その「しつけ」、ポケモン用です   作:マウスブン

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タウニー9 負け癖

あの広場での公開調教から一週間以上が過ぎ、つい先日、ミアレシティのバトルコートで2回目の賭け(バトル)が行われた。

 

結果はまたしても私の圧勝だった。

 

ホテルZ、タウニーの自室。部屋には重苦しい沈黙が満ちている。タウニーはベッドの端に腰掛け、悔しそうに自分のモンスターボールを握りしめ俯いていた。あのジガルデすら使われず、私は彼女たちの連携を完全に見切り、またタウニーとマチエールの調子も悪く、的確にその隙を突いて勝利をもぎ取った。

 

「……っ」

沈黙を破ったのはタウニーだった。彼女はバッと顔を上げると、部屋の中央で腕を組んで佇む私を真っ直ぐに睨みつけた。その瞳にはまだ屈服の色はない。いや、ないと思い込もうとする、必死の強がりだけがあった。

 

「……次こそ、勝つから」

 

絞り出すような確かな意志を込めた宣言。Aランクトレーナーとしての彼女の最後のプライドだった。私はその健気な抵抗に、ふ、と笑みを漏らした。

 

「……まだ、勝てると思ってるんだ」

 

「なっ……!?」

タウニーがカッと目を見開く。それはあまりにも彼女の宣言を鼻で笑うかのような口調だったからだ。

「当たり前でしょ!次は絶対にあたしが……あたしたちが勝つ!」

「無理だな」

私はその言葉を、冷ややかに切り捨てた。

「タウニーには、決定的な弱点がある」

「弱点……?なによ、それ!」

 

私はゆっくりとベッドに座る彼女の前に歩み寄った。タウニーが「く、来るな……」と威嚇するが私は構わない。その潤んだ瞳をゼロ距離で見下ろした。

 

「バトル中、俺がタウニーに偶然接近した時」

「……!」

「タウニー、ポケモンへの指示が一瞬完全に停止していたぞ」

 

タウニーの顔から、サッと血の気が引いた。

(……バレてた……!)

そうだ。あのバトル中盤、フィールドを移動していた私の体や手が、指示を出そうと身を乗り出した彼女のすぐ横を、すれ違った瞬間があった。ただそれだけ。服が触れ合ったわけでもない。だが。

 

(……キョウヤの、匂いと手だ……)

 

あの夜、私の部屋で嗅いだ、シーツとシャツの匂い。そして数日前にこの部屋で、耳元に直接吹き込まれた、熱い吐息の匂い。あの匂いが、バトルフィールドの土埃の匂いに混じって、ふわりと彼女の鼻腔をくすぐったのだ。

 

「あの時、何を思い出してた?」

私の指が彼女の顔の横、散々愛撫した耳を、そっと指差す。

「これか?」

「ひっ……!」

 

タウニーの肩が大きく跳ねた。耳がじわりと熱を持つ。

「それとも……」私の指が、彼女の首筋へと降りる。あの夜、私が噛み跡をつけた場所。

「ここか?」

「ぁ……っ」

 

「あるいは……」

私の指先が、ついに彼女の無防備な腹部へと狙いを定める。へそ出しのトップスの隙間、そのわずかな肌を指の甲で、撫でるか撫でないかのギリギリでなぞった。

 

「……この、お腹か?」

 

「ん……ぅ……っ!」

タウニーの呼吸が急速に荒くなる。ダメだ。思い出す。あの指がお腹をはじいた瞬間の、脳が痺れるような快感。

 

「ち、違う……!」

タウニーは最後の力を振り絞り、私の手を叩き落とそうとした。

「あれは……!ちょ、調子が悪かっただけ……!」

 

「ふーん。まだ強がるんだ」

その弱々しい抵抗を私は片手で容易く掴み取った。そして彼女の耳元に、あの夜と同じように悪魔のように囁きかける。

 

「……じゃあ、今すぐ、正直にしてあげようか」

 

「―――っ!」

その言葉の意味をタウニーの体は、脳よりも早く理解した。

「正直に」とは、「快感に素直になれ」という意味だ。それはつまり、あの教育の再開を意味していた。

 

(……どうしよう)

タウニーの頭が混乱でショートする。抵抗したい。Aランクトレーナーとしてのプライドが、こんなことでバトルに集中できなかった自分を許せない。だが。

(……でも)

体が正直だった。あの耳を舐められた時のぞわぞわとした背徳的な快感。お腹をはじかれた時の抗えない衝撃。キョウヤの指が、また私に触れる。それを期待してしまっている自分にタウニーは気づいていた。

 

「……っ」

数秒の葛藤。やがて彼女は観念したように小さく、しかしはっきりとこくりと頷いた。

 

その瞬間、Aランクトレーナーとしてのタウニーは消え去り、そこにはただ私の教育を待つ一匹のメスだけが残った。

 

