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英雄王ガゼル・ドワルゴ
ージュラの大森林ー
暴風竜ヴェルドラの消失による森の騒乱から一段落して、リムルが盟主を務めるジュラの森大同盟の拠点であるリムルの町は急速に発展していた。
街の住人の大半は
そして、ジュラの森のゴタゴタが一段落したリムルは生活水準を日本の最低限のレベルにする事を目的に街づくりを本格的に開始させた。
衣食住の内、最初に取り掛かったのは『住』だった。スライムであるリムルと、聖人である、はみはみは睡眠及び排泄の必要がない。リムルはスライムと言う種族上その様な機能は無いし、はみはみは精神生命体である聖人であり、勇者なのだ。だが、彼等2人以外はそうも行かない。
そこで、リムルが特に重要視したのは、水周りである風呂とトイレ、オマケで虫除けであった。
風呂は元日本人としては是非とも欲しい物だし、トイレは今世では必要無いが、他の住民達は必需品だ。
だが、リムルは元工事関係者とは言え専門的な知識がある訳でもないし、魔法等も使え無い。使えるのは精々が
そこで、専門職であるドワーフのカイジン達に意見を聞いた。
曰く、水の魔石によって空気中から水分を集めて水を作る装置があるが、魔石交換に値が張って軍事目的にも使われておらず、金持ちの一種のステータスらしい。
だが、リムルが考案したのは水道水の蛇口の裏側に水を生み出す《刻印魔法》を刻み、蛇口を捻っている間に水が出る仕組みになっている。銭湯にあるボタンを押すと一定時間お湯が出る様に魔力を込めた分だけ水が出る様になっている。この発想力には、はみはみも驚かされた。はみはみは『クリエイトウォーター』で事足りていたのでそんな発想は無かったからだ。
尚、はみはみはリムルの事を誤解している。実際に考案したのはリムルの
そして、トイレだが当初は木製のフレームだったが、腐敗するし掃除が大変なので陶器製の物が増えていった。ここで、はみはみが一計の案を出した。日本の水洗トイレによくあるボタンを押すと洗い流される機構を作ったのだ。また、洗浄機能もついていて、水回りの水準が上がっている。これを見た時のカイジン達ドワーフやリムル、その他大勢の人達の反応は面白いの1言に尽きるだろう。
冒険者一般が使う〈浄化魔法〉よりも便利で、他国に比べても高水準な水回りが完成したのだ。リムルが気付くのはもう少し先の事だが…
そして、虫除けの問題だが、はみはみにはどうしようもなかったが、リムルには案があった。それは、ブラックスパイダーの『粘糸』と『硬糸』をシズのユニークスキル『
元日本人であるリムルの意向を反映してか、街の建物は一部煉瓦を使用しながらも何処か『和』を感じさせる街並みへと変わった。だが、道が土畳だったりと未成熟な部分もあるが、そこらの小国の地方都市としても遜色ないレベルになっていった。
◆
街並みが整って行くことに、はみはみ自身何処かワクワクしていた。そんな中、はみはみの『魔力感知』からリムルの街に向かって来る飛行物体の一団を発見した。街の住人をハクロウやリグルドが避難誘導する中、街の郊外に向かった。
それは、日本では馬の額に一本角が生え、純白の羽がある空想上の生き物である
その
なんと、武装国家ドワルゴンの英雄王ガゼル・ドワルゴその人だった。はみはみ自身、影響力を持つ人物とは言え、ガゼルと直接会ったことはない。だが、顔は知っている。それに、カイジンはドワーフだけあって英雄王ガゼルに敬意を払っている。彼は元々軍の技術者だったらしいが、同僚の実験失敗の責任を押し付けられて軍を去っているらしい。軍を去る前に上官からドワルゴンの秘密部隊の噂を聞いた事があるらしい。
何でも、王直属の部隊があるらしくかなり秘匿されているらしい。秘匿されている割にカイジンが知っていたのは、カイジンが聞いた相手は酒の席で、かなりの高級軍人だったと言う事もあるのだろう。
閑話休題
そんな事は置いておいて、問題はこの街にそんな英雄王がやって来たことだ。ガゼルの後ろには魔法使いの老婆にガタイの良い大男、気配を消した美女に、壮年な気配を醸し出すオジサンがいた。彼らの他にも
そんな彼等は、リムルの後ろにいる
「あれは
「いんや、
「
ガゼルの後ろにいる者達がそんな事を言うが、普通に丸聞こえだ。好きかって言われたベニマル達は怒りを顕にしてる。チョット怖い…
