多世界食事処もふキッチン   作:野神 汰月

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 ということではやて回の続きです。てかこのはやて今も魔導書持ってる状態か?前回書いてないよ?

 てことでここからそれにも触れていこうともいます。


 それでじゃもふキッチン開店です☆


呪われた魔導書に蝕まれた少女がご来店しました (後編)

 はやてに二杯目のホットはちみつレモンを出し、今度ははやてのことを聞いてみることにしたもふキチ。

 

 事故で両親が死に、名前しか知らないが親戚?のおじさんであるグレアムという名の男性が事故で亡くなった保険金や遺産を管理してくれていること。

 

 足は事故当時は何ともなかったが徐々に麻痺し始めていること。今日は病院帰りで家のドアを開けたらこのアームスヴァルトニル湖に来てしまったことなどを話す。

 

 そして、今なお大事そうに抱えてる本のことに話は移った。が、その前にもふキチはセトに伝言(メッセージ)で侵入者……というか猫が二匹紛れ込んでないかを確認するよう指示した。

 

 

 「ああ、【この子】の事です?なんや自分でもよぉわからんけど大事に持っとかなあかん思うて…物心ついたときにはこの子はうちの側にずっとあったんです。何言ってるか分からへんと思いますけど」

 

 「いや、なに。物を大事にすることはいいことじゃ。別に編とも思わんよ」

 

 

 まあ、その大事にしてるものが、彼女の足の麻痺の原因だとは言えないが。

 

 

 「うちこんなですし、学校にも設備がないから行かれへん。せやから友達おらんくて、この子をぬいぐるみみたいに友達やと無意識に思っとるんかもしれません」

 

 

 はやてはそう言って優し気に愛おしそうに本をなでる。その時だった―――。

 

 

 『【闇の書】の主の魔力が着て一に達したことを確認。【解放】します』

 

 

 と、本から機械じみた女性の声が聞こえたかと思えばひとりでに宙に浮かび、鎖で封印されていた魔導書が開かれ強い光を放つ。

 

 そして光が収まるとそこには四人の人の姿が膝をつき頭を垂れはやてに最敬礼をしていた

 

 

 「闇の書の起動を確認しました」

 

 「我ら闇の書の蒐集を行い、主を守る守護騎士にてございます」

 

 「夜天の主の元に集いし雲」

 

 「ヴォルケンリッター……なんなりと御命令を」

 

 

 一人ひとりが口上を上げる。

 

 ピンクいろの髪をポニーテールにした騎士らしき女性。

 

 大きな円形の帽子をかぶった金髪の女性。

 

 小さな体躯に赤の衣をまとった少女。

 

 そして犬耳と尻尾(我は誇り高き狼だ!!という本人の強い思念が飛んできたが無視)の筋骨隆々な浅黒い肌を持つ青年。

 

 それを見届けたもふキチはぽかんとしてるはやての横で頭を抱えている。

 

 

 「(いやまさかこんなところで覚醒イベント起きんでもええじゃろうに…。まさか儂の出したもんがまた影響を?こりゃ来客にはいろいろ気遣わんと行かんか?)」

 

 

 そう心の中でふかぁいため息をついているもふキチをよそにイベントは進行していく。

 

 

 「えっと…とりあえずみんな頭上げてくれません?ここお店やし、ちょぉ席ついてもろて」

 

 

 「ええですよね?」ともふキチに尋ねるはやて。もふキチとしてもそんなに広くない店の床で跪かれてても困るので首を縦に振った。

 

 そして許可を得たヴォルケン四人は顔を上げ立ち上がり―――

 

 

 「フェンリル様!?天照様に月詠様まで?!」

 

 

 もふキチたちを視認した犬耳の(だから…以下略)青年はまた、今度はもふキチたちに跪く。

 

 

 「なんじゃお主、儂等のこと知っとるんか……」

 

 「はっ!フェンリル様は北欧神話の狼神、天照様と月詠様は日本という国の最高神三柱のうちのお二人と…何故かは存じ上げませぬがわかりますっ」

 

 

 青年はさらに深々と頭を垂れてそう答えた。その事にもふキチはさらに大きなため息を今度は本当にした。

 

 

 「今の儂は神ではなくただの道楽で飲食店しとる爺じゃ。こやつらも神ではなく儂の家族。ええな?」

 

 「―――はっ、御身のお言葉に従います」

 

 

 みゆきやツクヨミはともかく自分のこともバレてしまったがはやてはというと……さっきよりぽかんとしてた。他三人の女性たちも同様だった。

 

