プロセカ世界にログインできたけど、デイリーミッションが人間関係。   作:七瀬ぴの

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最後に陽菜のメタ発言があります...。十分注意を...。


第八話 今日が私の命日

「……ただいまー……」

返事は、ない。

そりゃそうだ。

この世界に“家族”なんて設定、あるわけないもんな……。

でも、靴を脱いで上がる瞬間、

ほんの少し“生活の匂い”がするのが不思議だ。

テーブルの上にはメモ。

『ようこそ、転生者さんへ。冷蔵庫にカレーあるよ 』

「……だ、誰の優しさ!?」

ひとりツッコミを入れながら、制服の上着を脱ぐ。

鞄を置いて、ベッドにダイブ。

「……はぁ。まじで今日、濃かったなぁ……」

一歌ちゃんの歌。

杏の笑顔。

冬弥の、ちょっと意地悪な優しさ。

そして――神高の空気。

「……てか、ここ、ほんとにプロセカの世界なのかな?」

起き上がって、机の上のスマホを手に取る。

ホーム画面、普通。

アプリも、SNSもある。

けど――

「……“プロジェクトセカイ カラフルステージ!”」

そう呟きながら検索バーを打ち込む。

……結果なし。

「え、ないの!? プロセカできない世界!?

そんな悲しいことある!?」

叫んだあと、枕に顔を埋めてジタバタする。

「うそ……、この世界、推しを“プレイできない”ってこと……?」

ふと、天井を見上げる。

「いや、待って。

推しに……会ってるんだった。」

言葉にして、静かになる。

まるで、スマホの代わりに“世界”そのものがアプリになったみたいだ。

「……つまり、今の私は、ログイン中……ってこと?」

そう呟いた瞬間、

枕元のスマホがかすかに震えた。

【MISSION更新:明日、“笑顔”をひとつ増やそう】

「……えっ、なにこれ……」

スマホの画面には、

ログインボーナスでも、通知でもない、

“見覚えのあるデザイン”。

けれど、どこにも“ログアウト”の文字はなかった。

陽菜はしばらくその画面を見つめて――

そっと微笑んだ。

「……ま、いいか。

どうせなら、フルコンボ目指そ。」

「……フルコンボ目指そ、ね」

そう言って、スマホを握ったまま眠りに落ちた夜。

部屋の明かりは消えて、カーテンの隙間から月の光が差し込む。

どこかで、ピエロの鈴が小さく鳴った。

チリン――。

「……え?」

目を開けると、そこは――

見渡す限りのメリーゴーランド。

光の粒が宙を舞い、空に浮かぶ観覧車がゆっくり回っている。

風に乗って、楽しげな音楽が流れてくる。

「な、なにここ!? 遊園地!?」

目の前に現れた看板にはこう書かれていた。

 《Welcome to the Wonderlands×Showtime!》

 ~今日も最高にハッピーで、最高にカオス!~

「……え? え? まさか――!?」

そう叫ぶより早く、背後から勢いよく声が飛んできた。

「いらっしゃいませぇぇぇぇぇぇ!!」

「ひっ!?」

振り返ると、ピンク髪の少女――鳳えむが満面の笑顔で飛び出してきた。

「きみ、もしかして新しいお客さん!? それとも新メンバー!? それともただの迷子!?」

「み、迷子寄りですぅ!!」

「えへへ~、じゃあ安心してね! ここは楽しい場所だよっ!」

その後ろから、落ち着いた声が響く。

「えむ、いきなり大声出すから驚かせてるじゃないか」

「あっ、司くんだっ!」

「天馬司、登場!!」

ドヤ顔でポーズを決める司。

背後でキラキラ光るエフェクト。

「……本物だぁぁぁぁぁ!!!」

陽菜は叫びながら、スマホを探した。

「スクショ撮らなきゃ!?どこ!?スマホ!?」

司「ん? 何を探している? まさか貴様、取材か!?」

陽菜「ちがう! ただのオタクです!!」

「お、おたく……? なんと! この私に憧れる者か!」

「あ、憧れてます!」

「よし、ならば我がショーの一員として歓迎しよう!」

司が手を差し出した瞬間――

「……司、また勝手にスカウトしてるの?」

今度は冷静な声。

振り向くと、紫髪の男――神代類が、観覧車の上から逆さまにぶら下がっていた。

「あああ!? 類くん!?!?!? ほんものの類くん!??!?!?」

陽菜のテンションが爆発する。

「類くん、あなたのオタクです!! リアルガチで尊敬してます!!」

