紅魔族の異世界生活   作:味八木

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使い

 

 

ージュラ・テンペスト連邦国中央都市リムルー

 

リムルは、封印の洞窟から見えた爆炎に驚き、『万能変化』を使ってリムル用に調整された青い服の背から吸血蝙蝠(ジャイアントバット)の羽を出して問題の起きた場所にまで移動する。

 

途中でソウエイが、『影移動』で状況を教えてくれた。なんでも、魔王カリオン配下の三獣士の一人である黒豹牙フォビオと名乗る使者がやって来たと言う。

 

彼等の対応をリグルドがしたのだが、リグルドの対応に不満だったのか炎を纏った爪の様な物でリグルドを攻撃したと言う。そこを、目撃したミリムが親友(マブダチ)の配下を攻撃した事にキレた。

 

はみはみが止める間もなく攻撃を仕掛け、フォビオも豹牙爆炎掌(ひょうがばくえんしょう)と言う技で対応するも、魔王ミリムの攻撃を相殺した結果が、あの爆炎だと言う。

 

現場に到着して野次馬が道を譲って通ると、リグルドが倒れ伏していた。

 

「おいおい!リグルド!大丈夫か!?」

「これは、リムル様!問題ございません」

 

そう言ってリグルドは顔を上げたが、顔の半分は炎によって皮膚が焼け落ちており、さながら腐肉者(ゾンビ)の様だ。リムルはリグルドに通る間際に完全回復薬(フルポーション)を浴びせた。

 

「こいつが、首謀者か?」

「ええ。はい」

 

その前には、仁王立ちするミリムと泡を吹いて気絶しているフォビオ。そんな彼の後ろで、あたふたしている獣人の調査団と、彼等に平謝りしている、はみはみがいた。

 

「おお〜!リムルよ!こいつが親友(マブダチ)の部下を攻撃していたのでお仕置きしておいてやったぞ!」

「ごめんリムル。とめる暇がなかった」

 

そう言って来るミリムとはみはみ。取り敢えず、リムルは出会った時に交わした約束事を告げた。

 

「俺の許可なく暴れないって約束したよな?」

「ぅ!そう!この者はこの街の者では無いから、セーフ!セーフなのだ!」

「駄目なものは駄目!けどまぁ、リグルドを庇ってくれたんだ。大目に見て今日の夕食は抜きで許してやる」

「リムル!それは…」

 

リムルが決めた罰に、はみはみが慌てる。彼女はリムルよりもミリムと過ごした日々が多いので知っていたのだ。彼女が普段どんな食生活をしていて、食事を人一倍楽しみにしている事を。

 

ミリムは目をウルウルさせてあざとく許しを乞うが、リムルは拒否、涙を流したミリムは拳に魔素量(エネルギー)を集める。その量は感知出来るだけでフォビオを永遠に眠りにつかせるには十分過ぎる量だ。その事実に気付いたリムルと、はみはみはミリムに駆け付けて引き剥がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

なんとか場を落ち着かせたリムルは完全回復薬(フルポーション)を掛けて、場所をリムルの執務館の会議室に場所を移すことになった。

 

そこで話した内容は割愛するが、魔王カリオンから強者をスカウトする様に言われたと言う。しかし、リムルをスライムだからと侮ったりと非情に高圧的だ。それで良い心情を与える筈もなく、リムルから拒否され、恨み節を吐き捨てて帰っていった。

 

そんな彼らが去ってからリムルは人型に戻って会議室の壁近くに置かれたソファに座りシュナのお菓子を食べているミリムに向けて言う。

 

「さて、ミリム。お前に聞きたいことが…「駄目なのだ!他の魔王連中の事は幾ら親友(マブダチ)と言えど教えられないのだ」(はい。関係がある自白を頂きました)」

 

ミリムの失言に、はみはみはため息をついている。リムルは更に畳み掛ける。

 

「なあ〜ミリム。俺達は親友(マブダチ)だろ?俺が知らず知らずの内に他の魔王の使者に無礼を働いたり邪魔をしちゃうかもしれないだろ?」

「だけど…」

「大丈夫だよ。魔王カリオンだってフォビオって奴にミリムの情報を教えてたんだ。言っても問題無いんだよ」

「しかし…」

「俺とミリムは親友(マブダチ)だろ?」

「ミリム。私からもお願いします」

 

はみはみが頼む横でリムルは、蜂蜜をスッと差し出した。ミリムは上機嫌になり…

 

「……そうだな!そうなのだ!」

 

と。リムルに買収されたミリムは事のあらましを語った。

 

