スぺちゃんと一丈字トレーナー   作:ダシマ

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第8話「京都:親子丼」

 

 それはある日の事だった。

 

飛鳥「そういや瞬間移動の練習もしとかないな…」

 

 飛鳥は超能力者としての修業を最近していない事に気づいた。

 

飛鳥「いや、近接格闘は空いてる時間でやってるんだけど、瞬間移動は仕事とかもあるからね…」

 

 じゃあどこに移動する?

 

飛鳥「んー…そうだね。じゃあ、京都あたりに行ってみようか」

 

 そう言って飛鳥が瞬間移動をしようとすると、スぺとゴルシが飛鳥の体に触れた。

 

飛鳥「…ねえ、何やってんの」

スペシャルウィーク「トレーナーさん。そんな事言って自分だけ美味しいもの食べに行こうとしてません?」

飛鳥「今日はオフだ。何をしてもいいだろう」

ゴールドシップ「悟空も大勢の人間を連れて瞬間移動させてるだろう。それも修行になるんじゃねーのか?」

飛鳥「失敗しても責任は取らねェぞ」

ゴールドシップ「取れよ。責任取らない癖にでかい顔をするのが今の日本人の悪い所…」

 

 ゴルシがそう言いかけた次の瞬間、飛鳥は無言で瞬間移動した。

 

 

 無事に成功し、京都駅の人気のない場所に瞬間移動が完了した。

 

飛鳥「無事にたどりついたみたいだな」

ゴールドシップ「駅の中じゃねぇのかよ」

飛鳥「パニックになるだろうが」

 

 そんなこんなで飛鳥達は移動する。

 

スペシャルウィーク「バス凄く混んでますねぇ…」

飛鳥「まあ、京都は如何にも日本って感じがするからな…」

ゴールドシップ「大阪の方が多いんじゃねぇの?」

飛鳥「そりゃ多いよ。関西空港があって交通アクセスが豊富だもん。仕方ない、タクシーで行くか…」

 

 そう言って飛鳥はタクシーを使って移動する事にした。

 

飛鳥「四条大宮まで」

「駅で宜しいですか?」

飛鳥「はい」

 

 飛鳥が運転手に行き先を伝えると、スぺとゴルシが不思議そうにしていた。

 

スペシャルウィーク「大宮…?」

飛鳥「埼玉にもあるけど、京都にもあるんだよ」

ゴールドシップ「何食べる気だよ」

飛鳥「親子丼」

 

 飛鳥の言葉にスぺとゴルシが驚いた。

 

スペシャルウィーク「京都って親子丼が有名なんですか?」

飛鳥「いいや? 卵料理全般が有名だよ。最近はたまごサンドとかもテイクアウトされてる」

 

 そんな事を言ってるうちにタクシーは動き出したが、すぐそばの通路にグラスワンダーとラッキーライラックがいた事に気づいた。

 

飛鳥「あれ? グラスとライラックだ…」

ゴールドシップ「あー。そういやアイツら昨日ここでイベントだって言ってたな」

飛鳥「へー…」

 

 するとライラックが飛鳥達の存在に気づいてぎょっとした。

 

飛鳥「あーあ。見つかっちゃった。まあいいや」

 

 そしてタクシーは無情にも彼女たちの元を去っていった…。

 

グラスワンダー「…ララさん。どうされたんですか?」

ラッキーライラック「…スぺ先輩がおりました。トレーナーはんやゴールドシップはんも一緒に…」

グラスワンダー「えっ!!?」

 

******

 

飛鳥「よりによってグラスに見つかるとは」

ゴールドシップ「まあ、京都だしな」

飛鳥「まあ、オチが確定した。最後の晩餐と決め込むか…」

ゴールドシップ「そんな事言って最後の晩餐にしねーのがオメーだろ」

飛鳥「まあね!」

 

 そんなこんなで四条大宮にたどり着いた。かの有名な餃子チェーン店の1号店がある事でも有名だし、嵐山電鉄の始発駅でもある。

 

スペシャルウィーク「トレーナーさん。その親子丼のお店はどこですか?」

飛鳥「あそこ」

 

 そう言って3人が店の中に入っていった。

 

飛鳥「まあ、卵料理もそうだが鶏料理で有名なお店だな」

ゴールドシップ「…オメー。確か出身は大阪だったよな。浮気か?」

飛鳥「ちゃうちゃう。それとこれとは話は別やで」

 

 飛鳥がわざと関西弁を披露してみせたのもつかの間、3人で親子丼を1個ずつ注文した。

 

 そして親子丼がやってきて、中身を確認すると、鮮やかな卵とじとオレンジ色に輝く黄身がスぺ達の目を引いた。

 

スペシャルウィーク「と、とっても鮮やかですね…」

飛鳥「卵とじ用とトッピング用で分けてあるね…」

ゴールドシップ「オレンジと黄色だから緑色の三つ葉も目立つな…」

 

 3人はそれこそ親子丼を目で楽しんでいた。そして一通り楽しんだ後、口の中でも楽しんだ。

 

スペシャルウィーク「おいし~~~~~~~!!!!」

飛鳥「美味しいけど、ここは店の中だ。ボリューム抑えろ」

スペシャルウィーク「えへへ…すみません…」

 

 飛鳥に注意されてスぺが笑ってごまかすと、店員さん達がスぺに気づいた。

 

「あのう…もしかしてスペシャルウィークさんですか?」

スペシャルウィーク「え? あ、はい。そうですけど…」

「やっぱり!!」

「此間レース見ましたよ!」

 

 と、そのままレースの話になって大盛り上がりになった。そして飛鳥とゴルシはそんなスペを温かく見守っていた。

 

飛鳥(任座トレーナー。スぺはちゃんとお客様に受けいられてますよ)

 

*******************

 

 まあ、30分ほど盛り上がったのち、飛鳥たちは次の場所に行くため、店を後にしたが、少しだけサービスしてくれた。

 

ゴールドシップ「はー! 食った食ったー」

飛鳥「さて…帰るか」

ゴールドシップ「は?」

スペシャルウィーク「もう帰っちゃうんですか!?」

飛鳥「オレとしてはもう用事は済んだけど、もうちょっと見ていくか・」

ゴールドシップ「ったりめーだろ! 19時くらいまでここにいて瞬間移動使って大勝利って流れだろうが!」

飛鳥「まあ、戻ってこれたとしてもフジ先輩にバレてそうだけどね…。あ、そういやスぺ。グラス達から連絡来てたりしてないか?」

スペシャルウィーク「…その、さっき来てました。今どこにいるんだって」

飛鳥「そっか…」

 

 飛鳥はふっと笑った。

 

飛鳥「どうするゴルシ」

ゴールドシップ「かくれんぼだな」

飛鳥「そうか。かくれんぼだな」

「見つけましたよ」

「見つけましたえー」

飛鳥「皆さん。生きてまた次回お会いしましょう。では」

 

 

 

つづく

 

 

 

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