紅魔族の異世界生活   作:味八木

20 / 23
お気に入り登録、高評価、誤字報告ありがとう御座います!

日間ランキング入賞ありがとう御座います!


暴風大妖渦戦役

 

 

ージュラ・テンペスト連邦国ー

 

暴風大妖渦(カリュブディス)の復活と対策が決定したところで、非戦闘員らは警備部隊の者達によって避難行動を取っていた。

 

避難行動が始まって約1時間程で暴風大妖渦(カリュブディス)がその姿を現した。

 

暴風大妖渦(カリュブディス)約50mもの巨体に前方に巨大な単眼を備えている。その容姿は魚というよりグライダーの様であり、体の下腹部にはその巨体に似合わない細い両腕がある。

 

暴風大妖渦(カリュブディス)の他にも、外見は鮫だが、巨大で宙を浮く空泳巨大鮫(メガロドン)の群れは圧巻だ。だが、戦闘ともなれば邪魔なのでまずは小手調べにベニマルが先鋒を打つことになった。

 

ベニマルは自身の最大技である黒炎獄(ヘルフレア)空泳巨大鮫(メガロドン)の1体に命中させた。黒炎獄(ヘルフレア)豚頭族(オーク)を纏めて灰すら残さず消す程の高温と範囲を誇る。今の所耐えられたのは魔王ミリムだけの範囲攻撃だ。

 

しかし、命中した空泳巨大鮫(メガロドン)は黒焦げになって絶命したものの、灰や骨どころか原型を留めている。

 

「お兄様の攻撃にも耐えるなんて…驚きです」

「ええ。にしてもあの攻撃なんですか?魔力反応からしても高火力すぎません?」

 

シュナの呟きに、はみはみが反応するがそれ以上に黒炎獄(ヘルフレア)の攻撃の威力と効果に驚いている。

 

他にも視点を移してみる。

 

ゲルド達猪人族(ハイオーク)は武装して各々が雑多な武器を持っている。地面を抉ってやって来る空泳巨大鮫(メガロドン)相手に武器を振るうが、空泳巨大鮫(メガロドン)の尾びれの攻撃で薙ぎ払われている。

 

ゲルドは持ち前のスキルである美食者(ミタスモノ)の効果と持ち前のタフネスで空泳巨大鮫(メガロドン)の頭を掴んで抑えている。そこに部下の猪人族(ハイオーク)が攻撃を仕掛けるも、やはり薙ぎ払われている。

 

だが、そこに龍人族(ドラゴニュート)であるガビルが蜥蜴人族(リザードマン)の至宝である特質級(ユニーク)武器ー水渦槍(ボルテクススピア)ーが空泳巨大鮫(メガロドン)の頭を貫いたのだ。

 

流石の空泳巨大鮫(メガロドン)も脳天を貫かれてはどうしようも出来ず絶命した。怪我を負った者は、ガビルが生産加工に携わっている完全回復薬(フルポーション)を与えることで怪我人は出ていない。

 

そこからは、猪人族(ハイオーク)達が空泳巨大鮫(メガロドン)を足止めし、龍人族(ドラゴニュート)達がトドメを刺す方向でまとまっていった。つまりは、猪人族(ハイオーク)達がが地上兵で、龍人族(ドラゴニュート)達が地上支援を担当する感じである。

 

また、別の場所では狼鬼兵部隊(ゴブリンライダー)達が空泳巨大鮫(メガロドン)に向かって行った。しかし、空泳巨大鮫(メガロドン)の暴れように自分達では敵わないと判断して撤退する。

 

「不甲斐ないよう。攻撃役と囮役、それぞれが連携して戦え。死ぬ気でな」

 

逃げた先には、彼らの指南役であるハクロウがいた。ハクロウは刀を居合切りで空泳巨大鮫(メガロドン)目掛けて行うと空泳巨大鮫(メガロドン)は真っ二つになり、細切れになり、更に細切れにされた。そして、こう言った。

 