「へぇ。面白い子だね。じゃあ……ショーのネタに使ってもいい?」

「ちょ、ちょっと!? やめてくださいぃぃぃ!!!」

その横で、寧々が無表情でクスッと笑う。

「……類、また変な子見つけたの?」

「変な子じゃないです! ただの転生者です!!」

「転生者!?」

「ええ!?」

「ほう……」

三人の声が重なり、えむが目を輝かせる。

「じゃあさ! 転生者さんもショーに出ようよっ!」

「で、出る!?!?!?!?」

「うんっ! “転生少女、空から降ってきた!”ってタイトルで!」

「いや、事故のトラウマ!!」

「……うん、決まりだね」

類がパチンと指を鳴らすと、光が弾けた。

目の前に、ステージが出現する。

「ちょ、ちょっと待って!? 心の準備が――」

「大丈夫! ショーは勢いだよっ!!」

司「さぁ! 新たな仲間と共に――!」

四人「ワンダーランズ×ショウタイム!!」

拍手と光が爆発した瞬間、

陽菜の心臓はドキドキしすぎて、まるでステージの一部になったみたいだった。

【MISSION進行中:ワンダショの“笑顔”をフルコンせよ!】

「……え? 本当に出るの、私?」

舞台袖。

ワンダショの衣装を着せられた陽菜は、

鏡の前で完全に固まっていた。

フリル、リボン、そして……

背中に謎のプロペラ。

「えむちゃん、これなに!?」

「あははっ! 飛べる気持ちになれるでしょっ!」

「飛ぶのは気持ちだけで十分ですぅ!!」

類はその隣で、静かにメモを取っていた。

「……いいね。恐怖と羞恥の混ざった表情。

この表情、観客ウケすると思うよ」

「分析しないで!?!?!?」

司「フッ、さすが類! 新入りの魅力を即座に見抜くとは!」

陽菜「いや見抜かないでぇぇ!!」

(なんなのこの人たち……)

そう思いながらも、なぜか笑いが止まらない。

夢なのに、あたたかくて、

本当に“この世界の人たち”と話してる気がする。

類が、ふと静かに言った。

「……君、転生してきたんだっけ?」

「う、うん。たぶん……」

「じゃあ、前の世界の君は、どんな顔で笑ってた?」

「え……?」

一瞬、空気が変わる。

さっきまでのカラフルな喧騒が、少しだけ静まって。

私は困ったように笑った。

「……あんまり、笑わなかったかも」

「そっか」

類が手を伸ばして、陽菜のほっぺを指でツンと押す。

「じゃあ、ここで覚えなよ。笑顔の作り方を」

「な、なにそれ……」

「演技の基本だよ」

類がふわっと笑う。

月明かりみたいに優しい笑顔。

陽菜の心臓が、少しだけ跳ねた。

「……あの、類くん。ちょっと、近い……」

「あ、ごめん。興味があって」

「どんな興味!?!?」

「“転生者”の頬の温度って、どんなものかなって」

「変態科学者じゃん!!」

そのツッコミを皮切りに、えむがドアを開けて叫ぶ。

「はいはーい! 本番いくよー!!」

司「よし! 見せてやろう! 我らがワンダショの輝きを!」

寧々「……というか陽菜、まだ震えてるけど大丈夫?」

「だ、大丈夫じゃないですっ!!」

類がマイクを陽菜に渡す。

「安心して。失敗しても、それもショーの一部だから」

「……優しいのかドSなのか分かんない!」

「ふふ、褒め言葉として受け取っておくよ」

ステージの照明が、ぱっと点く。

「さぁ――“転生少女のワンダーショー”、開幕だ!」

光の渦の中、陽菜は震える手でマイクを握りしめた。

けれど、ほんの少しだけ。

彼の指先のぬくもりが、

背中を押してくれた気がした。

【MISSION更新:類と一緒に“笑顔”を生み出そう】

ステージの幕がゆっくり上がる。

眩しいライトの向こうに、観客の笑顔が広がっていた。

「ひぃぃ……っ、無理無理無理、無理ですってぇぇぇ!!」

陽菜は袖の中で半泣き。

「落ち着いて、陽菜ちゃん! 大丈夫大丈夫!」

えむが背中をポンポン叩く。

司は胸を張って宣言した。

「主役の不安を吹き飛ばすのが、我らワンダショの使命だ!!」

「陽菜くん、深呼吸」

その声だけで、喧騒が一瞬、止まる。

「……うん」

「怖いなら、僕を見て」

「え……?」

類の瞳がライトを反射して、

ほんの一瞬、金色に光った気がした。

「君の笑顔を、ここで完成させよう」

その言葉に、胸がギュッと締め付けられる。

(なにそれ……ずるい……)