そして、魔法使いの老婆が私の方を見て驚きを顕にしている。
「…あの子、噂の紅魔の勇者だよ。ジュラの大森林に入ったきり行方知れずだったけど、こんな所にいるとはね…アンリエッタ、気付いてたかい?」
「…いえ、申し訳ありません。高度に偽装されていた上に追跡される事が多く、詳しく調査出来ませんでした。処分はいかようにも…」
はみはみは、彼女らの会話を聞いて驚いた。自分が世界から注目されている事は知っているが、まさか監視されているとは知らなかった。そんな驚きを他所に、ガゼルは話を始める。
「久しいなスライム。余を、いや、俺を覚えているか?」
「今回は話し掛けても良いのか?」
「ああ、俺は1私人として来たのだ。でなければ、城を抜け出す等出来ぬ話よ」
「そうか…予め言っておく。俺の名はリムル。スライムだが、スライム呼ばわりは辞めてもらおう。これでも、ジュラの森大同盟の盟主なんでね」
そう言って、リムルはシズの姿をとる。その行動にガゼルの部下達は驚く。
「この通り、これが本性って訳じゃないけど、この方が会話しやすいだろ?」
「ふむ。魔力を使用した形跡はナシと…恐らくスキルによるものだよ」
「ああ、そこの婆さんの言う通り、これは俺のスキル『万能変化』によるものだよ」
リムルは、信用を勝ち取るべきだと思ったのか手の内を晒した。はみはみが何か文句を言う資格もないので沈黙する。
「それで、何をしに来たんだ?」
「スライム…否、リムルよ。貴様を見極めに来たのだ。盟主等と法螺を吹く輩は成敗せねばなるまい」
そう言って、ガゼルは剣を抜いて言う。
「話を聞くより、剣を交えた方が手っ取り早い。その腰にある得物が本物なら俺との勝負、受けるか?」
「良いだろう!法螺吹き呼ばわりした事を後悔させてやる」
そう言って、リムルはクロベエに打ってもらった打刀を取り出した。
「では、審判は私が行いましょう」
そう言って出てきたのは、
「不遜ですわよ、ドワーフ王。我らが盟主様を法螺吹き呼ばわりなど」
「これは驚いた!まさか
「それなら…「だが、お前の人となりを見極めるのは別だ」!…」
ガゼルの言葉に安堵したリムルだったが、ガゼルが即座に否定する。結局リムルは剣の打ち合いを了承して、試合が始まった。
「それでは…始め!」
試合の開始合図と同時にリムルがガゼルに突貫する。だが、ガゼルは冷静に剣で防御する。リムルは一度距離を取り、再度斬りかかる。しかし、ガゼルはまたも防御して、空いていた片手でリムルを押し返す。
リムルは、ガゼルの態度に少し腹が立っていた。何故なら、ガゼルは試合が始まった時からその場から一歩も動いていなかった。勝てないからと言って、リムルはスキルを使う気にはならなかった。
そんな試合をみて、はみはみはガゼルの勝利に終わるだろうと見切りを付けていた。理由の1つに2人の背丈にある。リムルとガゼルの背丈には、子供と大人並みの差がある。剣の試合では、背丈が高い方が有利だ。故に、はみはみは、ガゼルの方が有利だと考えたのだ。だが、リムルの負けとは限らないと考えていた。
ガゼルは別に勝敗に拘っていない。それは、『見極める』と言う1言からも窺いさせる。はみはみは、ルールに則った勝敗が必要だと考えている。何故なら、人間達の間では、地球の様な国際連合の様な組織がこの世界にもある。戦時国際法も定められており、国家間のルールが定められているのだ。リムルが今回の試合の暗黙のルールすら破るようなら信用に値しないと考えているのだろう。
リムルが受け手に回って隙を窺っていると、ガゼルが動いた。
「行くぞリムルよ!朧・地点轟雷!」
リムルは見えなかったが、はみはみの目には見えていた。ガゼルは剣聖と呼ばれるだけあって高いレベルで《瞬動法》を使いこなしている。リムルは見失ったガゼルの剣筋を間一髪で躱す。ガゼルはそのまま剣道の面を打つ姿勢でリムル目掛けて剣を振り下ろす。たが、リムルは剣を上斜めに構えて防御していた。
ガゼルの姿が見えない中で良く防御出来たと、はみはみは思った。ガゼルは気を良くしたのか、剣を下げた。
「リムルよ。俺の負けでいい」
「勝者、リムル=テンペスト!」
ガゼルの言葉にトレイニーさんが宣誓する。その様子に王の剣の腕前を知っている部下達は驚いている。
「リムルよ。お前は邪悪な存在では無い。剣を交えてよく分かった」
「分かってもらえれば何よりだよ」
リムルとガゼルは和解して、先の剣の試合の感想を言い合っている。
「よく俺の朧・地点轟雷を見切ったものよ」