「不甲斐ないのう。これ程の事すら出来ぬとは…修行を益々厳しくせねばなるまい」

「ちょ!これ以上は死んじゃうっすよ!ジジイ!」

「ジジイじゃと?」

「ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

とまあこんな様子だった。え?悲鳴が聞こえる?死者は出てないから大丈夫だよ。

 

その他にも、リムルがガゼル王に援軍を要請した結果やって来た武装国家ドワルゴンの秘匿部隊天翅騎士団(ペガサスナイツ)がやって来ていた。

 

彼らは勇敢に空泳巨大鮫(メガロドン)に向かっていく。そんな彼らの他にも空で動く者がいた。

 

諜報を担当するソウエイ配下のソーカ、トーカ、ナンソウ、ホクソウである。彼らは龍人族(ドラゴニュート)であるガビル達と違い、人型に蜥蜴人族(リザードマン)が進化した姿だ。だが、彼ら彼女らは普段は羽や鱗を見せないだけで龍人族(ドラゴニュート)としてのスキルや特徴は持っているのだ。

 

持ち前の羽の前なら《飛翔魔法》の影響は受けない。彼ら彼女らが飛行し空泳巨大鮫(メガロドン)頭上に飛行する。すると、空泳巨大鮫(メガロドン)の頭の上にはソウエイの姿があった。

 

ソウエイは『魔力妨害』の範囲外から『影移動』で影空間に潜み、ソーカ達が空泳巨大鮫(メガロドン)の頭上に影を作ることで姿を現したのだ。

 

「操妖傀儡糸!」

 

そう言うと、空泳巨大鮫(メガロドン)は急に他の空泳巨大鮫(メガロドン)の方に向かい、頭に食らいついた。

 

この原理を、はみはみとミリム、リムル(大賢者)は気づいた。

 

「おお〜!アヤツ、空泳巨大鮫(メガロドン)を操って同士討ちにさせているのだ!」

「見事ですね…精神操作は格下相手や自我が希薄な相手には有効ですよね…」

 

ミリムの言葉に、はみはみが同意する。精神操作と言っても正確には中枢神経を糸で乗っ取るというある意味精神操作より恐ろしい事をしている。

 

ミリムと、はみはみの解説にリムルは(何でも出来るな…あのイケメン…)と思った。

 

「頃合いを見て始末しろ」

「はっ、後はお任せ下さい」

 

一切の感情を感じさせず、冷徹に命令するソウエイと同じく冷徹に応えるソーカ達。リムルはソウエイの教育に驚きと恐怖を感じ得ない。

 

また、別の所では天翅(ペガサス)より目立った存在がいた。その存在とはランガの事である。

 

ランガはいつの間にか習得した技術(アーツ)である《飛翔法》を駆使して空を駆ける。その上には何故かシオンが大太刀である剛力丸片手に立っていた。

 

その様子を見たリムルは、「ランガ?いつの間にあんな技を…」と呟き、「それより、いつシオンとコンビに?」と全体の指揮を執っていてベニマルがツッコミ?を入れた。

 

ランガは空泳巨大鮫(メガロドン)より上を取るとシオンが飛び降りた。シオンは大太刀剛力丸を思いっきり振り下ろした。

 

「断頭鬼刃!」

 

そう言って振り下ろされた大太刀はシオンの妖気(オーラ)によって保護され、空泳巨大鮫(メガロドン)の頭を綺麗にはねた。

 

シオンは飛行する術を持たないが、ランガが空中でキャッチし、シオンもランガの背中に着地した。

 

「後は、あれだけですね…」

 

そういう先には、暴風大妖渦(カリュブディス)がある。

 

「どの程度の強さか、見極めてやろう」

 

1人と1体の魔獣は好戦的に笑い、近づいていく。ソウエイも空泳巨大鮫(メガロドン)を片付けたのか暴風大妖渦(カリュブディス)の背に乗る。シオン達も同様だ。

 

その時だった。暴風大妖渦(カリュブディス)の巨大な単眼が赤く光ったのだ。

 