えむ「はーい! ショー、スタートっ!!」

 ♪~ド派手な音楽が流れ、紙吹雪が宙を舞う。

司「レディース&ジェントルメーン!!」

寧々「今日の主役は――転生してきた不思議少女!」

えむ「名前は……」

「あ、あやせ、ひなですぅぅぅ!!!」

会場がざわっとして、どっと笑いが起こる。

「いい反応だね」

類が横で小さく笑った。

「ねぇ、これ完全に公開処刑なんだけど!?」

「大丈夫。笑いは成功の第一歩だよ」

「ポジティブすぎるぅぅぅ!!」

だ、BGMが止まった瞬間。

「類が一歩、前に出た。

「――ねぇ、陽菜くん。君に歌ってほしい曲があるんだ」

「え!? そんな打ち合わせしてない!!」

「アドリブだよ。君の本音を、そのまま歌えばいい」

司「出たっ! 類の無茶ぶり!!」

えむ「えへへ~、でも絶対面白くなるよっ!」

寧々「……(呆れ半分、期待半分)」

「ム、無理だって! 私、歌なんて――」

「できるよ。だって、僕が伴奏するから」

(類くん!?類くんって伴奏できるん?司くんじゃね?そこは...。ま、いっか。推しが伴奏をしてくれるというありがたき時間...。しっかりてぇてぇさせてもらいますわ。)

類が軽く手を鳴らすと、ピアノが宙に現れる。

光の鍵盤。指先が触れるたび、星屑みたいな音が響いた。

私はマイクを握る。

(どうしよう……声が出ない……)

でも、類がこっちを見て笑った。

「君の“音”を、聞かせて」

その笑顔を見た瞬間、

胸の奥に溜まってた言葉が溢れた。

「――ありがとう」

音が走る。

歌が生まれる。

陽菜「♪光、未来、相のうた 追う

   迂回 出逢い ハジメマシテ 問うからね またね 

   舞台の裏 添う 続いてく未知の♪」

いつの間にか、観客の笑い声が消えていた。

代わりに、手拍子。

 もっと熱く!!

「走り出す未来のすぐそばで 夢にまみれて今を抱く

信号 踏切 いつでも

音楽は もう、止まらない

 

 

あの笑顔もナミダも君のうた

まだ、歌えるよ

青空の下で この夏を再生

聴いてよ こんなうた どう?

無題 デモ ワンフレーズの衝動

じゃあ、またね 1秒後に会おう

終わらない未知で─」

類のピアノ(謎)が優しく重なって、

二人の世界だけがステージに浮かび上がる。

司「……なんか、今日の類、優しい顔してるな」

寧々「ふーん……。珍しいね」

曲の最後 私の声が震えた。

けど――類が横から囁く。

「大丈夫。音は途切れても、想いは続く」

その瞬間、私の涙が光の粒に変わって、舞い上がった。

拍手。

光。

夢の中で、彼女は初めて“フルコン”した。

類「……ほら。君、ちゃんと笑えたじゃないか」

陽菜「……うん。でもずるいよ、そんな顔で言うの」

「どんな顔?」

「……惚れそうになる顔」

類が、少しだけ目を丸くして。

それから、照れ隠しみたいに笑った。

「それは、想定外だったな」

「……私も」

ステージの照明が落ちる。

二人の手だけが、ほんの一瞬、触れ合った。

【MISSION達成:笑顔のフルコンボ】

【BONUS:心拍数+120%】

(最高すぎる...。今日が私の命日。ってこれ夢なんだよね?設定上でそうされちゃったけど...本当ならいいな...。あと夢でもショーをするのか...私。)

ワンダショのストーリーは主人公の人柄上多いんですが他に多めに書いてほしいっていうユニットってありますか?

  • レオ二
  • モモジャン
  • ビビバス
  • ニーゴ
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