ということでこの日に投稿しました。始めましての方もお久しぶりの方も、これからよろしくお願いします。
誤字脱字等の報告がありましたら、是非とも教えてください。
突然だが、俺は転生者だ。
頼むから痛い子だとか言わないでくれよ? 二次創作のテンプレよろしく、気が付いたら死んじまってたんだよ。そしたらこうなった。
具体的に言えば、
1 大学から歩いて帰宅
2 気が付いたら天気が曇りに
3 そして落ちてくる閃光=雷
4 俺に雷が直撃
5 新しい体で覚醒
という経緯だ。
しかしほんと、人生ってのはわからないものだよなぁ。二次創作とかよく読んでたけど、転生する時は大体が神の失敗とかで間違って殺されて、そのお詫びに……ってのが多い。
でも俺は違った。神とか、そんな超常な存在には会ってない。もちろん特典とかもない。
ちなみにこの世界は、【テイルズ オブ エクシリア】の世界だ。テイルズシリーズは俺の大好きなゲームの一つなんだけど、これは特に面白かった。だからこの世界に来れて本当にうれしい。……とはいえ前世では戦いなどをしたことのない俺が、こんな殺伐とした世界に来るハメになり、泣きそうになったこともあったけどな。
続編が出るらしいが、それを買う前に死んでしまったのが心残りだ。
さて、転生等の話はとりあえずこれまでにしておこう。
俺は今、ラ・シュガルの首都であるイル・ファンにいる。物語はここから始まるから、数年前からここに住んでるってわけ。
「ゼニス! 急患だよ!」
「わかった、今行く」
あ、ゼニスってのは俺の名前ね? んでもって俺を呼んだのが、
「今日はなんだか患者の数が多いな。そう思わないか? ジュード」
「うん、僕もそう思う。たった今診察したエデさんも同じで、精霊術の失敗で怪我をする人が多いんだけど……みんな、
主人公の一人、ジュード・マティスだ。
今の俺はイル・ファンのタリム医学校で働いている。回復の精霊術が使えるというのと、ジュードがここにいるからという理由だ。主人公とは仲良くなっていたいからな。
それで今、俺の上司であるハウス教授に頼まれて患者を診ているってわけだ。
さて、それでは俺のちょっとした自己紹介でもしよう。
俺の名前は先ほども言ったように、ゼニスだ。実は本名じゃないけど、長い間この名前を使ってるから、違和感がない。書類上は20歳だけど、本当の年は俺も分からない。だって数えてないんだもの。
ちなみに独身。彼女はいたことあるけど、今はいない。
……寂しくなんてないぞこのヤロー。
親なんてものはいない。20年前にある事件が起こり、それ以降から表に出始めるようになった。それから今までの20年間は、色々なことをした。そこはいずれ分かる時が来るので、今は秘密。というか言ったらネタバレになるので言わない。
原作はどうするのかって? ほとんど覚えとらんわ! でも確実にブレイクするだろうな~。だって本来なら、俺はいない存在なんだし。
「ジュード先生、それとゼニス先生。今の患者さんで最後です」
そう言って診察室に入って来たのは、看護師であるプランだ。年齢は知らないけど、俺は呼び捨てにしている。
「そうか……丁度、急患が多いなと、ジュードと愚痴をこぼしていたとこだよ。教授に、今日は予定の患者しか来ないからって言われてたのにさ」
「教授も、いい加減ですわね~。急な患者が来ないわけないのに。信用しちゃったお二人が悪いですわ」
「教授が精霊術で扱えるマナの量なら、一人診るのも十人も一緒なんでしょう」
「
俺らがそう言い合っていると、突然扉が開かれた。ジュードと同じ医学生だ。
「あ、あの! ハウス先生見ませんでしたか?」
「そういえば、もう帰ってきていてもいいはずですけど……何かあったんですか?」
ジュードが腕を組んで考え、質問してきた医学生に聞き返す。
「先生の研究がハオ賞に選ばれたと連絡が!」
「ええっ!? 研究者最高の賞じゃないですか!」
ハオ賞。それかつての偉人であるハオの名前を使った、ジュードの言う通り最高の賞だ。ジュードにとっては憧れの先生がそれに選ばれたというのだから、驚きも多いだろう。
「それで先方から早く連絡をしてほしいと。でも、先生ったら行き先を残してなくて」
「なら、僕が迎えに行ってきます。行き先は聞いてますから」
ジュードはそう言いながら、着替えるためにカーテンの奥へ行った。
……と思ったらもう出てきた。いくらなんでも早すぎだろ。
「いつも雑用みたいな事ばかりさせてすみません」
「いえ。それじゃ、行ってきますね。……あ、そうだ。ゼニスも暇でしょ? 一緒に行かない?」