魔王クレイマンが自身の傀儡となる魔王ー豚頭帝(オークロード)ーを擁立する計画に魔王カリオンも加担していた。ミリムは退屈していたので、その計画に乗っかった。という訳だ。

 

「これは一大事ですな。トレイニー殿にもお伝えせねば…」

「ええ。他の魔王と無理に事を構える必要は有りませんから。ミリム様で魔王の実力は凄まじい物だと実感しましたから」

 

リムル達は、魔王の対処に頭を抱える事になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

ージュラの大森林内部ー

 

ジュラ・テンペスト連邦国の首都中央都市リムルがある地点より少し浅い場所に、冒険者が4名いた。

 

その彼らは、ガバル、ギド、エレン。そして、ブルムンド王国自由組合支部の支部長のフューズである。フューズは、エレンと共にジュラの大森林に出来つつあると言う街を目指していた。

 

事の始まりは、リムルと、はみはみが大鬼族(オーガ)と相対していた頃に遡る。

 

フューズは、エレン達からジュラの大森林の調査結果を聞いていた。シズさんとの出会い。リムルと名乗るスライム。リムルが指導する街。『紅魔の勇者』はみはみとの出会い。

 

これを聞いたフューズの目は点になった。そして、言いたいことが湯水の如く溢れてきた。そもそも、魔物が本格的な街を作るなど異常事態だし、災害級(ハザード)に位置づけられる炎の巨人(イフリート)を最下級の魔物であるスライムが討伐、シズさんの面倒を頼むとか言いたいことに現実味がなさ過ぎて荒唐無稽だ。

 

だが、彼らはスライムのリムルからお土産として回復薬と質の良い装備を身に付けていた。

 

一旦調査の為に彼等の装備含め土産を回収させて調べさせた。リムルが言うには、回復薬は部位欠損すら治すという。試したほうが早いと、丁度大火傷をして運ばれてきた冒険者に振りかけてみた。

 

すると、焼けた皮膚が次々に正常な肌色を見せたのだ。この光景を見た術士は神の奇跡にも匹敵するとの事だった。

 

装備の方は、ドワルゴンで有名なドワーフの鍛冶職人やドワーフ三兄弟で知られるカイジン以下技術者が居たとの事だった。そこにも疑問は尽きないが、エレン達からは『装備が無ければ生活できない!』と文句を言われ、返却することになった。

 

そして、事態が急変したのはギドの知らせだった。ギドはリムル配下の人鬼族(ホブゴブリン)を連れてきた事だった。その者が言うには、豚頭帝(オークロード)が20万近い軍勢を率いているとの事だった。そして、リムルは迎撃に向かい、もしもの時があれば人間に対処させたいとの事だった。

 

そして、リムル達が豚頭帝(オークロード)を退け、ガゼル王と相対していた頃、フューズはブルムンド王国の男爵であるベルヤード男爵と面会していた。

 

ブルムンド王国の情報局の調査の結果豚頭帝(オークロード)の消滅と豚頭族(オーク)の行方が判明した。そして、2人は理解していた。これが、リムルと名乗るスライムのお蔭である…と。

 

それを裏付けるように、数日前にフューズの支部長室に入って来た者がいた。その者は、"ソウエイ"と名乗る鬼人族(キジン)だった。

 

ソウエイは豚頭帝(オークロード)の消滅を伝えに来たという。フューズとベルヤード男爵はリムルの事を調べる必要があると感じた。故に、冒険者の経験もあるフューズはリムルと面識のあるエレン達パーティーと共にジュラの大森林中心部に作られたというリムルの街に向かっていた。

 

だが、ガバルは何を思ったのか、学習しないのか槍脚鎧蜘蛛(ナイトスパイダー)の領域に迂闊に侵入した。侵入者を追うため槍脚鎧蜘蛛(ナイトスパイダー)は、その足を駆使して移動する。

 

逃げた先で、彼らは巡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

ガバル達が槍脚鎧蜘蛛(ナイトスパイダー)に追いかけられている頃、ジュラの大森林内部を移動する武装した1団がいた。

 

"武装した"と言っても武装はチグハグで統一感が無い。彼らは皆が強面であり魔法職の者が1人しかいない。それもそのはず、彼らはファルムス王国ニドル伯爵の調査団であり、調査員の殆どは寄せ集めの無法者集団だ。そんな彼等のお目付け役である妖術師(マーヤー)のロンメルは、調査団の団長であるヨウムの指示の元ニドル伯爵に見切りをつけて行方をくらます手筈を整えていた。

 

