多世界食事処もふキッチン   作:野神 汰月

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 もふキッチン多世界編最初のお客様はゆかりん国民大歓喜のあのキャラの幼女の頃の彼女がご来店です。

 何故かもふキッチンに来てしまった彼女とは?!


 それではもふキッチン開店です☆


 ※長くなりそうだったので前後編に致します。


リリカルな少女がご来店しました (前編)

 もふキチこと本名如月 凰翔(きさらぎ おうしょう)が何の因果か彼が愛し運営からフィールドごともぎ取った世界アームスヴァルトニル湖に浮かぶ島リングヴィに作られた町に転生してきて早数十年。

 

 その町に居を構える食事処もふキッチンには何故かいろんな漫画やラノベ、アニメのキャラクターが自我を持って来店してくる。

 

 その原因は、ゲームの時代には存在しなかったリングヴィ中央神殿前に現れた一つの扉が原因だった。初めての来客はどこの世界かわからんが少しくたびれた様子の男だった。名は名乗らなかったが放浪者とでも呼んでくれと言われたのでそう呼んだ。

 

 その男がまた扉を潜り帰った後も、一定の周期で来客が来るようになったのだ。

 

 ―あるときは全身黒尽くめの二本の長剣を背に負った剣士が

 

 ―あるときは幼さを残す少女の姿を取ったスライムが

 

 ―あるときは自称三百歳以上の魔女と名乗る少女が

 

 ーあるときは仲間を何人もつれた盾を装備した青年が

 

 いろんな来客があったが、それは数十年経った今も訪れる。

 

 今日はどんな客が来るのだろうか?その周期を迎えた今、もふキチは少しワクワクしながら来客が来るであろうその瞬間を待ちわびた。

 

 

 さぁ、本日も多世界食堂の開店の時間だ―――

 

 

 ※※※

 

 

 夕暮れの公園に一人の幼い女の子が孤独に、寂しそうにブランコを漕いでいた。普通ならもう家路について家族と団欒をしている時間だろうに…。

 

 彼女の家は今大事を迎えていた。彼女の家の大黒柱である父親が仕事中に大けがをし意識不明の重体なのだ。それに伴って彼女の母・姉・兄はこの子構ってあげられないでいた。

 

 彼女は賢く優しい子だから…。言わなくても大人しくいてくれるだろう…。そういう思いがあったのが一番の原因だろう。

 

 現に彼女は忙しくしている家族に甘えたいところをぐっと我慢していた。だから今の今まで誰もいなくなった公園のブランコに座りキィキィと音を立てて漕いでいるのだ。

 

 寂しい…甘えたい…優しく頭をなでてほしい……。そんな思いが彼女の目元を濡らす。そんな時だった―――

 

 彼女のいる公園に設置されている大きな下はトンネルになっている動物型の滑り台のmそのトンネル部分が眩しいくらいに光った。

 

 

 「……まぶしかったの。あそこになにかあるの?」

 

 

 まだ少したどたどしい言葉でそう呟く少女は少し気になってその光った場所へととてとてというオノマトペが似合いそうな走り方でそこへと向かう。

 

 

 「―――おっきなドアなの?」

 

 

 少女がそこで見つけたのは満月と湖、そして立派な狼のレリーフが刻み込まれた扉だった。

 

 彼女は……高町 なのははその扉に目を奪われた。普通ならそんなことをするはずはないのだが、なのははそっとその扉のドアノブに手を出し―――。

 

 

 ※※※

 

 

 最近妙に一定期間の間この謎の扉から異世界の住人がやってくるようになり、俺ことセトを中心にもふキチ爺ちゃんの家族たちが持ち回りで警護しているが、よりによってその周期に警護番にぶち当たって、しかもこんな幼子の相手をすることになるとは思ってなかった。

 

 

 「…ひっく……うぅ……」

 

 「あ~、頼むから泣き止んでくれ。な?」

 

 

 扉の向こうからで出てきたこのちんまい人間の幼子は俺を見た瞬間に大泣きしだした。どうしたらいいのかわかんねえから伝言(メッセージ)で俺の姉の一人でこういう幼子に人気なバステト姉ちゃんにヘルプを頼んだのだが、『すぐいくニャ』と返ってきてからかれこれ十分は立つ。

 

 もうマジで早く来てくれ……と項垂れてたところに

 

 

