ぶっちゃけエクシリアとエクシリア2を周回プレイしたせいなんですが。
変更点――主にゼニスの武器と技です。武器に至っては、斧と剣で『エターナルリカーランス』とかいうカウンター秘奥義をやろうと思ってたんですけど、他にやろうとしていたことがプレイしてみたら没になってしまったので変えました。
それとほんの少し内容を変えたので、最初から読み直してもらえれば嬉しいです。
その方が、あまり違和感がないと思うので。
その後すぐ、目的地であるニ・アケリアへ到着した。キジル海漠を抜けてすぐだったので、途中で迷うようなことは無かった。
「ここがニ・アケリア、か……ミラ嬢にジュード、俺はここで一旦別れるよ」
「え!? な、なんで?」
「ふむ、いきなりだな。だがなぜだ?」
村に着いてすぐに言った俺の言葉にミラは普通に返してきたが、ジュードが過敏に反応した。何でそんなに驚くんだ?
「ミラ嬢の話によれば、ジュードをここで匿ってくれるんだろ? ならしばらくの間は俺も面倒見るために居座るだろうから、その前にここら一帯を見て回ろうと思ってな」
「面倒を見るって、僕を?」
「それ以外に誰がいる? 俺から見りゃ、お前はまだ15歳の
「ゼニスはどこかしら僕よりも子供っぽいと思うけど。でも、ありがとう」
「ん? ……何で礼なんか言うんだ?」
「ううん、ちょっと嬉しくて」
嬉しいというのはよくわからないけど……まあ、それだけじゃないんだけどな。ここで、“あいつら”の気配を感じた。だから本当は会いたくなかったが、腹を括って会うことにした。もうプレザとジャオには会っちまった訳だし。
……ここまで言えば、俺が誰と会おうとしているのか分かるよな?
「でもゼニスだって20歳でしょ? 大人って言っても、まだ僕とあんまり変わらないと思うよ? 大人になったばかりなんだし」
うっせ。いいんだよ、前世も合わせれば30は超えるし。
……親父臭くならないように気を付けなければ。
「ま、そういう訳だ。ジュードとミラ嬢は後で会うだろうからいいとして、アルヴィン、縁があったらまた会おう。精々死なないように頑張れ」
「はは、忠告ありがとさん。おたくも色々と頑張れや」
こうは言ったけど、記憶が間違ってなければまた会うはずだ。でも前もってそう言っておかないと不自然になる。それにここから離れる他の言い訳が俺には思いつかない。だから、「また後で!」と言い残し、村の周囲を巡る振りをした。
ジュートたちは世精石なる物を運ぶ手伝いをしていたので、絶対に彼らに会わないようにして、この先にあるニ・アケリア参道へと急いだ。案の定、世精石はニ・アケリアの4ヵ所にバラバラに配置されていたので、簡単に先回りすることが出来た。
「はぁ……邪魔……」
だがその参道で俺を待ち構えていたのは魔物の群れ。今までより少し強い程度の魔物が複数いるだけなので障害にはならないが、対処するのも面倒だ。それにここはジュードたちも通るから早く進まないと鉢合わせしちまう。
「爪竜連牙斬!」
俺の周りを囲んで跳びかかって来たので、周囲を攻撃できる技で一掃する。ただこれ以上倒してしまうと、後から来るあいつらの分がなくなる。ちゃんと戦わないと、あいつらが成長できないからな。
そして現在、俺はミラが祀られていたであろう社……の近くにある森にいる。ちょうど社が見える位置で、ミラたちではない、あいつらの進行方向にぶち当たる。まだ来てないので、待つために木に登って太めの枝に腰を掛け、足を伸ばす。背中は幹に預けているので、バランスもとれている。
そのまま気配を殺して待っていると、俺の待ち人よりも早くジュードたちが来た。俺は森の中にある木に登っているので、向こうからは見えない。少し話した後、三人は社の中へ入って行った。それからしばらくして、それを追うような速さで一人の男が社へ突っ込んだ。たぶん巫子のイバルだろう。俺あいつ嫌いなんだよな~、色々と。
そしてそのすぐ後。二人分の気配が近づいて来るのを感じた。これは俺が待っていたやつらの気配だ。やっと来た。
その二人は、丁度俺の座っている木の真下まで歩いてきた。
「あれがマクスウェルの祀られている社か」
「ええ、今あの中に入って行った男。あれは巫子と見て間違いないかと」