「あれです!暴風の乱鱗雨(テンペストスケイル)の合図です!」

暴風大妖渦(カリュブディス)が大技を仕掛けるぞ!はみはみの言う通りなら鱗が大量にとんでくる!注意しろ!』

 

はみはみの言葉を受けて、リムルが『思念伝達』でソウエイ、シオン、ランガに注意を促す。

 

警戒を始めると、耳障りな音を立てて体の鱗すべてが飛び出した。それは想像以上に大量てあり、まさしく数の暴力と言って申し分なかった。

 

天翅騎士団(ペガサスナイツ)は事前に距離を取っていたが、暴風大妖渦(カリュブディス)の背中に陣取っていたソウエイ、シオン、ランガは受け身を取れず落下した。

 

落下した先にも鱗はやって来て、クラスター爆弾かのように面制圧を行う。ソウエイは回避するが、数が多すぎて顔に擦り傷を負い、シオンは大太刀剛力丸で鱗を次から次へと弾き飛ばすが、数の多い鱗を捌ききれず、腹に鱗を食らった所を更に顔にも鱗を食らい、ふっ飛ばされる。

 

最早撤退することは出来ないと考えたソウエイ、シオン、ランガは暴風の乱鱗雨(テンペストスケイル)を発動している暴風大妖渦(カリュブディス)に捨て身の特攻を仕掛けようとする。

 

だが、そんな彼らの前に彼らの主であるリムルが吸血蝙蝠(ジャイアントバット)の翼をはためかせて立っていた。リムルはおもむろに片手を暴風大妖渦(カリュブディス)に向けて…

 

「『暴食者(グラトニー)』!」

 

そう言うと、暴食者(グラトニー)暴風大妖渦(カリュブディス)の鱗を全てリムルの『胃袋』に隔離してしまった。この光景に、ソウエイ達は驚きを隠せない。

 

リムル達は知らないことだが、暴食者(グラトニー)は所謂大罪系スキルに分類される。大罪系スキルは他のスキルとは一線を画す強さを誇るのだ。このスキルはリムルが豚頭帝(オークロード)が進化して豚頭魔王(オークディザスター)を『捕食』した際に獲得したユニークスキル『飢餓者(ウエルモノ)』をリムルの『大賢者(エイチアルモノ)』が解析し、『捕食者(クラウモノ)』に統合進化したスキルだ。

 

ちなみに、リムルは豚頭魔王(オークディザスター)を捕食した際に魔王種の資格も得ている。

 

そんな暴食者(グラトニー)だが、『捕食』のスキルは健在であり、対象に直接触れることなく捕食が可能となったのだ。それを大賢者(エイチアルモノ)に指摘され、助けに来たという訳だ。

 

「お前達は一旦下がれ」

「我々はまだお役に!」

 

リムルの戦力外通告にソウエイが意見するが、リムルは暴風大妖渦(カリュブディス)を指差した。

 

「慌てるな。あれを見ろ」

 

そう指を指した方には、暴風大妖渦(カリュブディス)の鱗が再生している姿があった。

 

「鱗が再生を始めている。次暴風の乱鱗雨(テンペストスケイル)が来た時、守ってやれるか分からないからな。ベニマルの指示で攻撃しろ」

「承知」

「わかりました!」

「必ず戻ります!我が主よ!」

 

下がっていく3人を横目に、リムルは『黒雷』を放つ。しかし、あまりの巨体に効果は限定的だ。『黒雷』の攻撃を受けても再生する鱗を見て、リムルは確信に近い疑問を抱く

 

「なあ、コイツもしかして『超速再生』をもってるんじゃ…」

《解。鱗の再生速度から見て、個体名暴風大妖渦(カリュブディス)が『超速再生』を有していると見て間違いありません》

「うわ…」

 

リムルも『超速再生』を持っているだけにその厄介さにため息をつく。

 