彼女は真っ赤な顔を俯かせたまま、震える指先で自分のトップスの裾を、そっとつまみ上げた。

「……っ」

ほんの数センチ。だがそれは彼女の無防備な下腹部を、私の視線に晒すには十分すぎる仕草だった。彼女は自ら私に罰を、あるいはご褒美を、その体で懇願していた。自分のお腹を私に差し出したのだ。

 

「……いい子だ」

私はその健気な服従を褒め差し出された白い肌を、まずはじっくりと視線で愛撫した。引き締まっているが、柔らかそうな肌。その中央にある小さなへその窪み。

 

「ん……っ」

タウニーが視線だけで犯されているかのような羞恥に、小さく身じろぎする。

「は、早く……っ」

何をとは言わない。だがその潤んだ瞳は、明らかに次の刺激を待ち望んでいた。

 

私はその願いに応えゆっくりと人差し指を伸ばした。だがすぐには触れない。その肌の数ミリ上で指を止め、じらす。タウニーが「ぁ……」と期待に息を呑む。

 

そして。

 

ピシッ。

 

乾いた音が静かな部屋に響いた。私の指先が彼女のへその真横を軽く、しかし鋭くはじいた。

 

「―――――あっ!?」

 

タウニーの体がベッドの上で、まるで弓のようにビクンッ!と大きくしなった。

「ひ……っ、ぁ……!んぐ……っ!」

声にならない嬌声が唇の隙間から溢れ出る。ダメだ。たった一発。たったこれだけの刺激で全身の力が抜けて、腰が砕けて思考が溶けていく。

 

あのバトルの最中、キョウヤの匂いを嗅いだ瞬間にフラッシュバックした、あの快感。それが今、何倍にもなって彼女の全身を貫いた。もう強がりもプライドも、何もかもどうでもよくなってしまった。

 

タウニーは快感の余韻に「はぁ……っ、はぁ……っ」と荒い呼吸を繰り返しながら、涙で潤んだ瞳で私を見上げた。そして、ついにすべてを白状した。

 

「……バトル中も……っ」

「……」

「……キョウヤに、触られた、快感を……っ」

彼女は喘ぎながら言葉を途切れ途切れに紡ぐ。

 

「……思い出して、ました……っ!」

 

その完璧な告白を聞き私は心の底から満足して笑った。

「正直で、よろしい」

 

私はそう言うともはや何の抵抗も示さず、私の次の愛撫を待ち望んでいる彼女のお腹に、再び指を伸ばした。今度は、はじくためではない。その柔らかい肌を、じっくりと味わい尽くすために。

「あ……っ、ん……っ!」

タウニーの甘い喘ぎ声が、その夜、部屋に響き渡り始めた。

 

 

 

 

数分が経過していた。タウニーの自室。あの告白の後、私は彼女の抵抗が完全に霧散したのを良いことにベッドの上でその無防備な体を組み敷いていた。私の指は彼女が自ら差し出したあの柔らかいお腹を、もう罰としてではなく、純粋な愛撫としてねっとりと這い回っている。

 

「ん……っ、ふ……ぁ……」

 

タウニーはもう何の言葉も発しなかった。ただベッドに仰向けにされ、私の指がへその周りを円を描くたび、トップスの裾をさらに捲り上げられ、その白い肌が露わになるたび、甲高い嬌声を漏らすだけだった。バトルに負けた悔しさなどとっくの昔にこの快感で上書きされている。

 

「……タウニー」

「……は、い……っ」

「立てるか」

「え……?む、り……こし、ぬけ……」

「そうだろうな」

 

私はそのぐずぐずに蕩けきった体をまるで荷物でも扱うかのように、しかし乱暴にならないよう優しく横抱きにした。

「ひゃっ……!?」

突然の浮遊感にタウニーが驚いて私の首にしがみつく。私はそのまま数歩移動し部屋の隅に置かれていた、彼女が毎朝身だしなみを整えるために使っているであろう、大きな姿見の前に立った。

 

ドサリ、と。私はタウニーの背中を鏡に押し付けるように立たせると、その体を背後から寸分の隙間もなく抱きしめ直した。

 

「あ……っ」

タウニーの背中に私の硬い胸板が密着する。そして目の前の鏡には逃げ場なく私に拘束され首筋や腹部を無防備に晒している、自分の姿。その後ろから覆いかぶさるように支配する、私の姿。そのあまりにも恥ずかしい構図がくっきりと映し出されていた。

 

「自分の顔を見てみろ」

私の低い声が耳元で響く。タウニーが恐る恐る鏡に視線を向けると、そこには頬を真っ赤に染め上げ瞳を快感で潤ませ、だらしなく口を開けて喘いでいる、Aランクトレーナーとは似ても似つかない、一匹のメスの顔があった。

 

「ん……っ、や……みないで……」

「俺が見ているんじゃない。タウニーが、タウニー自身を見ているんだ」

私の指が鏡越しの彼女に見せつけるように、その首筋をなぞり始めた。先日の教育でつけた歯形はもう薄くなっている。だがその記憶を呼び起こすように、指先で鎖骨の窪みを執拗に愛撫する。