そもそも、ニドル伯爵が調査団を派遣したのは中央や西方正教会の対ヴェルドラ対策の援助金の打ち切りに伴う

支援金(着服金)が無くなった事が原因だ。ヴェルドラの消失に伴う魔物の活性化の為に冒険者を使うことも考えたが、考えている内にブルムンド王国経由で自由組合から豚頭帝(オークロード)の出現と20万の豚頭族(オーク)の群れが現れた事を聞き、調査の為に死んでも金が掛からない荒くれ者を送り込んだと言う訳だ。

 

しかし、団長にしたヨウムは教養がない割には地頭は言い方であり行方をくらます方法を既に考えており、後は任務を終えて故郷に最後の奉仕をするべく歩みを進めている時だった。

 

戦闘音が鳴り響いた。警戒態勢を敷く中、戦闘音がする方から女1人と男3人の冒険者のペアが現れた。その者達は、申し訳なさそうに陣形の中に入り込んだ。教養が無い調査員の代わりに参謀となったロンメルはヨウムに撤退を進言したが、それを却下して命だいじに戦法に切り替えて槍脚鎧蜘蛛(ナイトスパイダー)を迎え討つ事にしたのだ。

 

カバル、フューズ、ヨウムは入れ替わりに槍脚鎧蜘蛛(ナイトスパイダー)に斬りかかる。しかし、槍脚鎧蜘蛛(ナイトスパイダー)はAーランクの魔物だ。

 

名前の通り、槍のように鋭い脚と鎧のように硬い外骨格を持つ槍脚鎧蜘蛛(ナイトスパイダー)は高品質の武具でなければ戦えない。現に、ヨウム、ガバル、フューズの三名はエレンとロンメルから支援魔法である身体強化や筋力増強の魔法によってようやく渡り合っているのだ。

 

疲労が溜まりつつあった時だった。

 

「あれ、ガバルさんじゃないすっか!毎回魔物と戦っているみたいっすけど、そんなに戦うのが好きなんすか?」

 

何とも気の抜けた声が戦場に響いたのだった。その声の主は、狩猟班兼狼鬼兵部隊(ゴブリンライダー)の隊長を担うゴブタだった。

 

彼は「今夜のご馳走にするっす!」と言って槍脚鎧蜘蛛(ナイトスパイダー)に突貫する。自殺行為だと思ったが、ゴブタは小太刀の鞘を槍脚鎧蜘蛛(ナイトスパイダー)に向けると、そこから弾丸が射出された。

 

これは、リムルがクロベエが作った小太刀だ。そこに、リムルは実験がてら『黒雷』を鞘に付与し、鞘内部を魔鋼で覆い、絶縁電線をソレノイド状に巻き付ける事で魔力消費の少ない鞘型電磁砲(ケースキャノン)を撃てる。また、魔力消費の激しいが『水氷大魔槍(アイシクルランス)をリムルのユニークスキル『変質者(ウツロウモノ)』で使えるようにしている。このロマン兵器に、はみはみはワクワクが止まらなかったと記しておく。

 

そんな鞘型電磁砲(ケースキャノン)の弾は槍脚鎧蜘蛛(ナイトスパイダー)の目に命中した。如何に硬い装甲を持ってようと目は無防備だ。混乱した槍脚鎧蜘蛛(ナイトスパイダー)狼鬼兵部隊(ゴブリンライダー)の隊員が翻弄する。やがて、ゴブタは小太刀で槍脚鎧蜘蛛(ナイトスパイダー)の脚を斬った。

 

この斬れ味に一同は驚愕するが、ゴブタはお構い無しに攻撃を続け、槍脚鎧蜘蛛(ナイトスパイダー)を仕留めてしまった。

 

事情を知っているガバル、ギド、エレンはゴブタを囃し立てるが、事情の読み込めないフューズとヨウムを始めとする調査団の面々は混乱している。

 

そもそも、あの魔法攻撃はなんだとか、小鬼族(ゴブリン)がなんで斬れ味の良い装備を持ってるとか、牙狼族が使役されてるとか、言いたい事は山程あったが、エレン達は知った道かのようにゴブタに案内されるので、他の面子も混乱気味に魔国連邦(テンペスト)に入国したのだった。






〜ステータス〜

名前:はみはみ
種族︰人間ー聖人ー
加護︰仮面の紋章、闇の大精霊の加護
魔法︰上級魔法、中級魔法、初級魔法、元素魔法、精霊魔法、神聖魔法、核撃魔法
技能︰ユニークスキル『厨二病』
耐性︰物理攻撃無効、状態異常無効、自然影響無効、精神攻撃耐性、聖魔攻撃耐性

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