「…………は?」
待て。何でそうなる。あそこは原作開始の場所だと言っても過言ではない。しかもあそこには
「いや、俺は待ってるよ。……行くのが面倒だ」
ちなみにこれ、半分本音である。あそこまで行くのはめんどい。
「面倒って、ゼニスは教授の第一助手でしょ? ゼニスが行かなくて他の誰が行くのさ」
そう。俺は何故かあの教授に気に入られ、第一助手となってしまったのだ。本来ならば、ジュードが第一助手候補だったのに……。
「お前でもいいだろ? 第二助手候補のジュード君が行けばさ」
「あのね……とにかく行くから、速く着替えて!」
「ちょ、おい、押すな!」
後ろからグイグイと、さっきジュードが着替えた場所まで押された。見かけによらず、腕力が強い。そして渋々と着替える俺。ここにも俺の私服があるからな。
「これじゃ、どちらが年上か分かりませんわよ、ゼニス先生? 早くお嫁さんを貰って、落ち着いた方が良いんじゃありません?」
プランが笑いながら言ってくるが、無視。俺にだって恋人候補、一応いるんだからな! 告ってくるいい女、いるんだからな! ……二人ほど。
でもあいつらは……いい女なんだが……恋人としては……はぁ。
「はぁ、着替えたぞ。んじゃ行くか」
「うん、行こう」
プランたちに手を振って、診察室から出る。出る瞬間にプランが溜息を吐いてたけど、どうかしたのか? なんか「あの人も報われない」とか言っているけど、あの人って誰のことだ?
そして数分後。俺たちはハウス教授が向かった、ラフォート研究所の目の前にいる。
入り口には兵士が二人おり、中に入れてはもらえなさそうだ。
案の定ジュードが入り口に近づくと、一人の兵士が前へ一歩進んだ。
「この時間はもう立ち入り禁止だよ」
「迎えで来たんですけど……タリム医学校のハウス教授です」
「ハウス……ハウス……。その先生なら、もう帰ったはずだ」
もう一人の兵士がそう言う。
するとジュードは、兵士が持っている物に指を差す。
「それ出所記録ですか?」
その言葉を肯定するかのように、兵士はジュードにそれを渡した。
ジュードはそこに書かれている教授の名前と、自分が持っている単位申請書に掛かれた教授のサインを見比べている。
「あれ……?」
小さな声で疑問を口にするが、俺は聞こえないふりをした。というかさっきから俺ってば会話に入ってねぇ。
「納得してくれたかい?」
兵士にはさっきの言葉が聞こえていなかったようだ。そうでなければ、そんなことは聞かない。ジュードは「どうしてもダメですか?」と聞くが、許されるわけもない。規則を守るのが兵士の仕事だと言われ、諦めた。
「……ゼニス、どうしよう?」
「どうしようって言われてもな……あの人たちも仕事だからしょうがないだろ」
「そうなんだよね……」
会話をしながら歩いていると、突然周りの光が消えた。
「何だろう……やっぱり精霊がおかしい?」
この街の明かりは精霊術を使った光だ。なのに消えたということは、ジュードの言う通り、精霊に何かおかしなことが起きているということだ。
そして、突風が吹いた。その突然の風は、ジュードが手に持っていた申請書を吹き飛ばしてしまい、上空に消えて行った。
それを呆けながら見ていると、湖の不思議な光景が視界に入った。青い魔法陣が水の上に浮かび、その上を綺麗な女性が歩いている。
……もう一人の主人公、ミラ。ミラ=マクスウェルだ。
気が付けば、ジュードがいなくなっていた。あいつもこの光景を一緒に見てたのに、どこに行ったのか……。
……あ、いた。ミラを追っかけてる。……んでもって水の大精霊ウンディーネに、水の球に閉じ込められやがった。大方、静かにしてほしいと言われたのに、何か質問でもしたのだろう。
ミラが研究所の中に侵入しようとしてるが、これって止めた方が良いのかねぇ?
というか今のこの態勢、結構つらいんだけど。ミラたちがいるのが俺のいる場所の真下に位置する場所でさ、蝙蝠みたいにぶら下がってるわけよ。冗談抜きでキツイ。足の指を食い込ませてるんだけど、それはきつくない。ぶら下がっているということは逆さまになっているという事。だから頭に血が上って……この場合は下ってか? とにかく、頭に血が集まって気持ち悪い。
あ、吐き気と戦ってたらジュードもいねぇ。いつの間にか水の魔法陣も消えてるし。
ということはあいつも研究所の中に入ったな? はぁ、ジュードもこれで侵入者か。
さて、と。あいつらが出てくるまでに、武器の準備をしておくか。あいつらが研究所から出てきた時、それからが本当の始まりだ。間違いない。
……そう、