桜の姫がターフを駆けた軌跡   作:夜刀神 闇

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章管理ってものを忘れてた(今更)


感想ありがとうございます!!!

お気に入り登録が!嬉しすぎて……(;;)

これからもよろしくお願いします!!!




あっ、今更なんですけど、2020年ってたしかコロナのせいで無観客で競馬開催してたんですよね。
それはあまりにも寂しすぎるのだろ!?ってことで観客ありにしてます。許して(>︿<。)


第8話 1歩、抜け出して

 

 

ファンファーレが、札幌の空に響き渡る。

 

 

 

スタンドは、満員。

 

いや、満員以上だ。

 

 

「すごい人だな……」

 

「GIIIなのに、GI並みじゃね?」

 

「白毛二頭が見たくて、みんな来たんだろうな」

 

 

 

普段の札幌2歳Sの1.5倍の入場者数。

 

スタンドも、通路さえも人で埋め尽くされている。

 

 

全ては……

 

 

白毛の2頭を、見るために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「スタートしました!!札幌2歳ステークス!!」

 

 

 

 

 

私は、反射的に飛び出した。

 

周りの馬たちも、一斉にスタート。

 

蹄が地面を叩く音が、重なる。

 

 

「スタート良く飛び出したのは内から、ピンクカメハメハ!」

 

 

最内枠のピンクカメハメハが、ハナを切った。

 

 

「2番手にバスラットレオン!坂本騎手が好位を確保!3番手にウイングリュックと続きます」

 

 

栗東の強豪、バスラットレオンが2番手。

 

前が、埋まっていく。

 

 

たけしが、手綱を操作する。

 

「無理に行くなよ、ヒメ」

 

 

私は、少し力を抜いた。

 

……ごめんね、気が乗っちゃってついつい掛かる癖が。

 

 

そうだね。

 

焦る必要はない。

 

まだ、スタートしたばかりだもんね。

 

 

「サクラノヒメは中団やや後方!横川騎手、落ち着いて進めます!」

 

 

周りを見る。

 

前方には、ピンクカメハメハ、バスラットレオン。

 

右側には……

 

 

「そして外からソダシ!好位の直後につけます!」

 

 

ソダシが、いた。

 

白い馬体が、陽の光を反射してキラキラと輝いている。

 

私も、白い。

 

2頭の白毛が、札幌の芝を駆ける。

 

 

「白毛の二頭、サクラノヒメとソダシ、ともに中団!これは中々に絵になりますねぇ!実況席からも、その白さがはっきりと見えます!美しい光景です!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

各地の反応

 

WINS汐留

 

「おお、スタートした!」

 

「白毛二頭、映ってる!」

 

「綺麗だなぁ……」

 

 

 

WINS難波

 

「スタートしたで!」

 

「白いの2頭おるやん!」

 

「頑張れー!」

 

 

 

ネット配信

 

コメント欄:

- きたああああ

- 白毛!!

- 二頭とも見える

- 綺麗

- 頑張れ!!

 

 

 

Twitter

 

全国のタイムラインが一斉に動いていた。

 

- スタートした

- 白毛二頭映ってる

- 美しい

- 頑張れサクラノヒメ

- ソダシも頑張れ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コーナーを回る。

 

 

 

「1コーナー!先頭はピンクカメハメハ!2番手バスラットレオン、3番手ウイングリュック!そしてソダシが4番手、好位につけています!」

 

 

ソダシの位置が、良い。

 

私は、もう少し後ろ。

 

でも、焦らない。

 

たけしが、私のリズムを大事にしてくれている。

 

 

「いいぞ、ヒメ。この位置で我慢だ」

 

 

バックストレッチに入る。

 

 

「1000m通過、59秒2!これは速いペースです!例年の札幌2歳ステークスと比べて、今年は1秒以上速いぞ!」

 

速い。

確かに、速い。

 

前の馬たちが、必死に走っている。

 

 

でも……

 

 

私は、まだ余裕がある。

 

呼吸も整ってる。脚も、軽い。

 

……このペースなら、大丈夫。

 

 

「サクラノヒメは中団!横川騎手、じっくりと脚を溜めています!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

各地の反応

 

 

 

WINS汐留

 

「ペース速ぇな」

 

「前、持つかな?」

 

「サクラノヒメ後方だぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

WINS難波

 

「速いペースやなぁ」

 

「ソダシ、ええ位置おるで」

 

「サクラノヒメはちょっと後ろか」

 

 

 

ネット配信

 

コメント欄:

- ペース速い

- 前厳しそう

- ソダシ好位

- サクラノヒメ溜めてる

- どうなる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さあ、3コーナー!先頭はまだピンクカメハメハだが一杯になったか?後続が迫ってきました!」

