鳥・ゴルシ「おいおい」

 

 ファインが同調圧力に屈すると飛鳥とゴルシが突っ込んだ。すると笑いが生まれた…。

 

 

 

 後半へ続く。

 

飛鳥「続くの!!?」

 

 

 

 

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