 「いやぁ、ごめんニャ。ちょっちトラブっておそくなったニャ」

 

 

 褐色の毛並みと漆黒のおかっぱスタイルの髪を振り乱しながら俺の姉の一人、豊穣の猫神バステトがやってきてくれた。

 

 にしても……俺も人のこと言えねぇけど薄着だよなぁ。隠すとこ隠してるだけだし。しかも姉なのに目の前のちんまい少女と身長差そんなにねぇし…。

 

 

 「で、今日のお客様はこの子ニャ?」

 

 「ああ、幼いからか俺らみたいな獣人を見たことねぇのか出てきて俺を見て直ぐこの有様だぜ。まいっちまってよ…」

 

 「まあ、セッちゃんは見た目“だけ”は強面だもんニャぁ」

 

 

 ニヤニヤと俺を揶揄ってくるバス姉…。いつものことだがマジでむかつくわ。こんななりで俺よりも強いってぜってぇ詐欺だろ。

 

 

 「お嬢ちゃん、こんにちわだニャ。コイツ強面だけど優しい子だから安心してほしいニャ?それと、おにゃまえ言えるかニャ?」

 

 「…ひっく……高町 なのはでしゅ…あぅ……」

 

 

 バス姉の肉球つきの手で頭撫でてもらったからのか少しは安心したのか、自分の名前を名乗る幼女だが、噛んでしまって恥ずかしそうに俯いてしまった。うむ、可愛い。―――いやけっして俺はロリコンではないからな?そこは間違えないでくれよ!?(って俺は誰に向かってい分けしてんだ?)

 

 ネコ科の匂いは人間を落ち着かせる効果あるらしいんだよなあ…俺も一応ネコ科の獣人のはずなんだが……。

 

 

 「なのはちゃんニャね?あたしはバステトっていうニャ。それでゴメンにゃんだけど、ここに初めて来た子にはちょっと合ってほしい人がいるのニャ。だからちょっと一緒に来てくれるかニャ?」

 

 「……(コクン)」

 

 

 なのはと名乗った少女はバス姉の説明にまだ恥ずかしいのか俯いたままだったが小さく頷いてくれた。

 

 ここに初めて来た奴はもれなくうちらの親でもあるもふキチ爺ちゃんにあってもらう決まりだ。今までこんなちっこい少女が来ることはなかったから大変だろうが……。まあ、バス姉は幼子の扱いにはたけてるし大丈夫だろう。

 

 俺はこうしてバス姉に少女を預けてまた門の警護という名の暇な時間を過ごすことになった。

 

 

 ※※※

 

 

 セッちゃん(セト)から任せられたちっちゃにゃおんにゃの子……なのはちゃんを連れてあたしはお爺ちゃんのお店に向かっているニャ。

 

 あたしは鼻がいいからにゃんとなくこのおんにゃの子の気持ちがわかってしまうニャ。

 

 ――寂しい

 

 ――悲しい

 

 ――帰れなかったら

 

 ――でも……

 

 そこまで読み取ったところであたしはなのはちゃんに声をかけたニャ。

 

 

 「大丈夫、ちゃぁんと帰れるにゃよ。うちのお爺ちゃんかっこかわいいからきっとなのはちゃんも気にいるはずニャ♪それに……」

 

 

 あたしはそこまで言って足を止め、なのはちゃんお前にしゃがみ込み顔を同じ高さにして頭をにゃでつつ言ったニャ。

 

 

 「家族は絶対に心配してるニャ。なのはちゃんはいい子ニャ。でも話さにゃいと伝わらないことっていっぱいあるニャ」

 

 

 だから、帰ったらいっぱいお話しするにゃって言ってまたなのはちゃんの手を握って歩き始めたんだニャ。

 

 

 ※※※

 

 

 セトからの伝言が儂の所に伝達してきたときには驚いたが、まさか【魔法少女リリカルなのは】のなのはちゃんが…しかも幼少期の頃の彼女が来るとは思わんかった。

 

 今はバステトに任せてこちらに向かっておるそうじゃが…幼少期ってことはあれじゃろ?高町士郎が倒れて意識不明の頃じゃろ?どうしたもんかのう…。

 

 そんな風に考えて居ったところにバステトとなのはちゃんが店の引き戸を開けて暖簾を潜って入ってきた。

 

 

 「お爺ちゃん、連れてきたニャ」

 

 「…えっ……と…おじゃま、します…」

 

