紅魔族の異世界生活   作:味八木

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遅くなりましたが、4月28日日間ランキング140位入賞ありがとう御座います!

今後とも今作を宜しくお願いします!お気に入り登録、高評価、誤字報告ありがとう御座います。

期間空きすぎ…


ジュラの夏

 

 

 

テンペストに夏が来た。そんな中でも皆は忙しなく働いていた。

 

例えば…

 

シュナは汗をかきながら花壇の手入れをしていた。

 

「あっ!リムル様!」

「おお〜!ひまわりか!いいな!夏っぽくて!」

「リムル様のお話を聞いて、似た花を植えてみました」

「え…?これって…」

 

リムルとシュナが話すのを一緒に聞いていた、はみはみは絶句した。その花は紛れも無いひまわりだが、植物型の魔物だと言うことを彼女は知っていたのだ。

 

その名は…ひまわりもどき

 

この名前を聞いた時、はみはみは安楽少女みたいに安直だな…と思った。

 

閑話休題

 

そんな事はともかく、風鈴の音が涼しさを与えてくれる中、リムルと、はみはみは麦茶を飲んでいた。

 

そんな中、リムルの対面に座っていた、はみはみは気付いた。ひまわりもどきが此方を向いてリムルに迫っていることに。流石にリムルも自分の視界が影で覆われたのを怪しんで振り返る。しかし、ひまわりもどきは普段の位置に戻っていた。

 

はみはみは駆除するべきか悩んだが、それはシュナやリムルが決める事だと考え静観を決め込んだ。まあ、面白い物見たさと言う面もあるだろうが…

 

リムルら気の所為と思い戻るが、ひまわりもどきは近付いてくる。流石にリムルも確信を得たのか、汗を流していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

猛暑が照りつける中、リムルと、はみはみはジュラの森の守護神を祀る祠に来ていた。

 

この祠はリムルの知識を元に日本風に作られている。その祠の前で、リグルドは汗を大量に流しながらお参りしていた。

 

「なあ、リグルド。皆この暑さに参ってるみたいだけど…」

「私共の記憶でも、こんなに暑いのは初めてです」

「自分もジュラの森の比較的浅い地域に住んでたけどこんなに暑いのは初めてだね。もっとも、ジュラの森の奥深くじゃ、天候が違ってもおかしくないが…」

 

そう言うリグルドと、はみはみだが、リグルドだけは体からは大量に汗を流していて、その汗が気化している。はみはみは『自然影響無効』があるのでケロッとしている。

 

「もしかして…森を切り開いて街を作ったから、自然環境に変化が…」

「いえ、暴風竜様が姿を消されたからかと」

「そうか…」

 

リムルの心配を軽減するように、リグルドが告げる。そして、コショコショ話で告げた。

 

「なにせ、神様のなされた事ですから。リムル様のせいでは…暴風竜様ですし…」

 

そう励ましてくれるリグルドだったが、リムルには思い当たる節があった。

 

「ヴェルドラだからな!仕方ないな!」

 

(出会って…友達になって…捕食!…どの道俺が原因じゃん!ごめんなヴェルドラ!)

 

リムルの胃袋にいたヴェルドラは…

 

「構わん構わん!細かいことは気にするな!」

「そこ、差し間違えてますが」

 

イフリートはヴェルドラと何故か将棋をしていた。そして、ヴェルドラは歩兵を同じ場所に2つ置く2歩をしてしまっていた。

 

「え?」

 

街のものはヴェルドラ様のせいだと思っているが、これ、実を言うと、はみはみが『コントロール・オブ・ウェザー』を使ってしまった副作用なのだが、はみはみは黙っていたのでこの異常気象の真相は闇に葬られるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

リムルと、はみはみは夏の照りつける暑さの中、麦わら帽子をかぶってスイカを食していた。

 

「うーん!うまい!」

「本当ですね!まさかスイカを食べられるとは!」

 

リムルと、はみはみがスイカの食レポをする中、リムルが席を立ち、ポンプ式井戸の所に行くと、地下水で冷やしたスイカやトマト、キュウリがあった。

 

「うおー!リムル様!感謝感激っす!」

「リムル様!美味しくって最高です!」

 

リムルは冷やしたスイカや野菜をゴブタ達にお裾分けしていた。

 

「だろ〜!やっぱ夏にこれは外せないよな!」

「そう言うもんなんすか?他には何があるんすか?」

「う〜ん。そうだな〜子供の頃は良く虫取りしたな!」

「えっ?スライムに子供の頃とかあるんすか?」

 

(前世の事を言ってるんだろうな…)

