そして、お気に入り登録者200人超え、UA1万超え、評価数9人。ありがとう御座います!
ー傀儡国ジスターヴー
ここは、東の帝国に隣接する魔王クレイマンの領域だ。魔王クレイマンは、
彼は白い髪色で白いタキシードと白い手袋を身に包み、好青年といった風貌だ。
そんな彼は、来客をもてなすため、城の一室で来客が到着するのを待っていた。その部屋は、あらゆる所に装飾が施され見る者を圧倒する。圧倒的な財力で生み出した部屋は来客を見えない形で威圧し、交渉事を有利に利かせるための魔王クレイマンなりの策なのだ。だが、これから来る来客はそんな威圧は通用しない。
「ふむ…中々面白い展開になりましたね…」
「そうなのかい?俺にも聞かせてくれるんだろうな?」
魔王クレイマンしか居ない部屋にクレイマン以外の声が響いた。そこには、野生味溢れた大男がいた。粗暴に見えるが、下品には感じない。彼の名は、
「それで、結果はどうだったんだい?」
「それは彼女が到着次第教えるつもりさ」
「そうだな。で、その彼女は来てない訳だが…」
「彼女は曲がりなりにも女性だ。何かと準備がいるのだろう」
「そうかね…あんな…いや、辞めておこう」
「そうだね。女性の耳は凄いからね…」
「誰かワタシの悪口を言ってなかったか?」
クレイマンとカリオンがある人物の悪口を言うと、2人がいる部屋に女性の声が響いた。女性と言うが、声色は幼く聞こえる。実際、その女性は女児と言っても差し支えない身長だった。
魔王クレイマンと魔王カリオンの2人はミリム・ナーヴァの強さを知っている。故に、彼女を咎める気も、強く出ることもないのだ。だが、彼女が連れる人物には文句が出る所だった。
「おや…貴女も来てたのですか?フレイ」
「ミリムに無理矢理ね。それで、私にも聞かせてくれるのよね?」
「予想外ですが…まあ良いでしょう」
フレイと呼ばれる女性は背に白い羽根を携え、凄まじい大きさの胸が上半分だけ見える赤い服を着用している。足は猛禽類の様に鋭い。
クレイマンが指を鳴らすと部屋には3人分の椅子しか無かったにも関わらず、もう一つの椅子が現れた。魔王フレイと呼ばれた妖艶な女性はさも当然かのように椅子に座った。
そうして、準備が整った4柱を見て、魔王クレイマンは水晶玉を人数分取り出した。渡された水晶玉をそれぞれ覗く魔王達。そこには、4体の
◆
面白い物を見つけた魔王たちの中で先手を打ったのはミリムだった。
「よし!それでは調査に行ってくる!」
「おいおいミリムよ。それは無理ってもんだぜ」
「そうよ。ミリムあの森には不可侵条約があるもの」
「フレイの言う通りです。ジュラの大森林には不可侵条約が…」
ミリムの突拍子もない言葉に他3名が否定する。だが、ミリムは不思議そうな顔をして続ける。
「何を言ってるのだ?そんな物、撤廃すればよかろう?ここには魔王が4名いるのだ」
その言葉にカリオン、フレイ、クレイマンは電流が走ったかのように驚く。魔王は10名いるのだが、協議して条約等を決めるのだ。その際、3名以上の賛成で条約の非可決や撤廃の有無を決められるのだ。今回焦点になるのは『ジュラの大森林への不可侵条約』だ。これはミリム以外の魔王が誕生する前に生まれた条約だ。これが撤廃されれば、ジュラの大森林に隣接するカリオン、フレイ、ミリム、クレイマンは大手を振って勢力を伸ばすことができる。
だからこそ、クレイマンはフリーの魔族であるゲルミュッドを使っていたのだが…
閑話休題
そんな条約をミリムが簡単に撤廃する事に違和感を持ったクレイマンは思案する。
(そもそも、ジュラの大森林への不可侵条約は私が魔王になる前に成立した物だ。そんな物を今になって撤廃する理由…まさか!)