 

 

前方で、動きがあった。

 

 

「おっと、ソダシが動いた!ソダシが動いたぞ!鞍上、早めに仕掛けます!」

 

 

ソダシが、加速した。

 

白い馬体が、ぐんぐん前に出ていく。

 

 

「ソダシ、3番手から2番手へ上がった!その後ろからユーバーレーベンが続く!しかしその外から虎視眈々ともうひとつの白い影が迫るぞ!」

 

 

速い。

 

もう1頭の、白毛馬ソダシ。

 

たけしも、それに気づいた。

 

 

「……来たか」

 

 

彼が、手綱を動かす。

 

 

「ヒメ、行くぞ!!!」

 

 

私も、加速する。

 

脚が、地面を蹴る。

 

風が、顔を叩く。

 

 

もっと速く。

 

 

 

……もっと前へ!!!

 

 

「サクラノヒメ動いた、動いた!外から一気に押し上げていきます!」

 

 

そして、馬群が、4コーナーへ差し掛かった。

 

 

「4コーナー!白い馬体ソダシが迫ってくる!」

 

 

ソダシが、バスラットレオンと並ぶ。

 

そして……

 

抜いた。

 

 

「ソダシ、先頭!!」

 

 

白い馬体が、先頭を走る。

 

 

その姿が……

 

 

眩しかった。

 

でも、負けない。

 

私も、まだ追い上げる。

 

 

 

「サクラノヒメも伸びてくる!中団から一気に押し上げて、今5番手!」

 

 

 

4番手、3番手……

 

 

 

どんどん、前の馬を捉えていく。

 

 

 

「その後ろからはユーバーレーベン!小崎騎手、猛然と追い込んできます!前をとらえたか!?」

 

 

ユーバーレーベンも、来る。

 

間違いなく強豪だ。一筋縄じゃいかない相手だ。

 

競走馬の中でも上澄みの中にいるんだろう。

 

 

でも……

 

 

 

「さぁ4コーナーから最後の直線コースに向かってくる!」

 

 

 

 

 

 

 

……視界が、開けた。

 

 

 

ゴールまで、266m。

 

札幌の直線は短い。

 

 

「さぁ、白い馬体のソダシが先頭か!白い馬体のソダシが先頭か!?内のほうでバスラットレオン粘っている!バスラットレオンも粘っている!」

 

 

ソダシが、先頭を走っている。

 

……その背中を、私は追いかける。

 

 

「2頭の競り合いになるか!?2頭の競り合いになるのか!?……いや、2番人気サクラノヒメが猛然と追い込んでくるぞ!!!」

「そしてその外からユーバーレーベン!!ユーバーレーベンも上がってくるが!!」

 

 

もっと、速く。

 

 

もっと、前へ!!!

 

 

 

全身の力を、脚に込める。

 

 

 

 

 

 

残り100m。

 

 

 

前には……

 

ソダシ。白い背中。

 

あと少し。

 

あと少しで、届く。

 

 

 

「先頭はソダシ!!抜け出したのは白い馬体ソダシだ!白い馬体が抜け出した!しかし、もう1頭の白毛馬サクラノヒメが迫る!!白毛対決が実現しているぞ札幌競馬場!!」

 

 

全力で、蹴り出す。

 

……届け。

 

届いてくれ。

 

 

この脚が、動く限り……!!

 

 

 

「ソダシ!サクラノヒメ!並んだ、並んだ!外からユーバーレーベン、ユーバーレーベンも迫ってくるが?!……ソダシとサクラノヒメ!ユーバーレーベンか!?」

 

 

並んだ。

 

一瞬、ソダシと目が合った。

 

お互いに、全力だ。

 

体中に血が駆け巡る感覚。

 

心臓が激しく鳴る。

 

自分が、競馬史に、その一員として走ってるんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あぁ、なんて()()()()()んだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゴオオオオオォォォルッ!!!」

 

 

 

実況が、叫んだ。

 

 

「勝ったのは、9番の、サクラノヒメ!!!」

 

 

 

 

 

「白毛の牝馬、サクラノヒメが札幌2歳ステークスを制しました!!」

 

「そして2着に、もう1頭の白毛、ソダシ!!」

 

「白毛ワンツー!!しかも、3着にユーバーレーベン!牝馬ワンツースリー!歴史的瞬間です!!!」

 

 

スタンドが、爆発した。

 

 

「うおおおおおっ!!!」

 

 

拍手、歓声、叫び声。

 

 

全てが、混ざり合って、巨大な音の渦になる。

 

 

