いったいどう絡ませればいいんだ…。
それでは本日ももふキッチン開店です。
この話は数年前に遡る。季節は春(にもふキチが調整している)アームスヴァルトニル湖に一匹のスライムが異世界の扉を超えてやってきたことから始まる。
当時はまだスライムで何食っても飲んでも味がわからないとぼやいていたスライムだったが、最近になって人の容姿…それも美少女の姿で来ることが多くなった。
多くは語らなかったが運命の人に頼まれてこうなったらしい。そのスライムの名はリムル=テンペスト……そう言わずと知れた【転生したらスライムだった件】の主人公である。
そんな彼が今日もアームスヴァルトニル湖にやってきた。
「まぁた来たのか。お前さん暇なのか?」
スライム姿のままこの世界に飛び込んできたリムルに声をかけたのは扉番をしていたセトだった。
リムルはポヨヨンと着地すると人の姿を取った。
「よっす、セトさん。俺そんな頻繁に来てる?」
「いや、こちらの世界の方がお前さんの世界より時間の進みが早いせいか数年ぶりにはなるが、ほぼ特定の周期で来てるからな。結構頻繁なはずだ」
リムルがそんなに?と尋ねるとセトはそう返した。
この世界、アームスヴァルトニル湖はいろんな世界とつながっている。その世界によってはこちらとの時間差が激しく違ったりする。
「今日もふキチさんいる?」
「ああ、店の方におられるはずだ。あんまり無茶を言うなよ?」
「解ってるよ。それじゃ、またあとで」
そう言ってリムルは走って行った。
※※※
先ほどセトから
ある時は女性に受ける料理をとか、なんか適当に美味そうな料理とか…。そういうあいまいなものの注文が一番厄介なんじゃよな。
主婦や主夫の人は経験があると思うが「今日何が食べたい?」と聞いて「なんでもいい」と答えが返って来た時の気持ちだといえばわかってもらえると思う。
「おいっす、もふキチさん来たぜ!!」
「いつもこの時期になるとくるのう?たぶんそっちの時間差を考えたら週一で来とるじゃろお前さん」
「え~…今
こやつ苦しい言い訳しながらへたくそな口笛吹きよった。こやつの言う智慧之王とは簡単に言えばAIっぽい特殊スキル…こやつの世界でいうと
まあ、ええか…。今日はどんな無理難題を言うのやら。
「今日はもふキチさんに頼みがあってきたんだよ…」
「はいはい、で?今日はどんな無理難題じゃ?」
「無理難題って…え?俺そんなに無茶言ってるっけ?」
リムルはそう言って頭をポリポリとかく。見た目は可愛い美少女なのに中身が残念なんじゃよなこやつ。
「お前さん結婚とかしたら絶対何食べたいか聞かれても「なんでもいいよ」というタイプじゃよな」
「え~、そんな事……ある…かも?」
幸運なことに?こやつは自覚が少しはあるようだ。おそらくゴブイチやシュナに似たようなこと言っとるんじゃろう。
「で、今日はなんじゃ?」
「そうそう!もふキチさんなら知ってるかな?今俺ラーメンの開発に勤しんでるんだけど、スープはともか麺がどうしてもできないんだ。どうすればいいか教えてくんないかな?」
そう尋ねてくるリムルに儂は少しほっとした。それくらいなら教えてやれる。というかラーメン開発中ということはこやつ魔王になっていまヒナタと事を構える前か。
「麺を作るならかんすいを用意する必要がある。それができれば麺は作れるぞ」
「かんすい?なにそれ…聞いたところ水の一種みたいだけど」
儂は簡単にかんすいとはどんなものか教えてやる。かんすいはいわば炭酸カリウムや炭酸ナトリウムが溶けだした水の事だ。一番簡単な作り方は重曹を加熱して作るやり方んじゃな。
それを教えてやるとリムルは手帳?らしきものに書き連ねていく。いつも智慧之王に頼り切ってるからここでは機能しないので忘れないようにしておるんじゃろうな。
「かんすいを少しずつ加えていって、いい塩梅の硬さになるまでこねる。であとは蕎麦みたいに伸ばして折りたたんで切って行けばストレート麺。揉めば縮れ面になる」
「それってパスタマシンでもやれるかな?」
こやつの所パスタマシンあったのか…。まあ似た細さだからやれはするじゃろうが。
「できるんじゃなかろうか、中太麵くらいのやつなら」
細麵だとパスタマシンじゃ少し難しいじゃろうな。パスタマシンじゃ一.七ミリから二ミリになるじゃろうし。
「あ~…ラーメンの話してたらラーメン食いたくなってきた……もふキチさんとこラーメンてある?」
「まあ、作れるには作れるが……何味がええんじゃ?」
「白豚骨全部盛り、麺は固めの博多麺で」
こいつ何気に一〇軒のラーメン注文してきおったぞ…。
「あ、ないなら普通の―――」
「あるよ」
「あるのかよ!?」
某弁護士ドラマのバーの店主のようなやり取りをして儂は作り始める。儂も若い頃はよく通っとったので味は覚えておるから再現はできる。
博多麺はないから儂のGM権限で作り出し、湯で始める。時間はジャスト一分で。かえしとスープはあるから先にスープを用意、茹であがった面をスープに泳がせチャーシュー三枚、海苔三枚に木耳を細く切ったものと明太子、青ネギをトッピングで出来上がりじゃ。
「ほい、白豚骨全部盛り」
「うわぁ、冗談で行ったらマジで出てきやがった…。いただきます!!」
なんかぶつくさ言ってたが、割りばしを割って手を合わせ頂きますをいって食べ始めるリムル。まず面より先にスープをレンゲで掬って飲む。
「……完全に再現されてる。俺は今猛烈に感動している!!」
どこかの昔のロボットアニメの主人公のような言い回しをしながら今度は麺を啜る。
「硬さもバッチし…美味い!!」
少し食べ進めたところで明太子をスープに溶かし、味変しながら食べていくリムル。途中で紅ショウガと高菜を出してやると「解ってるね!」と称賛を貰った。
最後にスープまで飲み干し、はふぅと息をつく。替え玉するかと思って用意しとったが無駄になったのう。
「―――やっべ、替え玉の為に残しとくんだった…」
そうやら美味さに没頭して忘れてただけのようじゃな。
「っていうことでもう一杯ちょうだい?」
「ほいほい…それはいいとしてちゃんと【料金】払えるんじゃろうな?」
儂がそう尋ねるとリムルはもちろんと言って彼のアイテムボックス…胃袋から金属の塊を出す。
「魔鋼塊、純度一〇〇パーセントの代物だ。それを一キロ…文句ないだろ?」
魔鋼塊、それはこやつの世界でもっとも有名であり貴重な代物だ。それを一キロならまあええじゃろ。
儂は料金を取れる奴からは料金を取る。それは主にアイテムになる。その世界で流通している貨幣出されても仕方ないからのう。
「うむ、今回はそれでええじゃろ。ほれお代わりじゃ」
儂は代金の魔鋼塊をアイテムボックスに収納するとお代わりを出してやるのじゃった。
今回は転スラでリムルラーメン回でした。
ちょっと短いですがお許しください。
次誰にしようかな…どの作品かも決まってないのでもし「なになにのだれだれを!」というのがありましたらコメント欄まで
それでは次回お会いしましょう、See you next story,バイバイ☆