―ジュラの大森林リムルの街―
ベニマル達が仲間になってから、幾日が経過した。ベニマルは軍事部門、ハクロウは軍事顧問、ソウエイは諜報部門、シュナは衣服部門と料理担当、クロベエは鍛冶職人、シオンはリムルの護衛兼秘書になった。
はみはみは、客人兼顧問として滞在する事が正式に決まった。
◆
ガビル率いる
ガビルは、思う。
ガビルは、
そう、彼には野望があった。下等な
『お前は見所があるな。いずれは、俺の片腕になれそうだ。またいずれ会おう』
そう言って、ガビルに名を与えたのだ。彼はゲルミュッド様の為に己の力を内外に見せつけたい。
だが、ガビルに名を与えたゲルミュッドは他の魔物にも名を与えているのだが、そんな事を彼は知らない。
◆
ーリムルの街ー
リムルとはみはみは、ハクロウ相手に剣の修行をしていた。リムルは刀を、はみはみは西洋剣だ。刀と西洋剣では勝手が違うが、流石は剣術指南役と呼ばれたハクロウは、見事に捌いてみせた。
はみはみの剣術は、シルヴィア・エル・リュより習った物だ。その腕は、ハクロウも絶賛するものだった。ハクロウ曰く、『本職が剣術ではなく魔法使いなのが勿体ない』そう称する程であった。それに対して、リムルは初めて見る
カランカランカランカラン
いつの間にか設置された警報装置の音だった。リムルの知識を元に、住民達は自主的に開発をしている。何事かと思っているとリグルドがリムルに教えに来た。
「リムル様!
突然の来客に一同は困惑した。
◆
場所を移して、リムル達は街に程近い場所で使者の到着を待っていた。待ち時間にシオンはリムルの為に食事を用意したとの事だが、料理をしているはみはみからすれば、ダークマターと称すべき物体がリムルの前に出されていた。因みにだが、はみはみにもこのダークマターは提供されている。曰く『リムル様のお客人なら秘書として御食事を提供するのは当然です』との事だった。
はみはみは、自分には『状態異常無効』と『自然影響無効』が有るんだ。大丈夫!と勇気を出して食べてみた。
死ぬかと思った。いや、確かに各種耐性はちゃんと機能していた。しかし、『味』と言うものはある訳で、余りの食感と不味さに耐性を貫通したのかと疑うレベルだった。はみはみは、直ぐ様水を『クリエイトウォーター』で召喚して飲んだ。余りに勢い良く飲むのでむせてしまっている。そんな様子を見てリムルはシオンをじっと見る。逆に、シオンの料理センスが壊滅的なのを知っているベニマルとハクロウ、ソウエイは、はみはみの反応に驚いている。なんせ、自分達が食べたら気絶する程の料理を咽てるとは言え、意識を保っていることにだ。
これを見たリムルは決断した。
「シオン。これから料理をするときは、ベニマルの許可を得てからするように」
その言葉にベニマルはこの世の終わりの様な顔をしたが、リムルは心を鬼にして無視した。そんなやり取りをしている頃に、
◆
外に出てみると、騎乗出来る蜥蜴に乗った
「出迎えご苦労である。吾輩の"名"は"ガビル"である!お前たちにも俺の配下になる栄誉を与えよう!光栄に思うがよい」
突然寝ぼけた事を言い出す
「配下…と申されましてもどういった理由で?」
「何だ知らんのか?近ごろ
そう言ってガビルは目の前の者達を見渡した。ジュラの大森林の中にさも当然かのように居る魔法使いの
貧弱どころか強靭そうな面々を見てガビルは困惑するが咳払いして続ける。
「聞けばここには、牙狼族を手懐けた者がいるそうではないか?その者は名乗り出ろ!特別に幹部に引き立ててやるぞ!」
この実力を測れない
話が進まないと考えたリムルは一先、名乗り出ることにした。
「はあ〜っ?下等なスライムがそんな事出来るわけなかろう!そう言うなら証拠を見せてみよ」
何処までも上からの発言にイラッと来たリムルはランガを呼び出した。
ランガは大型の状態でガビルの前に姿を現す。ランガは『威圧』をしながら聞く。