「これは……これは凄いですね!!JRAの重賞で、白毛がワンツーフィニッシュ!!」

 

「……しかも、レコード!!!レコードタイム!!!レコードの赤い文字ッ!!!1分48秒2の勝ち時計です!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

各地の反応

 

 

WINS汐留

 

「うおおおおっ!!」

 

「白毛ワンツー!!」

 

「すげぇ!!歴史的だ!!」

 

「俺、白毛2頭の馬連買ってた!!」

 

「当たったのかよ!!?」

 

 

 

WINS難波

 

「ぎゃあああああ!!」

 

「白毛2頭や!!」

 

「ワンツー決めたで!!」

 

「めっちゃ綺麗やった!!」

 

「泣けるわ!!」

 

 

 

 

ネット配信

 

視聴者数:32,156人

 

コメント欄:

- キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

- 白毛ワンツー!!!!

- 泣いた

- 歴史的瞬間

- 鳥肌

- すごい

- 感動

- ありがとう

- 美しすぎる

- 保存した

- 一生忘れない

 

 

 

 

 

 

 

 

私は、ゆっくりと速度を落とした。

 

 

 

……勝った。

 

 

ソダシに、勝ったんだ。

 

その喜びが、体中を駆け巡る。

 

スタンドから、祝福の声が響き渡っていた。

 

……嬉しい、物凄く!

 

 

 

「ブルルルッ!(やった、やったよ!たけし!!!)」

 

 

チラッと鞍上を見ると、たけしがとても嬉しそうな顔をして、私の首を叩いてスタンドに向かってガッツポーズをしていた。

 

たけし、たけし、たけし。横川武司。あなたに贈る重賞勝利。

 

今までに獲った重賞のなかでも、私と走ったこのレースが特別なものだったらすっごく嬉しいな。

 

……きっと、そうだよね。

 

 

絶対に絶対にGIを勝って、たけしをGIジョッキーにしてあげるよ。

 

 

その時まで、待っててね。

 

 

 

 

 

 

 

 

……そして私は、ウイニングランをしていた。

 

スタンド前を走る。観客の顔が見える。

 

白毛の私とソダシを見る、歓喜に満ちた顔。

 

これがGIIIだなんて、信じられないくらいの歓喜と祝福の嵐。

 

 

 

全力で走った。

 

全力で競い合った。

 

そして、ソダシも、ユーバーレーベンも、みんなも、全力だった。

 

 

だから……

 

本当に本当に、いいレースだった。

 

きっと今の私は、白く陽の光を浴びて輝いているんだろう。

 

きっと綺麗なんだろう。自分の体を見れないのが惜しいくらいだ。

 

 

みんな、強い。強かった。重賞に出るくらいなんだから、強くないわけが無い。

 

少しでも気を抜けば、順位が変わっていたくらいだろう。

 

 

 

 

 

 

…………誇らしい。尊敬する。

 

同じ白毛として、競ったソダシを。

 

最後まで追いすがってきた、ユーバーレーベンを。

 

内で粘っていた、バスラットレオンを。

 

 

 

私に乗ってくれた、たけしを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「改めまして、勝ったのは9番サクラノヒメ!!」

 

「そして2着にソダシ!!」

 

「3着はユーバーレーベン!!」

 

 

検量室に行くと、田中さんが待っていた。

 

 

「ヒメ!!」

 

 

彼が、駆け寄ってきた。

 

 

「すごかったぞ!!レコード勝ちなんだって!!」

 

 

その顔は、涙でぐしゃぐしゃだった。

 

 

「お前、本当に……本当にすごかったよ……」

 

 

田中さんが、私の首を抱きしめた。鼻先にキス。

 

あっ、ちょっと。馬になって初キッスが田中さん!?

 

恥ずかしいなあもう……

 

 

でもその温かさが、心に染みた。

 

そこに、調教師の水野さんが駆け寄ってくる。

 

 

「サクラノヒメ、本当によくやった!!」

 

 

その声は、喜びに満ちていた。

 

抑えられないほどに。

 

 

「牡馬混合で、ソダシと、他の牡馬たちと互角に、それ以上に戦った」

 

「……本当に、お前はうちの厩舎の誇りだ!」

 

 

 

たけしが、私の鞍を外しながら言った。

 

 

「……ヒメ、レコード勝ちですよ水野さん」

 

 

水野調教師が、頷く。

 

 

「ああ、分かってる」

 

 

彼が、私の目を見つめた。

 

 

「レコード勝ちで、初めての洋芝で慣れないはずなのに……ここまでの成績を収めるなんて。本当に、どこまでいってくれるんだろうな」

 

 

……どこまで?