クレイマンの考えを見通したかのようにミリムはニヤリと笑う。
「気付いたか?この不可侵条約はヴェルドラの封印が解けない様にする為に制定したのだ。そのヴェルドラが消えた今、そんな物は必要なかろう?」
「なるほど、それでしたら私は異存ありません」
「俺様も賛成だぜ」
「不可侵と言うのも面倒ですしね」
こうして、約300年履行されていた不可侵条約は撤廃された。しかし、この事実を当の本人たちは知らない。
◆
魔王ミリムは思う。このボンクラ共に任せてしまっては折角のオモチャが台無しになってしまうと。そもそも、魔王ミリムは数万年の時を生きる魔王だ。本人は戦いが好きだが、ミリムと渡り合える者など数える程だ。故に、面白そうな話に目が無い。でなければ、魔王クレイマンの策略に首を突っ込んだりしない。ゲルミュッドとか言う小物が
それだけに、魔王クレイマンから伝えられた作戦失敗の報には腹を立てた物だ。だが、小物のゲルミュッドにしては、
ここは、長い時を生きる自分がボンクラ共を導いてやらなければ!と考えていく…
だが、実際の所一番子供に見られているのはミリム自身なのだ。ミリムは言動に突飛な物が多く他の魔王からも子供に見られているのだが、その強さから表立って文句を言える者が居ないのだ。だが、当の本人は知らない。
◆
魔王カリオンは考える。警戒すべきはクレイマンただ一人だと。魔王フレイは、水晶玉に映る魔人達に興味が無さそうなので、問題に値しない。だが、ミリムとクレイマンは問題だ。ミリムは自身の興味を隠そうともしていない。だからといって武力に訴えるのは阿呆のする事だ。魔王ミリムは長い時を生きる魔王であり、その力は凄まじい。だが、頭脳は子供並みであり策謀を用いれば何てことはない。
だが、クレイマンは別だ。クレイマンは力こそ自分には及ばないが、その頭脳は侮るべきものではない。故に、警戒するべきは魔王クレイマンただ一人だと。
魔王カリオンは、その爪と頭を静に磨く。
◆
魔王フレイは思う。早く自分の領土に戻りたいと。そもそも、今回の話にもフレイは乗り気では無かった。ミリムに無理矢理連れて来られたのだ。
魔王カリオンと魔王クレイマンは、フレイの事を魔王ミリムの保護者だと体よく使いたいのが、丸わかりだ。だが、ミリムはフレイにとっての天敵なのだ。
フレイは、
そして、更に彼女を悩ます問題があった。
魔王であるフレイと意思なき生命体が同列に扱われるのは癪だが、所詮は人間の言う事と割り切っている。
そんな
そんな事を行えるのは、フレイの認識上2人しか居ない。その内の1人が魔王ミリムなのだ。だが、真正面から頼み込む事は出来ない。ミリムに借りを作ってしまい、そこを他の魔王に付け込ませかねない。故に、水晶玉に映った蝙蝠の羽を持つ魔人を使うことも考えたが、魔王ですらない魔人1人仲間に加えた所で戦力になる筈もない。結局は、ミリムに頼る事になる。フレイは、ミリムをどうやって
◆
魔王クレイマンは思う。面白い展開だと。小物のゲルミュッドが持ち込んできた計画に魔王カリオンを抱き込んだ所、何処から嗅ぎつけたのか魔王ミリムも参加してきた。それは問題ないのだが、
それによって生じた損害は正直どうでも良いのだ。クレイマンにとって魔人達をどう活用するか。その一点だった。ミリムとカリオンは魔人達に興味を引いている様だが、フレイはその限りではない。そう、何かもっと重要な何かを持っている気がする。それならば、フレイの弱みに付け込んで、手助けする事で貸しを作り自分に有利な環境に持ち込んでいくのだ。
クレイマンは頭を回転させる。
◆
ージュラ・テンペスト連邦国中央都市リムルー
リムルの街改めて中央都市リムルで一泊したガゼル一行は、条約を調印して帰っていった。
条約の内容は技術の相互協力と安全保障だ。技術の相互協力はその名の通り武装国家ドワルゴンとジュラ・テンペスト連邦国の技術のやり取りだ。また、安全保障の観点から片方の国に危険が生じた時援軍の要請が出来るというものだ。