俺が待っていた者。それは鎧を着た男と黒装束を着た男。そう、ガイアスとウィンガルだ。プレザやジャオ、そして今回の件で分かるかもしれないが、俺はア・ジュール側だ。
でもイル・ファンにいたのはスパイとかではなく、単純にジュードやミラと知り合いたかったからだ。ガイアスたちに情報を教えるつもりもないしな。
俺は私情を仕事に持ち込む奴だから。
普通は持ち込んでは駄目というか持ち込むなんぞありえないが、俺は持ち込む。だから命令されたとしても、任務ではなかった時の事は話さない。あいつらもそれを充分理解している。
「正解、あれが巫子だ。ついさっき、マクスウェルもあの社に入って行ったぞ」
「何者だ! っ!?……お前、ゼニスか?」
俺の突然の声に驚き、二人が俺の方を、つまり木の上を見上げた。咄嗟に剣を構えるのは、相変わらず流石だ。急なことに対処できるよう、瞬時に抜刀していた。
だが、俺の顔を見て二人の顔はさらに驚きの色に染まった。まあ俺は数年間、居場所を知られぬように連絡していた。そんな俺が気配を消して、いきなり声を掛ければそりゃ驚くよな。
「むしろそれ以外の誰に見える? しかしお前らのそんな表情、珍しいな。結構いいもんが見れたよ」
「前と変わらず、趣味が悪い……ですが本当にお変わりないようで」
「ウィンガル。それ、プレザにも言われたよ。……あぁそうそう、それで思い出した。ここに来るまでにプレザとジャオの二人に会った。あとで合流するつもりなんだろ? そん時に説明するから、今は待ってろ」
「……いいだろう、後で説明してもらう。だが、今マクスウェルと共にいるのは誰だ?」
「なし崩し的に巻き込まれた医学生と、偶然出会って雇われた傭兵だ」
ジュードとアルヴィンのことだ。どっちがどっちなのかは言うまでもない。ガイアスも見ればわかるだろう。
それからもじっとしていると、三つの陰が社から出てきた。ジュードにアルヴィンと、イバルの三人だ。イバルがジュードに何やら言って、不機嫌そうに帰っていく。
「あの男……アルヴィンか?」
「ああ、またしても正解」
どうやら、前にプレザから詳しく聞いたしい。それで知っていたようだ。
そして彼らを見ていると、アルヴィンが下にいる二人に気付いた。こっちを見ている。でも、木の上にいる俺には気付いていない様子。ジュードに2、3回言葉を掛け、社と参道を繋ぐ階段を下りて行った。ガイアスがそれを追って行ったので、俺は木から下りてウィンガルの後方から追うようにして参道へ向かった。
その参道の魔物で俺たちが苦戦するはずもなく、順調に村まで進む。
「どうやら、腕は訛っていないようだな。相変わらず鋭い。それどころか、さらに鋭さが増している」
「まあ、これでも鍛錬はしていたからな」
数年振りの会話だというのに、まるで昨日も会っていたかのように話す。ストーリー的にしばらくは戦えないだろうが、それでもガイアスと話をするのはジュードとはまた違った楽しさがある。
「おっと、そろそろお前らとは離れる。まだアルヴィンには気付かれたくないんでね」
「そうか。だが、後で合流してもらうぞ」
「もちろんだ。それくらいは承知している」
村に着く直前でそう言い、二人と別れる。理由は今言った通りだ。アルヴィンに、いや、他のやつ等にも、俺がア・ジュール側だと教えるのはまだ早い。
二人から少し離れた場所まで行って陰から見ていると、案の定アルヴィンが二人に接近した。ガイアスはミラのことなどを聞き、『カギ』の居場所を探るようにと依頼した。
「ゼニス、どうせ近くにいるのだろう。出てこい」
「お、やっぱり分かったか」
見抜かれていたので陰から出て、ガイアスとウィンガルの所へ向かう。そこは村のほぼ全体を一望できる、ちょっとした高台だった。
「タイミングが良い。来たか」
俺の後ろを見ていたウィンガルがそう呟く。俺は気配を察していたので、わざわざ振り返ることはしない。
「さっき振りだな、ジャオにプレザ。改めて久しぶり」
来たのは
「ええ、本当にお久しぶりです」
「これでアグリアとあやつがおれば、久しぶりに全員が揃ったのですがのう」
「はは、確かに」
ほんと、アグリアもいればよかったんだけどなぁ。あいつは今、イル・ファンにいるから無理なんだよね。どうせなら、街を出る前に会っておけば良かったかな?