 

はみはみだけが1人納得している中、リムルは虫取りしていた虫を絵に描いていた。

 

それは、日本人には馴染みのあるカブトムシであった。しかし、それを見た、はみはみとゴブタは汗をかいた。

 

「これなら、この近くにもいるっすけど…」

「まじか!それなら虫取りに行こうぜ!」

 

それを聞いて、リムル以外の面々がどんよりした空気に包まれた。はみはみは生理的に無理と言うことで行かなかった。

 

彼女は知っている。この世界の虫の魔獣は巨大であると。それに、この世界由来の虫と蟲型魔獣(インセクト)と呼ばれる魔法耐性の高い虫がいる事を。彼女も一度だけ蟲型魔獣(インセクト)と戦った事があるが、苦戦したのを覚えていた。

 

その時の苦手意識と日本人からの虫嫌いが相まって虫には近づきたくないのだ。因みに、蟲型魔獣(インセクト)が人型を取れることを彼女は知らない。

 

その後、はみはみ抜きで虫取りに向かった彼らはカブトムシの強襲を受けたのだが、彼女には関係のない話である。

 

 

 

 

 

 

 

 

リムルの家の近くの庭にある木の陰でランガは落ち込んでいた。その様子をみかねて、シオンが事情を聴いてきた。

 

「どうしたのですランガ。そんな所で」

「いや、最近リムル様からお呼びがかからぬのだ。かつてはよく背に乗ってくれて…」

 

ランガは今までの日々を思い出す。

 

リムルを背に乗せて運んだ日々を

リムルを前脚で抱えてナデナデしたり

 

「ナデナデ…」

 

スライムボディをスリスリしたり

 

「スリスリ…」

 

リムルをペロペロしたのだ。

 

「ペロペロっ〜!」

 

シオンは余りの恥ずかしさに目を手で塞いだ。しかし、気になるのか指と指の間からランガを見ていた。

 

「私だってまだなのに!」

「ふん」

 

ランガは哀れなシオンを嘲笑う。だが、リムル様の不興を買ってしまったのではないかと思うと、シオンの事など、どうでもよかった。

 

「知りませんよ。この犬!どうせたてがみが暑苦しいとかの理由では?夏だし」

「四六時中馴れ馴れしい貴様の方が暑苦しいわ!」

 

両者ともに怒りのボルテージはMAX!ここに、両者が激突し、激しい砂ぼこりが舞った。

 

「第1秘書として側に控えるのは当然!」

「我も、従者としていつ如何なる時でも側に控えるのだ!」

 

こうして、両者はドッグファイトにもつれ込んだ。

 

「私だってスリスリ!」

「我が主に不埒なまねは!」

 

その光景はさながら熊に襲われている場面に似ていると、はみはみは思った。

 

…実際の所、熊よりも数段危険な妖獣であるランガと、人間が定めるところのAランクオーバーの鬼人(キジン)なのだが。

 

はみはみの後からこの光景を見ていたリムルは

 

(この暑いのに仲いいんだな…アイツら)

 

と思ったとか。だが、このじゃれ合い?が後の暴風大妖渦(カリュブディス)戦にて大きな戦果を残すのだが、この時は誰も知らないのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「おっ!いたいたベニマル!」

 

リムルはシオンに抱えられて洗濯物を干しているベニマルの元に来ていた。

 

「何ですか?また悪巧みじゃないですよね?」

「いやねぇ、こうも暑いと何もやる気が起きなくてな。もういっそ、この暑さを活かして我慢大会でも開こうと思ってな」

「その精神は凄いと思いますが、我慢大会とは?」

 

リムル曰く。我慢大会とは、炎天下で厚着をして、暖房を付け、その上で鍋を食うんだ。それで、最後まで耐え抜いた奴が勝ちだとの事だった。

 

参加を検討する者もいる中、ゴブタは目立ちたいが第六感が働いて出場を見送った。本人曰く嫌な予感がするとのこと。

 

「ベニマル!お前のようなつよい男は、暑さには負けないだろ?」

「ふむ。ならばここは、俺の我慢強さ(自然影響耐性)を見せてやりましょう」

 

自然影響への耐性があるのなら、暑くてもへっちゃらと言うのが、ベニマルの勝利への確信だった。

 

「最近出番が余りありませんでしたからね」

「煩いぞ、そこ!」

「だって、事実ですし』

 

シオンが毒舌を言う。そんな時だった。

 

「勿論その我慢大会。私も参加しますよ!」

 

その言葉にその場にいた者は凍りついた。その声の主は、はみはみだった。はみはみは『自然影響無効』を得ている。暑さなど問題にならないと言う圧倒的な自信があった。

 