 

そんなの、気にしないもん。

 

出るレース、全部勝つだけ。それだけだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネットの反応

 

 

Twitter

 

 

@keiba_fan_123

泣いた

白毛二頭がワンツーとか

こんな美しいレース、初めて見た

ヒメちゃんおめでとう

ソダシもありがとう

#札幌2歳S

 

RT:28,456 いいね:94,231

 

 

 

@uma_love_45

直線で並んだ瞬間、鳥肌立った

白毛二頭が全力で競り合う姿

一生忘れない

#白毛ワンツー

 

RT:15,234 いいね:67,892

 

 

 

@keiba_veteran

競馬歴30年

今日のレースは、ベスト10に入る

白毛の時代が来た

ソダシもサクラノヒメも、これからだ

#札幌2歳S

 

RT:9,876 いいね:45,123

 

 

 

@sapporo_fan

現地で見れて良かった

スタンドの歓声、凄かった

GIIIとは思えない盛り上がり

白毛の力、すごい

#札幌競馬場 #白毛対決

 

RT:6,543 いいね:32,109

 

 

 

 

 

 

 

競馬板

 

【白毛ワンツー】札幌2歳Sを振り返って Part.1

 

1 名無しさん@実況厳禁

歴史的瞬間を見た

 

2 名無しさん@実況厳禁

>>1

 

泣いたよマジで

 

3 名無しさん@実況厳禁

白毛ワンツーとか

こんなん一生に一度だろ

 

4 名無しさん@実況厳禁

サクラノヒメ強すぎワロタ

 

5 名無しさん@実況厳禁

ソダシもめっちゃ良かった

 

6 名無しさん@実況厳禁

直線で並んだ瞬間

鳥肌立ったわ

 

7 名無しさん@実況厳禁

白毛馬連当たった!!

配当そこそこだったけど嬉しい!!

 

8 名無しさん@実況厳禁

>>7

おめでとう

浪漫馬券が的中とか最高じゃん

 

9 名無しさん@実況厳禁

ソダシはクラシック行くのか?

 

10 名無しさん@実況厳禁

>>9

桜花賞確定だろうな

 

11 名無しさん@実況厳禁

サクラノヒメは?

 

12 名無しさん@実況厳禁

>>11

前言ってたし、牡馬路線じゃないの?

 

13 名無しさん@実況厳禁

牡馬クラシック挑戦あるか?

 

14 名無しさん@実況厳禁

>>13

今日の走り見たら可能性ふつーにあるだろ

 

15 名無しさん@実況厳禁

白毛の時代、マジで来たな

 

 

 

 

 

 

 

ジョッキーインタビューにて。

 

 

 

──レコード優勝、おめでとうございます。今の率直なお気持ちは。

 

 

「ありがとうございます。馬が本当に頑張ってくれました。まだ幼いところもあるんですけど、最後までしっかり伸びてくれましたね。正直、僕は乗せてもらっているだけという感じです」

 

 

──白毛同士の注目対決となりました。

 

 

「レース前から注目されていましたし、プレッシャーが無かったと言えば嘘になります。でも、ヒメは返し馬からすごく落ち着いていて、良い雰囲気でした。力は出せると思っていました」

 

 

──抜け出してからは同じ白毛馬ソダシとの叩き合いになりましたが。

 

 

「手応えはとても良かったです。抜け出してからも反応が良くて。これからもっと力を付けていけば、長いところもこなせると思います」

 

 

──今後は牡馬クラシック路線も視野にという話があります。

 

 

「まだ2歳ですし、無理はさせたくないですけど、夢のある馬ですからね。大きなレースに乗せてもらえるなら嬉しいですし、牝馬なんて枠に収まらないと正直思ってますよ。そこに向けて一緒に成長していければ良いなと思います」

 

 

──ファンへ向けて一言お願いします。

 

 

「応援してくださる皆さんに勝利を届けられて良かったです。これからもサクラノヒメを温かく見守っていただけたら嬉しいです。ありがとうございました!!!」

 

 

 

 

 

 

 

須会調教師のインタビュー

 

 

レース後、須会調教師がインタビューに応えていた。

 

 

「2着でしたが、いかがでしたか?」

 

「素晴らしい走りでした。サクラノヒメが強かった。それだけです。」

 

「……しかしですね、ウチも負けてませんから。もし次に同じレースに出ることがあれば、勝ってみせますよ」

 

 

 

 

その一方で、水野調教師もインタビューに応えていた。

 

 

 

「サクラノヒメ、白毛としての初重賞制覇、歴史的快挙!本当におめでとうございます!」

 