 

「ひ……っ、ん、んん……」

タウニーの体が私の腕の中でビクビクと痙攣する。鏡の中の自分もまったく同じように感じている。その事実が彼女の羞恥心をさらに煽った。

 

「タウニー」

私のもう片方の手が再び彼女のトップスの裾を捲り上げ、そのお腹に這わされた。鏡には私の褐色の肌の手が、彼女の白い腹部を蹂躙する様が克明に映し出されている。

 

「お腹や首はな、生物共通の弱点だ」

「ぁ……じゃ、くてん……?」

「そうだ。敵に、決して晒してはいけない、命を取られる場所だ」

 

私の指が彼女のへその窪みに、ぐ、と差し込まれる。

「―――あっ!?」

「だが、タウニーは?」

私はその指を軸にして、彼女の下腹部を手のひら全体でぐりぐりと圧迫するように撫で回した。

 

「んぐ……!ぁ……!あたし、は……」

「その弱点を、自ら私に差し出して……」

ピシッ。鏡に映る自分の目の前で、そのお腹が指で鋭くはじかれた。

 

「あ゛―――――っ!」

鏡の中の自分が、白目を剥きそうなほど、大きくのけぞった。

 

「……こんなにも、悦んでいる」

私は彼女の耳元に真実を叩き込んだ。

 

「そんなタウニーが」

私は首筋を愛撫していた手で彼女の顎を掴み、鏡の中の私自身と目が合うように、強制的に顔を上げさせる。

 

「……この私に、勝てるはずがないだろう」

「……っ!?」

タウニーの瞳が絶望に見開かれた。……いや。それは絶望ではなかった。鏡に映る彼女の口元が、その屈辱的な宣告を受けたにも関わらず、ふにゃりと嬉しそうに歪んだのだ。

 

「……あ……ぁ……」

彼女は、うっとりとした表情で、鏡の中のキョウヤを見つめた。

「……そっか……」

「……」

「……あたし……もう、キョウヤには、勝てないんだ……」

 

彼女は鏡に映る自分の姿から、ゆっくりと視線を外し、今度は私の腕の中、背後にある私の胸元に甘えるように頬をすり寄せた。

 

「……もうキョウヤへの負け癖が……できちゃったんだ……」

 

彼女は泣きそうなほど嬉しそうに、そう告白した。Aランクトレーナーとしてのプライドが完全にへし折られた音。そしてただの「キョウヤの女」として負けることに快感を覚えた、その瞬間の産声だった。

 

私はその完璧すぎる答えに、一瞬、言葉を失うほどの満足感を覚えた。

「……よく、分かったな」

 

私はこれ以上ないほどの賛辞として彼女の頭を優しく撫でた。

「本当に、いい子だ、タウニー」

 

「えへへ……っ」

褒められた。負けることを喜んだら褒められた。その事実が、タウニーの脳をさらに甘い快感で満たしていく。彼女は私の腕の中でもっと褒めてほしくて、もっとこの快感を味わいたくて、まるで猫のように私の胸板に頭をぐりぐりとこすりつけた。

 

そして彼女はとんでもないことを、私におねだりし始めた。

 

「……ねえ、キョウヤ……」

「なんだ」

「……あのさ……」

 

彼女は恥ずかしそうに、しかし明確な期待に満ちた潤んだ瞳で、私を見上げた。

 

「……また、お金、貸してください……」

 

「……ほう?」

私の手がぴたりと止まった。

「……タウニー。それはどういう意味か分かっているのか?」

私は彼女の顎を掴み、再び鏡の方へと向かせた。

「あの契約書を、忘れたとは言わせないぞ」

 

私の声色が変わったことに、タウニーの体がビクッと震えた。だがそれは恐怖ではなかった。

「……覚えてる」

「返済が完了するまで、毎晩私の教育が続く。……それでも、良いのか?」

 

私は試すように、彼女のお腹をもう一度、ピシッと軽くはじいた。

 

「―――ひゃぅっ!」

 

タウニーの体が甘く痙攣する。彼女は鏡に映る恍惚とした自分の顔を見ながら、蕩けそうなほど、幸せそうに笑った。

 

「……うん…っ…それがいいの……っ!毎日、キョウヤに教育してもらいたい……!」

 

彼女は私の腕の中で、これ以上ないほど甘えた声で、はっきりと答えた。その甘く蕩けた返事を聞き、私は深く満足して頷いた 。鏡にはAランクトレーナーの誇りを完全に捨て去り、ただ私に飼われ支配される快感を選んだ女の恍惚とした顔が映っている 。

 

もう彼女に賭けや再戦など必要ない。自ら望んで借金を重ね、毎夜の教育という名の支配を、その身をもって懇願するのだから 。

 

(……実によく躾けられた)

 

私はこの愛らしいじゃじゃ馬を腕に抱き直し、その望み通り今夜も新たな教育を再開するために、彼女の耳元に唇を寄せた。




愛は伝わるんやなって
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