ん? ジャオが言った『あやつ』ってのは誰なのかって? これも、今はまだ秘密。
「さて、ゼニス。どこにいて何をしていたのか、話してもらうぞ」
「おう。そうだな、どこから話そうか……」
俺は話した。数年前にア・ジュールを出て、その後にラ・シュガルへ行ったことを。
そして、イル・ファンで医者をしていたことを。ちなみに、ア・ジュールから出る前にガイアスから出国の許可は貰っている。一つの条件付きで。
そこまでの経緯を言うと、プレザが話し出した。
「そういうことでしたか……では、私が助かったのはそのおかげ、ということですね。改めて、その際はありがとうございました」
プレザは一時期、イル・ファンの医学校に潜入していたことがある。それが見つかってしまった時があり、偶然それを見つけた俺が彼女を助けた、という経緯がある。
まあイル・ファンで働き始めたのは、それが切欠なんだけどな。
「おう。けど、あんま気にすんな」
「それは無理です。……ですが一つ気になっている事がありまして。イル・ファンにはアグリアがいたはずです。あれ以降、私達は一度もゼニス様を見ていませんが?」
「そりゃお前がいる期間、俺は傭兵稼業をしていたからな。助けた日は偶然にも仕事がなかったんだよ。それでアグリアからお前が帰ったという報告を聞いてから、医者になったというわけ」
「ではアグリアは、ゼニス様がイル・ファンにいたことを知っていたのですか?」
「ああ、医院にアグリアの目付け役がいて、その人から伝わったらしい。だから俺ん家がどこにあるのかを教えて、お前らには何も伝えないように取引したんだよ」
……俺の家に遊びに来ても良いという許可の代わりに、って冗談のつもりだったのに、マジで伝えてないことには驚いたけど。
「そういうことか……そこまで分かればもう良い。この話題は終わりだ」
言い終わると同時に、ガイアスは視線を下方にずらした。その先には、ジュードとミラがいる。村の入口付近だ。……もしかして俺を待ってるのか?
「あの女がマクスウェルか。プレザ、確かに力を失っていたのだな?」
「はい。そのことはゼニス様も存じているかと」
プレザの言葉に反応して俺に視線が集まったので、頷いて肯定しておく。嘘を言う必要なんか皆無だし。
「既に『カギ』もどこかに隠された可能性があるとなると、少し面倒だな」
「ごめんなさい。侮ったわ」
ウィンガルの言葉に、プレザは自分に非があると認めてすぐに謝る。いいよねこの姿勢。最近の若者にもおしえてやりたいよ。ちなみにジュードは謝りすぎ。
「あの娘がマクスウェルと知っておれば、ワシも『カギ』のありかを吐かせたのじゃがのう」
「言われる前に言っとくが、俺が聞くってのは無しだぞ。今まで聞いていなかったから怪しまれる。あの二人は俺がプレザの知り合いだと知ってるしな」
ミラを襲った女が捜してるものって、どこにあるんだ? なんて聞けるわけがない。
どこにあるのかなんて、覚えてるわけもないし。
「確かにそうだな……まぁいい。今となっては泳がせた方が都合がよかろう」
「ええ。ラ・シュガルの目は奴らに向けさせ、我らは静かにことを進めるのが得策かと」
「アグリアから何か連絡は?」
「失われた『カギ』を新たに作成するという動きがあるとか」
「……捨て置けんな」
新しい『カギ』か。本当か嘘かわからんが、ラ・シュガルも面倒なことをする。
「ジャオ、例の娘の管理はもういい。お前は『カギ』の件を探れ」
例の娘……ああ、あの女の子のことか。あの娘ってジャオが管理、もとい世話をしてるんだっけ? 村の人たちからは好かれてなかったようだけど。
「いや、しかし……」
「ラ・シュガル兵どもが去ったというのなら、もうお前が直々につく必要はない」
「データが無事なんだから、優先事項が変化するのは当然ね」
「う、うむ……」
最初だけジャオは渋ったが、ウィンガルとプレザの正論を前に反論できなかった。一応返事はしているが、どことなく不満そうだ。情が移ったのかな?
「プレザ、アグリアと連携をとってイル・ファンに潜れ」
「あら、マクスウェルはいいのかしら?」
ウィンガルの言葉に、プレザが質問した。
「ああ。まだ駒はある。『カギ』のありかも探らせる」
「……俺は今まで通り、彼女らと共に行動する。チャンスがあれば『カギ』のありかも聞きだすさ。それでいいな?」
「構わぬ。だが今度は帰ってこい」
「はは、了解だ」
その言葉を最後に、俺たちは別れた。これからあいつらが何をするのか分からないが、とりあえず俺はしばらくの間、彼らとの旅を楽しむとしよう。
……近い将来、ジュードやミラに裏切り者呼ばわりされるのだろうから。
蛇足ですが、エクシリアのナハティガルの秘奥義。あれが、
「ふん! 天上天下唯我独尊! メロンパンorレモンパン!」
と聞こえてしまうのは私だけでしょうか? ニコニコ見たせいで空耳がひどいです……。