「我が主からお前達の話を聞けと命を受けた。話してみろ」
ランガの巨体にガビルの部下は狼狽えるが、ガビルは臆することなく言う。
「おおっ!貴殿が牙狼族の族長殿か?吾輩、
そんな事を言ってきたものだから大変。はみはみとリムルは『お前がこの中で一番弱いよ』と言ってやりたい。
「トカゲ風情が生意気な…我は既に牙狼族では無い」
そう言ってランガは、怒りを顕にするがガビルは自惚れているせいでその様子が分かってない。はみはみは、ちょっとイラッと来たのか、はたまた紅魔族故の喧嘩の青田買いなのかガビルの前に立つ。
「…何故人間の女がここにいるのだ?貴様などお呼びではないわ!」
「私と貴方で勝負をして私が負けたら牙狼族の皆さんがあなた達の配下になる。私が勝ったらこのまま帰ってください」
「…承った!その勝負受けて立つのである!」
「見届人はこのランガが務めよう。それでは、試合開始!」
そう言った瞬間、はみはみは鍛え上げられた
僅か1秒程の出来事だった。そして、直にリムル達の方へ戻っている。ガビルが聖人と渡り合えるはずも無かった。
リムルは、ガビルが一瞬で倒されたことに慌てる
「おい!勝負はついたぞ!配下にはならないが、
そう言うと、
因みにだが、はみはみの提案にランガとリムルが何も口出しして来なかったのは、事前に『魔法通信』で相談してあったからだ。リムルは、はみはみの力を信頼してるし、ランガは『自分の主が問題無いと言うならそれに従うまで』と考えた。つまりは、はみはみは事前に許可を取っていたのだ。
もし、この場を見ているある男がいたなら、『こういう報連相を何処ぞの
◆
リムルは、主要な者達を集めて会議を行うことになった。そんな中、ソウエイが立ち上がった。
何でも、ソウエイの分身体に接触した者がリムルに会いたいと言ってきたのだ。ソウエイはAランクオーバーの強者だ。分身体とは言え接触出来たと言うことはそれに準ずる強者と言うことだ。
ソウエイも驚いている。その相手が
「はじめまして。魔物を統べる者よ。私は
滅多に姿を現さない
そこで、現状最も力を持つリムルの元を訪れたと言う事だ。
リムルはこの話を保留にして報告を聞くことになった。
「所でソウエイさん。私の懸念は当たりましたか?」
「はい。姫様も同様の事を仰っていたので、もしやと思い調べてみましたが…その通りでした」
そう言うと、シュナは「やはり…」と呟き、はみはみは天を仰いだ。リムルが報告する様に言うと、ソウエイは言う。
「御二方が懸念される事項を調べてみたのです。それが、
「
「では、
そう言うはみはみに視線が集まる。この場にいるものは、はみはみが『紅魔の勇者』である事を知っている。故に、その発言力は大きい。
「
その言葉に皆は言葉を失った。地球やはみはみの世界にあった倫理観が比較的薄いこの世界でも、共食いは忌避される。当然だ。かつてイングラシア王国にいた人食いの異端児が処刑されかけた様に、この世界でも共食いは忌避されるのだ。それを20万の規模の軍勢が敵味方関係なくしてくるのだ。恐れるのも無理は無い。
「そして、このユニークスキル『
はみはみの言葉に皆が沈黙する。だが、気負いはしていなかった。ベニマル達
「それに、この森のことなら何でも知ってる森の管理者に聞いたほうが良いだろう。トレイニーさん?」
「ええ。居ますよ
その言葉に皆が緊迫した雰囲気になった。
〜ステータス〜
名前:はみはみ
種族︰人間ー聖人
加護︰勇者の加護、闇の大精霊の加護
称号︰紅魔の勇者
魔法︰上級魔法、中級魔法、初級魔法、元素魔法、精霊魔法、神聖魔法、
技能︰ユニークスキル『厨二病』
耐性︰物理攻撃無効、状態異常無効、自然影響無効、精神攻撃耐性、聖魔攻撃耐性
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