「その技、師匠の1人がよく使うんだ。訓練でよく打ちのめされた。それだけの話さ」
「師匠だと…それはもしや…」
ガゼルが何か動揺していると、リムルに声を掛ける者がいた。
「リムル様、先程の剣捌きお見事でした。剣の声を無事に聞くことが出来た様ですな」
そう言ってきたのは、リムルの師匠であるハクロウだ。因みに、もう一人の師匠は、はみはみである。
ハクロウは朧流を、はみはみはシルビアから習った日本ではフェンシングに近しい剣術を教えている。まあ、比重としては、ハクロウに習っている事が多い。
「もしや、剣鬼殿ですか?」
「ほう…誰かと思えば、戯れに剣を教えた男ではないですか…鼻垂れ小僧だったのが見違えましたな。いや、ドワーフ王。儂以上の剣士になられたようで、上々ですじゃ」
「剣鬼殿にそう言って頂けるとは…」
このカミングアウトには、双方驚いている。世界は狭いな…と、つくづく思う。
◆
場所を急ごしらえの宴会場に移して、リムル達とガゼル達は、双方着物を着用して宴会料理を堪能していた。
「人類の敵になるかどうかを判断するため?」
「ああ、暗部にリムルの事を探らせておったのよ。その結果が、
その話を聞いて、はみはみは納得した。安全保障は日本でも良くあったことだ。大陸の国とか、北半島の国とか、北の超大国とか。それらに対抗する為に新大陸の超に位置する大国と安全保障条約を結んだのだ。
武装国家ドワルゴンは、西側諸国と対等に渡り合える程の国力を有している。そこと並び立つのは、魔導王朝サリオン以外有り得ないだろう。
エルメシアさんなら、こんな面白い話を見逃す筈もないが、そもそも面会を希望しても叶うまで何年もかかるのだ。だったら、直接確かめた方が良いのだろう。
それは兎も角、ガゼル王の「暗部に探らせた」との言葉にリムルは驚くが、報告してきたのは宴会に同席していたソウエイだ。
「そう言えば、何者かが監視しておりました。脅威にならないと判断して見逃しておりましたが」
「言ってくれるわね。確かに私の諜報員は直接戦闘は苦手とは言え…」
影の薄い暗部の美女であるアンリエッタが苦々しく告げた。こんなふうに、各々が会話をしていた。
そんな仲間を見て、ガゼル王はリムルに言った。
「リムルよ。俺と盟約を結ぶ気はないか?」
「…いいのか?それは、俺達を、魔物の集団を国として認める事と同じだぞ」
「元よりそのつもりだ。もしお前がこの森全体を掌中に治める事が出来たら、莫大な富が此処に集まるだろう。それに、現存する唯一の勇者である『紅魔の勇者』殿がこの街にいるとなれば、西側諸国は挙ってこの街を批判するだろう。下手をしたら、軍事行動を取りかねん。そんな時、後ろ盾となる国があれば便利だぞ」
リムルは考える。はみはみは人類の希望であり、魔王に対抗出来る唯一の存在なのだ。はみはみがこの街にいる事が人間国家にバレたら、「『紅魔の勇者』様を洗脳し支配下に置いている!断固許されることではない!」等と大義名分を掲げて軍事行動を取る可能性も捨てきれない。地球でも十字軍が何度も結成されたのだ。その可能性は十分に考えられる。そう結論を
「…分かった。願ってもない話だ。その提案を受けよう」
「そうか、ではお前たちの国とこの街の名前は何と言うのだ?」
(えっ!名前…何にも考えてない…ジュラの森大同盟とリムル=テンペストの『テンペスト』をとって…)
「ジュラ・テンペスト連邦国だ!」
「ジュラ・テンペスト連邦国か…良き名だ」
「では、この都市の名前は『リムル』と致しましょう!『中央都市リムル』です!」
「えぇ!それはちょっと恥ずかし…」
リグルドの言葉に、宴会に参加していたジュラ・テンペスト連邦国の者達は…
「それ以外に考えられません!」
「ああ、俺たちにピッタリの名だ」
「良かったですね!リムル!」
ちゃっかり客人の身分である、はみはみまで賛成してしまい、なし崩し的に国名と都市の名前が決まった。
この日、歴史上に初めてジュラ・テンペスト連邦国の名が刻まれたのだ。
〜ステータス〜
名前:はみはみ
種族︰人間ー聖人
加護︰仮面の紋章、闇の大精霊の加護
魔法︰上級魔法、中級魔法、初級魔法、元素魔法、精霊魔法、神聖魔法、核撃魔法
技能︰ユニークスキル『厨二病』
耐性︰物理攻撃無効、状態異常無効、自然影響無効、精神攻撃耐性、聖魔攻撃耐性
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