 「ようこそいらっしゃい。えっと…なのはちゃんじゃったの?」

 

 「……(こくん)」

 

 「儂はもふキチという。この場所の管理をしながらこの店をやっておる」

 

 

 儂が名前を尋ねると無言でうなずきを一つした。まあ見覚えのある面影をしておるで間違いはなさそうじゃ。ついでとばかりに儂も自己紹介をしておく。

 

 儂はとりあえずテーブル席に小さい種族や子供向けに作っておいた椅子を置き、そこに案内する。

 

 

 「喉が渇いておるじゃろ?何かジュースでも出そうかねぇ。なのはちゃんは何がいいかの?」

 

 「……なのは、お金持ってないの……」

 

 

 少し戸惑った様子じゃったが、お金がないからと固辞をしようとするなのはちゃん。じゃが儂が「いいんじゃよ、今日は儂の奢りじゃ」と言うと「……オレンジジュースがいいの」と返ってきた。

 

 

 「あたしは生ビール大ジョッキがいいニャ!!」

 

 

 と、あほたれがなんかいっておるが無視じゃ。お前さんまだ業務中じゃろうに……。儂はバステトを無視して厨房の奥からオレンジジュースを氷を入れたグラスに注いで持って行った。

 

 なのはちゃんのジュース以外何も持ってきてないのを悟るとバステトがブー垂れるが「まだ業務中じゃろ!」と叱っておいた。

 

 そのやり取りに緊張がほどけたのかなのはちゃんがくすりと笑う。もしかしてバステトはこれが狙い……なわけないか。恐らく偶然じゃろ。

 

 

 「まるで、なのはのお兄ちゃんとお姉ちゃんみたいだったの…」

 

 

 うむうむ、やはり幼子は笑顔が一番じゃな。

 

 それから儂等はなのはちゃんの話を聞いた。だいたい儂が知っておる展開であったから、やはり寂しくて苦しくてあの扉がなのはちゃんのところに現れたのだろう。

 

 ここ数年で分かってきたことなんじゃが例の扉は【なにがしかの負の感情】に引きつられて現れるようじゃ。それが原因で儂が知ってる漫画や小説、アニメのキャラがここアームスヴァルトニル湖に導かれるようにやってきておる。

 

 儂が此処に転生と転移をしたのは実はそういう者らを癒せとどっかの神が言うてるのかもしれん。

 

 だいたいの話を聞き終えたころ、なのはちゃんのお腹が可愛く「きゅ~…」と鳴った。本人は恥ずかしそうにしていたが儂にしてみれば微笑ましいことじゃ。

 

 

 「お腹がすいたんじゃな。どれ、何か拵えようかの?なのはちゃんは何が食べたい?」

 

 「ぇ…でも……」

 

 「ええからええから。それじゃオムライスなんてどうじゃろ?なのはちゃんはオムライス好きかの?」

 

 

 何を思ったのかは手に取るようにわかるが、強引に話を食べていく方向に持って行く。

 

 

 「大丈夫じゃ、親御さんたちには儂が文をしたためておくでな。子供は気にせず甘えればいいんじゃよ」

 

 「じゃあ、おねがいしますなの……でも、なのはグリーンピースが…」

 

 「うむ、じゃあグリーンピースだけ除こうかの。ピーマンは大丈夫かね?」

 

 

 儂の説得(?)に折れたなのはちゃんはお願いをする。まあ、グリーンピースは子供が嫌いな率たかいでな。入れるつもりはなかったのじゃが……。

 

 

 「ピーマンも…苦手だけど、いつもままが作ってくれっる奴は細かいから食べれるの」

 

 「そうか…じゃあピーマンはみじん切りにしておこうかの。大丈夫じゃ、グリーンピースも今は無理でも大人になったら食べられるようになる」

 

 

 儂はそう言って少し乱暴になのはちゃんの頭をなでるのじゃった。

 

 

 

 




 というわけで多世界版もふキッチンでした。イメージとしては異世界食堂のアレをいろんな作品に繋がるようにしたものです。

 初回はリリカルなのはのなのはさんに出演してもらいました。

 実は一回うちのオバロ設定を用いたなのは二次書いた事あったんですが失敗しまして…。

 リベンジです!!こんどこそやっるぞぉぉぉぉぉ!!(パ〇ー風味


 それではまた次回お会いしましょう、See you next story,バイバイ☆
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