そして、ジュラ・テンペスト連邦国に武装国家ドワルゴンが後ろ盾となる理由から、武装国家ドワルゴンとジュラ・テンペスト連邦国との間に街道整備をジュラ・テンペスト連邦国が負担して行う事になった。
そこで役立つのが
日本の運搬業界が泣き喚くレベルの便利スキルだろう。それはともかく、便利なスキルを用いて街道整備や街の区画整理に当たっていると、ついこの前帰っていったばかりのガゼル王が1人でやって来ていた。
「おいオッサン。何で1人で来てるんだ」
「可愛い弟弟子の面倒を見るのは当然だろう」
ガゼル王はハクロウに師事しているリムルの事を弟弟子と呼び、何かと世話を焼きたがっている。弟でも欲しいのだろうか?そんなガゼルは、前回来た時に折角だからと、はみはみと剣で戦った。
はみはみの本業は魔法使いてあり剣術は普通レベルだ。と言っても、聖人…それも勇者の身体能力で繰り出されるのだから並みの剣士では歯が立たないのは言うまでもない。
だが、剣聖とも呼ばれるガゼルがついて行けない訳もなく、はみはみに勝利を納めた。だが、曰く苦戦したらしく己の未熟さを実感。ハクロウに弟子入りがしたいと言い始めた。一国の王が他国の指南役に弟子入りするのは体面上よろしく無いので部下が必死に止めてその要望が叶う事は無かった。その事にガゼルは恨みの目をリムルに向けていたが…
そんなガゼル王は一人でジュラ・テンペスト連邦国に訪れていた。余りにも早い再会に驚くのも無理はなかった。
「何、1つ土産をと思ってな」
そう言って人間大サイズの袋を地面に置いた。はみはみが恐る恐る開けてみると、そこには泡を吹きながら気絶しているドワーフの男がいた。
「ベスターじゃねぇか!」
カイジンが驚いている。はみはみは話が呑み込めなかったが、カイジンの昔の同僚で研究ミスをカイジンに擦り付けた人らしい。そして、大臣職を勤めていたと言う。
「王よ…ここは?」
目を覚ましたらしいベスター大臣はガゼル王に問う。
「余はお前を信用している。今度こそこの場所で成果を上げよ」
「はっ!今度こそ成果を上げてご覧に見せます!」
「うむ。余を失望させるなよ!」
そう言ってガゼル王は
「なあ、カイジン。仮にも一国の王様があんな自由人でいいのか?」
「さあ…だが、何百年と統治して来た実績があるから大丈夫なんだろ」
「まあ、俺も人のこと言えないしな」
「そうですね。勇者でありながら道草を食い続けてる人もいますからね」
ガゼル王が見えなくなると、リムルに声を掛けてくる者がいた。
「リムル殿、カイジン殿。すまなかった!ここで働かせては貰えないだろうか?」
「良いか?俺達を魔物だからって見下すなよ。それに、俺の命令には基本的に従って貰うぞ」
「構いません。そもそも、あの頃はカイジン殿への嫉妬が原因で暴走しましたが、私には研究の方が似合ってます」
「リムルの旦那。ベスターは研究者としては一流だ。この申し出は願ったり叶ったりだ」
「カイジンがそう言うなら、俺に文句はないよ。ベスター!宜しくな」
ベスターが仲間に加わった事でジュラ・テンペスト連邦国の特産品は更なる飛躍を遂げる事になる。
「所で…そちらの方は?」
街に戻る途中、ベスターがはみはみに向けて問う。これを聞いたリムルとカイジンは『あちゃ〜』みたいな表情をする。
「わが名は、はみはみ!紅魔族随一の勇者の弟子にして、闇の大精霊の加護を持つもの!」
この名乗りにベスターの目が点になったのは言うまでもない。
〜ステータス〜
名前:はみはみ
種族︰人間ー聖人ー
加護︰仮面の紋章、闇の大精霊の加護
魔法︰上級魔法、中級魔法、初級魔法、元素魔法、精霊魔法、神聖魔法、核撃魔法
技能︰ユニークスキル『厨二病』
耐性︰物理攻撃無効、状態異常無効、自然影響無効、精神攻撃耐性、聖魔攻撃耐性
お気に入り登録、高評価宜しくお願いします!
転スラ日記はいる?
-
いる
-
いらない