 

 「もふキチはん、アンタも神様やったん?!しかも悪神で有名なフェンリル!?」

 

 「あ~…まあ、種族的な意味ではなぁ」

 

 

 ポリポリと頭をかきながらもふキチは答えた。はやては足が足なので引きこもりがちで読書などで暇をつぶす文学少女だった。故にフェンリルなどが出てくる北欧神話系も一通り読み漁ってたのだろう。

 

 

 「皆、席に就け。フェンリル様と主のご下命だ」

 

 

 青年は仲間?にそう促し全員が席に着く。着席を確認したところで、いまだに呆けてるはやての代わりにもふキチが自己紹介を促す。

 

 まず名乗ったのは先ほどの青年で盾の守護獣ザフィーラと名乗った。

 

 次に名乗ったのがピンクの長い髪をポニーテールにしている女性でシグナム。

 

 丸い帽子をかぶったどこか看護師的な金髪の女性はシャマル。

 

 そして最後に赤毛の少女がヴィータと名乗った。

 

 

 「えっと…そんでこの子が【闇の書】いう魔道具…デバイスで、あんたらはその闇の書の主であるうちの守護者やったか?」

 

 「左様です、我が主」

 

 「で、この闇の書を完成させるのが目的で、それには人様に迷惑かけんといかんと……」

 

 「はい、我らの目的はその闇の書の六六六ページを埋め完成させることです」

 

 

 何とか復帰したはやてがヴォルケンの説明を聞きながら一つ一つ確認をしていく。だが優しい彼女はその目的それを拒む。

 

 

 「うちが主やっちゅうんなら、人様に迷惑かけるようなことしたくあらへん。それにな?うち一人ぼっちやってん……だからな?」

 

 

 はやてはそこで一区切りし深呼吸をして切り出す。

 

 

 「うちが主な間はみんな家族になろうや。一緒に暮らして一緒に遊んで一緒に寝て……うちは一人じゃほとんどなんも出来へん身や。だからうちを助ける家族になってくれへんか?」

 

 

 その言葉にヴォルケンの四人はあっけにとられる。今までそんなことを言い出した主はいただろうか…。今までの―――

 

 そこで四人は少し違和感を覚える。がそれより今の主に返答しなくては。

 

 

 「「「「はっ、それが主の望みとあらば」」」」

 

 「もう固いなぁ…うちのことは主とか様付け禁止な!!これは絶対やで!」

 

 

 こうして何とか正史と同じようにヴォルケンの四人は、はやてと家族になったのだった。

 

 それを端で見ていたもふキチはひとまず安心する。原作通り彼ら彼女らは家族としてひと時の幸せをつかむだろう…。だが―――

 

 

 「(儂の能力でも麻痺が進むのを遅くするしかできんか……。そうなってくるとやはりこの四人ははやてちゃんに黙って収集開始するじゃろうな)」

 

 

 どうしたもんかと悩んでいる時、セトから伝言が飛んできた。

 

 

 『爺ちゃん、今大丈夫か?』

 

 『うむ大丈夫じゃぞ。で、やはりおったか?猫という名のネズミが二匹』

 

 『おう、爺ちゃん凄いな。店の近くでなんかコソコソやってた』

 

 

 やはりいたかロッテリア(混ぜんな)姉妹。恐らくはやてについてきてしまったんだろうが……。

 

 

 『そ奴ら扉の向こうに麻痺らせて返してやれ。記憶消すのも忘れずにの』

 

 『あ、こいつらそういう対応するってことは……』

 

 『―――多くは語れんが、今はの……』

 

 『了解、じゃあいつもの手順でやっとく』

 

 

 そう言ってセトからの伝言は切れた。もふキチの言う記憶を消して元の場所に扉から返すという行為は敵対勢力であることを示している。ロッテとアリア姉妹にここでの事は忘れておいてもらわなければいけない。

 

 今は未だ雌伏の時なのだ。はやて一家が少しでも幸せな生活を送れるように、打てる手は打っておかねばならない。最悪の場合もふキチのGM権限でもって【闇の書】を【夜天の魔導書】に戻す算段も視野に入れておかなければ。

 

 悲しみの連鎖は断ち切らねば―――。時空管理局やクロノ、そしてなのとフェイトには悪いが……。

 

 

 「今しばらく、幸せなひと時を……」

 

 

 ぽつりとつぶやいたもふキチの言葉はみゆきとツクヨミ以外には伝わらなかった。

 