こうした理由もあって、テンペスト軍が攻撃を続けたが、10時間の攻撃に対して、与えられたダメージは精々4割と言う有様だった。

 

いくら完全回復薬(フルポーション)があるとは言え、疲労は溜まる。リムルがどうにかして有効打を与えられないかと悩んでいる時だった。

 

《グギ…グ…ミ…ミ…ミリムメ!》

 

「ミリム?!今ミリムって言ったか?大賢者、『解析鑑定』を」

《解。依代となった素体に猛烈な怒りの感情を感知》

「って事は…ミリムがこの街にいたから向かってきたのか…てっきり俺がヴェルドラを匿ってるのが分かったのかと深読みし過ぎていたのか…」

 

その時、リムルに電流走る…

 

「あれ?これミリムに頼って良いんじゃね?って!寝てるし!」

『ミリム!』

 

リムルは名案とばかりに『思念伝達』を飛ばす。ミリムを膝に乗せて、はみはみが膝枕をしていた

 

『寝てないのだ!起きていたのだ!』

『いや、はみはみに膝枕されてたよね?ってか、はみはみも何で膝枕してるの?顧問は?』

『大丈夫です。《魔法通話》で助言はしてますから』

『なら良いけど…』

 

そう言って、リムルは暴風大妖渦(カリュブディス)を指して言った。

 

『なんかな、コイツお前に用事があるみたいなんだけど…』

『なぬ!?アイツは…この前来たフォビオとかいう奴を依代にしているようだぞ…』

『アイツか…』

 

リムルが合点がいったとばかりに手で頭を押さえた。そして、申し訳なく言った。

 

『俺への客かと思ってミリムには遠慮してたんだが…』

『もしかして!ワタシが相手をしてもいいのか!?』

 

目を輝かせてリムルの元にすっ飛んでいった。はみはみがその余波で少し遠くにふっとばされた。

 

「ミリム」

「ん?」

「フォビオって魔王カリオンの配下なんだろ?助けられないかな?」

「わっーはっはっはっはっ!任せるのだ!リムルと、はみはみから学んだ手加減を見せてやるのだ!」

「手加減ね…」

 

リムルは不安を感じつつ、全軍に避難命令を出した。天翅騎士団(ペガサスナイツ)も不思議に思いつつも退避する。

 

『ミリム!後は任せた!』

「お任せあれ!なのだ!」

 

ミリムは暴風大妖渦(カリュブディス)と対峙する。暴風大妖渦(カリュブディス)は怨敵であるミリムを目の前にして、暴風の乱鱗雨(テンペストスケイル)を放つ。地形をも変える攻撃はミリムが手を挙げただけで空中で静止した。『魔力妨害』を有する暴風大妖渦(カリュブディス)に攻撃をするには『魔力妨害』よりも高度な魔力操作が必要となる。ましてや、鱗の支配権を全て同時に奪い取る所からも、ミリムの魔力操作の一端が伺える。

 

ミリムは手を振り下ろすと、鱗は全て落下する。

 

「それはもう見たのだ。今度はワタシが見せてやろう…これが、手加減というものだー!」

 

ミリムの手に青白い光が集まりそれは一気に拡散する。

 

竜星拡散爆(ドラゴバスター)!」

 

それは暴風大妖渦(カリュブディス)に命中すると、大爆発を引き起こした。リムルの『魔力感知』には暴風大妖渦(カリュブディス)の姿はなかった。

 

魔王ミリムの力が如実に理解できる、リムルであった。

 






〜ステータス〜

名前:はみはみ
種族︰人間ー聖人ー
加護︰仮面の紋章、闇の大精霊の加護
魔法︰上級魔法、中級魔法、初級魔法、元素魔法、精霊魔法、神聖魔法、核撃魔法
技能︰ユニークスキル『厨二病』
耐性︰物理攻撃無効、状態異常無効、自然影響無効、精神攻撃耐性、聖魔攻撃耐性

お気に入り登録、高評価、宜しくお願いします!

転スラ日記はいる?

  • いる
  • いらない
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。