「……ありがとうございます。本当によく走ってくれましたから。洋芝にも適応してくれて、良かったと思ってます」

 

「今後の方針をお聞かせ願えますか?」

 

「……まだ、決めていません。ただ、この馬はまだまだ強くなります」

 

「牡馬クラシックへの挑戦は?」

 

「検討している最中です。ただ、今日の走りを見て……この馬なら、やれると確信しました」

 

 

その言葉が、ネット上でまた話題になっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……夜の厩舎で。

 

 

 

私は、札幌の厩舎で横たわっていた。

 

 

 

体は疲れている。

 

ソダシと競った時の、あの感覚。

 

心は満たされていた。

 

 

全力で走った。

 

 

史上初!だのなんだの、ネットで騒がれてるんだろうな。きっとそうだ。

 

 

でも……たくさんの人が、見てくれた。

 

応援してくれた。

 

みんなが喜んでくれた。

 

……たけしが、喜んでくれた。

 

 

 

 

 

そうしていると、田中さんが、最後にもう一度馬房に来てくれた。

 

 

「ヒメ、本当にお疲れ様」

 

 

その声が、優しかった。

 

 

「明日、美浦に帰るからな。ゆっくり休めよ」

 

 

私は、小さく鼻を鳴らした。

 

ありがとう、田中さん。

 

窓の外を見ると、星が輝いていた。

 

 

札幌の夜空。

 

 

「ヒヒィン……(綺麗だなあ……)」

 

 

今日、ここで走れて……

 

良かった。

 

 

……これから、どうなるんだろう。

 

牡馬クラシック。

 

その言葉が、頭の中で響いている。

 

もし、本当に挑戦するなら……

 

 

 

……本当に私は、どこまでいけるんだろう。

 

 

 

 

 

目を閉じる。

 

明日から、また新しい日々が始まる。

 

でも今は……ただ、眠ろう。今日の疲れを、癒そう。

 

札幌2歳ステークスでの、白毛ワンツー。

 

歴史に残る、一日だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<スポーツ紙・2020年9月某日>

 

白毛の革命か!サクラノヒメ、札幌2歳Sで衝撃レコードV

 

横川武司が導いた白い怪物

牡馬クラシック路線も照準に!?

────────────────────

 

白毛が時代を変える。

2020年の札幌2歳ステークス(芝1800メートル、GIII)を勝ったのは、白毛の牝馬サクラノヒメ(牝2=美浦・水野厩舎)。鞍上の横川武司騎手が落ち着いた手綱さばきで好位から鋭く抜け出すと、最後は同じ白毛のスター候補ソダシとの壮絶な叩き合いを制し、堂々のゴールイン。

勝ち時計はレコードとなる1分48秒2。

札幌競馬場がどよめきに包まれた。

 

2着は一度は抜け出したソダシ。白毛女王候補の称号は譲ったが、力は見せた。3着には差し脚光るユーバーレーベンが続いた。

 

横川武司騎手は満面の笑み。

「手応えはずっと抜群でした。ポテンシャルはとんでもない馬ですよ。白毛だから、牝馬だからと侮らないでほしい。クラシック級の馬ですよ」

 

厩舎サイドは早くも大きな夢を見据える。

育成担当の佐藤助手は熱っぽい口調で語った。

「牝馬だけど馬体の成長力が凄い。もう500kg越してますし。牡馬クラシック路線も視野に入れたい。ダービー?もちろん挑めるものなら挑みたいですよ」

 

異色の毛に、異次元の才能。

「白毛はロマン」の言葉すら追い越す勢いで、サクラノヒメは歴史の扉を蹴破った。

桜の季節か、それとも初夏の府中か。

次なる舞台でも、白毛の躍進は止まらない。




最後の新聞は9月某日に発行されていたものでしょうね。
史実通りにある程度進めてます。
須〇さんの話し方とか、インタビューの感じとかあれで合ってんのかな(汗)

ヒメちゃん白毛として初重賞勝利してくれましたね!

たしかあの時点で鞍上は重賞何勝かしてるはずなのでそういう風に書いてみました。

馬どうしの会話、レース中難しいですね。ヘタに入れるくらいなら仕草とかで終わらせた方が良さそうなのでそういう感じにしてます。

愛が溢れてる?溢れさせてるのだ!!脳焼き?脳焼き!そういうの大好きです!

ウマ娘の姿とウッマの姿もちょっとアナログで描いてみてます少々お待ちを……

凱旋門賞 前哨戦としてどこ行くか

  • ヴェルメイユ賞※牝限
  • フォワ賞
  • ニエル賞
  • ギヨームドルナノ賞
  • プランスドランジュ賞
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