 

 ―――

 

 

 しばしの談話の後、はやてたちは元の世界……はやての家に帰ることになった。今はこの世界にやってきた扉へと歩いている最中だ。

 

 はやてはツクヨミの匂いに魅かれているのかまたツクヨミに抱っこされている。

 

 ツクヨミの匂いを好くものには二種類いる。単に猫好きかそれとも……死期が近づいているかだ。やはりあまり時間は残されていないようだ。

 

 時期はやはりクリスマスがその名の通りX Dayになるだろう。もふキチはしばし考えヴォルケンリッター四人にのみ思考加速をかけ伝言をする。

 

 

 『お前さんたち、はやてちゃんに気付かれんようによく聞け』

 

 『『『『―――っ、はい』』』』

 

 『お前さんらは近いうちに必ず行動を起こすだろう。だがあまり派手に暴れるな』

 

 『でも、主は……はやてちゃんはそういうことを望まないって―――』

 

 『多くは語れんが、必ず、絶対にお前さんたちは収取を開始する。そして時空管理局ともやり合うことになるだろう』

 

 

 もふキチの言葉に一瞬だがもふキチを四人は……いやザフィーラ以外の三人は警戒する。時空管理局を知っている…つまり関係者であることがうかがえるからだ。

 

 

 『フェンリル様……いえ、もふキチ様は何かご存じなのでしょうか?』

 

 『知っているといえば知っている…だからこそ多くは語れん。未来を変える事はあまり喜ばしいことではないでの。じゃが、ある一定値までなら変えられる。それができるかはお前さんたち次第じゃよ』

 

 

 最後になのはとフェイトという少女二人とあったならば多少は手心を加えてやってくれと頼むと、もふキチは伝言と思考加速を切る。

 

 すかさずそこにセトからの伝言が飛ぶ。

 

 

 『爺ちゃん、状況完了したぜ。あの二匹の子猫ちゃんたちは来客者が来た地点から少し離れたところに放置してきた。あと誰にも見られてねぇよ……にしても外の世界ってすげぇな』

 

 『今はその話は置いておいて、ご苦労じゃった。今日はもう上がってよいぞ』

 

 『はいよ、じゃああとは爺ちゃんにお任せってね』

 

 

 るんるんと楽しそうな思念が返ってきてセトとの伝言も切れる。

 

 そうしているうちにリングヴィ中央神殿前の扉まで辿り着いた。

 

 

 「さて、この扉を潜ればはやてちゃんが来たときと同じ場所に戻れるだろう。けれど一つ約束をしてほしいんじゃよ」

 

 

 もふキチは帰る前にはやてたちに約束事を守るよう言いつける。それはなのはにもフェイトにも約束させたことだ。

 

 

 「帰っても向こうでここの…この世界のことを誰にも話してはならん。もしこの世界のことを知ってるものがおったならその知っているものの中でだけ話してもよい。わかったかの?」

 

 「まあ、言うたところで夢物語やろって言われて終いなきぃしますけど…わかりました」

 

 「うむ、この爺との約束じゃ。それじゃあ元気での?また会えることがあれば今度はケーキでも焼こうかね」

 

 「うん、楽しみにしてるで!」

 

 

 そう会話を交わし、車いすに乗せられたはやては、シグナムが車いすを押す形で帰って行った。

 

 

 ※※※

 

 

 「父上、あの童女は―――」

 

 「うむ、お前さんに魅かれてるとこからして死期が近い」

 

 「……そうですか、慣れぬものですね。こういったことは」

 

 

 表情の変わらないツクヨミだが、実は表現が多彩だ。彼女は表情ではなく尻尾で感情をあらわにする。今の彼女の二股(・・)に分かれた尻尾は垂れ下がっており元気がない。

 

 そんな彼女にもふキチは告げる。

 

 

 「大丈夫じゃよ。向こうにはなのちゃんとフェイフェイがいる。何とかしてくれるはずじゃ」

 

 「―――父上がそうおっしゃるならば」

 

 

 もふキチの意味深な言葉に少しだけ元気を取り戻したツクヨミは、そのまま彼の後を追い店へと帰って行くのだった。




 ということではやてさん覚醒です。この後はほぼ原作通りに話が進んで最終局面のリィンフォースを送るところでh無しは分岐するでしょう。多分…恐らく…メイビー…。


 もふキチならやらかしてくれるはず!!


 それではまた次回汚わいしましょう。See you next story,バイバイ☆
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