シオンの言葉に腹が立ったベニマルは大見得を切った。シオンの事を『残念秘書』と呼んだ彼は、はみはみを脅威に感じつつも我慢大会に参加した。

 

結果…

 

 

    

 

 

 

 

 

全員が死にかけていた。口元から青紫の物体を出しながらコタツに倒れて込んでいた。唯一、はみはみだけが悶えているが、それ以外の参加者であるベニマル、ゲルド、ガビルは気絶している。

 

『おおっと!鍋の前に出場者1名を除いてダウンだ!』

「はみはみは兎も角として、ベニマルもダウンなんて!」

 

その様子を見ている者達は概ねリムルと同様の意見だった。シオンは「どうしたんでしょう?」とエプロンとお玉を持って言うが、どう見ても原因は明らかだった。ゴブタは数時間前の自分を褒めたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

リムルは執務室で、シオンとシュナに抱きつかれていた。彼女らはリムルのスライムボディにスリスリしたいがために、熾烈な争奪戦を繰り広げていたのだ。

 

その場はなんとかリムルが仲裁して、リムルが二人に抱きつかれる形で決着がついた。

 

しかし、その場には居ないはずのもう一人がいた。

 

はみはみである。

 

彼女ら3人はリムルに抱きついて心地良い気分を享受していた。この状態にリムルは満更でもなかった。何故なら、可愛い子達のマスコットになっていたからだ。

 

リムルはいい気分でいたのだが、シュナとシオン、はみはみが言った。

 

「あれ?」

「リムル様。もう少し冷たくなりませんか?」

「リムル。ヒンヤリしなくなったぞ」

 

この言葉で、リムルは自分がマスコットではなくヒンヤリ水枕として重宝されている事実に少し凹んだ。

 

と言うか、はみはみは『自然影響無効』があるからヒンヤリする必要はないのだが、本人曰く

 

「人間は手触りの良いものを好む傾向がある。それは、聖人になっても変わらないよ」

 

とのことであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい。テンペストブルー2つ」

 

そう言って手渡されたのは涼し気な雰囲気を持つ、ドリンクだった。ここは、スナック樹羅。トレイニーさんがママさんを務めるお店だ。

 

リムルと、はみはみはこの店に訪れていた。ドリンクを口にすると口に冷たく甘い味が広がる。トレイニーさん曰く、「アルコールの代わりに涼し気なハーブを入れた」との事であった。

 

リムルと、はみはみはお子様ではないのだが、リムルはまだしも、自分までお子様と見られるのは不服だと、はみはみ、は思った。

 

「涼し気で猛暑の今年にはぴったりだね」

「確かに、今年の夏は暑いです。しかし、長い目で見ると揺らぎのような物です。ゆりはじめか、揺り戻しか。その違いです」

 

(どうやらトレイニーさんにも私の仕業だとはバレて無いようですね)

 

はみはみは『コントロール・オブ・ウェザー』の副作用による猛暑である事を隠しているが皆にはバレておらず、森の管理者であるトレイニーさんにもバレていないので、心の内で安堵した。

 

「リムル様のお力添えでこの森は変わりつつあります。町の皆さんもその変化に対応しています。きっと上手くいきますよ。はみはみ殿にも皆さん優しく接してますから」

「ありがとう。トレイニーさん」

「私からもリムルと、トレイニーさんにはありがとう。と言わせてください」

「お客さんの心をほぐすのもスナック樹羅の役割ですから」

 

そんな会話をしていると、入口のドアが開き、カイジン達が入店した。

 

「予期せぬと言えば、ここはトレイニーさんの店じゃありませんよね?」

「あらあら」

「店名もゴブリナの予定だったし」

「皆さん対応してますよ」

 

はみはみは、トレイニーの事を『コイツ!分かった上でしらを切っている!』と内心思った。

 

 

 

 

 

 

 

「リムル様!こんな所にいたんすか?蛍が群れで来てるんすよ!」

「ゴブタ君。お静かに…」

「あんな群れ、二度と見れないかもしれないっすよ!早く行くっすよ!」

「じゃあ、私も行こうかな」

 

ゴブタはリムルの腕を引っ張る。はみはみはその後をついていく。

 

「いってらっしゃいませ」

「ごめん。また来るよ」

 

そう言って、3人は蛍を見にスナック樹羅を後にした。

 

町の皆が巨大な池に集まる蛍を見に集まっていた。シオンも来ている。

 

皆はこの幻想的な景色を眺めているのだった。

 

 

 

 

 

 






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